携帯電話の電磁波について
携帯電話による発がんリスクのWHO見解について
携帯電話の発がんリスクのWHO見解について
平成23年6月1日に各マスメディアで上記報道がされました。以下記事の引用です。
「世界保健機関(WHO)の専門組織である国際がん研究機関(IARC、本部仏リヨン)は31日、電磁波とがん発症の因果関係調査結果として、携帯電話の頻繁な利用で脳腫瘍のリスクが高まる可能性があるとの見解を示した。
IARCは、携帯電話の長時間利用と脳にできる腫瘍である神経膠腫(こうしゅ)や聴神経腫瘍の因果関係について「何らかのリスクがある可能性があり、今後も注視が必要」と指摘した。脳以外への発がん性は確認できないとしている。」【時事通信】
この報道に関し、皆様にお伝えしたいことがあります。ちょうど昨年の11月に、東京女子医大の先生方により、「携帯電話を1日20分以上使用すると聴神経腫瘍のリスクが増加」という研究が公表されました。
この1日20分以上という条件付のリスク増加は、電磁波の影響を正しく伝えていくためにも大きな成果だと思います。
しかし、絶対に間違って欲しくないことがありますので、是非ともご理解を頂戴できればと願っております。まず携帯電話は、通話をする際に頭部付近で使用することによって、このようなリスクが生じるわけですが、携帯電話の電磁波(=電波)そのものが悪いと指摘している訳ではありませんので誤解をしないでください。携帯電話を頭部のすぐ近くで使用することによって、脳の血流が5分の1まで下がるという報告もありますが、頭部付近で使用しなければこうした問題はないと考えています。
簡単ですぐできる携帯電話の電磁波対策方法としては、3つあります。
ひとつはできるだけ通話時間を短くする、そしてもうひとつはイヤホンを使用して頭部付近から離すようにする。最後にできるだけメールを利用することで十分にリスクを軽減できます。
こうした報道によって、「高周波をシールドしなければ」と考え違いを起こすようなことのないように、どうか惑わされないようにしてください。特に、携帯電話の電波そのものが身体に悪いのだと勘違いされ、お部屋中をシールドしたり、シールドカーテンや蚊帳などでの対策は決してしないようにお願いします。金属繊維等のシールド素材であれば電波を反射しますから、電波がお家の中には入って来なくなりますが、その代わりにお家の中で発生している電波も内部で反射し、電波は反射すると強度が増すことで、却って電磁波リスクが増加することになってしまいます。金属で囲まれた電車やエレベーターと同じような環境になってしまうわけです。
携帯電話の身体への影響についてはまだまだ研究段階であり、たくさんの情報が飛び交っていますが、間違った対策や過剰な対策では却ってリスクが増してしまうということを十分にご理解いただき、行動していただければと思います。