四万十(しまんと)の実りを詰め込んだ「シュトーレン(stollen/シュトレン)」-カゴノオト
1年かけて集めた四万十の旬の美味しさを、1本のシュトーレンと共に大切な人たちに贈りましょう
2024年11月下旬より準備が整い次第、順次発送開始
過ぎ去りつつある一年に想いを馳せて。
大切なひとたちへの贈り物に。
私自身に「お疲れ様!あともう少し!!」と労わりと応援を込めた贈り物に。
丁寧な手仕事と四万十の旬を詰め込んだ、年末だけのお楽しみ。
カゴノオト発「四万十の旬で作るシュトーレン」
カゴノオトは、タルトをはじめとする焼き菓子やシュトレンをとおして、四万十の四季の味覚溢れる実りや情緒豊かな暮らしを発信している工房です。
カゴノオトとは、籠(かご)の音(おと)。
カゴのように様々な使い方を生み出し、カタチにとらわれない面白い「オト」を響かせたいとつけられた名前です。
店主の前さんと小清水さんが四万十町に移り住んだのが、2011年の秋。土に触れ、ひとに触れ、四万十の豊かな実りと共に暮らす日々のなかで、2012年12月にカゴノオトが産声をあげました。
最初は実り豊かな四万十ならではのお料理をとおして、「すぐそこ」に作り手さんたちが暮らす四万十らしさを肌で、味覚で感じてもらえるようなカフェやイベントスペースとして、多くのひとたちに愛されていた場所でしたが、彼らがつくる焼き菓子がじわじわと浸透し、話題にのぼるようになった頃、現在の「カゴノオト」が誕生しました。
移住当時から、身近にある様々な自然の恵みに五感をフル活動させていたお二人は、一瞬、一瞬と通り過ぎていく四季の恵みを、そのまま終わらせるのは余りにも寂しいと、様々な方法で手元に季節を留めてきました。
洗い、刻み、皮を剥き。煮たり、乾かしたり、瓶詰にしたり。収穫したての生の香りや触感を存分に味わいながら、生とは違った美味しさを引き出しながら、季節を重ねてふと振り返ると、そこには四万十の自然からもらった宝の山。
作り手を知り、自然を知り、四万十を知り、自分たちを知り。その時々の人々との交流や、風景、味、香り、音、心の動き・・・。
「四万十」に触れあった記憶や想いと共に、手仕事で積み上げた味覚の宝ものたちを更に磨きあげ、詰め込んだのが「1年かけた四万十の旬で作るシュトーレン」です。
四万十の四季~12か月の恵みたち
四万十ではたくさんの果物、野菜が育ちます。
その時々の実りを収穫し、煮たり、干したり。ぎゅっと旨みを凝縮させて、ラム酒に漬け込んだフルーツたちは、もうそれだけでも十分にキラキラと輝く宝物!かみしめるとじわっと沸きあがる旨みに、「しあわせ~」と声をあげてしまいます。
育てたひとたち、作り手さんたちと対話をしながら頂く素材たちは、まさに高知発!四万十にしかない恵みです。
- 春
- いちご、文旦、小夏
- 夏
- ブルーベリー、梅
- 秋
- しょうが、栗、すだち、ぶどう
- 冬
- ゆず、ほし芋、金柑
春の味覚~いちご
年中どこでも手に入るから季節感がすっかり薄れてしまったとはいえ、いちごはやっぱり春の味覚の代表です。カゴノオトのいちごもやっぱり、春のいちご。酸味と甘みのバランスが良く、口いっぱいにほおばってしまいたくなる見た目の美しさです。車で20分ほどの距離でいちごを栽培している武内亮さんから頂く旬の実りを、摘み取ってすぐ、まだいちごの肌がピンッ!と張って瑞々しいうちに粗糖で煮てからラム酒に漬け込み熟成させます。
春の味覚~小夏
小夏をご存じでしょうか?小夏は、温州みかんよりひとまわりほど大きく、鮮やかな黄色い皮の果実で、文旦シーズンが終わった夏のはじめ頃に出てくる高知の柑橘です。小夏は日向夏やニューサマーオレンジと同じと云われることが多いようですが、地元の方に云わせると「味が全然違う!」のだとか。甘くて、すっぱくて、爽やかな味わいが初夏にぴったりの高知を代表する柑橘ですが、旬がとても短いのもまた小夏。美味しさをお届けできるよう、旬を狙って仕込みをしています。
夏の味覚~梅
梅の旬は初夏。カゴノオトの裏側から、ほんのりと梅の香りが漂ってくる頃に、梅の仕込みが始まります。梅干しを漬け込む梅と同じく熟したものを摘み取って、丁寧に手で摘み取ります。梅農家さんのように摘み取りやすいよう剪定して育てた樹ではないから、実を結ぶのはやすやすとは手が届かない高さの枝ばかり。狙いを定めてはしごをかけて、ひとつずつ実を摘み取ります。(夢中になれば怖さも忘れてしまうとはいうものの、肝の冷える高さではあるようです。)
摘み取った梅の実を洗ったら、次は仕込み。粗糖と梅を交互に重ねて瓶に詰め、出来上がった梅のコンフィを今度はラム酒に漬けて熟成させます。
秋の味覚~しょうが
高知県が全国で一番の生産量を誇る農産物が、しょうがです。カゴノオトは「桐島畑」のしょうがを収穫して洗って、一気に煮たあと急速冷却したらラム酒に漬けて寝かせています。
「桐島畑」は、高知県四万十川の中流域で露地栽培している農家です。旬の野菜を、四万十川の清流と美しい緑豊かな自然をあるがままに次の世代に引き渡せるよう、農薬や化学肥料もつかわずに、自然に、野菜に寄り添った、自然の力を引き出して年間80品種以上の野菜を育てています。カゴノオトのお二人が高知に移住してくるきっかけのひとつでもあった「桐島畑」さんは、移住してきた当初はお二人の職場でもあったようです。自分たちもよく知るひとたち、畑からの恵みを、更に手をかけ多くの方にお届けするカゴノオトだから出来る四万十の旬の味のひとつです。
冬の味覚~ゆず
ゆずの樹は、カゴノオトの裏庭にもあります。裏庭のゆずは、実が熟してくると、緑の葉っぱの中から黄色く顔をだしてきます。
これを高枝切りばさみで、ひとつずつ集めます。収穫したゆずは、渋皮もすべてついた丸ごとのまま輪切りにして、粗糖に漬けたらそのまま半年以上じっくり寝かします。ゆずの果肉も皮もおいしそうに漬かった頃に、もうひと仕事。ゆずに沢山ついた種を手作業で取り除いていきます。ゆずは実が小さいのに、とにかく種が多い!一切れずつ丁寧に、果肉を崩さないよう種を取り除いたら、次はラム酒をたっぷり注いでシュトーレンの仕込み時期まで寝かせます。
冬の味覚~ほし芋
四万十のほし芋は、ただのほしいもではありません。「ひがしやま」と呼ばれる、高知ならではの伝統的なお菓子です。四万十では冬になると、あちこちで目に留まるのがひがしやまづくり。秋に収穫したお芋を寝かせて甘さがのった正月明けの寒い時期に「煮た」あと、田んぼの隅や庭でお芋が干されています。
カゴノオトのシュトーレンには、予約であっという間になくなってしまうという名人がつくる「ひがしやま」が入っています。作り手はこれもまた、カゴノオトのすぐ近くの作り手さんで歩いてご訪問できるようなご近所さんなのだとか。出来上がったひがしやまには、もうひと工夫。瓶に詰めラム酒をたっぷり注いだら、時間をかけて熟成させながらシュトレーンの時期を待ちます。
シュトレン(シュトーレン)とは?
シュトレン(Stollen)は、アーモンドなどのナッツやオレンジピール、レーズンなどのドライフルーツ、蜜漬けフルーツなどを入れて焼いたパンを、粉糖やアイシングでコーティングしたものです。
そのなかでも特に、ドイツでクリスマスを祝う伝統的なお菓子がヴァイナハツシュトレン(Weihnachtsstollen)。
最近になって日本でもしられるようになってきた「シュトーレン」にあたります。
ドイツ語で「坑道」を意味するシュトレン。
粉砂糖で真っ白にお化粧したシュトレンは、白いおくるみに包まれた幼子をイメージしているともいわれます。
日本で頂く小ぶりなシュトレンを見ても、ピンとこないかもしれませんが、本場のシュトレンは往々にして重さ2キロ程度の巨大なカタマリ。両腕で抱えるようにして抱える姿には、なるほどおくるみに包まれた赤子だなあと納得頂けるのではないでしょうか。
クリスマスを迎えるまでの期間をアドベントとよびます。
到来を意味するアドベントは、12月25日のクリスマスに向けてのおよそ4週間を指し、一年で最も大切にされる歳時のひとつです。ドイツでアドベントに欠かせないアイテムのひとつがシュトレンで、薄く切ったシュトレンを頂きながらクリスマスを迎えます。
クリスマスは、イエス・キリストの生誕日。神の子メシアを迎え入れる準備期間として、アドベントはかつては断食と質素、禁欲で身を清める期間とされていました。肉食やアルコールの摂取、ミルクやバターの使用などを禁止されていたといいますが。。。1491年、当時のローマ法王 インノケンティウス8世により、バターの使用が解禁されるまでは、実に素朴なお菓子だったシュトレンも、この「バター書簡」によって現在のシュトレンに近いバターや砂糖を贅沢に使ったお祝いのお菓子に変わりました。
洋酒に漬け込んだフルーツや、たっぷり染み込ませたバター、分厚くコーティングされた砂糖。焼き上げてから時間がたてばその分、熟成して風味が変わります。変化する味わいもまた本場ドイツのシュトレンの特徴のひとつで、このバターや砂糖、洋酒が保存を助ける役割も担っているのだとか。真ん中から半分に切ってから頂く分だけ薄くスライスして、残りは切断面をぴったりあわせてくるんでおくと、乾燥や痛みが防げるといわれています。
どちらがほんと?~シュトレン vs シュトーレン
日本ではシュトーレンが定着していますが、ドイツ語で発音するならシュトレンです。「本場の正しさ」を追求するならきっとシュトレンになるのでしょうが、ドイツ語を母語に持たない日本人が発音しても、きっと「違うもの」になるのではないかと想像します。
そもそも日本にやってきてから、作り方も、素材も、配合も、土地のひとたちの口に合うように変化し続けているので、カゴノオトが作るのは「シュトーレン」。
だって前さんと小清水さんが初めて出会い、つくってみたいと思わせたのが、街の小さなお菓子屋さんでつくられていた「シュトーレン」なのですから、お二人の手が生み出すドイツが故郷の焼き菓子も、この呼び方が一番しっくりとなじみます。