家庭で仕込む味噌の味、我が家秘伝の味で発酵ライフを極めましょう!
生きたこうじで仕込むうちだけの味、生きた味噌
世界にたったひとつのお味噌から、はじまる朝。
記憶に残るお袋の味は、毎日の食卓に並ぶてづくり味噌のお味噌汁の味かもしれません。
我が家の味の塩麹ができたなら、次は我が家の味の味噌仕込み。
お味噌は日本のソウルフードです。
塩麹の次は、味噌を仕込もう!
味噌仕込みの旬は、冬!
昔から味噌を仕込む時期は、冬。特に、寒さが深まる1月~3月に集中します。
他の時期でも仕込みは可能だといわれますが、ではなぜこの時期に集中するのでしょうか?
その理由は、発酵の温度にあります。
ご存じのとおり、味噌はこうじ菌によって大豆を発酵させることによって出来上がります。
生き物であるこうじ菌の、繁殖適温は25~30度。つまりもっとも盛んに活動する温度が25~30度であり、この温度に近づけば近づくほど活発に発酵するということです。
パンにも「低温熟成発酵」が増えているように、味噌もまたゆっくり時間をかけて醗酵させた方が、味に深みがでておいしく仕上がります。冬場の気温が低い時期にじっくりと発酵させ、味に深みをだす。美味しい味噌造りのポイントは、最初の発酵温度にあるようです。
気温と味噌の発酵具合について
また冬場はカビなどが発生しやすい初夏~夏場と違い、雑菌の活動も停滞しがちです。
現代のように「抗菌」、「抗カビ」に敏感ではなかった昔、水にも生活空間にも今以上の雑菌が存在していたであろうと想像できます。長期間寝かせて醸造する「味噌」などの発酵食品を、雑菌の活動が停滞する冬場に仕込むようになったのは、昔の人たちが日々の暮らしの中から体験的に得た知恵のひとつなのかもしれません。
味噌が出来上がるまで
大豆を煮て、つぶして、こうじと混ぜたら、そこから味噌が仕上がるまでの10ヶ月間、発酵を楽しみましょう!
10ヶ月といわれると、「え!そんなにかかるの!!」と驚きの声を上げる方もいらっしゃるかもしれません。なるほど、天然醸造のお味噌が高価なはずです。
家庭の味噌は、昔ながらの天然醸造で醗酵させます。冬は寒く、そして春暖かくなり、夏の暑い時期で醗酵がより進味噌して秋にまた寒さが戻り始める。四季を十分に味わってできあがる味噌は、経験豊富でコク、うまみに深みがでてきます。
さあ、手前味噌を仕込みましょう!
<準備するもの>
■大豆
■塩切りこうじ
■仕込み容器 ~ 仕込み重量の倍の容量の色つき容器(内側に重石をする場合)
■焼酎 ~ 仕込み容器を消毒する
■鍋 ~ 大豆を煮る用の大鍋か圧力鍋
■重石
■ラップ(もしくは おとし布や越前和紙)
豆炊き
1) 大豆を洗います
見た目にはキレイでも、大豆は意外と汚れているものです。大豆に水を入れたらくるくるとかき回すだけでなく、お米を研ぐ要領で豆同士をこすり合わせるようにしっかりと洗いましょう。目安は水が澄んでくるまでです。たいていの場合は、3~5回洗うと水の濁りがとれて澄んできますが、大豆によっても異なりますので、念には念を入れて水が綺麗になるまで丁寧に洗いましょう。
2) 大豆に水を吸わせます
洗った大豆を、乾燥重量の3倍の水に浸します。大豆1kgなら水は約3kg=3L準備しましょう。大豆の芯まで吸水させると炊きあがりが良くなります。豆にもよりますが、浸水時間の目安は約18時間。左から順に乾燥大豆、10時間浸水させた大豆、18時間浸水させた大豆です。大きさがずいぶん違いますし、つやもずいぶん違いますね。
芯まで吸収しているかどうかは、外見だけではわかりにくいかもしれません。その場合は大豆をひと粒割って、芯があるかないかを確かめましょう。左側がまだ大豆の芯が残った給水時間が足りない状態、右側が芯まで十分吸水した状態です。左右を見比べると、左側の中心部分が縮んでいるのがわかりますか。
芯まで吸水していないと、どうしても仲間で火がとおりにくく、炊いた時に豆の硬さにムラが出てしまいます。大豆は時間をかけて芯までじっくりと水を吸わせましょう。
3) 大豆を煮ます
十分吸水した豆は、水を替えて煮あげます。大豆は煮ている間も水を吸いますので、大豆の表面がすっかり水に浸るくらい入れておきましょう。大豆が水面から顔を出してしまうと、芯まで柔らかく煮えませんので、水は少し多いくらいでも良いかもしれません。鍋は大きめの鍋を準備しましょう。大豆の量によっても変わりますが、煮上がりまでは普通のお鍋であれば1時間以上、圧力鍋であれば20分程度を目安にしましょう。
○普通の鍋で煮る場合○
普通の鍋を使うときは、厚手の鍋があればより熱効率がよく便利です。沸騰したら弱火にして、あくを取りながらコトコトと気長に煮ます。
○圧力鍋で煮る場合○
圧力鍋で煮ると時間は短縮されますが、一度に煮ることができる豆の分量に限りがあるので、何回かに分けて煮る必要があるかもしれません。
ご注意:圧力鍋によって使い方は異なります。圧力鍋を使用する場合には、必ずそれぞれの説明書に従ってください。
大豆が煮えてきたら、火を止める前に煮上がりを確かめましょう。
豆の煮上がりは、親指と小指で柔らかく挟んでつぶれるくらいの硬さが最適です。正確には、キッチンはかり(キッチンスケール)で圧をかけて、500g前後(450~600gは許容範囲)でつぶれるくらいが理想的ですが、ご家庭での味噌仕込みには、「親指と小指でやんわり挟んで簡単につぶれる程度」の柔らかさと覚えておくとわかりやすいのではないでしょうか。
仕込み
1) 煮た大豆をつぶします
煮上がった大豆は、ざるにあげて水気を切ります。
このとき、煮汁は捨てずにとっておきましょう。
水切りをした煮大豆はあら熱を取ったら、温かいうちにつぶしていきます。大豆が冷めたらつぶしにくくなりますので、ヤケドしない程度の温度にまで必ず冷ましたのちに、なめらかなペースト状になるまで丁寧につぶしましょう。つぶし方にムラがあると、発酵に偏りがでたり、粒が残っている部分が腐敗したりする可能性があります。
2) 塩切りこうじと大豆を混ぜ合わせます
大豆ペーストが温かい(人肌程度)うちに、塩切りこうじを混ぜ合わせ『味噌のもと』をつくります。
塩切りこうじがまんべんなく大豆ペーストに混ざり合うよう良く混ぜ合わせ、全体が『耳たぶくらいのやわらかさ』か『小指がすんなり入るくらいの柔らかさ』になるよう仕上げましょう。混ざり方にムラがあると、こうじ菌が混ざりあっていない部分から腐敗が始まる可能性がありますので、ここは特に丹念に混ぜ合わせましょう。
通常、十分に吸水した大豆を味噌仕込みに最適な硬さに煮上げた場合は、塩切りこうじと混ぜ合わせた時点で、ペーストも理想の硬さに仕上がります。混ぜ合わせたものがどうしてもパサつくようであれば、取り置いていた煮汁を足して調整してください。
大豆は十分浸水し、柔らかくなるまで根気よく煮続ける。
『豆炊き』が大切な理由が、ここにもあります。
3) 容器に仕込みます
混ぜ合わせた味噌のもとを団子状に丸めます。
このとき、団子の中に空気が入り込まないよう空気を抜きながら丸めましょう。仕込み容器を焼酎で拭いたら、丸めた団子を余分な空気が入らないよう、容器の中に押し込みながら詰めていきます。「仕込み容器にたたきつけるように団子を投げ入れる」と表現されることもありますが、これは余分な空気を排出し、部分的に過剰に発酵しないようにするためです。全部の団子を詰め終わったら、表面を平らにならし、容器の縁を焼酎で拭いて綺麗にします。空気に触れないよう表面にラップを密着させ、中ふたを乗せてから、重石をします。ほこりが入らないよう、ビニール袋などで容器を覆っておきましょう。大豆と塩切りこうじの量、仕込んだ日を書いて容器に貼り付けておくと、翌年の仕込みの参考になります。
常温で保管し、約10カ月~1年間寝かせるとおいしいお味噌が出来上がります。
途中で『天地かえし』をする蔵元もありますが、マルカワ味噌さんでは「してもしなくても良い」と考えておられるようです。豆の炊き方に気をつけ、愛情を込めて仕込めば十分おいしい味噌になるのだとか。ご参考ください。
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味噌仕込み、ここがポイント!
同じ仕込むなら、美味しい味噌が出来上がるようにと願うのは誰しも同じではないでしょうか。
美味しいお味噌を仕込むなら、次の10のポイントに気をつけてみましょう。
1)素材を選びましょう
てづくり味噌の味の決め手は、素材選び。特に味噌の風味や香り、味のまろやかさも「大豆」に因っても変化するようです。まさに「素材に勝る技術なし」といったところでしょうか。
てづくり味噌における良い大豆とは・・・
大豆の粒が大粒であること
よく水を吸う大豆であること
食べておいしい大豆であること
味の良い大豆でないと、味噌に仕込んでも美味しくはなりません。良質の大豆を選んで、お味噌を選びましょう。
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2)大豆は丁寧に洗いましょう
大豆は見た目以上に汚れているものです。一度洗うと大豆の汚れや油がでてきて水が濁るくらい汚れます。「もうこれでいいかな・・・」と思ってから、もう1回。水が透明になるまでしっかりと洗いましょう。3)大豆に十分な水を吸わせましょう
大豆は煮る前に、必ず一晩(18時間程度)水につけて浸水しましょう。美味しいお味噌を仕込むには、しっかりと大豆をつぶす必要があるのですが、浸水が十分でないと大豆が柔らかく煮えてくれません。水は乾燥大豆の重量の3倍が目安です。つまり1kgの大豆の場合は、水3kg (約3L)が目安ですが、少し多めにしておけばより安心です。
4)十分な水で大豆を煮ましょう
大豆に十分浸水させた後でも、煮ている最中にも、大豆は更に水を吸って膨らもうとします。大豆を煮るときにも、大豆の量の1.5倍程度の水量を目安に水を加えてから煮るようにしましょう。5)鍋をかけたら、お鍋を見ていましょう
大豆をお鍋で煮るには、弱火でコトコト1時間以上。ついつい火元から離れてしまいたくなりますが、火元のそばから離れないこと。これは料理の基本でもあります。 吹きこぼれは概して目を離した隙におきるものです。大豆を煮るとぶくぶくと泡立ちますので、煮上がるまでは十分注意し目の届く範囲に留まりましょう。吹きこぼれを回避するポイントのひとつは、大きめのお鍋を使うことです。鍋の縁ぎりぎりまで大豆(お水)が入っていると、ぶくぶくと泡立って吹きこぼれやすくなります。また火加減にも注意しましょう。圧力鍋で煮ると時間が短縮できます。それぞれの圧力鍋によっても使い方は異なりますので、ご使用になる場合は必ず説明書に従ってください。
6)大豆は十分に柔らかくなるまで煮ましょう
親指と小指で挟んで、簡単につぶれる柔らかさ。これが味噌仕込みのときの、「大豆が煮上がった」サインです。力を入れずに簡単に「ふにゃ~」っとつぶれるくらいの柔らかさに煮ておくだけで、発酵が安定し、味噌の味が変わります。大豆を煮るのは気長な作業ですが、火を切る前に必ず煮え加減を確認してください。 芯が残った大豆で仕込むと、発酵せずに腐ってしまう場合があるのでご注意ください。
7)大豆はなめらかなペーストにしましょう
煮えた大豆はヤケドしない程度に熱いうちに、なめらかなペーストにします。
芯が残ったり、かたちが残ったりしたままの大豆が混ざっていると発酵に影響しますので、徹底的につぶしてペースト状にしましょう。
8)大豆ペーストは人肌に冷ましましょう
ペースト状にしている間にある程度は冷めてきますが、こうじと混ぜ合わせるときには大豆ペーストの温度を確かめましょう。手のひらに乗せて、温かさを感じる「人肌」まで冷めていればOKです。こうじが好きな温度は25~30度程度ですから、快適に活動できる温度にまで大豆を冷ましてから混ぜ合わせましょう。9)丹精込めて、十分混ぜ合わせましょう
味噌造りの大切なポイントのひとつが、このこうじと大豆ペーストの混ぜ合わせ方です。塩切りこうじと大豆ペーストは全体にまんべんなく、どこにもムラがでないように混ぜ合わせましょう。
大豆ペーストが腐らずに発酵するのは、こうじ菌のおかげです。「大豆ペーストだけ」の部分ができてしまうと、当然、発酵せずに腐ります。材料を混ぜる時は丹精込めてしっかりと、これ以上は混ざらないというところまで十分混ぜ合わせましょう。
10)容器に詰めたら重しをしましょう
味噌を容器に詰め込んだら、その上には必ず重しをしておきましょう。重しの目安は、仕込んだ味噌の重量の15~20%です。たとえば、3.5kgの味噌を仕込んだなら525~700g、7kg仕込んだなら1050~1400g(1.05~1.4kg)の重しをしましょう。
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