オリジナル『まるごと野菜ドレッシング』工場訪問レポート
「まるごと野菜ドレッシング」の量産第1号の誕生に立ち会いました!
味はもちろん、食感やテクスチャに至るまで、とにかく「こうして欲しい」と
譲らなかったわがままの固まりがついに商品化できると決まった7月下旬。
本来は製造・納品まで全部お任せし納品を待つだけの予定でしたが、
ここでもまた「わがまま」の虫がうずき・・・
「初めてのオリジナル商品が出来るのに、誕生の瞬間を見なくていいの?!」
そしてこの突然の要求のために、企画者、開発者が
「まるごと野菜ドレッシング」の量産第1号の誕生に立ち会うこととなりました。
量産第1号の誕生に立ち会いました!
調合工程の立ち会いに先駆けて、今日の充填スケジュールを確認すると・・・あった。 「まるごと野菜ドレッシング」! 新鮮さを保つため、製造当日、商品の調合が済み次第充填されます。 準備の整った充填ラインを後に、調合ラインへ。現場では丁度「まるごと野菜ドレッシング にんじん」の調合を始めるところでした。巨大な釜の傍には、原材料が沢山。
試作を繰返した少量の「ラボ・スケール」から、量産へ移行するには、工場側で「調合表」を確認しながら何度か試作を行います。みりんやグラニュー糖、野菜ピューレーなどのシンプルな配合であっても、少量でつくるのと量産スケールでつくるのでは、道具も違えば原材料の量も違うため、簡単には同じ味に仕上がりません。1度で同じ味に整うこともあれば、何度も何度も繰返し試作することもあるのだそうです。量産スケールでの調整が終わっても、それは確約ではありません。
調合書に従って生産ラインへ
調合書に従って生産ライン(調合釜)の傍に積まれた原材料を釜に入れていく担当者の隣には、開発担当者の姿がありました。 「微調整があるかもしれないので」
開発室の担当者が立ち会いのもと調合が進みます
「販売用商品」としての第一回目の生産は、開発室の担当者が立ち会い、配合する原材料の分量が変わらないように細部まで丁寧に注意しながら調合が進みます。基礎になる調味料を混ぜ合わせ、にんじんピューレを混ぜ合わせ・・・混ざり具合を見ながら、担当者がひとつひとつ材料を加えていきます。加熱や攪拌は同じ釜のまま行えるよう機械で制御されていますが、攪拌のフィンを回すタイミングも、加熱を始めるタイミングもすべて判断するのはひと。工程表を確認し、ひとつずつ作業を進め、丁寧に釜の中を確認しながら調合が進みます。スケールこそ違いますが、レシピを確認しながらの丁寧な作業はまるで家庭の台所のようでもあります。
瓶詰めへ
よくある全自動で瓶詰めされていくラインとは違い、充填は半自動。ひとの手と目で確認しながら、4本の瓶に充填・封入します。充填ノズルの位置にあわせ瓶を並べ、充填された瓶を隣に渡すと蓋をのせ封印する。充填担当者がふたりがかりで作業を進める様子を見ていると、「まるごと野菜ドレッシング にんじん」の工程には先に充填されていた「くろごま」との違いがありました。それは、テーブルの上に置かれたキッチンスケールのような計量器。後ろから見ていると、充填の済んだ瓶が一本ずつ重量チェックされた後、となりの充填器へ渡されています。そしてオレンジ色の調合液の上に、食用油が充填されているのです。
生にんじんのうま味をそのまま生かして欲しい
「デンプンを入れないでください。生にんじんのうま味をそのまま生かして欲しいです。」 理由は開発段階でのこのお願いにありました。
本来はドレッシングの調味液と油は、攪拌されながら一気に充填されます。
ゼリーのように高密度のどろどろした物質と、水のようなさらさらした液体では油との親和性に差があります。ドレッシングも同じで、調味液と油を分離しにくくしようとすると、「増粘剤」と呼ばれる媒介物質が必要となります。「増粘剤」にはコーンスターチやジャガイモデンプンなども含まれるので、決して全ての「増粘剤」が悪いわけではないのですが、これを使うことにより本来のすりおろしにんじんの舌触りが失われてしまいます。開発段階で気になった「何となくもっちり」した舌触りが嫌で、デンプンは一切使用しないで欲しいと依頼したに過ぎなかったのですが、そのせいで「まるごと野菜ドレッシング にんじん」は、油を後から調合するしかない奇妙な工程を踏むことになりました。
取材を終えて…
もっと美味しく、もっと自然に
ソースをつくるなら、まず生の野菜を加工するところが出発点です。
だから「まるごと野菜ドレッシング」の原材料に使われている野菜は、すべて生のまま加工されています。
にんじんもたまねぎも生。
なぜなら、それが一番美味しいソースの作り方だからです。
素晴らしい美味しさは引き算ではなく、足し算です。
原点に立ち返り、もっともシンプルな調合から少しずつ必要な物だけを加えて味を調える。本来のものづくりのあり方に立ち返りたいと、量産の視点からの「つくりやすさ」や「コストパフォーマンス」を一切無視し、とにかく並べあげられた要望を商品化した開発チームの根気と忍耐。それがなければ実現しなかった「まるごと野菜ドレッシング」シリーズですが、第一回目の量産ラインが稼働する裏では、実は次の計画が進行しています。
もっと美味しく、もっと自然に。
「より美味しい」を求めて走り出した「まるごと野菜ドレッシング」シリーズは、さらなる美味しさを求めて進み続けます。