佐々田葉月の中国雲南省除虫菊視察記
佐々田が魂こめてつくった「愛と叡智の除虫菊物語!」
佐々田葉月の除虫菊視察記
2003.4.9~2003.4.13
中国雲南省
第3部
◆全写真、佐々田葉月の撮り下ろし
◆全文章、佐々田葉月の書き下ろし
で、お届けいたします!!
この旅で、一番私の胃袋が喜んだ「きのこなべ」
■農薬汚染のない土地で~体にしみる現地の味~ |
●2003.4.12 8:00 朝食 「おはようございます」朝食で皆に朝会うと「昨夜はこの旅でいちばんよく寝ました」と 口々にいって、食事が始まりました。もちろん、朝粥です。少し体調を崩していた私には、この旅行中の朝食に出る朝粥が、とっても楽しみでした。朝からどっしりとしたものを食べてしまうと、1日がなんだか重たくなってしまいますので、ちょうどいいのです。それに、維西の朝のこの冷え込みには、あったかい朝粥がよくあいます。体がほかほかとあたたまってくるのです。今日はどんな楽しいことがあるのかしら? |
ヨウさん達維西のスタッフの方と一緒に、これから除虫菊を植えようとしている新しい土地の見学に出発です。この維西自治区はまったく農薬の汚染を受けていない、中国でもとても貴重な土地になります。もし今まで、農薬を買い、この土地まで運んで使うとコストがあわないということで、今まで一切の農薬が使われていなかったとのことでした。現在は、汚染をされていない土地を探す方が難しいものです。 ここの土地は汚染されておらず、好条件! よい除虫菊ができる条件として、「冬の越し方」が重要ということでした。冬をしっかりと 越した除虫菊は上質でピレトリンの量が多く、冬を越していない除虫菊はピレトリンが少ないという結果が出ているということでした。 この維西でどれだけのものができるのかは、試験的にまずやってみなければわかりません。しかし、除虫菊がこの土地の産業となり、少しでも土地の人の収入源になり活性化に繋がればと思います。現在は、主にとうもろこしを作っているのですが、日本で見るような身のしっかり詰まったものではなく、飼料用がほとんどのため、外貨獲得の手段にはなかなかなりえないのです。 そういった生活のことを、まったく考えずに今まで過ごしてきた私でしたので、自分の生活が何に支えられて過ごせているのかをここで私は知ることになりました。 |
除虫菊栽培予定地を数カ見学学したのち、市場見学のために町に戻りました。 と、その前に ヨウさん 「蘭を見に行きましょう」 と、蘭栽培をしているお宅へ見学に行きました。そこには、小さなビニルハウスの中に数主類の蘭の苗が置かれていました。「へー。蘭栽培なんてしているんだぁ」と、なんだか気軽に苗をちょんちょん触ったりしていたのですが、なんとこの苗たち20万円~80万円のものたちだったのです。 世界の蘭の品評会で金賞をさらっている蘭の苗の栽培をしていると ころだったのです。この維西自治区の山には松茸などのきのこの他に、蘭の苗もたくさんあり、それを山に住んでいる人が取り栽培業者が買って育てているようでした。 今は、花をつけたものがなかったので残念でした。いったいどんな花をつけるのでしょうか。 ここの栽培施設には、多くの犬が飼われていました。どうしてこんなに犬が多いのかと思っていたのですが、これだけ高価な蘭を栽培しているための防犯対策とのことでした。なるほど、入るなり激しくほえられたのはそのためです。
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今日ははるばる雲南省の省都、昆明まで帰らなければならず、飛行機の時間から差し引きをして維西を14時には出発をしなければなりませんでした。昼食は、どこかのホテルの食事だろうとおもっていたら、なんと昨日夜を楽しんだあの社交場でのお食事でした。 そしてそこでは、ヨウさんの妹さん達が「きのこ鍋」を用意してくださっていました。お鍋に、各種きのこ・山芋・青菜・鶏肉・お豆腐他沢山の食材がどんどんと入っていきます。 グツグツと、そのままお鍋に頭をつっこんで食べちゃいたくなるようなにおいをただよわせています。この煮えるまでの間は犬が「待て」をされているいるようで、辛いものでした。 「もうできたよー、さぁ、召し上がれ!」との声に、いただきますと飛びつくように食べます! あぁ、なんとおいしいのでしょうか。この旅で一番のおいしさです。アツアツのお汁がまた体に染入ります。維西のお母さんの味というのでしょうか。特にヒットは山芋でした。 これは、皆で取り合いになるほど「山芋山芋」と、鍋の中をごそごそとすくい探してしまいました。実は、私は山芋を煮たりお鍋に入れたりしたものは好きではありませんでした。 それが、今回はじめて「おいしい」と感じたのです。このほっくり感は、筆舌につくしがたい美味しさです。 この維西に来るまでは、「もう山のなかでもいいから、私を捨てて、降ろしてほしい」と思うほどの悪路だったのですが、ここにきてよかった。と、心から思っています。旅行中の来客用の味付けをされたホテルのものよりも、ずっとおいしいこのきのこ汁は、私の弱っていた体の隅々まで駈け抜けていくものでした。 用意をしてくださった維西の方がたへ、心から感謝をいたします。本当にあたたかいおもてなしをありがとうございました。 私はこれで、元気になりました! 名残惜しく思いながら、維西自治区を出発しなければならない時間となりました。県長さんとヨウさんが警護車途中までお見送りをしてくださいました。 そして、また昨日と同じ山道を麗江へ向かって降りる移動の始まりです。 帰りももちろん運転手は、炎の運転手ヤンさんです。ほとんど車の通っていない道ですが、前にたまにバスなど車がみえますと、絶対にそれをゴボウ抜きにかかります。さすが。そんな変わらず熱い運転での麗江までの帰路ですが、昨日の辛さはまったくありませんでした。同じ道を通っているのになぜでしょうか。 何度も休憩をしながら維西に向かっていたのとは違い、休憩なし(ただし車の調子が悪く何度かとまりましたが)で、麗江まで一気に駆け下りました。 私も強くなったのでしょうね。、この道中車酔いもせずに時に風景を楽しみながらバスに乗っている事ができたのです。山道でまともでいられたのは、多分いままで生きてきて初めてではないでしょうか。 |