家電から発生する電磁波には、電場（電界）と磁場（磁界）の２種類の電磁波があります。それぞれは性質が違うため、対策方法も変わってきます。ドライヤーは家電のなかでも電場の発生が比較的に少なく（機種にもよりますが20〜40V/m程度※）、磁場の発生量が多い家電の一つです。磁場が発生しやすい家電の特徴は、電気を熱に変えるヒーターを搭載したものと電気を動力に変えるモーターを搭載したものです。

ドライヤーにおいては、温風を作るためのヒーターと風を送るためのモーターの両方を搭載しているため高い磁場を発生させてしまいます。

※日本電磁波協会では、電場は25V/m、磁場は2.5mG以下を安全基準値としています。日本には電場、磁場の公的な安全基準値はありません。

ドライヤーは高い磁場を発生させていますが、長時間使うものではないので、身体への影響が少ないと考えられています。

しかし、高い磁場を発生させる家電を大切な頭部に向けて使うことに疑問を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか？　WHO（世界保健機構）の国際ガン研究機関では、ELF（極低周波）磁場について４mG以上で小児白血病が約２倍に増えると公表し、発ガンクラスを「人体への発ガンの可能性あり」に分類しています。

しかし、電磁波の人体に与える影響については、公的機関において疫学的に証明されていません。疫学的な証明がされていないのに、WHOが見解を出すという食い違いに不安を感じますが、そこが私たちが自身で身を守るために考えていかないければならないポイントなのかもしれません。

ドライヤーはコイル状の電熱線に電気を通すことで発熱しています。電気を熱に変換する際に磁場が発生しやすくなります。

電磁波低減ヘアードライヤーは、電流の向きが異なるヒーター線を交互に配置して電磁波（磁界）を相殺することで、電磁波（磁界）の大幅低減を実現しています。

一般的に販売されているドライヤーは、100℃〜120℃の熱風が出るように作られています。水が蒸発する温度が100℃なので、温度が高い方が早く乾くと考えてしまうのですが、高温の熱風に髪が晒されると、髪の表面から水分が蒸発し過ぎてしまうだけでなく、髪を構成するたんぱく質が変性してしまいます。

肉や魚を焼いたときに色や質感が変わってしまうのは、たんぱく質が変性してしまうから。同じようなことが毎日髪に起こっていると考えると、ドライヤーの温風の温度が高ければ良いという訳ではないことがわかります。