「かえる印®のナチュラルかとり線香」用完全オリジナル品
粉引扇型蚊遣り(こひきおうぎがたかやり)
なつかしい日本の夏の風物詩、蚊取り線香を素敵な器で暮らしにとりいれてみませんか?
なつかしい夏の風物詩、蚊取り線香を
素敵な器で暮らしにとりいれてみませんか?
すべて手作り品なので、色、形等はそれぞれ微妙に異なります。
(上写真とは色等が微妙に違う場合がございます)
それがやきものの良さでもございます。ご了承くださいませ。
『むかしに帰る、自然に還る、暮らしを変える』をコンセプトに、
弊社オリジナル「かえる印のナチュラルかとり線香」は誕生しました。
次はぴったりの蚊遣りを!との思いからこの蚊遣りを作りました。
滋賀県永源寺の陶芸作家がひとつひとつ手作りした完全オリジナル商品です。
土のぬくもりを感じさせる粉引のモダンでシンプルなデザインは、
どんなお家のインテリアにも素直に溶け込みます。
天然除虫菊だけを有効成分とした天然素材100%の
やさしく懐かしい香りの「かえる印®のナチュラルかとり線香」とともに、
暮らしの一部に楽しみながらとりいれてご使用いただけますように…。
赤い土をロクロにかけ、一つずつ手挽きいたしました。
粉引扇型蚊遣り
粉引扇型蚊遣り
まあるい碗型を作って、やわらかいうちに扇の形にたわめます。蚊取り線香の煙りがゆったりと広がるようにと考え、扇の形にしました。 それから、ゆるく溶いた白い粘土に浸して白く化粧をしていきます。
赤土に白い土をかぶせることを粉引(こひき)といいます。白い粘土は韓国南部の河東(ハドン)の土で、陶芸の世界で古くから使われてきた白い土。800度で素焼したのち、やや光沢をおさえた釉薬(うわぐすり)をかけて1,300度で本焼します。やわらかくモダン。和の空間にも洋の空間にもピッタリの品ができました。
ご注意:付属の針金(かとり線香をとおす為のもの)は商品をくるんでいる梱包材の一番上にテープでとめてあります。開封時に誤ってお捨てにならないようお気をつけください。
「粉引扇形蚊遣り」の制作工房見学レポート
「八風窯」の前でパチリ!左から社長、中根さん
(山下隊長はこの日は終日カメラマンでした。このレポートの写真はすべて隊長の撮りおろし!お疲れさま~*)
2004年4月。
「かえる印®のナチュラルかとり線香」のパッケージのデザインも完成し、あとは商品が無事上がる事を祈りつつ、ちょっとホッコリとしていた私に社長より新たな指令が!
「かとり線香といえば蚊遣りやな(確かに…。)だれか陶芸家の知り合いいません?」
へ?それってオリジナル蚊遣りをオーダーするってこと?
突然の指令ににわかにバタバタしつつ、私の最大限(?)のネットワークを使って1人の作家さんに連絡してみました。それが今回「粉引扇形蚊遣り」を作ってくださった中根啓さんです。
中根さんは、私が某所で個人的に参加していたアート関係のイベントでご一緒させていただいた事がある作家さんです。あまり個人的にはお話したことはなかったんですが、その作品はよく拝見していたので、もしかしてお願いできるかも?とわらにもすがる思いで連絡したところ、快く引き受けていただけたのでした!
なにせスケジュールもきついし、社長はじめ、社員にとっても初めての試み、不安だけは山盛りのまま、滋賀県永源寺町の中根さんの工房「八風窯」へ中川社長、突撃隊長山下の突撃隊でお邪魔させていただきました。
◆中根さんの作品や八風窯の詳しい情報が知りたい方はこちらからどうぞ!→http://www.happuyo.com/
御覧ください!この景色!
こちらが「八風窯」。
当日は天気も良く、絶好のドライブ日和!
中川社長を運転手(なんと罰当たりな社員!)に山下は仕事であることを忘れ、ルンルン気分で永源寺町へ向かいました。
高速をおり、地図をたよりにどんどん山のほうへ…。次々と現れるおしゃれなコテージを横目に、本当にこの道でいいのだろうか…と不安を感じ始めた時、目の前に「八風窯」がこつ然と現れました。
車をおりて一言!“なんて素敵な場所なんだろう!”こんな美しい自然に囲まれながら、毎日お仕事ができるなんで…。日々ビルの中でひたすらパソコンとにらめっこの私には、うらやましー!!限りです。
そこへニコニコしながら中根さん登場!さっそく工房の中へ。
まず工房の中を案内していただきました
広々とした空間にろくろや作業途中のやきものがならんでいます。そしてまた目の前に大きく開いた窓から一面に広がる美しい景色ー清流、渋川がゆったりと流れています。ここでまたこっそりよだれをたらしていたみじめな私…。でも本当にこんなに素敵な環境でもの作りすれば、すごい良い作品が生まれるに違いないよな~とひがみ半分につぶやいていたのでした。。
窓から見える美しい自然。
こちらではおちゃわんを作成中。
絵付け作業中。
やきものについて熱く語る中根さん。それを真剣に聞き入っている中川。
こちらが灯油窯です。ほとんどのものはこちらで焼かれます。
こちらは外に作られた穴窯です。温度管理等手のかかる原始的な窯だそうですが、焼き上がったものには独特の味わいがでるとのこと。
いよいよ具体的な打ち合わせスタート
身ぶり手ぶりで語る。わがまま注文に
中根さんゲッソリ?
「ふた付きってこんな感じ?」鉢を重ね
たりしてイメージを膨らませます。
あらかじめ、店頭リサーチなどで固めてきた「蚊遣り」のイメージを中根さんに必死で伝えます。『むかしに帰る、自然に還る、暮らしを変える』をコンセプトにした「かえる印®のナチュラルかとり線香」の為の蚊遣りなので、やはり自然をイメージできるシンプルでどこか土のぬくもりや優しさを感じさせるものにしたい…。そして現代人のニーズに合うもの=洋間にも和室にもあうモダンな感じのするデザインにしたい…。もちろんお洒落で部屋に置きたい!と思うデザインにしたいし…。
もともとの中根さんの作風がシンプルで癖のない暖かみのあるものなので、イメージにはぴったり合うはず!ただ、大きさや釉薬のかけ方等具体的な話になってくると、やきものはまったくの素人である私の頭の中は大パニック!私のわがままな注文に対して、時にするどい突っ込みや疑問をばんばんなげかけてくる中根さん。私もなんとか理解してもらおうと対抗します!あーでもない、こーしたら?と打ち合わせは続きます…。
ちょっと挽いてみましょ
いつまでもだらだら話してるだけではらちあかん!とばかりに、突然中根さんが“ちょっと挽いてみましょうか!”とひょいっと腰をあげてろくろの前へ。
「挽く」とはろくろで土の形を成形する事。これには一同びっくりです!まさか実際に作ってただけるなんて…。プロの作家さんが手挽きするところを生で見れる!初めての体験に大はしゃぎです。そして、目の前で土の固まりがみるみるうちに形になっていくのに大感激!中根さんの手がまるで魔法をかけているように思えます。
こうして実際に作っていただくと、イメージと現物の大きさのずれが具体的に修正できて、より具体的な方向に話が進んでいけました。デザイナー大満足!やはり工房に押し掛けさせていただいてよかった!
あっという間に土が器になっていきます。すごい!
中根さんの「魔法の手」です。
記念すべき「蓋付き蚊遣り」の第1号サンプルです!
このように天日で乾かします。
こちらは「扇形蚊遣り」の第1号サンプル。
とりあえず方向性は決まった!
どこかなつかしい入り口
とってもおいしかったです!
一通り打ち合わせも終わり、後は具体的に中根さんに作業していただいてサンプルをあげていただく事になりました。
ちょうどお昼をまわったところで、中根さんに古い民家を移転してできた素敵なお店「香想庵」につれていっていただき、おいしくお昼ご飯をいただきました。いろいろ興味深いお話を聞かせていただきながらの充実したランチタイムでした!
◆「香想庵」の詳しい情報が知りたい方はこちらからどうぞ!→http://www.happuyo.com/
そして突撃隊は会社へとんぼ帰り。いつものとおり、山のようなお仕事が待っているのでした…。
その後ーサンプル検討から完成まで
まったく形の無いものを一から作り上げていく…。それは想像以上に大変な仕事でした。
その後中根さんにはかなりの数のサンプルをあげていただきました。こちらの持つイメージというひどく曖昧なものを、実際に陶器という形あるものに置き換えていただくのには、数限りないすれ違いがありました。時には、ちょっとしたバトル状態になる事もあり、中根さんには本当にご迷惑をおかけしたと思います。ただ、いわゆるデザイナーの勝手な想像だけを押し付けて、このオリジナル蚊遣りの制作を依頼したのではなく、あくまでも本当にいいものを創り出したい!という純粋な気持ちから、いろいろ無理な注文をする事になってしまいました。。皆様に愛着をもって使っていただける完成度の高い蚊遣りを求めて、何度も修正をお願いし、なんとか納得のいく品にもっていく事ができたと思っております。
中根さんがご自身のホームページで語っておられる事ー
『工芸ってものは、人が日々の暮しの中で使う道具ですから、気安く使えないほど高い焼物は工芸ではなくて美術工芸品です。ぼくは美術工芸品ではなく良い工芸を生み出す職人でありたいと思ってます。それは左官屋さんが良い壁を塗りたい、農家の方がおいしい野菜を作りたいと思うのと同じことです。』
これこそ「もの作り」の本当のスタンスだと私も思います。それはやきものに限らない、ありとあらゆるものにあてはまる事だと思います。
今回、このような仕事を担当させていただいて、大変な事はもちろんたくさんありましたが、得たもののほうが大きかったと実感しております。デザインの仕事に携わる者として本当に貴重な経験を積ませていただけたことに感謝!です。
そして、中根さんへ…いろいろ無理を聞いていただいて本当にありがとうございました!
そんなこんなで、たくさんの思いと人の技をこめてようやく完成した「粉引扇形蚊遣り」と「粉引葉文蓋付き蚊遣り」。その思いはお使いいただく皆様の心にもきっと届くかと思います。どうか生活の一部に楽しみながらとりいれていただけますように…。