人工的な着色料・香料無添加 奥出雲薔薇園の炭酸飲料「さ姫 サイダー」
農薬や化学肥料を使わずに栽培された国産バラの花弁とエッセンスを使用。芳醇な香りと深紅色が特徴のドリンク。
「さ姫 サイダー」は販売終了いたしました。
ご愛顧ありがとうございました。
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朝摘みの新鮮なバラの蒸留水でアロマテラピー!
肌のほてりを鎮め、保湿とリラックス効果を生む至福の香り
すっきりとした味わいのオシャレな薔薇サイダー。
奥出雲薔薇園がオリジナルで開発した
食用バラ「さ姫」を原料に使いました。
暑い季節だけでなく、クリスマスやバレンタイン、
母の日などの贈り物にもいかがでしょうか。
バラは美しさの象徴
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王侯貴族の楽しみや生活において、社会的な地位を象徴するために欠かせない花でした。観賞するのはもちろんのこと、宮廷料理の風味付けにも使われてきた貴重な素材。エジプトの女王クレオパトラがこよなく愛した花としてもよく知られています。
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現在では、心理的な分野から医学的な分野まで、幅広い研究がなされており、多くの活用方法がある植物だと言われています。
出雲の国で生まれた 「さ姫」
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「さ姫」は、奥出雲薔薇園のオリジナルブランドローズです。10年という歳月をかけ、品種、栽培技術の研究開発の末、誕生しました。独特な芳香性と深紅の色、花弁の肉厚さが特徴です。奥出雲薔薇園は、島根県の中央部にある眺めの良い丘の上にあります。雨の多さ、適度な雪、立ち込める朝霧・・・。バラの栽培には好条件なこの土地で、「さ姫」の深く鮮やかな紅色と芳醇な香りは育まれます。
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薔薇園は県内各所に拡大拡散させ、悪天候などのリスク軽減。安定した生産と周年供給を実現しました。シーズンになると深紅のバラが咲き誇り、通りがかる人が思わず立ち止まるほど、芳醇な香りを周囲に放ちます。島根県大田市を中心として、約50,000本のバラを植栽。年間収穫量は、多い年で3トン前後です。主に赤とピンクのバラが咲いており、他にも新素材開発の品種である白、黄、オレンジ色など、香り高いバラが花を咲かせています。
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山間に位置する薔薇園
奥出雲薔薇園の赤いオリジナルローズ「さ姫」は、この山の名と神話になぞらえて命名されました。結びの出雲大社と言われるように、神話の国「島根」と「世界」とを繋ぎたいという思いと、人がいつまでも美しくいてほしいという思いがこの名前には込められています。 -
※江戸時代、薬油や酒類などを蒸留するのに用いた器具のこと。島根大学付属図書館「大森文庫」の出雲国に伝播した華岡流医術の概要を一部抜粋して紹介
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さ姫には次のような特徴があります。
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さ姫は、ハウスではなく山の自然環境の中で育ちます。農薬は一切使用しません。草や虫などは手作業で処理をし、病気になった樹体は切り捨て、新たな苗に更新しています。
肥料は、有機肥料を使っています。バーク堆肥(樹木の皮の部分を発酵させて作った土壌改良材)や水稲産物を主として、魚粉、鶏糞なども配合。バラ園内で使用する藁や米糠、籾殻、くず米はすべて自社圃場で生産したものだけを還元しています。
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土壌内の微生物を活性化させ、植物の水分・養分の吸収を良くすることで根の伸長を促します。このような技術を施すと、芳香性が非常に高く、大輪のバラを咲かせることができます。
また、樹木の状況に合わせ、有機肥料を独自に配合。季節や天候にあった管理で株を弱らせないようにしているため、5月から11月まで収穫ができ、長期間の素材提供が可能です。冬季には、来期の生育を活発にさせるために剪定と土壌の管理を行います。
島根大学医学部との共同研究
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受賞した研究テーマは「高齢者におけるローズ水を用いた芳香療法の有用性について」。
さ姫ローズ水の香りが有効的に人をリラックスさせられるかを分析した結果、一定の有用性が認められ、研究資材としても採用されることになりました。
香料業界で親しまれているバラには、ロサ・ダマスセナ(Rose damascena)とロサ・センチフォリア(Rose centifolia)がある。その2種の香気成分組成は類似しており、PhenylethylAlcohol(75%前後)をメインとし、他にCitronellol、Geraniol,Nerolなどで構成されている。しかし、それら香気成分のバランス、また微量成分の違いにより、香気にそれぞれの特徴が現れる。「さ姫」はこの前2者と多少異なりGeraniolをメインとし、3,5-Dimethoxytoluene、PhenylethylAlcohol、Citronellol、Nerolなどで構成されている。
基本的な香気成分組成はロサ・ダマスセナやロサ・センチフォリアと同じであるが、Geraniolが主成分であることから、情熱的なフルーティ調が強い傾向にある。このことが、官能評価における芳醇さや重厚さを演出している。また、3,5-Dimethoxytolueneといったティ・ローズ特有の物質が検出されたことから、香気成分は、ハイブリット・ティ・ローズの系譜を強く引き継いでいると考えられる。
- ●Phenylethyl Alcohol
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穏やかなローズ様香気の無色液体。ローズ系調合香料はじめ各種調合香料に広く大量に使用されている。 天然にはローズ油,ゼラニウム油,ネロリ油など各種精油に広く分布している。
- ●Phenylethyl Acetate
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フルーティー,ハネー,ローズ,ジャスミン様のフローラル香を有する無色~淡黄色液体。石鹸,洗剤,香粧品,家庭用用品フローラル系香料に広く用いられる。天然にはリンゴ,メロン,イチゴ,ブドウなどに存在。
- ●Geraniol
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ローズ香を有する代表的テルペンアルコール。バラ系調合香料の主体であり,他のフローラル系調合香料に 1~30%と大量に用いられる。 天然にはパルマローザ油,ゼラニウム油,シトロネラ油など多くの植物精油に含有されており,ゼラニウム油から得られるアルコールとしてゲラニオールと命名された。
- ●Nerol
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ゲラニオールに似た香気であるが,ゲラニオールよりローズ調が弱く新鮮な海辺の香りが強い無色液体。ゲラニオールと併用されフローラル系調合に用いられる。1902 年にネロリ油から発見されて以来,プチグレン油,ローズ油(5~10%),シトロネラ油,ベルガモット油,リナロエ油,ラベンダー油,イランイラン油,ペリクリスム油(30~50%)などにゲラニオールとともに存在する。
- ●Citronellol
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新鮮なバラ様香気の無色液体。d-体と l-体では l-体のほうが良香といわれる。ローズ,ゼラニウム,ミューゲ,スズラン,ライラックなどフローラル系調合香料に用いられる。シトロネロールはローズ油の成分であり,広く天然に存在している。天然には d-体と l-体の両方が存在し,その比率は含有される精油によって異なる。l-体はゼラニウム油,ローズ油に,d- 3体はシトロネラ油,ベルベナ油などに存在する。
- ●3,5-Dimethoxytoluene
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ややフェノール様香気の無色液体。ロサ・ギガンテアの主要香気成分。
- ●Eugenol
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丁字特有のスパイシーな香気を有するほぼ無色の液体。日時が経過すると次第に色が濃くなる。カーネーションタイプ,オリエンタル調の調合香料に広く用いられる。天然にはクローブ油(丁字油),シンナモン葉油の主成分であり,そのほかメボウキ油,ベイ油など多くの精油に存在する。
- ●Methyl Eugenol
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弱い丁字様香気のほとんど無色の液体。フローラル系調合香料。弱い発癌性が見られたため,使用制限あり。天然にはクスノキ科,フトモモ科植物などの精油に存在。
- ●直鎖炭化水素類
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(Heptacosane,Pentacosane,Heneicosane,n-Nonadecane,Tricosane,Nonadecene,Nonacosane など) これら直鎖系炭化水素類は,ほぼ無臭。炭素数が増すほど,沸点が上がり,常温で凝固する。
奥出雲薔薇園取材レポート(2014年5月)
神話の国の薔薇の園へ
神話の国、出雲に咲く薔薇「さ姫」。そのさ姫を育てている、奥出雲薔薇園。一般に公開されている観光用の薔薇園ではないため、今回の取材はかなり役得、心躍ることでした。
薔薇園というと何となく山奥のイメージがあったのですが、奥出雲薔薇園があるのは、意外と開けた街中。何気ない街の風景に、突然薔薇の園が現れます。園内に入るとふわりぐるりと薔薇の香り。主に育てられているのは、奥出雲薔薇園の代表格である「さ姫」と、もう1種、「アップルロゼ」という品種です。
さ姫の、独特の深い赤と、高貴な質感。近づくと、その姿のままに深い香り。この存在感は、他にはない、独特のものです。収穫は、小さすぎず、大きくなりすぎる前に。ひとつひとつ丁寧に、手作業で摘み取られます。摘み取られた花の横には、新しい花の芽が出てきます。さ姫は年5回ほど花を咲かせてくれるそうです。ただし、花をつけるというのは植物にとってとてもエネルギーの要ることであり、そのために必要な栄養をきちんと与え、土の状態を整えることは欠かせません。
同じさ姫でも、収穫の時期によって春バラと秋バラと呼ばれます。気候の違い、特に秋は春に比べ寒暖差があるため、これが花の状態に影響します。春バラは鮮やかな赤でフレッシュな香り、秋バラは深い赤で花が小さめ、その分香りが凝縮するそうです。
もうひとつの品種である、アップルロゼ。こちらは「ロゼ」の名前の通り明るいピンク色で、さ姫より大ぶりの、かわいらしい印象を受ける花。香りはさ姫より甘い感じ。食用としても甘みが特徴で、デザートなどに重宝されているそうです。
そう聞くと、やっぱり、食べてみたい!花びらを一片頂いて、口にしてみました。最初は、植物らしい瑞々しさ。そして、確かに、甘い!たとえるならば、皮付きりんごに似た甘さ、でしょうか。
ちなみに、さ姫も糖度でいえばスイカと同じぐらいの甘さがあるそうですが、さ姫の赤というのはポリフェノールの赤で、その分渋みが加わります。こちらは、ブドウの皮のような味だとか。これはこれで、お肉料理などに重宝されているそうです。
アップルロゼは、さ姫ほどは頻繁に花をつけず、収穫は年に2回ほど。また、一気にたくさんの花をつけるので、収穫が追いつかないほどなのだとか。確かに、このときも、すごい勢いで花がついていました。
さ姫とアップルロゼは見た目も香りもそれぞれの特徴がありますが、成分的にも違いがはっきりしています。さ姫にはアントシアニンが豊富です。そのため抗酸化力が強く、さ姫の花びらは痛みにくいのが特徴です。アップルロゼにはアントシアニンがないため酸化しやすく、エキスを抽出しても、最初はピンク色なのですが、すぐに黄色に変わってしまいます。ピンク色の天然薔薇エキスというのはなかなか難しいようです。
美しさは自然との共生から
奥出雲薔薇園は、現在3ヘクタールほど。試作や研究を繰り返しながら、園は少しずつ広がってきました。薔薇の育つ園の端では、ハマナスやノイバラなども育てられていました。これらもまた新しい試みにつながっていくかもしれません。
出雲という土地は、山間部で、寒暖差があり、雨が多く、そういった点が薔薇の栽培に適しているそうです。薔薇にとって水不足は大敵ですが、奥出雲薔薇園では、水やりはしていません。その分、土の状態が、薔薇にとって常に最適であるよう手入れをされています。土は、薔薇の家のようなもの。乾きすぎず湿りすぎず、薔薇が根を伸ばしやすく、微生物がしっかり活動している土が、薔薇にとっては良い家といえます。自然のサイクルが健全に循環するよう、稲藁を敷いたり、製品化で使用した後の薔薇の花びらを土に戻したりして、工夫がなされています。
もちろん、農薬は使用していません。だから当然、虫がいることもありますが、奥出雲薔薇園では、虫は駆除する対象ではなく、共存するものとしてとらえています。良いものに虫がつくのは仕方ない、選別のときにはごめんなさいと除く作業はありますが、最初から敵視しているわけではありません。実際、園のなかでは、ミツバチやクマンバチが蜜集めに勤しんでいたり、カエルが飛び跳ねていったり、いろんな生き物が暮らしているなあというのが、ありありと感じられました。ちなみに、バラの蜜というのは、原種に近いものでないとしっかりないそうで、バラの蜂蜜などは原種に近いバラを使用しているのだそうです。
朝咲いた薔薇をそのままに
薔薇の収穫は、湿度が高く日が照らないお天気、特に早朝が適しています。日が照ってしまうと、それだけで花の香りが揮発してしまい、薄れてしまうそうです(というわけで、この日の取材も朝早くからお邪魔させていただきました)。
収穫した薔薇は、用途に合わせて選別されます。形の良いものは期間限定の生食用や薔薇湯用に、形がそろわないものは乾燥や冷凍する加工用に、とスタッフさんは手際よく分けていきます。
この作業を体験させていただいたのですが……迷うこと、迷うこと。特に「これは形が良い!」と自信をもって判断することがなかなかできません。でも、作業を続けるうちに両手が薔薇の香りに染まってきて、香りに酔うような、うっとりとした気分になっていきます。確実に作業の邪魔をしてしまっていましたが、スタッフの皆さんは丁寧に教えてくださり、とてもお世話になりました。ありがとうございました!
加工品などに重宝される、香りと色の抽出は、水蒸気蒸留法で行われます。冷凍した薔薇を、香りが飛ばないように素早く水と混ぜ、熱します。水蒸気蒸留の歩留まりは良くないのですが、質を考えるとこの方法がベストだそうです。一般的には、精油などは溶剤抽出法で作られることが多いそうです。
蒸留したばかりのエキスを香ってみると、活き活きとしたフレッシュさ。香りがほとんど飛んでいない分、濃さも感じます。
薔薇が育つ様子、製品化の工程を一通り見せていただき、とにかくどこに行っても薔薇の香りがするのに、思わず表情が柔らかくなっています。ここにずっといるとずっと優しくいられるかも?なんて思ってしまいました。その気分が味わえるのが、さ姫サイダーであり、薔薇風呂であり……。ぜひ皆さまにも、この薔薇の魅力を味わっていただければ嬉しく思います。