プレマシャンティからの贈り物 丹波市立 農(みのり)の学校の「有機の野菜セット」
有機野菜がある暮らし
プレマシャンティは、繋がりのなかで生まれます。
それは人であったり、自然であったり、商品であったりします。
ご紹介頂いたご縁を辿って各地を旅するうちに、その土地だからこその出会いもあります。
その土地でしか、その時期にしか出会えない味。
皆さんにご紹介したいけれど、生ものであったり、作る量が限られていたりと、私たちがお預かりするには難しい商品も決して少なくありません。
また作り手を身近に感じて初めて、より深い味わいが生まれる商品もあります。
プレマシャンティの開拓チームが、各地を巡り、作り手の目を見て、言葉を交わして惚れ込んだ数々を、桜のカードを添えてお届けします。
大地と暮らす、自然と生きる~農(みのり)の学校
兵庫県丹波市(たんばし)市島町(いちじまちょう)にある農(みのり)の学校は、丹波市と(株)マイファームが運営する全国でも珍しい公設民営・全日制の学び舎です。自身の思い描く農に携わる暮らしを実現すべく、4月からの約1年間、地元農家はもちろんのこと、全国各地から招聘した様々な農業のスペシャリストと共に、有機農業の栽培技術、農業経営などを学ぶ全日制の学校です。学問として学ぶだけではありません。学びとともにあるのが、日々の実践。植物のこと、土壌のこと、果樹のこと、稲のこと、野菜のこと、農業資材のこと、農業機械のこと、販売のこと・・・。座学で得た知識の多くはそのまま、日々のほ場で活かされます。そしてほ場での学びは、新たな疑問を生み、教室に持ち帰ることでさらなる学びに繋がります。時には先輩方のほ場に赴きアドバイスをもらうほか、養鶏や酪農、林業など、里山と共にいきるひとたちからの学びについてもどんどん吸収していきます。
稲を育て、野菜を育て、そして作ったものを食べるひと達に送り出す。みっちりと実習を重ねた彼らは、卒業後には農のプロフェッショナルとして各地に根を張る準備をしています。1年という限られた時間ではあるけれど、生徒たちは知識と経験を輪のようにぐるぐると回し、積み上げながら、「命」を相手に中身の詰まった毎日を過ごします。そして「豊かな土壌」を育み、未来をつくるプロフェッショナルの卵に成長していくのです。
農の学校は、単なる農業学校ではありません。
ここは有機栽培に特化し、実践する場です。在学中には志を同じくするクラスメイトと共に、卒業後には志を同じくするコミュニティや仲間とともに、百年先にも、同じ場所で自然の営みのあるがままに、循環しつづけられる生き方を学びつづけるきっかけを得る場所です。
有機の里 いちじま(市島)
農(みのり)の学校がある丹波市は、兵庫県の東部、京都府と県境を接する人口6万強の自治体です。
里山が多く、田畑など豊かな自然資源をもつ丹波市は、2004年に柏原町、氷上町、青垣町、春日町、山南町、市島町の6つが合併し、「丹波市」と呼ばれるようになりました。(農地面積は県下1位)丹波と聞いて思い浮かぶのは、黒豆や大納言小豆、丹波栗など。丹波市は、近畿圏だけではなく、全国に名を知られた農産物の産地のひとつです。また2023年には、豊かな里山の暮らしを100年先の未来に引き継いでいこうと「オーガニックビレッジ」を宣言(※1)し注目を集めました。
丹波市の有機農業。
その源流は、市島町(いちじまちょう)にあります。
合併して丹波市となるずっと以前の1975年、命のある野菜・食べ物を求めるひとびとの声を受け、市島町の34名の生産者により「市島有機農業研究会」が発足しました。その後、全国的な消費者の声に呼応するように、「市島有機農業研究会」以外にも同地域で有機農業に携わる団体が多数設立されはじめると、市島町の行政や農協もともに同地域での有機農業の発展に関わってきました。有機農業にとって大きな課題のひとつでもある農薬の空中散布も、市島町上空は対象外とされました。これも同町で有機農業に携わる人々の真摯な取組みと共に、行政の理解があったからだと云われています。また市島町は独自に、町直営の堆肥センター「市島町有機センター」(現「丹波市立市島有機センター」)を建設、1992年以来、地域の有機農業推進に大きな役割を果たしてきました。また21世紀にはいってからは、有機農家に対する助成制度、減農薬・減化学肥料などの特別栽培に対する補助を行うようになるなど、様々な形で市島町内の有機農業を志すひとたちが増えていくよう「有機の里」の育成に力をいれていました。また同時に、有機の里づくりによるまちづくりを志すひとたちが、非営利団体(NPO法人)などを組織し、農産物の販売や、地元農産物を使った加工品の開発、町内の学校給食への食材供給などに奔走してきました。農協の組織変更や、行政と「有機」の志をもつひとたちの考え方のずれなどで、必ずしもいつも足並みがそろっていたわけではありませんが、それでも長く有機農業のモデルケースとして多くの人々の学びの場となってきました。
丹波市 市島町上田(いちじまちょうかみだ)。
農(みのり)の学校がある場所です。
深い里山が周囲を囲み、竹田川が流れる自然が豊かな土地で、有機農業を志し続けてきた人々のDNAを受け継ぎながら、学生たちは「農」という生き方の第一歩を踏み出します。
※1 丹波市HPより:https://www.city.tamba.lg.jp/soshiki/nou-shinko/organicvillage.html
農の学校の野菜セット
農(みのり)の学校では、様々な農作物を育てています。
にんじん、オクラ、じゃがいも、たまねぎ、トマト、きゅうり、ほうれんそう、キャベツ、ブロッコリー、大根、カリフラワー、サトイモ・・・。育てている農作物の名前を書きだすと、それだけで一日が終わってしまうかも?というくらい膨大な種類の農作物は、年間約40種類です。ひとくくりに「にんじん」、「じゃがいも」と呼んでいるけれど、彼らが育てているのは1種類の「にんじん」や「じゃがいも」ではありません。たとえば、にんじん。お正月に登場する真っ赤な金時人参だったり、黒や黄、紫色のにんじんだったり。私たちが良く目にするオレンジ色の西洋種の人参だけではない珍しい種類のにんじんも育っています。オクラだって1種類ではありません。緑のオクラに、紫がかったオクラなど。食卓をキャンバスに、まるでクレヨンや色えんぴつで絵をかくように、彩り豊かな野菜たちが、見た目にもワクワクと心が躍るお料理になるさまが目に浮かぶようです。
時には「なにこれ!見たことない!!」という驚きもあったりするのが、野菜セットの面白さです。
とはいえご家庭で毎回驚きばかりでは困ってしまうので、8割は定番のお野菜です。そして私たちが普段お目にかからないような珍しい野菜には、名札と簡単な食べ方のご案内がついてきます。
「ゼブラなす」や「もものすけ」、「にんじんのまびき菜」などなど・・・。
旬のお野菜はもちろん、圃場から直接届くからこその特別なお楽しみもついてきます。
お届けするお野菜は、毎回6種ほど。
すべて有機JAS認証をうけたお野菜たちです。
「美味しかった!」「元気になったよ!」
え、これが有機なの?と云ってもらえるように。
有機栽培だから買うのではなく、美味しいから選ぶ。
古きに学び新しきを取り入れる「農の学校」から、次の世代に引き継いていく命の糧をお届けします。