大豆が体にいいってホント?知っておきたい大豆の健康効果
「畑の肉」ともいわれ、栄養豊富で健康にいいと広く知られる大豆。どういった健康効果が期待できるのかまとめてみました
毎年WHO(世界保健機関)が発表する
世界保健統計で
日本は常に、平均寿命・健康寿命ともに
上位にいます。
なぜ、日本人は、元気で長生きできる人が
多いのでしょうか。
その要因のひとつとされるのは、
栄養バランスのいい「和食(日本食)」。
日本人は昔から米、魚、大豆などを
食べ続けてきました。
なかでも「大豆」をうまく食事に
取り入れてきたことが
現在の健康長寿に
つながっているといわれています。
「畑の肉」ともいわれるほどたんぱく質が豊富で
脂質、炭水化物、食物繊維などの栄養素もバランスよく含まれる大豆。
その驚くべき健康効果をまとめてみました。
世界の最長寿国・日本
毎年WHO(世界保健機関)が発表する世界保健統計で、常に平均寿命・健康寿命ともに上位にいる日本。その健康長寿のヒミツはバランスの良い日本食にあると言われています。
日本人が古来から食べてきた五穀(大豆・米・麦・粟・稗)は、どの食材も今でも栄養価が高く健康効果が高いといわれ、食べ続けられています。
なかでも大豆は昔から日本人に欠かせない食材でした。節分の豆に健康と長寿を願うことからも、日本人にとって大豆がいかに大切な食物であるかがうかがえます。
ここでは、古くから日本人の健康を支えてきたスーパー食材「大豆」の健康効果に注目してみました。
順位 | 国名・地域名 | 健康寿命・男女平均(歳) |
---|---|---|
1位 | 日本 | 74.1 |
2位 | シンガポール | 73.6 |
3位 | 韓国 | 73.1 |
4位 | スイス | 72.5 |
5位 | キプロス | 72.4 |
5位 | イスラエル | 72.4 |
7位 | フランス | 72.1 |
7位 | スペイン | 72.1 |
9位 | アイスランド | 72.0 |
10位 | イタリア | 71.9 |
10位 | スウェーデン | 71.9 |
WHOが発表した2022年版の世界保健統計(World Health Statistics)
大豆の健康効果
五大栄養素といわれるタンパク質、炭水化物、脂質、ビタミン、ミネラル。これらは私たちの健康のために必須の栄養素でどれが欠けても健やかな生活が送れません。なかでも「たんぱく質」は、皮膚や内臓の細胞、また血液、筋肉、骨格など、人の身体を形作っており、非常に重要な成分。なぜか、「タンパク質は肉や魚から摂るもの」と思っている人が多いようですが、動物性の食品を食べなくてもたんぱく質を摂ることはじゅうぶん可能。その代表格が「大豆」です。
大豆の歴史
大豆(ダイズ)はマメ科の一年草で、英語ではSoy beans、学名をGlycine maxといいます。「Glycine max」はラテン語で「甘い豆」を意味します。
起源は、東アジアや中国東北部、黒龍江沿岸など諸説ありますが、日本にも自生している「ツルマメ」が原種と考えられていて、古くは4000年前ごろから栽培されていたとされています。日本には2000年前ごろに、朝鮮半島を経由して伝来してきたとされますが、縄文時代には既に存在したともいわれ、有名な「古事記」にも、大豆のことが書かれているのだとか。ただしそのころは「だいず」ではなく「オオマメ」と呼ばれていたそう。
中国との貿易が盛んになった7世紀頃以降に広く使われるようになり、植物のなかでもたんぱく質の量が多いことから、菜食主義や殺生を禁じた宗教において植物性のたんぱく源として重宝されるようになりました。また、和食や、和食の調味料として醤油や味噌が作られ、精進料理にも重用されるようになったことで、豆腐や湯葉など多くの加工品が生み出されました。その後の加工技術の進歩や、宗教上以外の理由でもヴィーガン食が広まったことにより、現代では代替肉(代替ミート)もたくさんのメーカで作られ、非常に注目されています。
大豆の生産地
第二次世界大戦前までは満州国が世界最大の生産国、輸出国でしたが、第二次世界大戦で輸入が途絶えたアメリカが国内生産を開始し、世界でも指折りの生産・輸出国になりました。その後、南アメリカにも生産が拡大し、ブラジルやアルゼンチンなども生産・輸出の中心国となっています。
日本国内では、北海道、宮城、佐賀、福岡がおもな生産地ですが、日本での大豆消費量は大部分を輸入に頼っており、輸入量では世界で第3位となっています。
大豆の栄養価
大豆は、タンパク質、脂質、炭水化物を豊富に含んでいます。とくに着目すべきはそのたんぱく質の含有量で、植物としては群を抜いています。その豊富な脂質やたんぱく質を食用および飼料用に利用するため、大量に生産され、世界中で利用されています。
食品中の必須アミノ酸の含有比率を評価するための数値「アミノ酸スコア」に注目すると、1985年に100点と評価されています。このことにより、牛乳や卵と同等の良質なたんぱく質といえます。
日本やドイツでは、別名「畑の肉」と呼ばれ、アメリカでは「大地の黄金」と呼ばれているそう。世界中の人々の健康に寄与している食材といえるでしょう。
- 大豆たんぱく質
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いわずもがな重要な栄養素であるたんぱく質。大豆たんぱく質は植物性で低カロリーです。
- 脂質(レシチン・リノール酸)
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レシチンは、体内に栄養素が行き届いて美容効果が期待できます。中高年の健康対策にも有用と注目されている成分です。
- 大豆イソフラボン
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大豆イソフラボンには、女性に欠かせない作用があります。体内のカルシウムをサポートする効果もあります。
- 食物繊維
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豊富な食物繊維が身体環境を整えます。生活習慣対策にも有用です。
- 大豆サポニン
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大豆サポニンは、若々しい毎日に欠かせない成分です。
- 大豆オリゴ糖
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大豆オリゴ糖は善玉菌をサポートし、スッキリとした毎日に役立ちます。
大豆加工品
このように私たちの健康に非常に役立つ大豆。
大豆そのものだけでなく、いろんな加工品として生活を豊かにしてくれています。
- 醤油
- 味噌
- 豆腐
- 湯葉
- 納豆
- 油揚げ
- きな粉
- おから
- 豆乳
- 大豆ミート
- 大豆コーヒー
- ソイプロテイン
ざっとあげてみましたが、こんなにたくさん!みなさまも毎日、少なくてもどれかひとつは口にしているのではないでしょうか。
下段の「大豆ミート」「大豆コーヒー」「ソイプロテイン」のあたりは、大豆の新しい形として宗教上やアレルギーなど体質の問題で動物性食品を避けている方にも今注目されており、定番化されていくことが予想されます。
栄養豊富で健康に良く、しかもおいしい大豆製品。さまざまな形の「大豆」を生活にとりいれてみませんか?