あなたにぴったりと合う植物油はどれですか?

生食や加熱とオイルごとの特徴を活かした使い方を楽しみましょう

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人体に不可欠な栄養素・脂質。その効果的な取り方と避けるべき点をご紹介しています。

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「油を売る」の由来は昔の油売り

昔は食用としてよりも、灯りの用途としてオリーブ、ごま、魚、鯨、エゴマ、麻、椿などより油を取って使われていました。平安時代になり長木というしめ具が開発されると朝廷の貴族たちが灯りや調理に使う様になりますが、江戸時代になってもほとんどが行灯の燃料として使用されていました。
江戸も後期になると油をおけに担いだ油売りが登場する程、庶民にも身近なものになり天ぷらなどの調理にも使われるようになりました。

なお、油売りがすくった柄杓(ひしゃく)から垂れる油が切れるまでの時間が長いため、世間話に花を咲かせたそうです。
そうしたことから、仕事の途中で無駄話をすることを「油を売る」と言います。

油と脂の違い

常温で液体のものを「油」、固体のものを「脂」と呼びます。植物性油脂の多くは油、動物性油脂の多くは脂です。油脂は「グリセリン」と「脂肪酸×3つ」が結合して成り立っており、脂肪酸にはさまざまな種類があります。脂肪酸は2つの種類に分かれ、脂に含まれるのが「飽和脂肪酸」、油に含まれるのが「不飽和脂肪酸」です。

「脂肪酸×3つ」というのは不飽和脂肪酸が2つ+飽和脂肪酸が1つの計3つというように、どちらかが2つ結びつくものになります。つまり油をつくっている3つの脂肪酸のうち2つが不飽和脂肪酸だと常温で液体の油になり、逆に飽和脂肪酸が2つだと常温で固体の脂となるのです。

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常温で固まる、植物性飽和脂肪酸

植物油は常温の場合液体状のものが多いのですが、飽和脂肪酸が含まれていると気温によっては常温で固体になることもあります。食用だけでなく、石けんやシャンプー、ろうそくの原料としても利用されています。

オメガバランス「1:4」を意識

多価不飽和脂肪酸には「オメガ3系」と「オメガ6系」があり、現代の食生活で特に不足しがちなのがオメガ3系です。2015年の厚生労働省の「1日当たりの食事摂取基準」では「オメガ3(n-3系脂肪酸)」と「オメガ6(n-6系脂肪酸)」の基準は以下の通りです。

種類 男性 女性
オメガ3 目安量 2.1~2.4g 1.6~2.0g
オメガ6 目安量 10g 8g

※30~69歳

比率の目安は、オメガ3 : オメガ6 = 1 : 4 程度

肝心なのは質とバランス

オメガ3もオメガ6も、体内ではつくることのできない必須脂肪酸です。酸化・劣化していない新鮮な油から、栄養が壊れていない良質なものを摂ること、両方をバランス良く摂ることが大切です。

オメガ3は「意識しないと摂ることができない」栄養

オメガ3が摂取しづらい理由が2つあります。

  • オメガ3の供給源である亜麻仁油やしそ油、えごま油などを含む食品の摂取が少ないこと。
  • 非常にデリケートで酸化・劣化しやすいため、流通や保管が難しいこと。

このように、必須脂肪酸であるにもかかわらず、意識的に摂取しなければ、簡単には取り入れづらい栄養素です。

オメガ6はとりやすい栄養素であるものの・・・

毎日の食事で摂りやすい栄養素です。コーン油やごま油、紅花油などおなじみの油に多く含まれ、パンやマヨネーズなどの食品にも含まれているからです。そのため、これらの油は「摂りすぎ」に注意が必要です。

一時期、「リノール酸」は身体に不要なものを減らすので、「飽和脂肪酸」の代わりに「リノール酸」を使えば良い、と盛んに宣伝されたことがあります。
しかし、その当時、ひとつ大切なことが知られていませんでした。身体に不必要なものを減らしてくれると同時に「欠かせないものも一緒に減らしてしまう」ということです。
今では「リノール酸」ばかりを多食すると、健康作用を失いかねないと言われています。

それでは「リノール酸」は食べない方が良いのでしょうか。そうではありません。からだが「リノール酸不足」になると、様々な健康上のトラブルが起ることがわかっています。そればかりか、「リノール酸」にはもうひとつ重大な役割があるのです。
体内で、「ビタミンF(詳しくはガンマγ-リノレン酸やアラキドン酸とも呼ばれる)」を助ける原料になっているということです。「ビタミンF」はからだの働きを調整するホルモンになる栄養素です。

若さの脂肪酸!注目のオメガ7とは?

不飽和脂肪酸の一種であるパルミトレイン酸はオメガ7とも呼ばれ、シーバックソーン、卵、サケ、アンチョビ、イワシ、マカダミアナッツ、オリーブオイルとタラ肝油に含まれ、人の体内でも合成することができます。そのためあまり重要視されてきませんでしたが、ダイエッターの栄養補給、美容・健康・生活習慣改善のサポートなどで見直されてきています。

今さら聞けない!低温圧搾(コールドプレス)オイルって何?

「低温って言うから、きっと冷凍庫の中で搾るんじゃない?」「いやいや、凍らせた原料を搾るんじゃないかな。」なんて会話が聞こえてきそうな低温圧搾(コールドプレス)。
ココナッツオイルなど低温圧搾で作られたオイルやコールドプレスジュースなどから広まった言葉ですが、健康に良さそうなイメージはあるものの具体的にどういった製法なのかご存じではない方もいるはず。

今さら聞けない!低温圧搾(コールドプレス)オイルについてご紹介します。
まずは低温圧搾(コールドプレス)を紹介する前に、よく使われているのにあまり知られていないサラダ油の製造方法から見ていきましょう。

サラダ油ができるまで

サラダ油を作るには、種子に含まれる油分を最大限利用するために、いかに効率的に分離して取り出すかが重要なポイントです。このため、巨大な機械・装置を活用した製造が行われています。

搾油工程

油分の分離には2つの工程があります。

●なたね、紅花の種子など油分を多く含む原料の場合
機械的に圧搾して油を絞り出し、さらに溶剤(食品添加物であるヘキサン)で残った油を抽出します。
●大豆、米ぬかなど油分の低い原料の場合
圧搾を行わず最初から溶剤で油分を抽出します。
粗油から原油を分離

この溶剤を蒸留により完全に除去したものが粗油(そゆ)です。この粗油には澱(おり)のように油分以外の多くの物質(ガム)を含んでいます。これに水を加えガム質を分離し、遠心分離機で除去し、原油を得ます(脱ガム)。
ガム質からはレシチンが製造され、食品添加物として利用されます。

精製工程

この原油はさらに精製されて、最終製品になります。

※日本植物油協会資料より

1. 脱酸
原油にリン酸を加え残存するガム質を除去し、水酸化ナトリウムを加えて遊離している脂肪酸を除去します。
2. 脱色
これを水洗いした後活性白土などを加えて撹拌し、葉緑素などの色素を吸着させ、ろ過をして白土を除去します。
3. 脱臭
サラダ油を製造する場合には、こうして得られた油を冷却し、析出する個体の油脂やロウ分を除去します。最後に、高温・真空下で水蒸気蒸留によって有臭成分を取り除き(脱臭)、精製過程が終了します。

低温圧搾(コールドプレス)オイルができるまで

低温圧搾(コールドプレス)と聞くと、種子原料を冷やしてオイルを搾る方法のように思われるかもしれませんが、冷やしている訳ではありません。効率よく油分を取るために種子原料を加熱して圧搾する方法に対して、種子原料に熱を加えず(常温)に圧搾する方法を低温圧搾と言います。
圧搾には圧搾機を使いますが、イメージとしては低速回転のジューサーのようなものです。低速回転ですが、圧搾後の絞りカスを触ると体温より高く40度くらいはあります。

低温圧搾オイルは、オメガ3やビタミンなど熱に弱い栄養素がオイルに残るのが特徴です。
サラダ油のように効率のいいヘキサン溶剤で抽出しないだけでなく、加熱もしないので搾油効率が悪く、原料重要に対して高価なオイルになってしまいます。

圧搾した液体には油分や水分が含まれているため、精製が必要です。
精製方法は主に2種類あります。

1. 低温圧搾・自然分離法

圧搾後の液体を2~3日静置して自然分離する昔ながらの方法です。
液体の上層の油分を集め、脱水・濾過して製品になります。

2. 低温圧搾・遠心分離法

搾油後の液体を遠心分離機にかけ、油分を得る方法です。
遠心分離機は圧搾後の液体を高速回転させ、水分と油分の比重の違いを利用して油分を得ます。
その後は目の細かいフィルターなどで濾過して製品になります。

低温圧搾(コールドプレス)オイルの特徴は、化学溶剤や熱を加えないため、植物の種子由来の栄養素をできるだけ損なわずに油に残すことができるという点でとてもヘルシーなオイルとして注目されているわけです。

サラダ油と低温圧搾(コールドプレス)オイルの違いがわかりましたか?

サラダ油は大規模な施設で効率的に行われることで、私たちが日常的に使いやすいオイルとして低価格で販売されています。それに比べて、低温圧搾(コールドプレス)オイルは、中小規模の加工所で非効率ながらも、化学的な処理を行わず丁寧に製造するため高価格になってしまいます。
高価格でヘルシーなオイルを日常的に使えると理想ですが、そういう訳にもいかないのが現実です。私たちが使っている油がどう作られているのかを知った上で、必要な時に、必要な油を選べることがとても大切です。
私たちのマクロヘルス®オイルシリーズがあなたの食卓に並べて貰えると光栄です。

あなたの目的に合わせてオイルを選びましょう

有機ひまわり油(サンフラワーオイル)

ひまわりはキク科の一年草で、マクロヘルス®のひまわり油は(サンフラワーオイル)は種子を圧搾して得ています。ひまわり1輪当たり500個~3000個の種子を収穫することができ、更に1つの種子の40%が油ということもあり世界的に生産量の多い油です。
18世紀頃から油の原料として栽培が始まったと言われています。

ひまわり油はオレイン酸が多くなるように品種改良されたハイオレイックタイプが主流となっていますが、こちらは在来種※1で栽培された種を用いています。

ひまわり油の脂肪酸は、体内で作ることができない多価不飽和脂肪酸のオメガ6系の代表格である「リノール酸」が多く、脂肪酸組成最小48~最大74%※2です。

※1:高リノール酸のタイプです。ハイオレイックタイプではありません。
※2:NATURGREENのデータ参照

こんなときにオススメ
  • 内側からキレイに
  • 美容・健康のサポートに
  • 生活習慣改善のサポートに
お召し上がり方

特有の香ばしさがありますが、クセはないのが特徴です。
ドレッシングや、フレーバーオイル、加熱料理でお召し上がりください。

有機パンプキンシードオイル

ペポかぼちゃという種類のカボチャの種子を原料としたオーストリアの伝統的なオイルです。
種子には蛋白質、β-カロテン、ビタミンE、ミネラル類、食物ステロールの他、脂肪酸がバランス良く含まれているため、ヨーロッパではサプリメントの原料としても使われています。

パンプキンシードオイルの脂肪酸は、体内で作ることができない多価不飽和脂肪酸の「オメガ6系」の代表格である「リノール酸」が多く、脂肪酸組成最小40~最大62%、一価不飽和脂肪酸で代表的な「オメガ9系」の「オレイン酸」は18~38%含まれています。

※NATURGREENのデータ参照

こんなときにオススメ
  • 内側からキレイに
  • ダイエッターの栄養補給に
お召し上がり方

香ばしさと甘味が特徴のさっぱりしたオイル。
ドレッシングやバーニャカウダソースなど、生食がオススメです。

小麦胚芽オイル

小麦胚芽油は、成長すると芽になる小麦の胚芽部分が原料であり粒全体の2%とほんの僅かしか取れません。そのため大量生産できないので高価なオイルです。またビタミンE豊富なのでサプリメントの原料にもなっています。

小麦胚芽オイルの脂肪酸は、体内で作ることができない多価不飽和脂肪酸のオメガ6系の代表格である「リノール酸」が最大59%と多く含まれます。更に渡り鳥が植物の種子から摂取しスタミナ源として使用する「オクタコサノール」という成分が微量に含まれることでも知られています。

※NATURGREENのデータ参照

こんなときにオススメ
  • 美容・健康のサポートに
  • 内側からキレイに
  • 忙しい毎日が続くときに
お召し上がり方

穀類独特の香りが特徴です。
加熱せず生で、ドレッシングやフレーバーオイルでお召し上がりください。

有機ウォールナッツオイル

ウォールナッツオイルの原料であるクルミの歴史は古く、紀元前7000年前から人々に食されてきました。
現在は木材用と食用を目的に栽培されています。その種類はとても多く20種もあると言われています。
オイルは堅い殻で覆われた種子を圧搾します。ウォールナッツオイルの脂肪酸は、体内で作ることができない多価不飽和脂肪酸の「オメガ6系」の代表格である「リノール酸」が最大62%含みながら、オレイン酸、α-リノレン酸、パルミチン酸、ビタミンEミネラル類などがたっぷりと含まれています。

ウォールナッツオイルはオメガ3系のα-リノレン酸も含むので熱や光に弱く酸化しやすいため、早めに使い切ると良いでしょう。

※NATURGREENのデータ参照

こんなときにオススメ
  • ダイエッターの栄養補給に
  • 内側からキレイに
  • 料理に一手間加えたいときに
お召し上がり方

温めると香ばしくなるクルミ独特の豊かな芳醇な風味が特徴。
生食、ドレッシング、スモークした肉類などのグリル料理、焼き菓子、パスタ、パンなど。

有機アルガンオイル

アルガンはモロッコ南西部のサハラ砂漠の南端で育つアカテツ科の広葉常緑樹で、ヤギが木に登って実を食べることでも知られています。
アルガン油は何世紀も前から試用されてきたモロッコの伝統的な油で、種子から採取されます。
脂肪酸の含有は一価不飽和脂肪酸で代表的な「オメガ9系」の「オレイン酸」が44%を占めます。

オレイン酸は不飽和脂肪酸の中では酸化しにくく、コレステロールの低下、生活習慣病予防などに効果があると言われています。
また、古くはクレオパトラも食していたとされるアルガンはビタミンEがオリーブオイルよりも多いとされ、強い還元力が期待されます。

良く知られた食べ方では、デュラム小麦の粉に水分を含ませ粒状にし蒸して乾燥させた「クスクス」などに用いられます。

※NATURGREENのデータ参照

こんなときにオススメ
  • 若々しさを保ちたいときに
  • 内側からキレイに
お召し上がり方

まろやかな味わいと軽い質感が特徴です。
グリルした野菜にかけたり、冷製パスタとあわせても。加熱調理にも向きます。

グレープシードオイル

グレープシードオイルは、ブドウの種子から作られる食物油で、白ワインを作る時に出る種子を使った副産物です。ぶどうの皮と種は廃棄率から見ると大体15%で大粒種の場合20%と言われています。100kgの白ブドウから100mlのグレープシードオイルしか作れません。ブドウ一房が650g程度だとすると100mlのオイルを作るには154房が必要な計算となります。そのため大変貴重な油なのです。

グレープシードオイルには、体内で作ることができない多価不飽和脂肪酸の「オメガ6系」の代表格である「リノール酸」が多く、脂肪酸組成最小58~最大78%、一価不飽和脂肪酸で代表的な「オメガ9系」の「オレイン酸」は12~28%含まれています。
リノール酸が多いと酸化しやすいとされていますが、一般的にワインと同様、ポリフェノールやビタミンEを多く含んでいるため還元力があり、酸化しにくくとされています。

※NATURGREENのデータ参照

こんなときにオススメ
  • 美容・健康のサポートに
  • 内側からキレイに
お召し上がり方

フルーティな香りでさらりとしていて、クセがないのが特徴です。
高温に強く焦げにくく、250度まで煙がでません。素材の味を引き立てることができるので、ドレッシング、炒め物、揚げ物、お菓子などどんなものにもオススメの万能オイルです。

有機麻の実油(ヘンプシードオイル)

ヘンプシードオイルとは有機栽培の麻の実を低温圧搾で搾油した有機麻の実油(有機ヘンプシードオイル/有機ヘンプオイル)です。
そのヘンプシードの油分のうち約80%が必須脂肪酸。そのうちαリノレン酸(オメガ3)とリノール酸(オメガ6)の割合は、WHOや厚生労働省が推奨する割合(1:4)に近い、1:3というバランスです。
必須脂肪酸とは私たちの身体には必須でも、体内では合成できない脂肪酸であり、食事から摂取する必要があります。

また、ヘンプシード(麻の実)には、生理活性物質の原料となる脂肪酸であるγ-リノレン酸が含まれています。γ-リノレン酸は母乳にも含まれ、赤ちゃんの成長に欠かせない大切な成分と言われています。現代の生活では、αリノレン酸やγ-リノレン酸が不足しがちになると考えられています。
その他、良質なたんぱく質、マグネシウム、亜鉛、鉄なども含まれているため、ヘンプシードオイルは現代人に不足しがちな必須脂肪酸の新しい供給源です。

ヘンプシードオイルには葉緑素であるクロロフィルが含まれるため、透明感のある深緑の色をしています。

※NATURGREENのデータ参照

こんなときにオススメ
  • お肉をたべない
  • αリノレン酸を摂取したい
  • EPA・DHAの摂取をしたい
  • オメガ3の不足を感じる
お召し上がり方

ヘンプシードオイルは熱に弱く酸化しやすいので、冷たいものにかけるほか、加熱済みの料理に振りかけたり、ドレッシングにしたり、お好みの方法でお召し上がりください。
加熱調理は極力避けて摂取すると良いでしょう。

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