植物性素材100%!クリームスープのもと&ドミグラス風ソースのもと
牛脂・豚脂、豚エキスなどの動物性食材は不使用、化学調味料不使用
ごまかさず、シンプルに。
「洋食の常識」を根底から覆し、
植物性素材だけを使い、面倒な煮込みの手間を省いた
ソースのもとが誕生しました。
牛脂・豚脂、生クリームなどは使用しない、植物性素材100%。
化学調味料(アミノ酸等)や酵母エキスなどの風味調味料も不使用。
もちろん、乳化剤や酸化防止剤も使用していません。
選んだ素材の醸し出す、豊かな風味がそのまま生きる
ホワイトソースとデミグラス風ソースのもとで、
日本の洋食を我が家の味に。
洋食の基本は、動物性のダシなんです
日本料理の基本に、かつおや昆布、シイタケなどのダシがあるように、洋食の基本にも、肉や魚と野菜を煮込んだダシがあります。だしの原料を長時間仕込み、初めて抽出される洋食のダシは、グルタミン酸やイノシン酸を含んだ、成分的には日本料理との共通点を持っていますが、ゼラチン質を多く含んだ分厚くどっしりとした重さを持った味わいは、キレの強い日本のダシとは全く異なるものです。
フォンやブイヨンと呼ばれるこのダシは、香味野菜やハーブ、香辛料、お酒と組み合わせ、フランス料理の味付けの中核を担っています。動物性のダシがなければ、洋食の味は再現できないといっても過言ではないほどです。
フォンやブイヨンと同じくらいい大切なのが、ソースです。日本でも馴染みのあるブラウンソースやホワイトソースなどのソースには、動物性のうま味が凝縮されたフォンやブイヨンのほかに、小麦粉をバターや植物油で炒めてつくった「ルウ」が使われます。アルファ化した小麦粉のでんぷん質が、なんとも言えない甘みとうまみを醸すこの「ルウ」もまた、フランス料理の基本中の基本。作り方は、とても簡素です。
たっぷりのバターを温めて溶かしたところに、小麦粉を加えてなめらかに混ぜ合わせ加熱するだけ。火の加え方によって味わいも色合いも変化するだけでなく、液体と合わせると、自在にとろみを調整できるすぐれものです。
利便性が高く、応用範囲も広いフォンやブイヨン、ルウは、欧州を中心に各国の料理に融合されてきました。イタリアでは、パスタのクリームソースに。ロシアではストロガノフに。イギリスではカレーに。そして日本に持ち込まれたのちに独自の変化を遂げ、ハヤシライスやグラタン、クリームシチューなどの「日本の洋食」をつくりだしました。
植物性素材だけで、できること
グラタンやクリームコロッケ、シチューにハヤシライスやビーフストロガノフ。
洋食屋さんではすっかり定番のこれらの料理たちは、日本に帰化した「洋食」です。
グラタンやクリームシチューには、ホワイトソース。
ハヤシライスやハッシュドビーフには、ドミグラス(デミグラス)ソース。
植物性素材だけを使った食事に切り替えたとき、恋しくなったのは、深みのあるまろやかなコクと、舌にとろりと絡むなめらかな食感のクリームソースやドミグラス(デミグラス)ソースでした。特に冬場の肌を切るような寒い日には、鍋でぐつぐつと煮込んだクリームシチューや、スプーンで触れるだけで肉の繊維がほろりと崩れるビーフシチュー、オーブンから出たばかりのふつふつ沸騰しているマカロニグラタンの味や香りが恋しくなりました。
ホワイトソースもドミグラスソースも、強いコクと余韻のあるうま味を出すのは、上質のバターをたっぷりと使ったルウと、脂肪分の高い牛乳、それから鶏ガラや牛すじなどを煮込んだ「フォン」や「ブイヨン」と呼ばれるスープです。
バターの代わりには、オリーブオイル、菜種油、サフラワーオイル、サフラワー油などの植物油を、牛乳の代わりには豆乳を、動物性ブイヨンの代わりには、玉ねぎやセロリなどの野菜を煮込んでとったスープを。味の好みと仕上がりのイメージで選んだ油で、小麦粉を炒めてルウをつくり、豆乳でのばして仕上げるホワイトソースは、よく言えば「胃もたれしない軽さ」と「具材が生きるあっさりとした風味」でしたが、言葉を変えると「うま味やコクに欠け、味に頼りがない」だけでなく「豆乳の臭さがいつまでも消えない」、記憶に残るホワイトソースとは似て非なるものでした。ドミグラスソースに至っては、うまみのもとはルウではなくフォンと呼ばれるだし汁。残念ですが、組み合わせた野菜にブーケガルニを加えて煮込んだけでは、牛のすね肉や骨、鶏ガラなど動物性素材を長時間かけて煮込んだ、濃厚で強い個性と厚みのあるフォンの味には敵いません。けれど日本には、昆布やシイタケ、乾燥野菜などの植物性のうまみのもとがあります。味噌や酒、しょうゆといった、植物性発酵食品の熟成した調味料文化もあります。
そして自身が生まれ育った食文化圏の、慣れ親しんだ味に近いものをおいしいと感じる味覚の傾向があります。日本では世界中の料理が味わえると云われますが、面白いことにその大半は、日本に入った途端に、各地で供される味とは違う「日本風」の料理に変化しています。塩の代わりに、醤油やみそを。砂糖の代わりに、みりんを。ワインの代わりに、日本酒を。料理人たちは身近にある調味料で、いとも簡単に日本風のエッセンスを加え、どこか親しみを感じられる料理を作り上げてしまうのです。これは日本食文化の我々の味覚に対する影響の強さを証明しているとも、考えられるのではないでしょうか。
強いうま味の成分を豊富に含んだルウベースのソースそのものは再現できなくとも、日本にふんだんにある植物性のうま味食材と調味料を巧みに組み合わせた、「日本的な」クリームソースやドミグラスソースができるのではないか?
プレマシャンティ 開発 横山奈保
この植物性素材100%のルウを使った、日本風洋食の煮込み料理用ソースをつくりたいという構想は、一番簡単な「カレーのもと」の商品化から始まりました。
始まりは、我が家のカレーのもとから
「我が家のカレーのもと」の商品化には、1年を超える時間を必要としました。植物性原料だけで商品を設計するという点に困難はありませんでしたが、酵母エキスなどのうま味調味料を使わないという点には大きな問題がありました。スパイスの組み合わせである程度は味の調整ができるカレーは、「ルウに加工する」という難しさを除けば、植物素材100%での商品化が不可能ではありません。なぜならカレーづくりの核は、スパイスをどう組み合わせるかにあるからです。しかし商品のうま味を出すためには「酵母エキス」を必須と考えてきた方々と、「酵母エキスに置き換わるうま味」を探すためには、時間が必要でした。またそれは同時に、経験によって構築された「思い込み」という檻から、私たち自身を開放するためのステップでもありました。
カレーのルウをインスタント食品と同等に扱うなら、お湯を注ぐだけで、お客様が納得する完成した味が求められます。しかし本来は、お湯を注ぐだけで「100%完成した味」を提供する必要はありません。なぜならカレーのルウは、調理をする過程で使用する調味料と似た役割を担っているからです。つまりしょうゆや砂糖などと似た位置づけです。カレーはまず具材を炒めて、水分を加え煮込みます。具材は時々によって、家庭によって様々だから、煮込んで出来上がるブイヨンの味も様々です。そこにルウを加えて、好みで他の調味料やハーブ、スパイスで調整するのが私たちがよく知る「カレー」です。つまり毎回、同じ味に仕上がるわけがないし、仕上げる必要もないものです。
「加えたらそれだけで味が決まる商品を作らなければいけない」という考えも、「酵母エキスは使わないとうま味が出ない」という考えも、「カレーのルウ」の位置づけを変えてしまえば、私たちの単なる思い込みに過ぎない可能性がありました。
誰の味覚にも100パーセント合う商品は、恐らくこの世にはありません。
これは、どのようなヒット商品にも当てはまる動かしがたい真実です。我が家のカレーも、万人受けしやすい濃厚な味付けにせず、10人にひとりくらいは、そのまま湯に溶かして「これでもいいかもしれない」と云う味に仕上げることを目標にしました。濃厚な味では、具材の味が埋没してしまうだけでなく、個々の好みの味に調整できなくなるというのも理由のひとつです。しかしそれ以上に、ひとくち目の強烈な印象と満足感を与える味は、途中で「食べ飽きる」外食やインスタント食品の味にも似ています。対して、「食べ飽きない」のが、家庭のご飯の位置づけです。「食後に満足感を得られ、時折恋しくなるような、何年も食べ続けられる味にしたい」と試作を重ねた末に生まれたカレールウは、単なるスパイスミックスからはほど遠い、程よいコクと深いうまみをそなえたものでした。複数の野菜やフルーツを組み合わせ、調味料で味を調えた結果、スパイスの刺激的な風味を引き立てる余韻ある「フォンにも似た」味わいが出来上がっていたのです。
我が家のカレーのもとは、ブイヨンがなくても、酵母エキスがなくても、うま味は作り出せるという証明であり、次の商品を開発するにあたっての道しるべとなりました。
用途の広い、ホワイトソース風ルウ ~ 我が家のクリームスープのもと
ご紹介したかったのは、酵母エキスを使わない100%植物性素材のホワイトソースのもとです。日本でいうクリームシチューのような、白い煮込み料理に使うのがホワイトソースは、エルボ・マカロニと和えてオーブンで焼くとグラタンが、シーフードなどを加えてパスタにかけるとスパゲティのクリームソースが、たっぷりの具材と合わせてスープ仕立てに仕上げるとクリームシチューが出来上がります。しかし「ホワイトソース」では使い方がわからない、ホワイトソース自体を使ったことがないという声が多かったために、より用途を明確に「クリームスープのもと」と名づけました。商品特性がより明確な「クリームシチュー」と呼ばないのには、日本の洋食に縁が深いこの言葉に絡まって拭えない固定した味のイメージがあったからにすぎません。
ソースづくりの難しさ
フランス料理の基本と云われるルウですが、一般的に、ルウを使ったソースづくりは難しいといわれます。それは、簡素なものほど、原料の質と、調理人の技術とセンスが問われるからです。ルウの原料は、粉と食用油のみ。言い換えると、味の決め手は油の質と粉の質。そして、その二つを炒め合わせてうま味に変える調理技術にしかないということです。
色がつかないよう粉を炒めてつくった白いルウに、フォンや牛乳を加えてのばしたものがホワイトソースです。焦がさないように加熱温度を調整しながら、同時に牛乳臭さや粉臭さを飛ばすという熟練の技量が必要とされます。他方、ドミグラスソースは、茶色く焦がしうま味を加えたルウを、牛スジなどを使ってとった動物性のフォンでのばしたものです。ルウを白く仕上げる難しさがない代わりに、焦がさないよう絶妙な茶色の香ばしい香りになるまで炒める技術が必要です。「我が家のカレーのもと」を商品化したチームであれば、技術という点においても、原料という点においても、何の心配もいらないと確信していましたが、ただ一点、動物性食材に比べてうまみの弱い植物原料だけで、どこまで味を構築できるかという、一番肝心な味という面での懸念でした。
バターの代わりに植物油をつかうと、油そのものが焦げるということはありませんが、その分、うまみにつながる成分は少なく味わい深さは欠けたルウになります。結果、味の設計の多くが「フォン」づくりに集約されてしまいます。粉臭さが消えやすく風味がよいのは、ホワイトソースよりもブラウンソースです。しかしフォンをベースに味が決まるブラウンソースと、牛乳などの乳性品でコクを出すホワイトソースでは、植物性原料に置き換えやすいのはホワイトソースです。カレールウとドミグラスソースは、同じブラウンのルウがベースですが、牛のフォンが味の決め手となるドミグラスソースよりも、スパイスを加えて風味を調整できるカレールウの方が、植物原料のみで再設計がしやすいのです。
「我が家のカレーのもと」は、絶妙なスパイスの配合率が味を決めているようですが、実は全体の印象をまとめているのは、植物原料だけを使ったフォンの醸し出す深くコクのある風味でした。このフォンの配合技術をもとに、次に取り掛かったのがより難易度の高い植物原料100%ホワイトソースの設計です。
バターの代わりに植物油を。小麦粉の代わりに米粉を。
牛乳やクリームの代わりに豆乳と大豆粉を。
どれも単体で強い印象を残せるほど、強烈なうまみをもった原料ではありませんが、商品のコンセプトは引き続き、「我が家の味をつくるお手伝い」をすること。そして、
- 調味料と同等の位置づけにする
- 各家庭の好みの味に調整しやすい商品にする
- 最後のひとくちで満足でき、また食べたいと感じる味にする
という商品設計の方向性もそのまま引き継ぎました。
「うまみ」は後からやってくる!
一口食べると若干物足りない感じがしましたが、逆に、もう一口もう一口とさじが進む感じで美味しかったです。最近は、確かに一口目でおいしいと思うものが多いですが、食べ続けるとしつこくなって飽きてしまう味が多いので、新鮮に感じました。
日東醸造 開発チーム(プレマシャンティ精進白だしの商品企画・製造)
初回の試作では、甘口のコーンポタージュ風味に仕上がっていたクリームスープでしたが、商品の規格決定にあたっては、とうもろこしの配合を調整し甘みを少し控えました。ホワイトソースに近い商品に仕上げて、スープだけでなく、パスタのクリームソースやグラタン、魚や鳥の煮込み料理にも使って頂きやすいようにというだけでなく、家庭で味が調整しやすい、使い勝手の良い商品を目指したからです。強烈なインパクトは残さないかわりに、一緒に使う食材と調和できる有機的な加工食品があってもいいのではとの思いもありました。
「我が家のクリームスープのもと」は、とうもろこし、玉ねぎ、にんじん、セロリをあわせたブイヨンに、日本が誇る植物性だし原料である昆布、醸造の熟成した深みのある味をもつ醤油と白ワインを加えて、塩コショウで味を整えた、非常にシンプルでわかりやすい、それでいて熟成されたうま味を感じるホワイトソースのルウです。クリーミーでコクがある舌触りは、米粉と大豆粉を配合し表現しました。もちろん、酵母エキスや化学調味料、淡白加水分解物、乳製品を含めた一切の動物性原料は不使用です。ごまかしがない分、素材の組み合わせを工夫し原料を惜しまず入れたので、味は上々。ただその分原料費が嵩み、スーパーに並んだ他の商品のように安価ではありませんが、じゃがいもや玉ねぎ、サツマイモやセロリなど、甘みのある野菜からクセのある野菜まで、すべての素材の風味を個々で生かすことができる商品になりました。ホワイトソースとして使う時には、塩や白ワインを加えて。スープなどの煮込みには、豆乳やナッツミルク、クリームコーンを加えて。「我が家のクリームスープのもと」は、アイデア次第でどんどん用途が広がるフレーク状のホワイトソースです。
一度食べると、クセになる
いかにより多くの味覚を掴むかは、加工食品会社の課題です。口内には味蕾(みらい)と呼ばれる味を感じる受容体が一万近くあり、それが脳に刺激を送ります。滑らかな口当たりをつくる脂肪分、快楽を生み出す糖分、味を引き出す塩分。これらの3つは、生物が本能的な欲求と連動しているため、脳が自動的に美味しいと感じるカギを握っていると云われています。口に含んだ瞬間に、脳に強い印象を与え、忘れがたい印象を残すことが出来れば、「一度食べると、クセになる」商品の完成です。食品業界には、より素早く、より強力に味蕾(みらい)を刺激するにはどうするか。一口目から強烈に美味しいと感じる商品をつくるには、脂肪分・糖分・塩分の3つをどういった配合で組み合わせるかといった研究を重ねている場所も少なくないといいます。しかし本来「クセになる」味は、作為的な技巧の繰り返しで生まれるものではありません。小さな頃から日々、家庭で食べてきた味こそが「クセになる」味であり、家庭にしかないからこそ、成長してからも「ほっと気持ちが落ち着く」一番の味であり続けるのではないかと思うのです。
コンセプトは「大人の酸味」~我が家のドミグラス風ソースのもと
「我が家のクリームスープのもと」のご紹介が終わった直後、お客様から「ベジタリアン用のハヤシライスのもとは、つくらないんですか?」とお問い合わせをいただきました。ハヤシライスに必要なものは、ドミグラスソース。小麦粉をバターで茶色くなるまで炒めたところに、牛の肉や骨と野菜を煮込んでとった「フォンドボー」と呼ばれるブイヨンを加えて煮込こみ、赤ワインを加えて更に煮詰めたソースです。カレーのようにスパイスの助けはなく、またホワイトソースのように豆乳のコクも期待できないドミグラスソースは、味の決め手が牛のだし汁であるため、植物性素材でつくるには発想の転換が必要とされる最難関。ハヤシライスのルウをつくるなら、唯一コクとうまみが期待できるトマトを使いますが、使い方の難しいクセの強い食材で、おまけにドミグラスソースそのものにはトマトが使われることはありません。
薄切り肉と玉ねぎを炒め、ドミグラスソースで仕上げたハヤシライスは、ハッシュドビーフやロシア料理のビーフストロガノフにも似ていますが、洋食をもとに日本でできた独特の料理だといわれます。豚肉を使えばポークハヤシ、そのままご飯にかければハヤシライス、オムレツやオムライスにかけるとオムハヤシと名前を変える日本の洋食屋さんでの定番でありながら、カレーのように「国民食」にはなりきれていないいささか残念な料理でもあります。ハヤシルウをつくるならより難易度は下がりますが、同時にカレーよりもマイナーな、稀にしか作られない料理用の調味料になってしまう可能性がありました。
脱ハヤシライス?を考える
日本でシチューというと、食べ応えのある具材が入った、とろりとした舌触りのスープ状の食べ物です。しかしシチューは本来、「煮込み料理」全般を指す言葉で、日本の料理でいうと筑前煮みたいなものでしょうか。様々な野菜のうま味が染み出た煮汁に、醤油で味をつけるのが日本の筑前煮なら、豆や野菜のうま味が染み出た煮汁にルウやソースを加えるのがシチュー。ホワイトソースを使えば白い煮込み料理に、ブラウンソースを使えば茶褐色の煮込み料理にと、ソースひとつで趣向を変えられるのが洋風の煮込み料理の利点であり、ソースの魅力でもあります。また好みに合わせて豆乳やクリームコーン、赤や白のワインを加えれば本格的な洋風の煮込み料理に早変わり。ハヤシルウよりも、シチューもできるドミグラスソースをご紹介できれば、ご家庭の料理のレパートリーもより広がることは確実です。考えた末に行きついたのは、「ハヤシルウをベースにしたドミグラス風ソース」のコンセプトでした。商品が目指したのは、次の3つの方向です。
- トマトを使うけれど、トマト味になりすぎない
- フルーティーで深みを出すけれど、甘さは控える
- 味に厚みを出すけれど、調整しやすい味付けにする
また、深いけれどキレのある植物性原料100%のフォンの再現を軸に、「我が家の味をつくるお手伝い」ができる柔軟性の高い「調味料」のようなルウをつくるというクリームスープやカレーの考え方をそのまま引き継ぎました。
完成、植物性100%のドミグラス風ソース
味の骨格は、ほぼ粉末野菜や野菜エキス、果汁だけで構成されています。
うま味成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸の宝庫と云われるトマトを軸に、植物性のスープをつくるのには定番のジンジャーやガーリック、玉ねぎなどの野菜にあわせました。またフルーティーさを出すために、パイナップル、パパイヤ、マンゴーなどの南国風のフルーツが使われているのがポイントです。風味づけと味の厚みを増すために、アルプスの酸化防止剤不使用の赤ワインや有機ココアを。発酵食品である醤油の独特の個性で、洋風の中に親しみのある日本の味を加えました。調味料に使うにはちょっと勿体ないような上質の原料を使うのも、また簡素な原料だけで深みのある味を作り出すポイントです。もちろん酵母エキスなどのうま味調味料や化学調味料、淡白加水分解物、そして乳製品を含めた動物性由来の原料を一切使用していません。だから食べ終わった後にも、舌にいつまでも残るしつこさとは無縁です。
トマトの酸味を残し、果実の甘みが残る味わいに仕上げたあっさりした風味とキレのある「我が家のドミグラス風ソース」は、工夫次第で何通りもの使い方が楽しめる用途の広いルウのもとです。家庭の味が玉ねぎとマッシュルームなどのキノコをじっくりと炒めあわせて、ハヤシライスに。カレー用スパイスと合わせて、オリジナルカレーに。ジャガイモや玉ねぎ、にんじんなどを柔らかく煮て、たっぷりのスープでブラウンシチューに。少量をお湯で煮溶かして、ハンバーグやソテーのソースに。お好みでオリーブオイルなどの植物油を加えればコクが増し、ケチャップやトマトピューレを加えれば酸味が増します。出来上がったハヤシライスに、アーモンドやカシューナッツなどのナッツ類をピュレに加工して添えると、サワークリームのかかったハッシュドビーフ風のお惣菜にも変身します。
寒い冬はもちろん、こってりとした味わいが恋しくなったら、ドミグラス風ソースのもとやクリームスープのもとで、植物性原料100%の我が家の洋食を楽しみませんか?
我が家のレシピ、公開します
ブラウンシチュー
我が家のドミグラス風ソースのもとを使った簡単シチュー。
ごろごろ野菜にソースのうまみが染みこみます。とろみ具合もよい感じです。
材料(2人分)
- じゃがいも 1個
- 人参 1/3本
- 小玉ねぎ 4個
- マッシュルーム 2個
- オリーブオイル 大さじ1/2
- 水 300cc
- ローリエ 1枚
- 欧風だし 小さじ1/2
- 我が家のドミグラス風ソースのもと 大さじ5
作り方
- 鍋にオリーブオイルを熱し、食べやすい大きさに切ったじゃがいも、小玉ねぎ、人参、マッシュルームを炒める。
- 水、ローリエ、欧風だしを加え、野菜がやわらかくなったら、我が家のドミグラス風ソースのもとを加えて焦げないように混ぜながら煮込む。
ベジミートスパゲティ
大豆ミートを使ったベジミートスパゲティ。
ベースの味は我が家のドミグラス風ソースのもとにおまかせ。
後はケチャップやウスターソースを加えて、お好みの味でどうぞ。
材料(2人分)
- パスタ 180g
- にんにく 1片
- 大豆ミート(ミンチ)20g
- 玉ねぎ 1/4個
- 人参 1/4本
- オリーブオイル 適量
- 水 300cc
- 我が家のドミグラス風ソースのもと 大さじ5
- トマトピューレまたはケチャップ 大さじ1
- ウスターソース 大さじ2
- コショウ 少々
作り方
- フライパンにオリーブオイルを熱し、みじん切りにしたにんにく、玉ねぎ、人参、水で戻した大豆ミートを炒める。
- 水と我が家のドミグラス風ソースのもとを加えて弱火で5分ほど煮込む。
- トマトピューレ、ウスターソース、コショウで味を調えてできあがり。