プレマシャンティ®「カフェインレス ドリップコーヒー」
妊婦さんや授乳中の方でも安心、プレマシャンティの「デカフェ(ノンカフェイン)ドリップコーヒー」
コーヒーが好き、でもカフェインの摂りすぎが気になる...
そんな方でも安心して飲めるカフェインレスのドリップコーヒー。
赤ちゃんを持つママにも、眠りたい夜の一服にもおすすめ。
ペルー産有機栽培豆使用、自社焙煎でじっくりローストした
スッキリとコク深いカフェインレスコーヒーです。
コーヒーなのにノンカフェイン、それでも変わらない美味しさ
一息つきたいときや集中したいとき、ホッと私たちを癒やしてくれる「コーヒー」。
古くには薬としても使われてきたコーヒーの豆は、そのうれしい薬効と同時に、神経系に強い影響を与えることも知られています。
特に妊婦さんや授乳中の方に対する影響は大きく、「妊婦はカフェインを控えること」というメッセージはもはや常識となってきました。
しかし、ただでさえストレスの溜まる妊娠・授乳中のこと...
多くの行動を制限される中で、数少ない息抜きのアイテムすらも許されない、というのは本当につらいものです。
赤ちゃんを育てるためには、とても大切な10ヶ月。授乳中の期間を合わせたら倍ほどになるその期間を、少しでも快適に過ごしてほしい。 そんな気持ちに寄り添えるようにと、スローコーヒーの「デカフェ=ノンカフェィンコーヒー」は生まれました。
Slow Coffee
小澤氏
生産者さんのお声
このコーヒーが生まれたのは4年ほど前です。
当時は、コーヒー好きの方に満足していただけるような品質の代替コーヒーは世になかったのですが、
僕たちのお客様もママになる方が増えてきて「カフェインは飲めないけど、それでも美味しいコーヒーが飲みたい」というお声をいただくようになった事がきっかけです。
そこから開発が始まって苦労しましたが、やっと「これは美味しい!」と、自信をもってお届けできるものができあがりました。
カフェインのしくみ
カフェインの良い面/悪い面
利尿、覚醒、解熱、鎮痛、血管収縮など、その様々な作用から医薬品にも使われているカフェイン。
しかし脳神経系にはたらくその大きな作用は、副作用として不眠やめまいなどをもたらす事もあり、過剰な摂取は禁物と世界中で警鐘が鳴らされています。
特に妊娠すると、薬物の代謝をしている酵素が減ることにより、カフェインの代謝が普通の人より遅くなります。
その酵素は1歳までの間は大人より量が少なく、特に出生前の胎児が体からカフェインを排除する能力は、大人と比べるととても低いのです。
薬と同時に飲むことはもちろん禁忌ですが、この代謝酵素が減ってしまう薬もあり、そういった方には同様にカフェインを摂取すること自体すすめられません。
薬や妊娠に関係なく、生まれつきカフェインに弱い体質の方もいます。コーヒーは好きだけど、「カフェインに弱いから」という理由で摂取を控える方も増えてきました。
ノンカフェインのしくみ
カフェインが含まれる代表的な飲み物、コーヒー。
「カフェインを控えている人は、コーヒーの味わいが楽しめないの?
妊娠・授乳中はどうしても飲んじゃ駄目?」
そんな人々を救うため、代替コーヒーやノンカフェインコーヒーは
ヨーロッパを中心にどんどん進化を重ねていきました。
コーヒーからカフェインを抜く方法には現在、次のようなものがあります。
(豆からカフェインを抜く方法以外に「カフェインレスの木を育てる」という方法もありますが
まだ実用として十分な結果が出ていないため、省きます)
- 1.有機溶剤を使う方法
- いちばんはじめに開発された手法です。
カフェイン以外の成分の損失が大きかったり、有機溶剤を直接生豆に触れさせるため安全面に
不安が残る、等の理由から、現在ではあまり使われない方法です。
- 2.水で抽出する方法
- 水抽出された成分のみから有機溶剤で抽出します。
こちらも有機溶剤が残ってしまうことなどが問題とされています。
- 3.二酸化炭素の圧力で抽出する方法
- CO2(二酸化炭素)は31.1℃かつ73.8気圧以上の状態で「超臨界二酸化炭素」という
状態になり、 生豆を「超臨界二酸化炭素」の環境の中に置くと、その浸透圧で成分を抽出して
抜き出してくれます。この方法は- 有機溶剤を使わずに済み
- カフェイン以外の成分の損失が少なく
- 通常の状態に戻せばCO2(二酸化炭素)は除去できる
プレマシャンティの「SLOW DRIP~カフェインレス~」は、ペルーからの有機栽培豆を
生豆の状態でドイツの工場まで送り、3の二酸化炭素を使う方法でカフェイン除去をしています。
ヨーロッパ全体の「デカフェ」の規格はカフェイン含有率0.2%以下(インスタントでは0.3%以下)ですが、
この工程で1.28%あったカフェインの成分は0.05%にまで除去され、ヨーロッパ規格にも適合したデカフェとなります。
焙煎のようすを見せていただきました♪
スローコーヒーは絶対に譲れない3つのこだわりを持っています。それは
- オーガニック
- フェアトレード
- 自社焙煎
の3つ。
その三本柱の1つである「自社焙煎」の様子を見せていただけるとのことで、
千葉県松戸市にある焙煎所にお邪魔しました!
焙煎所レポート
この日は生憎の雨模様。
コーヒーの良い香りが外にもふわふわと流れていたのですが、中まで湿気が入らぬよう、急いで中へ入れていただきました!
こちらがスローコーヒーさんで実際に使われている焙煎機。
コーヒーの焙煎には直火式/半熱風式/熱風式など様々な方法がありますが、スローコーヒーさんは 直火式焙煎を追求し、 自社焙煎の方法を守り続けています。
直火式焙煎はちょっとした調整で味が大きく変わるため、他の方法に比べ、焙煎士の確かな技術が必要とされる高度な技術です。
焙煎は温度が重要。
温度の上げ下げときはダンパーを使い、空気の取り入れ量を調節することによって行っています。
夏はやっぱり、かなり暑いそうです。
届いた状態のコーヒー豆たち。
現地の生産者さんからの豆は、異国情緒溢れる大きな麻の袋に入ってやってきます。
コーヒーの豆といえば真っ黒なイメージですが、あれは焙煎された後のいわば「焦がされた」状態。運ばれてきたコーヒーの生豆は少し緑がかった色をしています。
焙煎前の選別(ハンドピッキング)
送られてきた豆は、焙煎の前に一度、丁寧に目視で選別し、選り分け(ハンドピッキング)をします。
現地で一度選別されているものの、やはり基準が少し甘いこともあり、「驚くもの」が紛れている事もあるそう。
「遠い国からのプレゼントみたいで嬉しい」とほのぼのした言葉が出てくるのは「絶対にここで取り除くから、これ以降の工程に混ざるわけがない」という当たり前の自信。あたたかみと確かなものづくりを感じます。
ハンドピッキングの様子です。
一粒ずつ逃さないよう目視で丁寧に見ていきます。
ちなみにスタッフの女性が被ってらっしゃるのはスローコーヒーさんのオリジナル手ぬぐい^^お豆の柄でとてもかわいいんです!
ボウルの外に出ているのは選別ではじかれた豆たち。
特に金属類などは機械が壊れてしまうため、この過程で絶対に取り除いておかなければいけません。
ここで不揃いな豆、欠けた豆や焙煎に適さない豆も選り分けます。ハンドピッキングは焙煎が終わった後にも入念に行われます。
遠い異国からの贈りものセレクション!
やり取りがうまくいかなかった初めの頃は、石やピアスなど、「大物」も平気で混ざっていたそうです。
豆なども「やっぱり日本の基準に合わせてもらえるまで大分苦労しました」と話されていました。
しかし、こうやってきれいに集められているとまるで宝石箱のよう。「とても遠くからやってきているんだなあ」としみじみ感じます。
デカフェ豆が焙煎されるまで
1回分の豆を焙煎するには、深煎りの場合で30分もかかるといいます。
うまいこと焙煎には立ち会えないかも、と思っていたのですが、スタッフの方のご好意でデカフェを焙煎する様子をはじめから見せていただきました!
選別されて焙煎を待つデカフェ。
既にドイツでカフェイン除去を済ませているので、普通の生豆より茶色がかっています。
焙煎機に豆を投入します!
バケツ1杯分の豆が少しずつ、じゃらじゃらと焙煎機の中に入っていきます。
炎がメラメラ。
一旦投入してしまうと中の様子を直接窺うことはできません。
豆のハゼ音について。
コーヒーの豆は、実は種の中にもまた種があり、それに合わせて『ハゼ』の音も2種類、2回違った音が鳴ります。
1回目は「パチ、パチ」というとても控えめな音。そこで止めると「中深煎り」の豆になります。
更にもう少し焙煎を続けてしばらくすると、思い切りよく「ピチピチピチ!」とはねるような音が連続して鳴り響きます。
そこまで焙煎すると黒光りした「深煎り」の豆ができあがりです。
豆の音を逃さないよう、焙煎機を見つめる焙煎士さん。
フェアトレードやオーガニックの生豆は育ち方が均一ではないので、一般のコーヒー豆よりかなり焙煎の難易度が高いです。
それらの「クセ揃い」な豆のよさを引き出しておいしいコーヒーにするには焙煎士さんの腕が欠かせません。
焙煎士さんは温度計と少し出して見た豆の焼きの色、そして豆のハゼる音だけを便りに豆の状態を考え、毎回ベストなタイミングをはかります。
焙煎機の中に入れていた豆を一気に放出します!
いぶされた高温の豆から、コーヒーの強い香りが湯気とともにぶわっと立ちのぼってきます。普段私たちがコーヒーをいただくときの匂いと少し違って、少し「豆」感の強い香りです。
こんがりとして帰還した豆たち。
思わず「おかえり!」と言いたくなります。
焙煎機からの煙がもくもくとのぼって、工房全体が一気にコーヒーの香りに包まれました。
長くても30分置きに焙煎を繰り返すので、コーヒーのふんわりとしたアロマはずっと工房全体にただよっています。
焙煎後の選別(ハンドピッキング)
焙煎が終わり、冷却槽がくるくると回って豆を冷ましてくれている間に、焙煎後の選別(ハンドピッキング)が行われます。
細かいワレなどは回っている間に機械の排出口から排出されますが、割れた豆等は焙煎士さんが直接目で見て取り除きます。
中が割れてしまった豆。
雑味の原因になるため、全て取り除きます。
正直、この段階までニワカな私は「そんなに几帳面に取らなくても、これだけの量があれば味に影響はないのでは...」と思っていました。
しかし、割れた豆と通常の豆をスタッフさんに言われて潰してみたところそのあまりの薫りの違いに愕然...
焙煎が終わった豆たち。
ガスが落ち着かせるために、1日程度寝かせておきます。
できたてほやほや、回ってる間に粗熱は取れていますがまだあたたかいです。
生豆と焙煎が終わった豆を比べてみました。
ぬり絵みたいにきれいに真っ黒です!
「スローコーヒー」代表取締役 小澤氏インタビュー
お忙しい中、お時間を作っていただいて恐縮です。ありがとうございます。
今回、スローコーヒーがどういった理念を元にどうやって歩んできたのか、
また小澤さん自身のこれまでのお話などを聞かせていただきたく参りました。よろしくお願いします。
スローコーヒーの小澤です。
よろしくお願いします。
有限会社 スロー
2000年創業。良質な【オーガニックコーヒー豆】のみを【フェアトレード】で輸入し、
【自社で焙煎】する事を理念に会社を立ち上げ、今年で15周年。
今も千葉・松戸で
"ちょっとすごいコーヒー"を作り続けている。
まちづくりプロジェクト「MAD CITY
」との関わりや、クラウドファウンディングによる
「ソーラー焙煎」の導入など、ユニークな活動でも知られている。
デカフェを作った理由
ノンカフェインのコーヒーを作ろうと思われたきっかけは何ですか?
このデカフェコーヒー自体ができたのは今から3~4年前です。僕たちの会社はもう既にできていたんですけど、今まで僕らのコーヒーを飲んでファンでいてくれた人たちが、子育て世代になって、コーヒーを飲めなくなってしまったんです。
そのころ既に代替コーヒーやカフェインレスも一応存在していたけど、カフェイン以外の成分まで抜けてしまっている事が多く、あまり美味しいものがなくて。
そこで、お客さんから「スローコーヒーのカフェインレスコーヒーが欲しい」と言われて、デカフェに合うオーガニックの豆を探しはじめました。
デカフェにしてもおいしくて、さらに「有機」「フェアトレード」というしばりを設けるとほとんどなかったんですけど、ようやくペルーの良い豆と生産者さんを見つけられて、こうやって販売できるようになりました。
では、お客さんに求められて生まれたんですね。
そうですね、若い会社なので、周りの人の声を聞いて受け入れて、そうやってお客さんと一緒に年をとって成長していけるといいな、と思ってます。
「スローコーヒー」のこれまで
会社としてのスローコーヒーさんのことを少し教えていただけますか。
2000年に設立して今年で15年経ちました。
元々は「ナマケモノ倶楽部」というNGO団体があって、僕はその運動に関わっていました。この団体は環境問題に目を向けながらもビジネスとしてもしっかり成り立たせよう、というNGOだったんですね。
その中で「若い人間が運営する、フェアトレードコーヒーを柱とした会社を作ろう」ということが決まり、誰かやりたい人はいないかという呼びかけに、散々迷いながらも、僕と他数人が手を挙げました。
最初は3人で起業したのですが、その時の3人の顔を合わせたものが今のスローコーヒーのアイコンになっています。
元々コーヒーが好きで焙煎の道へ...というわけではないんですね。
そうなんです(笑)むしろ自分は当時ジャンクフードばかりを食べていたような学生で、缶コーヒーを飲んではお腹を下すような日々を送っていました。
若い!(笑)ナマケモノ倶楽部、私も学生の頃に知りました。
「百万人のキャンドルナイト(http://www.candle-night.org/jp/)」などは感銘を受けて自主的に企画する学生も多く、ナマケモノさんの影響力を当時から強く感じていました。
そうなんですか!すごいなぁ。
僕らが学生の頃は、NPOやNGOなんて全く知名度も市民権もなかった時期で、活動を理解してもらうのが大変でした。宗教だと思われた事もあります(笑)
ナマケモノ倶楽部との出会い
先ほどご自身を「ジャンクな学生」とおっしゃっていましたが、そんな学生が設立したてのNGOに参加されていたということは、どこかその呼びかけにシンパシーを感じていたのでしょうか。
「ナマケモノ倶楽部」さんとはどういった団体なのかを、教えてください。
「ナマケモノ倶楽部」(http://www.sloth.gr.jp/)というのは、一貫して「スロー」を提案し続けててきた市民団体です。名前のもとになっているのは動物の「ナマケモノ」。
人間たちは「怠け者(英:Sloth)」なんて名前をつけて彼らをずっと馬鹿にして、「何もしてない動物だ」なんて蔑んできたけれど、最近の研究で彼らの面白い生態がわかってきました。
彼らは普段、木にぶら下がって、のんびりと葉っぱを食べて暮らしています。
そして、たまに木の根元にゆ~っくりと降りてきて、そこでフンをします。 そのフンには葉っぱからいただいた栄養が詰まっていて、食べた木の根元に自分のフンを置くことで、栄養のおよそ半分を葉っぱにお返ししている。
そうやって自分が根城にしてる木を守って育てているんです。
なんと!
「すてきな動物じゃん!」って思うでしょう?
彼らは怠惰な訳ではなく、 必要以上にエネルギーを使っていないだけなんです。
初めて知りました!住んでいる木と、エネルギーを循環させて共存しているんですね。
そうなんです。
一方我々人間は今も大量生産・大量廃棄の生き方をしている。
「使っては捨てる」そんなことの繰り返しで、我々人間の未来は明るいのかな?
人間は彼らを「ナマケモノ」だなんて小馬鹿にしてきたけど、「人間のほうこそ彼らに生き方を学んだほうがいいんじゃない?」
それが「ナマケモノ倶楽部」の理念です。
また、活動のコンセプトとして、環境運動とビジネスの両立があります。
"ビジネスが環境を壊す""学問は現実に貢献してくれない"などと言われ、これらの要素は今まで相反すると思われてきたけれど、
「ナマケモノ倶楽部」はそれらを全部両立させていくことに重きを置きました。
今でいうソーシャルビジネス、社会企業のはしりですね。
「文化的側面を持ち、環境を壊すのではなく、守るような方向で事業を展開していけないか」
その運動の第一号として、スローコーヒーをはじめとする会社や店舗の運営がはじまりました。
正に今、様々なところで行われている活動の草分け的存在ですね。
小澤さんはその中でも「ナマケモノ倶楽部」さんのどういった面に惹かれたのでしょうか。
環境運動には元々そんなに興味はなかったんですが、人間の生き方になんだか違和感があったんです。
満員電車ですし詰めになって通勤したり、デパートに入ったら冬は暑くて夏は寒かったり、なんだか不自然で非効率で、おかしいなあと思っていて。
そんな中で、それまで遊びまくってた大学の友人たちが、就活を目前にして急に社会のレールに乗ろうとしだすのを目の当たりにしたんです。 流れに乗ったら自分も、違和感を抱いているこの社会の中でなんだかんだ上手く立ち回ってしまうんだろうな、というビジョンが透けて見えちゃって。すごくつまらなくなってしまいました。
とはいえやりたいこともすぐには見つけられず、でもこのまま就職するのも...ということで、「とりあえずレールから降りよう」と決断し、しばらくフリーターをしていました。
そんな中、ナマケモノ倶楽部言いだしっぺの辻信一さんに誘われて「ナマケモノ倶楽部」にかかわり、そして「スローコーヒー」の立ち上げに関わることになったんです。
抵抗運動としての「スローコーヒー」
小澤さんご自身のことを聞かせてください。先ほども少しお聞きしましたが、「ナマケモノ倶楽部」に出会うまではどんな学生生活を送っていたのでしょうか
大学では国際文化を専攻して、日本や世界の文化を学んでいました。
黒人の人たちが演る音楽が好きで高校から聞いていたので、少し関心があったというのが理由です。
コーヒーともつながりが深い文化ですね。
そうなんです。以前、自分がいざコーヒーの仕事に就こうと思った時に、コーヒーの歴史などを調べてたんです。
そしたらコーヒーがアフリカ原産で、苗と黒人をブラジルに持ち込んで作らせた...っていうのを見てすごいピンときたんです。
『あ、だから彼らはこんなにアンフェアなのか』と。
元々奴隷だった彼らは、音楽を通して『自分たちがいかに差別・抑圧されてきたか』をずっと唄ってきてるんです。その黒人差別の歴史とコーヒーの歴史は色濃く重なってる。
そのことを知ったときに、自分の中で歯車が全部かみ合った感覚がありました。
「スローという会社をやる事は、自分にとってのヒップホップなんだ」と。
ヒップホップ(HIP-HOP)とは
1970年代にニューヨークの貧困街・ブロンクス区で、お金の無いアフリカ系アメリカ人が気軽にパーティを
楽しむために公園で開かれていたのが起源。ルーツにはアフリカ系音楽があるといわれている。
一般的には「MCによるラップ」「ボイスパーカッション」「ブレイクダンス」などが知られているが、
主に黒人コミュニティの間で広まったことから詞(Lylics)に強い政治性/メッセージ性を持つことも多く、
彼らの内の「怒り」や「悲しみ」を表現した社会風刺的な作品も数多く生み出されている。
ストリート発の「カウンターカルチャー」としてのヒップホップの精神をもとにそこから
様々な文化が自発的に生み出されていき、今や単なる音楽の一ジャンルというだけでなく、
確固とした志を持った生き方、精神性として多くの人に影響を与えている。
これだけアンフェアなトレードでコーヒーが流通して、それで世界が成り立っている中で 「フェアトレードコーヒーだけを売っていく」というのは、
それだけで何かを掴み取るような意識でやるような事だと思うし、それを日本で展開していくことも本当に挑戦だな、と思いました。
今まで大手企業はフェアとは間逆のことをやっていたからあれだけの利益が上がっていたんだ、ということもよくわかりましたし、
そういうコーヒー業界のなかで、「あえてフェアトレードでやっていく」ということは僕にとっての『ヒップホップ』=表現活動だ、と思ったんです。
「スローコーヒー」の活動は、小澤さんがそれまで感じていたモヤモヤ、世界や社会に対しての違和感へ抵抗するためのアクションなんですね。
「小さくても本物をやり続ける」という覚悟
ちなみに、今はコーヒーはお好きでしょうか...?
はい、大好きです(笑)
昔はブラックのコーヒーをそのまま飲めなかったんですが、スローを立ち上げる前に、初めて焙煎所でコーヒーの焙煎を見せてもらって。そこで頂いたコーヒーはブラックで飲めたんです。
「あ、おいしいじゃん」って思うと同時に
「僕が今まで飲んでたコーヒーは何だったのか...ただの砂糖水だったのか...」
とショックを受けました。
品質や焙煎があまりよくないコーヒーだと、ミルクや砂糖を入れてついついごまかしちゃうんですよね。 よいコーヒーはちゃんとブラックで美味しく飲めるものなんだな、ということを、そのときに知りました。
さっきも言ったけど、僕は本当にひどい学生時代を送っていたんです。
毎日ハンバーガーを食べて、一緒に買ったアイスコーヒーを砂糖入れて飲みながらプカプカ煙草を吸って...みたいな(笑)
当時はその生活に何の疑問も感じてなかったのですが、
「ナマケモノ倶楽部」と出会って、今まで知らなかった情報に触れ、色んなカラクリが見えてきました。
たとえばあるチェーンは「98円」という廉価を維持するために、安い森を全部切りひらいて畜産の農場にしている。
『ああ、全部そういう事なんだな』って、やっとわかってきたんです。
安いものにはその安さを可能にする理由があるし、高いものにもちゃんとした理由がある。
一部の人が利益を取りすぎて大多数の人々にお金が流れてこなかったりとか、
それまで自分が嗜好してたものにはみんなそういった裏の側面がある事を知って、同時にその裏の部分がどんどん見えてきたんです。
おっしゃる通りです。その中でもコーヒーはその最たるものだと思います。
小澤さんが今ここで「スローコーヒー」を使って表現されているのも、巡り巡って必然の事なんだなと感じます。
そんなことがいろいろありつつ、「コーヒーを通して、そういったことも身近な人たちに伝えていきたいな」という思いで15年やり続けています。
おかげさまでオーガニックやフェアトレードもかなり市民権を得てきました。
本当によかったなと思います。
「ナマケモノ倶楽部」さんをはじめとした、沢山の方が道を作ってくださった結果だと思います。
ある有名なオーガニックコスメの会社の社長が言った言葉があるんです。
『オーガニックコスメの市場はとても広い。その中で本当のオーガニックをやっているのはほんの数パーセントしかなくて、私たちはずっとそこをやっている』。
オーガニックコスメという大きな市場の中で、更に本当の事をやっていることに価値がある、と。
僕はその言葉に非常に感銘を受けたんです。
小さくても本物をやり続けることはちゃんと世間に評価されるし、同時にビジネスとしても評価される。
僕たちもそんな会社でありたいと思っています。
「フェア」トレードへの想い
店舗でもスローなコーヒーを
今回インタビューを行ったのは、焙煎所と同じ松戸市内にある「スローコーヒー」さんの直営カフェ。 今から6年前の2009年にオープンした地域密着型のお店です。
隣のドッグサロンへは一番奥のドアを開けるとそのまま入店できるようになっており、ワンちゃんを待っている間に気軽にフェアトレードコーヒーを楽しめるつくり。 店内には「スローコーヒー」さんのアイテムや世界中のフェアトレード商品も並んでいます。
スタッフの皆さんで考えられているというオリジナルメニューも美味しくいただきました。
素敵なお店ですね。
私はフェアトレードを知ったきっかけが、フェアトレードに関心の高いお店に偶然入ったことからなんです。 なので、こういった素敵で志の高いお店が地域に根付いて存在していることがとても嬉しく思います。
ありがとうございます。
「フェアトレード」の認知度が上がり皆さんの関心も増えてきましたが、 なんだかその言葉やラベルが一人歩きしてしまっている感じもします。
ラベルが貼ってあれば「基準を満たした」というのはわかりますが、「どうやって作られているか」はラベルだけじゃわからない。それって本当の意味では生産者の顔は『見えていない』ですよね。フェアトレードで本当に大事な所はそこじゃないのになぁ、って思うことがあります。
僕もそう思います。
うちの焙煎所にも、全然きれい(均一)じゃない豆が来たりするんです。理由は天候や生産者さん達との意識の差だったりするんですが...ひどい時期もありました。
兄も焙煎師として会社を手伝ってくれているんですが、 『こんな豆焙煎できるか!』って怒りだしてしまったこともあります(笑)
ハンドピックで弾かれたものを見せていただきましたが、 向こうのおおらかなお国柄が見えてくるようでした。
日本人のまじめさやものづくりの心は本当に優れていると思います。
基本的に真面目で職人気質な人が多い。エクアドルの人はそんなことありません(笑)
選別もかなり適当で、たとえばコーヒー豆の出荷では生豆の水分量を12パーセントにして出荷することがとっても大事なのに、全然やってくれないし、乾燥した豆とごっちゃになっているし。。。
でも、フェアトレードって当然その人たちの力になることが大前提なんだけど、僕達は「困っている人たちを助けよう」と思って慈善事業でやってるわけじゃないんです。
だからきちんとしたものを出荷してくれないと困る。
『フェア』トレード」なんだからお互い対等(フェア)じゃないと。
その通りです。とても大事な事だし、その部分に関しては事あるたびに言うようにしています。
僕は、今フェアトレードに関心を持ってくれている日本の人も、その興味や関心を現地にも向けてもらいたいと思ってます。
マークの有無も確かにひとつの判断材料ではあるけれど、それよりも、僕達と取引している人たちの顔を直接見てもらいたい。彼らは僕らと貿易をすることでハッピーなことがあるから取引を続けているんだし、同時に僕らも、彼らからお金だけでない沢山のものをもらっている。僕達はこれを、自信をもって『フェア』なトレードと呼んでいます。
エクアドルの原生林を守るコーヒー
生産者さんと一緒に歩まれている様子がよくわかりました。小澤さんご自身が生産者を直接お訪ねすることもあるんでしょうか
以前に僕らのパートナー達の住んでいるエクアドルに行きました。 あとはメキシコの生産者のリーダーが来日してくれて、 交流ツアーなどを一緒に企画し、お話を聞かせてもらったりもしました。
エクアドルに行かれたときのことをよければ教えてください。
とにかく大自然に圧倒されました。
キトっていう首都に飛行機が発着する空港があるんですけど、それが大きな山の山肌にあるんです。そこも既に高度3000Mくらいなんですけど、その山に沿ってだんだん近づいていくと、山に小さな街がくっついているのが見えてくる。
『こんなところにも人がいるんだ、すごいなぁ』と素直に感動しました。
エクアドル
南アメリカ西部に位置する共和制国家。国名の「エクアドル」はスペイン語で「赤道」を意味する。
多様な生態系を擁するガラパゴス諸島が有名。年間約10万tのコーヒーを栽培・輸入している。
エクアドルのインタグという地方にはまだ熱帯雨林の大きな原生林が残っていて、ハチドリやチョウチョ、珍しい昆虫や植物など、多様性に溢れる生き物が沢山生息しています。こういう生き物が集まってる場所ってもう世界中探しても数えるほどしかないんです。
そんな素敵な森なんですが、銅やレアメタルが地中に埋まっていることがわかって、以来絶えず鉱山開発の危機にさらされています。
そんなの10年くらい掘るとなくなっちゃうんですけどね。
エクアドル政府は国の豊かさのために鉱山開発をすすめたい。でも、現地に住む人たちはそう考えてはいません。
『開発に賛成して森を切り開き、お金を生んで豊かになろう』ではなく、生態系と調和したコーヒーの栽培やエコツアーなど、この森と共生できる方法を探している。 そして遠くにいる僕達も『こんな素敵な森、絶対残ったほうがいいよ』と思っている。 それなら『彼らの力になりたい』となるのは当然の流れですよね。
なんだか信じられない思いです。
人って自分の手の中にあるものをついつい軽んじて、
隣の芝生をうらやんでしまう生き物じゃないですか。
自分たちが経済的に貧しくて、そこに「お金が入るよ」なんて言われたら森なんてすぐに明け渡してもおかしくない。
実際そうやって歩んで来たのが私たちの国だと思います。
それなのに、彼らインタグの人たちは、開発を拒否して、森を守るために必死で抵抗している。
彼らは開発反対のデモなども街中で行うんですけど、その時に
「DEVELOPMENT OR DESTROY?
(発展なのか?破壊なのか?)」というボードを掲げていました。
彼らはわかってるんですよね。そういった発展は長くは続かないって。
そりゃどこだって経済的には豊かになりたいはずです。だけど、一旦どこかで見つめ直さないと、その流れはどんどん速くなって誰も止められなくなっていく。3.11もあって、僕たちはこんなに痛い目を見てもまだわからないのに、彼らインタグの住民は誰に言われずともその摂理を理解している。
やはり彼らのほうが先を見据えている。先進性があると思います。
彼らの状況に置かれて、きっぱりと「NO」を言える事は本当にすごいと思います。
これからも雄大な原生林が守られるよう祈るとともに、スローさんのコーヒーを通して私たちもそのお手伝いができたらと思います。本日はありがとうございました。
一杯のコーヒーが私たちにおいしさや安らぎを運んでくれているとき、
その一杯のコーヒーを買ったお金は現地で大切な森を守るために使われている。
今回のインタビューで、改めて、フェアトレードが担っている役割とその大きな価値を感じました。
「フェア」かどうかは「認証を満たしているか」と決して同じではありません。
マークは手に取る時に便利なものだけど、ついていないものが駄目な訳ではない。
その取引が「フェア」かどうか、「ハッピー」なものかどうか。
それはコーヒーを飲むあなたも含めて、みんなが笑顔になれるかどうかです。
「おいしく、うれしく、フェアでハッピーなコーヒー」という『本物』を15年間生み出し続けている
小澤さんのもとで、『SLOW DRIP』は今日もスローに丁寧に、命を込められ作られ続けています。
プレマシャンティ® アイコンについて
植物性原料100%アイコン
-
植物性素材のみを原材料として作りました。
シルバーライン
-
「もっと嬉しい」をカタチにした
「シルバーライン」 詳細はこちら>>
原料として含まれるもの
※アレルゲン表示ではありません。
●使用している原材料をカラーで示し、使用していない原材料はグレーで示しています。
- 含まれる
- 含まれていない
※原材料として不使用でも、同製造工場・設備、キャリーオーバーで含まれている可能性があります。
食物アレルギーをお持ちのお客様へ
プレマシャンティで使用しているアイコンは、あくまでも原料として使用していないことを意味するものです。 アレルギー対応を示すものではなく、またアレルゲンの除去を保証するものではないことをご理解ください。 ご購入の際には、お客様ご自身で慎重に判断頂きますようお願いします。