プレマシャンティからの贈り物 エチオピアはちみつ
伝統的な手法で野生のミツバチから採取したホワイトはちみつとアンバーレッドはちみつ
プレマシャンティ®は、繋がりのなかで生まれます。
それは人であったり、自然であったり、商品であったりします。
ご紹介頂いたご縁を辿って各地を旅するうちに、その土地だからこその出会いもあります。
その土地でしか、その時期にしか出会えない味。
皆さんにご紹介したいけれど、生ものであったり、作る量が限られていたりと、私たちがお預かりするには難しい商品も決して少なくありません。
また作り手を身近に感じて初めて、より深い味わいが生まれる商品もあります。
プレマシャンティ®の開拓チームが、各地を巡り、作り手の目を見て、言葉を交わして惚れ込んだ数々を、桜のカードを添えてお届けします。
エチオピアをご存知ですか?
エチオピア連邦共和国は、アフリカ大陸の東部、アラビア半島側に近いアフリカの角と呼ばれる地域に位置する連邦共和制国家です。アフリカ大陸でも、初期に独立した国家のひとつですが、その歴史は更に古く、紀元前にまで遡ります。また人類の歴史を語るうえでも外せない国が、エチオピアです。人類の起源がアフリカ大陸にあるとされる現代、なかでも現存する最古の、約380万年前の猿人の頭蓋骨が発見された場所でもあります。
アフリカ大陸と聞くだけで、暑い国と連想してしまいますが、4000m級の山々が多く、国土の大部分を標高が平均で2300mあると云われるエチオピア高原が占めるため、温暖で年間の気温の変化も少なく、夏場でも日本より涼しい場所が多いのです。またエチオピア高原に降り注ぐ豊かな雨が、植物の種に富んだ森林を育てています。この森林の中に今も野生のまま自生しているのが、コーヒーの木。コーヒーの三大原種のひとつであるアラビカ種が自生する森が残るだけでなく、ロブスタコーヒーノキの故郷でもあります。現在、私たちが口にするコーヒー豆の99%近くがアラビカ種とロブスタ種であることを考えると、エチオピアがコーヒー発祥の地とよばれても不思議ではありません。
ホワイトとアンバー~2種の蜂蜜~
エチオピアの養蜂
エチオピアにおいて、コーヒーの栽培よりも古い歴史をもつのが養蜂です。
日本ではあまり耳にすることがないエチオピア産の蜂蜜ですが、なんと、エチオピアは蜂蜜大国。「Tej(タッジ)」というアルコール飲料の原料であり、現地では、養蜂は非常に大きな産業のひとつです。エチオピアホップと呼ばれるクロウメモドキと蜂蜜でつくるタッジは、3000年以上も前から飲み継がれてきたというのですから、当地で暮らす人々とミツバチとの深く長いお付き合いも想像できるのではないでしょうか。
伝統的な手法は、丸太をくりぬいた筒に木の皮を巻き付けてつくった巣箱を、大木の枝に括りつけてミツバチをおびき寄せます。ミツバチが寄ってきやすいように、ミツバチが好む匂いの葉をいぶして巣箱に香りをつける地域もあるようですが、基本は「ハチ任せ」。一度巣箱を仕掛けたら、ひとは「野生のミツバチが住みつくように!」と祈るのみなのだとか。片側の底面に穿った小さな穴からミツバチが出入りするようになったら、夜中に巣箱をおろして蜜をとります。伝統的な手法で得られる蜜は、水分が多く(20%以上)清涼感のある特徴的な味わいですが、採蜜量が少なく、収量がその年、その季節の気象条件にも大きく左右されます。そのため、近代的な養蜂が知られるようになってからは、収量が安定するヨーロッパ式やケニア式などと呼ばれる巣箱を導入する養蜂家が増えてきました。
近代的な養蜂では、国際市場では高値がつく、いわゆる「完熟はちみつ」と呼ばれる水分が20%以下の蜂蜜が採蜜しやすくなりました。しかし近代養蜂に変わっても、伝統的な養蜂が忘れられたわけではなく、巣箱にうつすミツバチを集めるためには、伝統的な巣筒が必須です。多くの国の養蜂は、女王蜂を買い、巣箱を立ち上げています。日本にはニホンミツバチという固有のミツバチがいるように、アフリカにもアフリカミツバチと呼ばれるミツバチが暮らしています。防衛本能が強いアフリカミツバチですが、蜜集めはとても熱心。付き合い方を知る現地のひとびとにとっては、暮らしに欠かせない生き物です。
ホワイトとアンバーレッドの2種の蜂蜜
ホワイトとアンバーレッドの2種の蜂蜜は、ともにエチオピア南西部で採蜜されています。 華やかでフルーティーなホワイトに対し、コク深く強い味わいのアンバーレッド。 極端に印象の違う味わいですが、力強いアフリカの大地と深い森に命を得た植物と、アフリカミツバチからの贈り物です。
ホワイト
エチオピア南西部に位置するオロミア州のゲラと呼ばれるエリアで、エチオピアシェフレラの花の蜜を凝縮したホワイトは、さわやかな甘さにキレのある酸味、花の香りが強く残る蜂蜜です。オロミア州ベレテ・ゲラは、ひとの手がほとんど入っていない野生森が残るエリアであり、多くの国が自然林の保護に協力しています。ベレテ・ゲラの森には、アラビカ種コーヒーの起源といわれる希少なコーヒーの木が自生しており、自然林を切り拓くことなく収穫されるこの野生のコーヒー豆は、宝石のように貴重なものです。 このゲラの森で、伝統的な巣筒と近代的な巣箱を使いながら採蜜するのはカフサン氏。柔らかく風味の濃い希少なハチミツと、近代的養蜂で集めた蜜を混ぜ合わせ、粗い濾過のみで樽詰めしています。
アンバーレッド
エチオピア南西部南部諸民族州の南スーダンにも近いマシャを中心地としたシャカ郡の生態系豊かな森で、ギニアフトモモの花をメインに集められた蜜です。野性味溢れる癖の強い味わいは、どこかマヌカにも似ています。濃厚でコクが強く、華やかで個性豊か。酸味とスパイスのような刺激が、後味とともに喉に残ります。アンバーレッドもまた、伝統的な巣筒と近代的な巣箱を併用し、集まった蜜を絶妙なさじ加減でブレンドし、フィルタにかけた後に低温で加熱してから樽詰めしています。