国産ハラール即席麺の誕生まで

平成21年当初、リース会社の顧問をしていた私はムスリムの方と知りあい、日本在住のムスリムの方がハラール食品の入手が難しいこと、日本にはたくさん美味しいものがあるのに、日本の友達とともに食すことができないなど、生活上大変苦労や不便を感じておられる事実を知りました。特に美味しい国産肉を食べることもできないでいるという話を聞き、直ぐに国産ハラール鶏肉生産の可能性を探り始めました。幸運にも青森県八戸市の（株）田名部組の社長にハラール鶏肉生産に興味とご理解をいただき、同社が青森の地鶏である軍鶏ロックの養鶏から、精肉、加工品までのハラールに特化した事業の展開を決断され、その商品販売をさせていただけることになりました。

ハラール鶏肉製品を扱う内に、多くのモスレムの方が日本で一番食べたい物の一つはラーメンであることが分かり、ハラール即席麺に強く興味を持つに至りました。平成24年からハラール「ラーメン」について具体的に検討研究を始め、東京のラーメン屋にハラール・ラーメンスープの試作依頼、即席麺用のスープを生産している会社に相談し、更に各地のラーメンに従事されている工場とも接触して情報を得たりし、試行錯誤の日々が続きましたが、輸出を合わせ考え、インスタントラーメンのハラール袋麺製品の開発に的を絞りました。ハラール条件を満せそうな工場を探し始め、平成25年に入り高橋製麺（株）様と接触することができ、そのご尽力により関連するスープ会社様ともタグを組んでハラール認証取得に向け動き出すことができました。

その間、私の在籍するリース会社の売却が決まり平成25年7月に会社を退職することとなり、ハラール即席麺事業も宙に浮いてしまいました。しかしその後も引き続きハラールラーメンの認証取得に奔走し、関係者の皆様のご協力により平成26年5月に日本イスラーム文化センター様からハラール認証取得ができ、それに伴いハラール商品に特化した新会社「日本プレステージ（株）」を設立し、多くのムスリムの皆様に日本国産のハラールラーメンをご提供するため生産を開始しました。現在の商品は、ベースとなる塩、醤油及び味噌の3種類ですが、味はオーソドックスなもので日本を感じていただけるあっさりしたものに仕上げ、お好みに応じて香草、香辛料、野菜などを加えていただき、個人のお好みの味でラーメンを楽しんでいただければと願っています。

今後、更に別の味のラーメンや、それ以外のアイテムの商品開発も行ってまいりますので、宜しくお願い申し上げます。

日本プレステージ株式会社
代表取締役　 大立目　仁