プレマシャンティ 極・中川信男の「手前みそ」杉樽仕込み
自然天然に近い素材と伝統製法を受け継ぐ「マルカワみそ」とのコラボレーション
日本人のための貴重な発酵食品です。
ホンモノの味噌を見つけました!
各家庭において、手作り味噌を
仕込んでいるご家庭も多いでしょう。
大豆と米や麦などの麹、塩だけの原料ですが
各家庭によって、少しずつ味が変わります。
中川信男が自らの名前を入れて販売するにあたり、
絶対に外せないのが、自然栽培や自然農法の原料と
杉樽で仕込んだ天然醸造みそ。
100年以上続く味噌蔵で育てた「中川信男の手前みそ」は
何年も作り続ける自慢のお味噌です。
自然醸造!こだわりの固まりの味噌
「天然醸造みそは、自然が育んだ昔ながらの製法と味……、それだけです。」
マルカワみそ株式会社の創業は、大正3年(1914年)12月に河崎宏さんの曾祖父が、近在の味噌麹(こうじ)醸造業を譲り受けたことから始まりました。当時は、自家醸造用味噌麹の販売が主でした。自家採取している蔵付き麹を使った味噌は、天然蔵で味噌を作られているところでも、あまりありません。
天然醸造味噌の作り方として、大豆を煮て潰し、米(麦)をコウジカビを繁殖させ麹にして、塩と混ぜ合わせて容器に保管します。これを約1年間ほど、人為的な加熱をしないで寝かせて作るお味噌です。
農薬不使用の大豆
米麹(麦麹)
自然塩
↓ ↓ ↓
天然醸造マルカワみそ
- 時間がかかる、価格は高め
- 生産量は限られる
- 酵母・乳酸菌が生きている
- 原料も厳選されている物が多い
- 香り・コク・旨味がある
大手みそ工場が作る速醸みそ
速醸とは早く醸造させるために、仕込んだ味噌を加温できる部屋におき、強制的に発酵させるやり方で、約3ヶ月でできる製法。分かりやすく言うとハウス栽培のようなものです。
1950年の食糧不足、食糧増産体制の時にこの加温する方法は大活躍しました。本来であれば味噌を1年寝かさなければいけないのに、3ヶ月でできあがるので原料さえ確保できたら、生産量が約4倍になります。
しかし、味噌本来の味や香りが乏しいこともしばしばあるようです。そのため、旨味を加える添加物を加えることがあります。
- 時間がかかる、価格は高め
- 生産量は限られる
- 酵母・乳酸菌が生きている
- 原料も厳選されている物が多い
- 香り・コク・旨味がある
マルカワみその味噌造り
福井県武生市は、日本のほぼ真ん中で日本海岸のため雪も降り、夏も暑く、四季の移ろいがはっきりしており、味噌作りに向いている土地柄です。
「限りなく、自然・天然に近い素材と製法を用いた味噌造りを」
このポリシーを貫くマルカワみそは、農薬不使用の大豆、自然塩を原料に、季節のリズムにしたがった製法で、こだわりの固まりの味噌を世に送り続けています。
自然食品業界のみならず、料理界からも本物の味噌として評価が高まり、『買ってはいけない2』(週刊金曜日)では三好基晴氏がおすすめ食品として、また若杉ばあちゃん(若杉友子氏)の書籍にもマルカワの味噌が度々紹介されています。
河崎宏さんのみそ人生ストーリー
「早く発酵させた味噌は、ビニールハウスのトマトと同じです。味噌は急ブレーキも、急発進も効きません」
「なぜ天然醸造で味噌を仕込むか?天然醸造で仕込んだ味噌のほうが美味しいからです」
みそは世界の食品となった
味噌は、シンプルな食品だ。大豆、塩、米(麦)麹を混ぜ、あとはただひたすら保存して発酵を待つだけ、ひと昔前はどこの家庭でも自家製の味噌があった。
その味噌が、世界で認められ始めている。味噌に含まれるジピコリン酸という物質が、高い有用性があるといわれ、1986年のチェルノブイリ原発事故以降、ヨーロッパ諸国への輸出が急増していた。また、発酵食品の健康効果も見直され、日本の伝統食にして純植物性の味噌が、欧米では、一般の食品店にも「MISO」として販売されるようになった。
私たちが福井県武生市・マルカワみそを訪ねたのは、2003年2月、仕込みの一番忙しい時期だった。大豆、米、塩といった原料の袋があちこちに山積みされていた。
「うちの蔵は、ぜんぶ見てもらえますから。写真もご自由にお撮りください」
マルカワみそ・店主の河崎宏さんは、ていねいな口調で、こう言った。隠さなくてはならないものは何もない、というその製法に対する自信の表れのようにも聞こえた。
味噌造り一筋
麹(こうじ)の解説をする河崎さん
河崎さんは、味噌造り一筋の人だった。
1954年に生まれ、幼い頃から、祖父や父が味噌を造る仕事ぶりを見て育った。地元の福井県立武生高校を卒業後、東京農業大学醸造学科で学び、家業を継いだ。ちょうどその頃は、味噌の生産量を上げる技術が出回り始めた時代でもあった。外国産の安い原料も手に入るようになっていた。
そもそも、味噌作りは、場所とお金と時間がかかる仕事といえる。「味噌は急ブレーキも、急発進も効きません」と河崎さんが言うとおり、今仕込んだ味噌ができあがるのは、一年近く先なのである。年に一度しか収入を得る機会がないのだ。
しかし、熱をかけるなど、早く発酵させる方法を用いれば、生産量も収入も増やすことは簡単になっていた。米でいえば二毛作、三毛作のようなことが可能になるのだ。ところが、河崎さんの味噌蔵では、主流になりつつあるその技術は使わなかった。
ある日、河崎さんは父親に尋ねたという。「おやじ、なぜうちは天然でやっているんだ?」すると、河崎さんの父親は一言、「その方が、うまいからだ」と言ったという。
「自然な味噌造り。限りなく、自然天然に近い素材と製法を用いて。それが一番おいしい」これが、マルカワみそのゆるぎない基本になった。現在でも、創業当時のやり方をほとんど変えていない。
普通の味噌とのちがい
「早く発酵させた味噌は、ビニールハウスのトマトと同じですね」
温室で作ったトマトは、冬でも食べることができるが、香りも味も旬のトマトにはけっしてかなわない。既存の味噌の多くは、熱を加えるなどして理論上は発酵され、味噌らしい味噌として数ヶ月ほどで出荷されていく。
だが、肝心の味は、けっして納得できるものではなかった。速醸させた味噌も、温室のトマトと同じだと河崎さんは言う。
「人間は、自然の力には勝てません。だから、自然にしたがって味噌を造るだけです」
昔から「味噌は寒仕込みが一番うまい」と言われている。冬の一番寒い時期に仕込み、ゆっくりと寝かせながら、夏の暑い時期に発酵のピークを迎え、一年近くたって蔵を出ていく、というものだ。自然のサイクルにしたがって成長させることこそ、もっとも理想的な発酵法だと河崎さんは考えている。
たしかに、味噌とは、発酵微生物の力で造り上げられる「生き物」といってもいい。微生物のような単純な生命体は、極端なほど環境に敏感で、生息しやすい場では無限に増殖し、逆に適さないところでは菌が自滅していく。
人間と同じように、いや人間以上に生きる「場」が大切なのだ。
菌(発酵微生物)にとっては、季節のリズムにそった自然のサイクルこそベストであることを、河崎さん親子は百年近い経験の中で体得してきたのだ。この当たり前の製法が、味噌にとってどれだけ大切なことか、このみそを味わえば、舌が教えてくれることだろう。
既存の味噌には満足しない
活性炭を埋め、磁場を改良。
土地の地場改良法とは?
マルカワみそは、昔ながらのやり方を貫く一方で、既存の味噌には満足しないチャレンジ精神も合わせもつ。販売店や自然食品店と共同プロジェクトで、原料選びから醸造方法まで検討を重ね、新製品の開発を進めている。
また、味噌は長い期間寝かせるものだけあって、その場所にもこだわりを見せる。 昭和61年、知人に勧められ、味噌蔵周辺に2トンの活性炭を埋め、磁場の改良を行った。初めこそ半信半疑だったものの、炭を埋めてから、庭の枯れかけていたチンチョウゲの木が再び伸び始めたり、害虫がいなくなったりと、明らかな変化が表れてきた。
その後工場の増築に伴って、住宅・工場ともさらに2トンの活性炭を埋めると、物持ちが良くなり始めた。二坪のプレハブ冷蔵庫は、17年間一度も故障しなかったし、配達用のライトバンも、10年ほど調子よく走り続けてくれた。
「人が心地よい環境は、味噌にもいいにちがいない」
さらに河崎さんは、味噌樽にスピーカーを仕込み、バロック音楽を聞かせて発酵させた「ビバルディ」という味噌のブランドもつくった。常に味噌にとってのベストを考えている、河崎さんらしい発想だった。
おいしい味噌は、冷めたみそ汁でわかる
味噌樽に付けたスピーカー
味噌蔵を見学しながら、改めて河崎さんに尋ねた。
「マルカワみそは、どういう食べ方が一番おいしいですか?」
河崎さんはただ、「おいしさは、あくまで主観の問題ですから」と。
しかし、最後にこう話してくれた。
「味噌の味は、冷めたみそ汁を飲んでみればよくわかりますよ。おいしい味噌は、冷めてもうまいんです」
味噌蔵の二階では、巨大な圧力なべで大豆が煮込まれ、混ぜ合わされた原料が味噌樽に仕込まれていた。この味噌たちが蔵をでて私たちの家庭へと届くのは、一年も先のことだ。
天然醸造マルカワみそ訪問記
マルカワみそ店主・河崎宏さんとともに
(写真左からプレマ株式会社代表 中川信男、マルカワみそ店主・河崎宏さん)
味噌樽のスケールにおどろく中川。
2003年2月、福井県武生市のマルカワ味噌を訪問し、仕込みの忙しい時期にもかかわらず、製造現場から味噌蔵まですみずみ案内していただきました。
味噌蔵に一歩踏み入れるなり、思わず、「うわ~!」と声をあげてしまったほど、香ばしいにおい、麹(こうじ)のうまみの香りが充満していました。
1.みそ樽
大人の身長よりもはるかに大きい巨大な樽です。長年、味噌を蓄え続けたほこりと重みがただよっています。
2.大豆を煮る
巨大な圧力なべで、大豆を煮ています。大豆はこまかくすりつぶされる。
3.麹(こうじ)
マルカワみそで使われる米麹です。麹(こうじ)は、麹菌を穀類に生やし、酵素を分泌させたもので、みそをはじめ、日本酒、焼酎、醤油など発酵食品には欠かせません。煮た大豆も次の行程へ
4.原料をまぜる
ミンチにした大豆と、麹(こうじ)、塩を混ぜてみそがつくられていきます。コンピューターで塩分を計算。
5.発酵させる
約1年間、マルカワみその味噌蔵でしっかり保管・発酵されます。これら樽の中では、無数の微生物が味噌を作り上げるのです。マルカワみそは海外の自然食品店にも出荷されている。
木桶で仕込んだ天然醸造にはかないません
最近は手作り味噌ブームのようですね。各地で味噌教室なども開かれ、私も以前教わってから味噌を仕込んでいます。その時に手に入る大豆と塩、購入した米麹。そして、プラスチックの漬物容器で熟成させるので、発酵の頼みは米麹のみ。こだわりといえば「腐らせずに作ること」くらいで、人様にお出しできるものではありませんが、これでも「立派な我が家の手前味噌」であり、それなりにおいしいと思っています。
「中川信男の手前みそ」はそんな我が家の手前味噌のおいしさをはるかに超えるもの。産地は違えど大豆・麹・塩という原材料は同じであるはずなのに、味噌に甘味や旨味を感じるのです。出汁を使わなくてもまろやかで、味噌だけの味噌汁も十分においしい。そして味はもちろんのこと味噌の力強さや、身体に与える影響は何倍も上に感じます。我が家の味噌に比べて、蔵や木桶に棲みつく麹菌たちが、いい働きをしているのが分かります。
味噌は本来1年程の熟成期間を経てできますが、木桶の中にいれば10年でも腐らず熟成が進みます。味噌が生きているから成長(熟成)し、長く木桶にいるほど奥深く成長していくさまが感じられます。これこそ子どもの成長を見守る親の気持ちですね。「中川信男の手前みそ」も数年かけて少しずつパック詰めされ販売していきます。まさに、かわいがってきた我が娘をお嫁に出すような心境。長いもので約5年熟成の味噌が出る時もあります。
長ければ長いほど木桶の中で熟成した味噌は、食べる人の役に立つ味噌になります。このような長期熟成の味噌は食養として使われることもありますが、○○によい健康食品や栄養剤などを日々摂るよりも、天然醸造の長期熟成味噌を毎日食べる方が、栄養学的な数値以上の何かが加わり何事にも負けない体作りになるのではないでしょうか。
1日の仕事を終えてくつろぎたい時、また体調が気になる時こそ、「中川信男の手前みそ」をお椀に入れてお湯を注ぐだけ。これ以上の栄養ドリンクはいりません。