印度料理シタァール
インドの叡智を食卓に
プレマシャンティは、繋がりのなかで生まれます。
それは人であったり、自然であったり、商品であったりします。
ご紹介頂いたご縁を辿って各地を旅するうちに、その土地だからこその出会いもあります。
その土地でしか、その時期にしか出会えない味。
皆さんにご紹介したいけれど、生ものであったり、作る量が限られていたりと、私たちがお預かりするには難しい商品も決して少なくありません。
また作り手を身近に感じて初めて、より深い味わいが生まれる商品もあります。
プレマシャンティの開拓チームが、各地を巡り、作り手の目を見て、言葉を交わして惚れ込んだ数々を、桜のカードを添えてお届けします。
印度の食文化に魅せられて
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日本におけるインド料理の草分けとされるレストランがふたつあります。
ひとつは、1949年に開業した「ナイルレストラン」。もうひとつは、1957年に開業した「アジャンタ(AJANTA)」。
どちらもインドにルーツを持つシェフが開業したレストランで、日本における「カレー」やインドスパイス料理の普及・発展に大きく寄与しています。増田泰三(泰観)シェフは後者のアジャンタ(AJANTA)を卒業した後に、1981年に「手作りインドカレーの店 シタァール」を創業。その後、更にインド料理アイテムを増やして「印度料理シタァール」に改名しました。そして現在、千葉県検見川にある「印度料理シタァール」は、インド料理好きなら一度は訪れておきたいと云われる名店のひとつとしてひろく知られています。
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「印度料理シタァール」には、開店するとともに絶え間なくお客様がやってきます。
1時間待ちは当たり前。平日でも店の前にオープンを待つ人がゆるーく列をなし、土曜・休日には、予約なしで入店できるのは奇跡かもと云われるくらい。時間を待つ人たちがあまりにも多いので、一軒家のレストランには、待ち時間も快適過ごせるようにと待合室が併設されています。増田シェフがインドからやってきたシェフたちと作る料理は、絶妙なスパイス配合でインド各地の味わいを再現するとともに、日本人の口にあうように仕上げられています。南インド風のさらっとしたベジタブルカレー、鶏ひき肉でつくる辛口のキーマカレー、ダール豆を使ったスープ風のさらっとしたダール豆カレーをはじめとした定番グランドメニューに加え、季節限定メニューでは旬の素材を使ったカレーやナンなどのサイドメニュー、スペシャルドリンクなどその時期に恋しくなる味覚を提案しています。また有機栽培された農産物に味覚から取り入れてもらおうと、オーガニック100%の全粒粉を使用した無発酵パン「オーガニックプーリー」や、有機栽培された豆を使った「ダールマッカニー」などのメニューの提案にも積極的です。沢山あるカレーのなかでもイチオシは、スタッフの間でも「やっぱり賄いにこれを頼んでしまう」というバターチキンカレーは、生クリームとトマトを使ったトマトクリームの濃厚でクリーミーな味わいを、スパイスがしっかりと下支えする本格派。毎日食べたい麻薬的な美味しさなのですが、「毎日はヤバい!」のだそう。それでも食べたくなるのだから、困ったものです。
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「印度料理シタァール」には、開店するとともに絶え間なくお客様がやってきます。
1時間待ちは当たり前。平日でも店の前にオープンを待つ人がゆるーく列をなし、土曜・休日には、予約なしで入店できるのは奇跡かもと云われるくらい。時間を待つ人たちがあまりにも多いので、一軒家のレストランには、待ち時間も快適過ごせるようにと待合室が併設されています。増田シェフがインドからやってきたシェフたちと作る料理は、絶妙なスパイス配合でインド各地の味わいを再現するとともに、日本人の口にあうように仕上げられています。南インド風のさらっとしたベジタブルカレー、鶏ひき肉でつくる辛口のキーマカレー、ダール豆を使ったスープ風のさらっとしたダール豆カレーをはじめとした定番グランドメニューに加え、季節限定メニューでは旬の素材を使ったカレーやナンなどのサイドメニュー、スペシャルドリンクなどその時期に恋しくなる味覚を提案しています。また有機栽培された農産物に味覚から取り入れてもらおうと、オーガニック100%の全粒粉を使用した無発酵パン「オーガニックプーリー」や、有機栽培された豆を使った「ダールマッカニー」などのメニューの提案にも積極的です。沢山あるカレーのなかでもイチオシは、スタッフの間でも「やっぱり賄いにこれを頼んでしまう」というバターチキンカレーは、生クリームとトマトを使ったトマトクリームの濃厚でクリーミーな味わいを、スパイスがしっかりと下支えする本格派。毎日食べたい麻薬的な美味しさなのですが、「毎日はヤバい!」のだそう。それでも食べたくなるのだから、困ったものです。
シタァールのチャイセット
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子ども心をくすぐって、手に取ると理由もなくわくわくと心が動くのがこのチャイセットです。
小さな小包のような素朴な見た目に、長めの麻ひもの持ち手。手のひらに丁度収まるサイズ感も、とてもキュート。
雑貨店にも並びそうなファンシーでかつ手作り感満載なパッケージの中身はというと、シタァールさんのオリジナルミックススパイスに、増田シェフがご自身で選んだチャイ用のアッサム紅茶(CTC)です。(もちろん、シタァールのチャイの淹れ方リーフレットも入っています。)
CTCとは紅茶の製法のひとつで、アンオーソドックス製法とも呼ばれます。
ひとの手による伝統的な製法にそってよって紅茶に加工するのがオーソドックス製法なら、しっかりとした香り・味わいと渋みが出やすいのがアンオーソドックス製法(CTC製法)の特徴です。CTCはアンオーソドックス製法のステップを示す、Crush(押しつぶす)、Tear(ひきさく)、Curl(丸めて粒にする)のそれぞれの頭文字。茶葉の組織を押しつぶし、細かくカットしてから発酵させ、小さな丸い粒状に仕上げます。サイズが小さいものの方が渋みは強く、濃い味わいの紅茶になると云われており、ミルクを入れても紅茶の風味をしっかりと感じて楽しめるのがCTC製法の紅茶です。CTC製法はオーソドックス製法と比較すると産地の特徴が出にくいと云われていますが、あくまでも2つの製法を比較した場合のこと。どんな土地で、どんなふうに育った茶葉か。どんなひとたちが作ったのか。同じCTC製法の紅茶でも、口に合ったり合わなかったり。それぞれの味わいの違いは、やはりあるようです。
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シタールさんのチャイセットは増田さんが選んだ紅茶に合うように、増田さんたちが配合したチャイマサラをセットしています。
チャイというと複雑なスパイスの香りと味がするもののようですが、このチャイセットに出会った方は、「茶葉と淹れ方が鍵だったんだ!」と衝撃を受けるかもしれません。準備するのは、生の生姜とこのチャイセット。同封されている作り方に沿って、チャイマサラを使わずに、チャイをつくってみると納得頂けるでしょう。チャイマサラを入れるともちろん、本気のチャイに仕上がるのですけれど・・・。ぜひまずは、生姜だけを入れた「チャイ」の作り方で召し上がってみてください。
メルガート・ハンティングハニー~野生黒蜂蜜~
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シタールさんのチャイを入れるなら、甘味にはぜひこのハンティングハニーお試しください。
沢山のはちみつがある中で、ひとくち頂くとなんとなくクセになってまた食べたくなる特徴的なはちみつが、このメルガート・ハンティングハニーです。見た目はもちろん、味はどちらかというと黒糖のようなどっしりとした風格のなかに、うっすらとした酸味があります。味に特徴があるはちみつというと、ニュージーランドのマヌカハニー。個性が強いので、好き嫌いがはっきりする味わいですが、メルガート・ハンティングハニーは個性があるのに親しみやすいのがまた、手元に置いておきたくなる理由のひとつでしょう。
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メルガート・ハンティングハニーは、国立メルガート動物自然保護区の野山で採取しているものです。この地域におけるはちみつ採取の歴史は、1万2千年以上も前にさかのぼることができると云われており、その地域で暮らす50近い少数部族が採取してきたものです。採取するのは、「アピスドルサタ」というインドで固有の大型ミツバチの蜜です。はたらきバチが日本のススメバチ程度の大きさもあるこのハチは、6キロ四方を飛び回って蜜を集めることができます。ハチたちが活発に蜜を集める3月頃には、いろいろな草木が一斉に花を咲かせます。その中でも特徴的な花が、パラシュ。森の中で燃えるように咲き誇る斧のような形をした赤く美しい花から、花粉や沢山の蜜、樹液を集めてくるのだそうです。そして彼らは原生林の奥深くに育つ20メートルほどある見晴らしの良い大木の上部や、断崖絶壁の岩棚など、ひとや動物が近寄らない場所につくった巣まで運びこむのです。
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ハニーハンターたちはこの巣をめがけて木に登り、蜜を集めるわけですが・・・。昔はどうやら、シャツを着ただけの姿で、時には上半身は裸のまま、ロープを命綱がわりに採蜜していたようです。野生のトラが400頭は生息していると云われている当地で、ハチの活動が穏やかになる夜間、少人数のチームで原生林の奥深くに分け入るのですから、命の危険をともなう仕事だったともいえます。現在はこのハニーハンティングが国連の天然資源開発プロジェクトに指定された影響を受け、国やNGOの指導のもとでの採蜜が続けられています。野生のハチが集めるはちみつの価値が認められ、ハチの子がいない部分だけを採取するなど、ハチと共存し森と共存する採蜜方法でハンティングが続けられています。またハンターたちも防護服を着用し、以前のように夜間に危険を冒して森に分け入ることはなくなりました。また国や国連・NGOなどが介入するようになり、蜜の保存法も変わりました。「氷温域」と呼ばれる0℃からこの氷結点までの未凍結温度域で長期熟成するようになったのです。蜂蜜に限らず食品は、それぞれに固有な「氷結点」で凍り始めますが、この一歩手前の温度で食品の貯蔵や加工などを行うことで、「自然の美味しさ」という最大の長所を伸ばして、今まで引き出すことのできなかった美味しさまで引き出すことができるようになりました。そして協力機関であるNGOの手によって、世界基準規格にあうよう処理をして販売されています。けれど同時に、このはちみつの特徴である「黒さ」を損なうような処理はしません。
ハンティングハニーの黒い色の秘密は、「花粉」(たんぱく質)。アピスドルサタは蜜と一緒に集める花粉に分泌液を加えて、自分たちの食事やローヤルゼリーを生成します。また森の恵みを含んだ樹液も採取します。これらの成分が時間とともに熟成し、黒褐色に代わっていきます。ハンティングハニーの色合いは季節によっても、採集された場所によっても変わりますが、これはその時々の森のありようであり、またミツバチの感性であるともいえるでしょう。
このハニーハンティングの底辺には、マハトマ・ガンジーの精神が脈々と流れています。民族主義運動の流れのなかで起きたスワデーシー運動のなかで、綿花を紡ぎ織り上げるカディとともに、伝統的な蜂蜜の生産も推奨されていたといいますから、1万年以上の年月を経て、今もまだインドに伝統的な採密方法が残っているのも不思議ではありません。