プレマシャンティからの贈り物「山のハム工房ゴーバル 詰め合わせセット」
ギフトにも最適です。プレマシャンティオリジナル商品紹介カードを添えてお届けします。
プレマシャンティは、繋がりのなかで生まれます。
それは人であったり、自然であったり、商品であったりします。
ご紹介頂いたご縁を辿って各地を旅するうちに、その土地だからこその出会いもあります。
その土地でしか、その時期にしか出会えない味。
皆さんにご紹介したいけれど、生ものであったり、作る量が限られていたりと、私たちがお預かりするには難しい商品も決して少なくありません。
また作り手を身近に感じて初めて、より深い味わいが生まれる商品もあります。
プレマシャンティの開発チームが、各地を巡り、作り手の目を見て、言葉を交わして惚れ込んだ数々を、桜のカードを添えてお届けします。
山のハム工房ゴーバルさんを訪ねました
(この仕事を)30何年かやっているけど、確実に美味しくなってます。でも、なんでだかはわかんないんですよね。
と、くすぐったそうに笑うのは、すっすーこと桝本進さん。山のハム工房ゴーバルの創設メンバーであり、ゴーバルが誇る職人です。
敢えて云うなら、人とのつながりで、色々なものが少しずつ変わっていくのが、積み重なっておいしくなっているのかな。昔は褒められると『俺すごいかも!』って、思ったりもしましたけど、年を経るにつれてそれはなんか違うなって。
山のハム工房ゴーバルは、
岐阜県旧串原村にあるハム屋さんです。
山形にある独立学園を卒業した石原さんや桝本さん達4人のメンバーが、共同生活を始めるためにこの地に入ったのは、1980年のことです。
土を愛し、人を愛し、神を愛するという「三愛精神」を持って入植した旧串原村は、冬は雪が降り、夏は涼しく、山々の谷間にひっそりと拓けた養豚業の多い場所でした。野菜を育て、家畜を育て、暮らしを成り立たせる中で、ご縁を得たのが豚を飼い、加工するという仕事です。
入植して間もなく始めた「燻製」技術を生かし、串原食肉加工組合ゴーバルが誕生しました。以来、山のハム工房ゴーバルは、山林の中に拓けた土地の一角に、工房を構え、豚舎を構え、豚を育て、育てた豚をハムやソーセージに加工しています。
バジルを入れてみたり、玉ねぎを入れてみたり、スパイスを入れてみたり。ゴーバルの工房からは、同じ一頭の「豚」がこれほど変わるかというくらい、多くの種類のソーセージやハムが生まれています。時には、ご近所で縁の深い名古屋愛農会から運ばれてくる鶏肉も加工しています。
今でこそ「豚を育て、加工する」ハム屋さんというイメージが定着したゴーバルですが、彼らも、最初は自分たちで豚を育てていた訳ではないといいます。
養豚家が複数暮らし、作業の共同化を図って大きな豚舎ができたものの、進む高齢化には逆らえず、次々と廃業されていくなか、豚を育てる決心をしたのが、石原さんの息子さんで、ゴーバルで育った石原弦さんでした。
はじめから農業の技術を専門的に学んだわけでもなく、畜産の知識があったわけでもない彼が、「養豚」という命を預かる仕事に踏み出すには、大きな決断が必要だっただろうと容易に想像がつきます。
けれどその弦さんの決断は、至極簡素な一言に集約されるのみです。曰く、「彼がさ、『豚、飼うよ』と云ったんですよね」と。
動物の中でも特に「綺麗好き」で知られる豚は、 環境が悪いとストレスがたまり健康を損ねます。
そこで登場するのが、抗生物質やホルモン剤などの「健康を維持する」ための薬剤です。つまり、彼らの健康を損ねる原因が軽減できれば、豚そのものが健康であれば、必要とされないものたちです。
健康を維持するには、健康が維持できる食が必要なのは、人間も豚も同じです。そして環境を損ねれば、病気になるのも、また同じです。
弦さんの農場の食事は、肥育期には遺伝子組み換えでない植物性の素材を自家配合し、踏み込み式豚舎(発酵式豚舎ともいう)と呼ばれる発酵床を活用した豚舎で育てています。
豚の飼育期間である約25週間のうち7週間は、飼料の配合を考え、豚の調子をみながら毎日淡々と数百頭の命を預かる石原弦さんの仕事が、ある意味、ゴーバルとそこで暮らす人々の暮らしを支えていると云えるかもしれません。
うちでは、もちろん化学合成された食品添加物は使ってません。
食べきれない生肉を、どうやって保存するかを考えて出来上がった「肉の保存食」が、ハムやソーセージです。
ソーセージやハムは、みずみずしく肉汁の残るような食感が好まれがちです。「食感を良くする」、つまり、多くの消費者に好まれるよう水分の含有量を調整しますが、水分を増やすと腐敗しやすくなります。水分を増やし、塩分を減らし、かつ保存性を高めるためには、またスピーディーに大量に製造し続けるには、必然的に保存料などの化学合成添加物の力が必要になってきます。
あまり強調されませんが、ハムやソーセージには、燻製や塩漬けといった先人の知恵が深く関わっています。 これらは、どれも長期保存に適した「水分量」にするための先人が考え出した技術だともいえます。そして同時に、丁寧にやろうとすればその分、時間もかかります。
これらは、どれも長期保存に適した「水分量」にするための先人の知恵だともいえます。そして同時に、丁寧にやろうとすればその分、時間もかかります。水分を増やし、塩分を減らし、かつ保存性を高めるためには、またスピーディーに大量に製造し続けるには、必然的に保存料などの化学合成添加物の力が必要になってきます。
山のハム工房ゴーバルから生まれる「生ハム」は、塩をまぶした肉を三ヶ月寝かせ、肉のもつ乳酸菌が、自然に内側から熟成させていくのをじっくりと待ちます。ソーセージなどの燻製も、じっくりと時間をかけています。
うちでは炭と桜の薪をつかう原始的な方法で
燻製(スモーク)にします
燻製はやっているうちに、結局はどんどん単純に、原始的になってきたんだよね、、と桝本進さんが、続けます。
ハムは、中心の温度が70度になるまで加熱するんです。燻煙室では120度くらいで、5時間かけてようやく内側が70度になる。炭を使うと、肉には一番ダメージがないままで、内側まで温度があげられます。
大切なのは、いい炭を使うこと。故郷の山形から炭を取り寄せて、使っています。
そしてゴーバルでは、今でも定期的に残留放射線測定を行っています。
ハムソーセージってよくギフトに使われるじゃないですか。大切な人に贈るものだから、ただ作っていたんではだめだと思うんです。人との繋がりとか、生き方とか、どうやったら一緒に中に込められるかなって思うんです。最近になって若い人たちが入ってきて(ゴーバルも)大きくなりつつあるけど、でも、僕たちの製品は無制限にできるわけじゃない。だから誰に食べてもらうか、買っていただくのかまで、考えていかないとって思います。