プレマシャンティ®からの贈り物 かつお節問屋が作った「かねさんの白だし」
「かつお節」と「昆布」だけをベースにだしをひいた液体だし
プレマシャンティ®は、繋がりのなかで生まれます。
それは人であったり、自然であったり、商品であったりします。
ご紹介頂いたご縁を辿って各地を旅するうちに、その土地だからこその出会いもあります。
その土地でしか、その時期にしか出会えない味。
皆さんにご紹介したいけれど、生ものであったり、作る量が限られていたりと、私たちがお預かりするには難しい商品も決して少なくありません。
また作り手を身近に感じて初めて、より深い味わいが生まれる商品もあります。
プレマシャンティ®の開拓チームが、各地を巡り、作り手の目を見て、言葉を交わして惚れ込んだ数々を、桜のカードを添えてお届けします。
創業100年、かつお節問屋の「かねさんの白だし」
「初めまして。突然のご連絡失礼いたします。鰹節問屋の湯浅商店と申します。
弊社は東京を中心に鰹節の小売・卸販売をしている会社でして、今年で創業101周年を迎えます。」
6月のある日に届いた1通のメールは、こんな書き出しで始まりました。
日本食の背骨、だし。
そのだしに欠かせない鰹(かつお)節。
五味のひとつ「うまみ」のもとには、
弊社 一言(いちごん)ございます。
弊社代表の中川も、私、プレマシャンティ開発チーム 横山も、だしから食を仕度する暮らしと縁深く、かんなにも似たかつお削り器で一本節を削り、食を仕度する暮らしが背骨にございます。ですから、だしの素材となるかつおや昆布、乾しいたけ選びには、舌と嗅覚、視覚、五感と身体を全投入しております。乾しいたけも昆布も、かつお節も、日本の昔ながらの商いが脈々と続いており、買い手には「入札」の権利を持つものしか参加出来ません。また作り手たちとのご縁が全てですから、経験と学びで身につけた目と、代々培ってきたご縁をもって、初めて一級品にたどり着けます。プレマシャンティでご紹介する乾しいたけも、昆布も、かつお節も、そのどれもが一級品。代々ご縁を繋ぎ、五感を磨き、日々研鑽を続ける目利きたちが、「これぞ」の一品を選び抜き、太鼓判を押してお届けしております。
話は戻って、かつお節。
プレマシャンティでは、これぞ!の鰹節を5年近くかけ訪ね歩き、三大産地を何度も巡り、鹿児島県の山川と枕崎のかつお節にいきつきました。鰹節の世界では、問屋さんには巡り合えても、節づくりの職人さんにはなかなか会えず、つくる現場に見学に行ける機会はおそらくほとんどないかもしれません。かつお節も職人芸です。水揚げされたかつおを茹で、時間をかけて燻製にし、時にはカビ付けをして仕上げる節は、日によって、個体によって、それぞれに個性がでてきます。この個性をのこしつつ、「作り手」の味に仕上げる微細な肌感覚に惚れ込んで、プレマシャンティのかつお節とだしパックは、最初の最初から同じ作り手さん一択で進んでいます。ですから、鰹節問屋さんから届いた1通のメールには、純粋に興味をそそられました。ご提案は、花かつをとまぐろ節。
そして、この「かねさんの白だし」です。
「かねさんの白だし」を知る
発酵調味料(※)、しょうゆ、本みりん、かつお節だし、食塩、こんぶだし、砂糖、かつお節粉、りんご酢
かねさんの白だしは、
これらの素材でできています。
白だし(液体だし)はあまたあれ、「うま味調味料」や「酵母エキス」、「大豆たん白加水分解物」などを添加しない液体だしは限られます。
「かつお節エキス」や「昆布エキス」のような、「○○エキス」を使わない白だしも、数が限られます。
さらに、節を「かつお節」だけに絞った白だし(液体だし)は、大変珍しいです。
ましてや、「かつお節」と「昆布」だけをベースにだしをひいた液体だしは、さらに珍しい。
プレマシャンティでご紹介するおだし達に出会うまで、手当たり次第に試しました。料亭の名前がついたおだしや醤油屋が作るだしなども含め、その数、軽く50種を越えます。残った記録をみる限り、「かつお節」と「昆布」でひいただしだけを使う液体だしは、この「かねさんの白だし」だけかもしれません。
香料や○○エキスを使わず、「だし」感を強く出す方法のひとつが、節のブレンドです。
かつお、まぐろ、あじ、サバなどの節を混合します。それぞれの節がもつ特徴を生かしたブレンドに、あごやうるめいわしの煮干しを加えたりもします。
醤油やみりんなどの調味料を加えてこそ、液体だし。
ですが、調味料の香りや味わいが加わると、「だし」感と旨みは隠れます。隠れないようにする工夫がブレンドであり、○○エキスの添加です。また「だし」感と旨みは、火が加わっても隠れます。理由は香りが飛ぶからです。嗅覚を刺激する香りは、旨みのトリガーのひとつです。ですから薄削りのかつお節を使って出汁をひくときは、必ず「火を止め、かつお節をいれる」とあります。これで、旨みの要素「香り」が、だしに留まりやすくなります。それでも時間が経過すると、変化するのが香りです。
『白だし、やっぱり私には甘いです。
けれど、そこまで甘さを主張しないし、お出汁の風味をちゃんと感じます。』
By お客様サポートチーム 坂井
お客様と対話を重ねる最前線にいる坂井もまた、毎日、かつお節を削る暮らしを続けるひとりです。 幼少の頃から今もなお、「かつお節を削る」が日々の食の背骨にある彼女の舌は敏感です。かつおを削り、だしをひき、食を整えるお母さまの背中を見て育った彼女もまた、普段からだしをひき、家で整える食事にはほとんど甘味を加えません。ですから液体だしだけでなく、市販の「○○のもと」のような混合調味料は、ほぼどれも「甘い」と評しますが、今回の液体だしは「甘さは、使い勝手が良いかなあ」とひとこと。それもそのはず。この液体だしの本領は、だしが命の蕎麦職人たちの高い要望に沿い続けた湯浅商店がつくる、和洋中、創作料理に至るまでオールマイティに使える液体だしなのですから。
(※)発酵調味料とは
発酵調味料は、「米・米麹・食塩・水」を材料に、米と麹をアルコール発酵させ、飲めないように食塩を添加した甘味調味料です。本みりんに塩が入ったものと考えれば、近いかもしれません。
「かねさんの白だし」を知る
鰹節問屋「湯浅商店」の創業は、1920年。
浅草育ち、能と歌舞伎が大好きだった江戸っ子気質の初代が、浅草で構えた鰹節問屋がはじまりです。
それから100年越の時を経て、現在3代目湯浅勇さんを筆頭に問屋としての商いが続いています。
鰹節問屋「湯浅商店」は、ほぼ9割のお客様が職人さんです。
浅草と云うと、蕎麦。浅草の魅力は「蕎麦にある」と断言するひとも少なくないほど、明治・大正、幕末まで、創業100年を超える蕎麦屋がしのぎを削っている土地が、浅草です。その浅草を生誕の地とする湯浅商店のお客様も、また蕎麦屋。蕎麦屋には欠かせない、カツオ、宗田ガツオ、サバ、アジ、マグロなどの節をはじめとするだしの素材を、一言ある蕎麦屋の職人たちの目にかなうよう取り揃え、提供する役目を担ってきました。蕎麦のつゆは、醤油・みりん・砂糖を独自に配合してつくる「かえし」と呼ばれる調味料に出汁をあわせます。
各店で独自の配合を持つ「かえし」は蕎麦屋の命とも云われ、非常時には「何があっても、かえしは守る」というほど大切にされています。そしてだしは、このかえしに継ぐ、店の個性、店の命のひとつです。個々の職人が求める味わいや香りを覚え、それにぴったりと沿い、時には期待を超える節を選んで届け続ける日々に鍛えられた目と舌が、湯浅商店の強みです。「かねさんの白だし」は、鰹節問屋としての湯浅商店の歴史と今が凝縮されています。
「かねさん」とは、湯浅商店の屋号です。「曲尺に三」と書いてかねさんと読み、「曲尺のように堅実で誠実な姿勢でいよう」という想いが込められています。