プレマシャンティからの贈り物【SLOW COFFEE デカフェ・カフェオレベースセット】
プレマシャンティとSLOW COFFEE(スローコーヒー)のスペシャルコラボセット・ギフトにも最適です。
プレマシャンティは、繋がりのなかで生まれます。
それは人であったり、自然であったり、商品であったりします。
ご紹介頂いたご縁を辿って各地を旅するうちに、その土地だからこその出会いもあります。
その土地でしか、その時期にしか出会えない味。
皆さんにご紹介したいけれど、生ものであったり、作る量が限られていたりと、私たちがお預かりするには難しい商品も決して少なくありません。
また作り手を身近に感じて初めて、より深い味わいが生まれる商品もあります。
プレマシャンティの開拓チームが、各地を巡り、作り手の目を見て、言葉を交わして惚れ込んだ数々を、桜のカードを添えてお届けします。
「サードウェーブ・コーヒー」をご存知ですか?
20世紀後半から、コーヒーもワインと変わらない嗜好品として育ち、産地・農園(生産者)・農園の区画・品種と、細かく区分された「テイスティング」が可能になりつつあります。これが「サードウェーブ・コーヒー」と呼ばれる、北米コーヒー市場の新しい動向です。1970年代以降の味や抽出方法を重視した「セカンドウェーブ」の動きを受け、次のステージとして始まった「サードウェーブ」。2010年代にはいって、北米から、またヨーロッパからいくつもの「カフェ」が上陸し、「サードウェーブ」という言葉が紙面を賑わせたのを、覚えている方もいらっしゃるかもしれません。産地の単位が、国から行政区になり、山になり、精製所になり、農園や人になり、農園の一区画になり、「生産者の顔が見える」「生育地が見える」ようになった生豆を仕入れ、生豆の状態やその日の天候と向き合って焙煎をし、挽いた豆がその場で抽出され提供される一杯のコーヒー。下手をすると1時間以上にもなる待ち時間を苦にもしないひとたちが、開店から閉店まで長蛇の列をつくっていました。
「昭和の喫茶店」の味。
北米からやってきた新旋風のように受け止められたサードウェーブ・コーヒーですが、実は、一部の日本人にとっては、非常に馴染み深い「コーヒー」であり、考え方でもありました。「上質な豆」を「日本で焙煎」し、「その場で抽出」して提供する、つまり「昭和の喫茶店」の味。ヨーロッパからの伝播が起源とされる日本のコーヒー文化は、炭火での焙煎にはじまって、サイフォンやドリップという、日本固有の焙煎方法や抽出器具を発達させただけでなく、抽出した液状のコーヒーを真空乾燥したインスタントコーヒーの開発にもつながりました。昭和の初めから、場合によってはもっと以前から、日本には、生豆を仕入れ、自店で焙煎し、提供している喫茶店も決して少なくはありません。自分たちが美味しいと思うものを、美味しいと信じる味で提供する。これがサードウェーブ以前から、日本に根付いていたコーヒーのたしなみ方の流儀のひとつともいえます。
この流儀を土台に、新たな「コーヒー文化」構築の一端を担おうとしている会社があります。
Slow Coffee(有限会社スロー)
21世紀の幕開けを間近に控えた2000年7月に産声をあげたコーヒー会社、「Slow Coffee(有限会社スロー)」です。
同じ地球上で共に生きる仲間への敬意
ひたすらに品質と味を追求してコーヒーの生豆を仕入れる専門商社が多い中、彼らは品質と味に加え、「同じ地球上で共に生きる仲間への敬意」を行動で示すにはどうしたらいいのかを考えています。この彼らの考え方は、スローコーヒーで扱う生豆は、「人の手と土・自然の力を活かし栽培された良質なコーヒー豆を、その労力に相応しい対価で仕入れたもの」に限定し、「自分たちの手で選別し、焙煎してお届けする」という行動と約束になって示されています。コーヒー豆を栽培している農家の過酷な労働環境と、コーヒー農園拡大に伴う乱開発と自然の荒廃、更には農産物の極端に安価な取引という現実を知った創設メンバーたちが、変化は自分の一歩からはじまるのだと選んだコーヒーという世界。Slow Coffeeは創立以来、日々ただ淡々と、自然環境にも働き手にも過酷なコーヒー豆の市場に飛び込んで、彼らにとっての「当たり前」を続けてきました。
太陽光発電
そして2016年に加わったもうひとつの「当たり前」。それは、太陽光発電。
自社にソーラーパネルを設置し、焙煎機の動力としてつかうというこの一大プロジェクトは、2011年3月11日に発生した東日本大震災をきっかけにはじまったものでした。「原発に頼らないで焙煎をしたい」という有限会社スローの想いに共感した多くのひと達からの応援を受け、クラウドファンディングで集まった資金をもとに、太陽光発電による焙煎が実現しました。電気やガスなどのエネルギーをできるだけ使わず、地球と一緒に、同じ地球を住まう人たちと一緒に暮らし続ける生き方を実践しようと、「社会貢献と生き方と仕事」を結びつけた彼らの軸は、対等な取引をするフェアトレードに、環境と人に負荷の少ない有機栽培。そして、自然の力を動力とした独自の焙煎。太陽と土に育てられたコーヒー豆が、太陽のエネルギーを動力に焙煎されるのです。
※ 残念ですが、現在は太陽光発電を動力にした焙煎はされていません。
ゼロから生豆の仕入や焙煎
とはいえ、企業時の彼らはコーヒー業界の経験は皆無。
客観的に考えると、味が全てともいえる「嗜好品」の世界で、全くの素人がゼロから生豆の仕入や焙煎をしようというのですから無謀以外のなにものでもありませんが、彼らは焙煎を学び、他の焙煎所を巡って舌を磨き、企業から3年間の年月を経た頃にようやく「本当に美味しい」と云える焙煎にたどり着きました。その後も日々焙煎技術を磨き続け、更にはカフェインレスタイプのコーヒー豆やドリップオンタイプなど、ひとりでも多くの方が「至福の一杯」が味わえるよう工夫を重ねています。夏はアイスで、冬はホットで、季節を問わないカフェオレベースも、その工夫のひとつです。
カフェオレ、カフェラッテ、カプチーノ、ミルクコーヒー。
それぞれの違いをご存知でしょうか?
コーヒー豆とミルクをつかうこのドリンクは、「使っている材料」だけで考えるなら何の違いもありません。違いといえば、コーヒーの抽出方法、ミルクの扱い、合わせる配合と合わせ方、そして「出身国」でしょうか。カフェラッテ、カプチーノはイタリアルーツで蒸気圧力抽出するエスプレッソがベース、カフェオレはフランス、ミルクコーヒーは日本ルーツで、共にお湯でドリップ抽出したコーヒーがベースです。とはいうものの、カフェが乱立する昨今は、どのドリンクもエスプレッソ抽出が増えているようです。
コミルクと合わせるコーヒーは、濃い目に入れるのがコツです。一般家庭でも使い勝手がいいドリップ抽出でいれるのなら、お湯の温度と豆の挽き目に注意してください。それから、使う豆の量とお湯のバランスにも。深めに焙煎した豆をつかって、旨みを引き出すようにじっくりと入れるだけの単純作業なので、とっても簡単そうで意外と繊細、工夫もいります。苦味と酸味、甘みがバランスよく抽出されてこないのです。市販のストレートタイプのアイスコーヒーでは、コーヒーの風味が弱かったり、香りが薄かったり、「丁度良い」組み合わせと配合がつかみにくいのです。
Slow Coffeeのカフェオレベース
Slow Coffeeのカフェオレベースは、コーヒー豆がもつ甘みと苦味と酸味のバランスが良く、濃度も香りも満足。豆乳やミルクにも負けない「エスプレッソ」のような味わいです。そしてもちろん、カフェインを極限まで除いたペルー産とメキシコ産の有機栽培豆を使っています。カフェインの除去にはいくつかの方法がありますが、ペルー産が水と二酸化炭素、メキシコ産が水のみを使用した方法で、それぞれ96%以上のカフェインを除去しています。さらに甘みを加えない「ブラックタイプ」のカフェオレベースだから、甘みの苦手な方にも、甘みが大好きな方にも、お好きな味付けをしてもらえるものです。
Slow Coffeeのコーヒー羊羹
ネルドリップで淹れたカフェインレスコーヒーで作ったコーヒー羊羹です。コーヒーの甘みや苦味、香りがうまく混ざり合った、ちょっと癖になる味。カフェオレベースと同じく、カフェインを極限まで除いたペルー産とメキシコ産の有機栽培豆を使っています。
ネルドリップとは、「フランネル」と呼ばれる起毛の柔らかな織物です。このフランネル製のフィルターでコーヒーを抽出する方法をネルドリップと呼びます。フィルタの種類によって、最適な挽き目の粗さや焙煎度合いがあるので一概には云えませんが、ペーパーフィルタで淹れるコーヒーがすっきりした味に仕上がるのに対して、どっしりと重く、舌触りが滑らかで、豆の特徴がよりはっきりとしたコーヒーに仕上がるといわれます。
Slow Coffeeをお供に、心と身体を解きほぐすひとときを。
「一杯のコーヒー」をとおして、彼らと共に「社会貢献と生き方と仕事」を結びつける一歩目を踏み出しませんか?
横山
私こと、プレマシャンティ開拓チーム横山は、無類のコーヒー好きです。
凝り性が高じて、自宅に設置した業務用の小型焙煎機たちで生豆から焙煎してしまうほどのコーヒー好きです。オキノさんのコーヒーも大好きですが、スローさんのコーヒーも好き。その日の気分によって、飲み分けています。2年ほど前にスローさんのカフェインレスのカフェオレベースを知ってから、ご紹介までにとっても時間がかかってしまいました。今年2月の展示会でご紹介を頂いた同じカフェインレスのコーヒーを使った羊羹は、優しい甘さでブラックコーヒーとの相性も良かったので、カフェインレス カフェオレベースとコーヒーようかんを組み合わせ、プレマシャンティ用に特別なセットをおねがいしました。旅にには必須のドリップオンとあわせて、ご賞味ください。