プレマシャンティからの贈り物 須賀さんの人参ジュース
須賀さんが育てた人参で作った人参ジュース。 濃厚な食感と人参の自然な味わいが楽しめます。
プレマシャンティは、繋がりのなかで生まれます。
それは人であったり、自然であったり、商品であったりします。
ご紹介頂いたご縁を辿って各地を旅するうちに、その土地だからこその出会いもあります。
その土地でしか、その時期にしか出会えない味。
皆さんにご紹介したいけれど、生ものであったり、作る量が限られていたりと、私たちがお預かりするには難しい商品も決して少なくありません。
また作り手を身近に感じて初めて、より深い味わいが生まれる商品もあります。
プレマシャンティの開拓チームが、各地を巡り、作り手の目を見て、言葉を交わして惚れ込んだ数々を、桜のカードを添えてお届けします。
大地の人参 頂きます!
半世紀以上も化学合成農薬や化学肥料だけでなく、動物性堆肥も使用せずに育ててきた土が育てるお野菜は、お味はまろやかで、調理に溶け込む力が強いにも関わらず、頂いて暫くしてからも、何度も思い出せるあとひく味わいです。自己主張しないのに、調味料にも、調理法にも、身体にも、溶け込んでいくようで不思議です。地上に出来るお野菜を頂いていても、十分「あとひく」味わいですが、ここに力強さが加わったのが根菜たち。なかでも個性はあるのに、馴染みやすいという表現が、とってもぴったりくるのが須賀さんの人参です。
須賀さんからのお野菜便
私、プレマシャンティ開発チームの横山のもとに、須賀さんからのお野菜便が届いたのは 2020年3月のこと。
この中に入っていた人参に、私はすっかりほれ込みました。
なぜって、見た目も味も真剣に「人参」なのに、「人参」な気がしないのですもの。
人参、苦手ではないです。むしろ好きな方です。
それでも外で、例えばレストランやお料理屋さんで頂く人参は、往々にして「独特のエグミ」が口に残ります。もしくは、甘くて食べやすいのだけれど、「人参」としての魅力をあまり感じません。育てるのが楽しいのと、味が好きなのもあって、自宅では金時にんじんしか育てないので、いわゆる「西洋人参」には縁が薄い私ですが、きれいなオレンジ色でどっしりした須賀さんの人参には、「おっ!」と期待が高まりました。私は生のまま千切りにして、キャロットラペに仕立て、お味の豊かさに大満足。
プレマシャンティの試食でも、一番頼りになるスタッフのひとりであるお客様サポートチームの坂井からは、「品種もあるかもしれないけど、味が濃いのに、人参くささがなかった」とコメントが。にんじん嫌いのお嬢さんも、きんぴらに仕立てた須賀さんの人参を完食していたようです。
須賀さんの人参ジュース
須賀さんの人参ジュースには、720mlのボトル1本あたりに、この人参が約1500グラム入っています。食材の重量の目安を紐解くと、私たちがスーパーや八百屋さんで目にする機会が最も多い西洋人参(五寸人参)は、1本あたりが約150gと云われますから、これを基準に計算すると、1500グラム÷150g=10で、約10本分の人参がギュッと凝縮されています。
コップ1杯200mlでは、約400g。
なんと2.6本分の人参が頂ける計算です。
人参1本を調理していただく機会もなかなかないのに、
コップ1杯で2.6本!
人参を食べた!!!という達成感がありませんか?
有機レモン果汁で少し酸味をつけて飲みやすく仕上がっていますが、飲むと云うより、食べるという感覚の人参ジュースですから、ちょっとこのままでは苦手と云われる方は、ストレート果汁のリンゴジュースやオレンジ(みかん)ジュースと混ぜてお召し上がりください。寒天で固めてゼリー風?おかず風?にしても、頂きやすいかもしれません。
カロテン
人参から名前をとったという「カロテン」を沢山含む人参。
他の緑黄色野菜とあわせてバランスよく食事をするなら、1日には20g程度でいいようです。ですから、須賀さんの人参ジュースならコップ半分100mlで十分です。
化学合成農薬や化成肥料に頼らない農業
埼玉県児玉郡上里町で農業を営む須賀さん一家は、江戸時代から続く農家です。群馬県との県境にほど近いこの土地で、半世紀以上も”土”を育て、”適地適作(てきちてきさく)・適期適作(てっきてきさく)”を実践してこられました。須賀さん一家が自然農法に取り組み始めたのは、MOA自然農法と岡田茂吉の考え方との出会いがきっかけでした。一男さんが、昭和20年代前半に医者から見放されるほどの大病を患った頃のことです。病弱だった自らの身体をとおして、食物が健康に与える影響の大きさを知り、長男利治さんの誕生を機に、ご夫婦で化学合成農薬や化成肥料に頼らない農業に従事すると決意します。時代は高度成長期の真っただ中。単一植生と耕起や防除などの営農による人為的な農作物の管理が推奨され、農村部から都市部への人口の流出と農業と他産業との収入格差が広がる中で、農業の機械化が進み、除草剤や農薬などの農業資材が普及し、単収を上げ農業労働を軽減するための施策が矢継ぎ早にたてられた時代でした。時代に逆行するかのような須賀さんの農法は、周囲の目には、異質なものにうつったのでしょう。地域の農家の理解を得られない中で、須賀さんは自然から学び、試行錯誤を繰り返し、MOA自然農法に取り組んでこられました。
MOA自然農法は、岡田茂吉が、農薬や化学肥料にたよらず、生命体である土の持つ力を最大限に発揮させ、自然環境を清らかに保ちつつ、安全で、おいしくて生命力にみちた美しい作物の栽培を願って昭和10年代に創始した農法です。(MOAインターナショナル ホームページより引用)
土づくり
命のある土には、バクテリアなどの微生物や土壌生物などが息づいて、朽ちた植物などを分解し再び土に戻す命のサイクルが出来上がっています。命のサイクルができあがっている土壌は、耕したり、肥料を与えたりと人が過剰に手を加えなくとも、まるで里山のように、柔らかく、温かく、バランスの良い栄養分を含んでいるといいます。植物は、この土に力いっぱい根を張って、己の強い生命力を頼りにたくましく育ちます。そしてこの土地で育った植物は、また来年も同じ場所で命をつなげるようにと新たな命となる「種」を紡ぎます。須賀さんにとっての土づくりとは、里山があるがままに培ってきたような、大自然がもともと備え持つ循環が最大限に生きた「自然」に近い、野菜が己の力で元気いっぱいに育つ土づくりです。
適地適作・適期適作
植物には、それぞれ好みの土壌や環境があります。例えば、里芋が湿気を好むのに対して、さつま芋は通気性がよく水はけのよい場所を好みます。土壌の種類や水はけの良さ、日照時間などの固定された条件のもとで、育ちやすい植物(野菜)を選ぶのが「適地適作」です。対して「適期適作」は、時期との組み合わせです。「旬」は、それが一番おいしく栄養価も高い季節といわれますが、植物の側から考えるなら、「一年で最も育ちやすい」季節でもあります。例えば、ナス科のトマトやなすは、初夏や初秋の日当たりが良く、比較的暖かで乾燥した季節を好むように、ウリ科のキュウリやスイカは初夏から真夏、秋口までの夏場を好みます。それぞれの栽培野菜の「旬」を一般的にわかりやすくしたのが、種まきカレンダーとよばれるものです。
対して須賀さんの「適期適作」は、”見極める”こと。
それぞれの植物が育ちやすい季節を目安に、今まで積み重ねてきた経験と栽培記録、そして日々の気候の変化を観察し、「植物が、病気や虫に負けずに、己の力で強く育ち命を繋げるであろう時期」を見極めたうえで、生命力と経験を蓄えた種を、その力が発揮しやすい土地に極力戻すことが、須賀さん一家とその仲間たちにとっての「適地適作・適期適作」だといえます。