プレマシャンティ®からの贈り物 エッセンシャルオイル「赤丸薄荷」
北海道で化学合成された農業資材を一切使用していない圃場で栽培された和種薄荷を使用
プレマシャンティ®は、繋がりのなかで生まれます。
それは人であったり、自然であったり、商品であったりします。
ご紹介頂いたご縁を辿って各地を旅するうちに、その土地だからこその出会いもあります。
その土地でしか、その時期にしか出会えない味。
皆さんにご紹介したいけれど、生ものであったり、作る量が限られていたりと、私たちがお預かりするには難しい商品も決して少なくありません。
また作り手を身近に感じて初めて、より深い味わいが生まれる商品もあります。
プレマシャンティ®の開拓チームが、各地を巡り、作り手の目を見て、言葉を交わして惚れ込んだ数々を、桜のカードを添えてお届けします。
すーっと爽やか、でも違う!「赤丸薄荷」との遭遇
皆さま、「薄荷」をご存じでしょうか?現代の私たちの暮らしには、「薄荷」よりもハーブとしての「ミント」という呼び名の方がしっくりくるかもしれません。夏の入浴剤はもちろん、防虫剤や芳香剤、ヘアトニック、歯磨き粉、ガム、キャンディ、ハーブティ、カクテルに至るまで、ありとあらゆるところに「ミント」が溢れています。「ミント」は、ユーラシア大陸原産のシソ科ハッカ族の総称で、スペアミントやペパーミント、アップルミント、パナップルミント、ウオーターミント、モロッコミント・・・と、「ミント」とつく植物が、一説では600種以上あると云われます。共通点は、爽快感と冷涼感。程度の差はあるものの、「ハッカ属」の植物は「メントール」と呼ばれる成分を含んでいます。私たちの暮らしにすっかり浸透しているミントですが、意外と知られていないのが日本名の「薄荷(はっか)」。
北海道土産として「ハッカ」が知名度を高めつつある昨今、薄荷(はっか)=ハッカ=ミント だと認識されている方も増えているかもしれません。それでも日本がかつて、世界の市場の7割を占めるほどの「メントール」の生産国であったという事実は、あまり知られていないのではないでしょうか。。
日本薄荷(和種薄荷)と「洋種」のミント
戦前、日本は「「ハッカ脳(l-メントール)」」の世界市場を一手に引き受けていました。最大の生産地は、北海道。この躍進を支えたのが、「日本薄荷(和種薄荷)」と呼ばれる在来種(※1)たちです。和種薄荷は、主成分であるl-メントール(エル-メントール)を65~85%含有し、この成分が結晶化してハッカ脳になります。
(※1)ここでは、洋種の薄荷との対比で在来種という呼び方をしています。薄荷自体は中国大陸からの渡来説が有力で、「在来」と呼ばれる和種薄荷は、江戸時代には日本で栽培されていたとされるものです。
スペアミントに代表される「洋種」のミントは、エル-メントールを40%程度しか含まない代わりに、香りの成分であるメントフランを多く含むという違いがあります(和種薄荷は、メントフランをほどんど含まないとされます)。北海道在来の「姫ハッカ」の栽培から始まった日本の薄荷産業も、より多くの「ハッカ脳」を含む「赤丸(あかまる)」や「北進(ほくしん)」が品種決定(※2)され、更に効率よくハッカ脳を集めるために交配・改良された「まんよう」や「わせなみ」、「ほくと」などが次々と生まれました。
(※2)原種や在来種と呼ばれる植物は、学名が同じであっても、栽培地や環境によって大きなばらつきがあります。非常に簡単に説明すると、品種決定とは、在来種や原種のなかで、もっとも特徴(目的)に即した株を選び抜き、命名・認定する作業です。ひとが欲しい「特徴」をより濃く示す株を選び抜く作業ですから、人の「目的」によってえらばれるものですが、「目的」にあわせて品種を掛け合わせる交配とは過程が異なります。「赤丸薄荷」は、似たような性質をもつ在来種の薄荷を比較検証して株を選んだ「日本の在来種」です。
日本と云えば、薄荷。
ハッカと云えば、北海道。
かつては世界のハッカ脳市場を一手に引き受け、7割 時には 9割と云われるほどの供給力を誇っていた日本の、北海道の「ハッカ脳」生産の躍進力となった和種薄荷たちも、ブラジルなどで生産される安価なメントールの普及と、合成メントールの台頭により、栽培が激減。「赤丸薄荷」もすっかり忘れられた存在でしたが、とある偶然から、野生化した「赤丸」が滝上町で発見されました。以来、北海道紋別郡滝上町(たきのうえちょう)で、70年以上の時を超えて赤丸薄荷が栽培されています。化学合成された農業資材は一切使用していない圃場で、すこしずつ、すこしずつ株を増やし、2015年に初のエッセンシャルオイルが、そして今年ようやく20キロ近いオイルが取れました。
香りは透明。ミントのような「つーん」とした香りの代わりに、どこまでも続く清涼感が特徴です。数年前に初めて手にした「赤丸薄荷」と、今年の「赤丸薄荷」は若干香りに違いがありますが、それでもずっとそばにいたくなる柔らかな清涼感は変わりません。スプレーにして、疲れたときの気分転換に。旅の多い私、プレマシャンティ®開発チーム 横山は、いつも2本のエッセンシャルオイルを持ち歩いています。1本は、ラベンダー。もう一本は、この赤丸薄荷。疲れたな、身体が重いな、調子が悪いなと身体がSOSを発した時には、赤丸薄荷が大活躍です。