つまようじは、オーラルケアに関する叡智の結晶!!

つまようじこそが世界共通のオーラルケアに関する叡智の結晶であった!!

ピカーッ還暦をこえてなおこの歯と歯グキ☆

社長曰く
「たかがつまようじみたいなものに挑戦するからおもしろい!」
・・・つまようじみたいなもの?

実は、つまようじこそが世界共通のオーラルケアに関する叡智の結晶であった!!
その「ものづくり哲学」に熱迫し、衝撃の事実を伝えます!

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伝統の知恵を現代の最新技術と確かな製品研究開発力で
オーラルケア用品の不動の地位を築く 株式会社 広栄社

「たかがつまようじみたいなものに挑戦するからおもしろい!」


稲葉修社長+オーラルケア研究家とともに

大阪府河内長野市に、ひとりの社長がいる。 地場産業が、安価な海外製品により圧迫を受けているなか、たゆまぬ努力と研鑽、そして信義を大切にすることによって、伝統の楊枝づくりに新たな命を吹き込み続けている。

大学との連携によってIT化を推し進め、楊枝を納得の形まで洗練した。 オーラルケアの完成型としての三角ようじ(丸軸の先端を三角形に加工したようじ)は特に私たちの心を強く打った。

楊枝づくりに命をかける男は言った。 「中国では無理でしょうな、それほど難しいのですこの三角ようじを作るのは」 稲葉社長のその自信に満ちた言葉の奥に、一つのことをとことん突き詰めて悟った人の 「物づくりに対する哲学」が凝縮されている。

楊枝生産量の96%を占めた河内長野が、オイルショックを乗り越え、そして今、安い外国製品に押されはじめたとき、稲葉社長は自ら作った協同組合を自分から解散した。 そして、その時こう言い切った。

「もうこれきりで みんなで会うことないけど、こういう地場産地っていうものは、空気みたいな存在や。無くなったときに初めて重要性が分かる。それまで皆、分からへん。無くなってきたときに、皆んなそのありがたみ分かってくるからな」

社長の言うとおり、今河内長野は産業空洞化にあえいでいる。今はほぼ100%中国産で、日本で楊枝の製造業者はおおむね壊滅した。しかし一社だけ残った。広栄社である。そこでは一般の丸いものでなく、三角形の楊枝を作っている。これは中国では作れないのだ。

スエーデンでは、食事したすぐあとに歯を磨いてはいけないというんです。まず歯間を掃除してからだと。
中川

三角楊枝ですが、オーラルケアの一環としてとらえないといけませんね。

稲葉

だいたい、オーラルケアという発想がないんです。楊枝は歯に詰まったものを取るものではないのです。歯間の掃除と、歯ぐきをマッサージをする機能があるんです。歯をみがくと、それだけで口内がきれいになった気になってしまう。ですからスエーデンなどでは、食事したすぐあとに歯を磨いてはいけないというんです。まず歯間を掃除してからだと。これには驚きました。

中川

「三角ようじ」をどのように宣伝してこられたのですか?

良いものはよいとお客様には分かっていただけるんです。私共は作るプロですね。ところがお客さんは使うプロです。
中川

稲葉

実はホテルで使ってもらえると思ったんです。しかしホテル業界はとても不況であまり置いていただけませんでした。しかし、ホテルのオーナーに気に入っていただいたところには置いてくださるんです。あるホテルで食堂と95室の部屋ごとに置いていただいたんです。最初まったく良さを分かっていただけなかったですね。しかし、あるお客様が、山の中のホテルでこんな良い楊枝があって、何で福岡市内では(歯間ようじ)がないのかと問い合わせてきてくださったんです。お客様は分かっていただけるんです。良いものは良いと。

これ、反対側がへラ状になっております。このヘラの部分で、歯の表面の汚れ、特に、歯と歯ぐきの境目の汚れを擦り落とします。歯ブラシで歯を磨いたあとでも、汚れは付いています。実際に試して頂くと、お分かりいただけます。年配の人はどこが三角形の頂点か分からなくなるのでこのヘラ部が印になるのです。

中川

この『歯間ブラシ』はどう違うんですか?

全長の55㎜という長さは 奥歯に届く一番短い長さなんです
稲葉

実はこの歯間ブラシ 大変凝っております。通常 お使いでしたら是非他社のものと比べてみてほしいんです。他社製品はハンドル太がくて短いでしょう。太くて短いと成型時間が短くてすむのです。55㎜という長さは 奥歯に届く一番短い長さなんです。微妙な長さなんですね、実に。太さ3.4㎜。使う時に2本~3本の指で使います。3音指の接点は3.4㎜です。だから太さは3.4ミリにしているのです。しかも 先端のブラシの部分が固定していないんです。遊びがあるでしょ。これで折れにくくなっているんです。


空気穴がついていて乾きやすくなっている

中川

あ ほんまや これはすごいなー 普通は折れてねー すごいなー。

キャップが付いている
付いていて初めて一つの商品だと思っているんです
稲葉

実は、キャップが付いている付いていて初めて一つの商品だと思っているんです。キャップをつけますと一週間は持ちますから水洗いして置いておいて頂く このキャップの先端穴あいていますでしょ。そしてキャップの下の方、4本のツメで止まっていて、パッチンと密封するように止まっていないのですわ。ということは 空気が通るので乾く とこういう仕組みになってますんです。

中川

そこまで徹底しているんですね。

稲葉

実際は、お客様は作り手の意向がよーく分かるんです。私よく言うんですが、私共は作るプロですね。ところがお客さんは使うプロです。

中川

なるほど。

知恵の原点に立ち返って、それを反映している製品に集約していきたいと思っているんです
中川

さっき知恵とか英知とかについてお話しされましたけれど 同じように薬木が世界中の違う地域で歯木として使われているとかですね、私たちの知恵の原点に立ち返って、それを反映している製品に集約していきたいと思っているんです。私たちが今力を入れているのが、除虫菊だけで作った蚊取り線香とかですね。

稲葉

へーっ

中川

これがないんですよ。

稲葉

なるほどね 他の添加物を入れない

中川

初めてなんです。

稲葉

へー

中川

添加物を入れないで出来るようになったのはやっと今年からで、やっと出来たんですよ。

稲葉

ほーっ

中川

準備段階から私たちもメーカーさんと参画してやってまいりまして、弊社で販売の方を受け持たせて頂いているんですが、除虫菊の歴史自体が日本では封印されてしまっているんですね。

稲葉

あと作っているのは和歌山ですか?

中川

実は日本での除虫菊の作付けはほとんどないんです。ごく少量作っていますけれども、量が全く足りないんです。で、ケニアから入れているんですが、ケニアはですね アメリカの資本がはいっているんです。アメリカ人は(良いもの、自然なものを)よく知っているんです。 除虫菊の粉をそのままペットにまぶしておくとダニやのみが付かなくなると。アメリカではそのマーケットが十分あって、アメリカの商社がケニアで作らせているんですが、これも量が足りないんです。それで我々の取引先の社長が、中国で5年前から栽培しているんです。この種を持ち込んで、雲南省で一斉栽培しているんです。ただ蚊取り線香として除虫菊を使うだけではあまり意味がないので、今はこれを無農薬農業の使い道として、天然系農薬として普及していこうという運動にかかわっているんです。

稲葉

へーっ

中川

農薬として除虫菊を使うという文化が日本ではもう40年も忘れ去られてしまったんです。40年のブランクって言うのはもう何もないのと同じなんです。もし日本で、ツマヨウジを日本で作る御社がなければですね、日本の、素材加工の技術をもってして作ると言うことはもう完全になくなってしまったと思うんですね。御社が唯一オンリーワンとして生産されているからツマヨウジについての文化があるんですけれども、除虫菊の使い方なんていうものは、もう過去の文献すらもないんです。

稲葉

へー

中川

それは結局、農薬資本がそれくらい強かったということです。いわゆる 防虫グッツ、防虫薬品も全部ですね。

稲葉

ということは今の蚊取り線香には除虫菊は入ってないんですか?

中川

いっさい入っておりません。それをほとんどの人は知らないんですよ だからもう まさにツマヨウジと同じでですね。 知らないことによって知識が伝わっていかないのです。臭いのしないマット蚊取り器具とか、怖いなーと思った人たちが、ベトナム戦争で使われた枯れ葉剤と同じものがつかわれているといったことをちょっと知った人たちが、蚊取り線香は、除虫菊に火つけて使うから大丈夫なんだろうと思うんですね。実はあれらも全部合成ですね。知らないことによって日々体に取り込み続けるんです。それこそ蚊のよくでる沖縄地域で、臭いのしないものをずーと24時間炊き続けているっていうことは、毒吸っているのと全く同じことなんですよ。
それをなんと恐ろしいかな、ものを分かっている人たちが知らないんですねー。

でも、そういう怖いもんだって言うことを知らしめていくってことしかないですね。知らないっていうことはいかに怖いってことですよね。

それを知ったあとで、商品買うとか買わないとかっていうのは、お客様の自由でしょうけれども、知ったら自分のアクションが変わってきますね。丸い楊枝はやめとこうとか、歯磨きと楊枝で掃除する順番を逆にしようとか。こういうオーラルケアって言うのはですね、御社のオンリーワンですので、当然商品として流通していくものだと思いますし、知恵のない商品って言うのは面白くないんですよ。売れるから売るんではなくて、知ったから使っていくなかで、販売していくっていうのが一番自然な形かなと思うんです。

我々は個別のことに関しては専門家ではないんですけれども、それをつなぐ役割をできたらなと・・・
インターネットという媒体はまさにそのための媒体だって思っておりまして、とにかく知ってもらいたいですよね。

佐々田

私、歯グキを磨く習慣って言うのがないんですよ。とにかく、ただなでるだけの歯磨きしかしていないので。

中川

そうね。

佐々田

そうなんですよ。

歯間ブラシ大好きな中川です!!

中川

とにかく一年に二回だけは絶対、歯科医院に行ってほしいですね。これだけはおすすめしたいです。

佐々田

そういう意識があんまりないですね。

中川

なんべんも私が言うてるだろが(笑い)。

歯、それは5000万円の財産
稲葉

虫歯になって痛くなったら歯医者さんに行こうってことしかないんですね。それはいかんですね。実は、悪くならないうちに歯医者さんに行くっていうのが一番いいんです。なぜかっていいますと、私は歯は3000万円の財産だって言うんですよ。団体でバスとかで年配の方が見学にいらっしゃいますよね。皆さんおっしゃいますよ。3000万円どころじゃないです、私にとっては5000万円、いや、もっとですって。

入れ歯が合わないので食べるときに入れ歯をはずして食べてるっていう話があるんですよ。えーっ、入れ歯って食べるために入れるもんやないですかって。(笑い)できたら食べないですませないかってことばかり考えますって。人生でこれほど悲しいことってないですよ、ね。そういう現実があります、歯って言うのは。

佐々田
私、ツマヨウジは使わないんですよ。なんか中年のおじさんのものっていう感じがあって・・・
中川

女性で使っているのはあまり見ないですよね

稲葉

そうですね。しかし、三角ようじで歯間乳頭をマッサージしないと歯ぐきが下がりますね。そういう風に思いますと、どんどん口の中 悪くして行っているなーって思いますね。

中川

そうですね、汚れ付いたままですもんね。

川井

そう、それが一番問題なんですよね。
特に歯間ですね。こういうふうに歯石ってたまっていくんですわ。ところが食後すぐにやると簡単にとれるんですね。毎日使って頂いておりましたら、マッサージも出来ますから。歯と歯の間のマッサージっていうのは、これしか方法がないわけですからね。

中川

私は、歯間ブラシって脳内麻薬がでるんじゃないかって思うほど好きですね。気持ちいいんですよ。

稲葉

そうです。ホントそうです。


歯間ブラシの使用

中川

気持ちいいですよね。

佐々田

歯の間 刺激するのって、こんな気持ちいいものだったんですねえ。

中川

言うてるだろが!

佐々田

いや言われていても、歯間ブラシって使ったことがなかったもので。

中川

こういう風に全サイズがあると、いっぺん使ってみますよね。だいたい2、3種類を使い分けるのが一番よいと思います。
ブラシの先に遊びがあるってすごいですね。そこが固定されていると、ほんまにそこが折れるんですよ。

稲葉

現代は、もう安いものばっかり出まわってますからね。

中川

本来、お客さまが安いとか高いとか決めるもんで、ドラッグストアが決めるもんじゃないと思うんですよ。

稲葉

安いもの並べようとしますわね。

中川

うち それいやなんですわ。

稲葉

出来るだけ高いものを

中川

高くて値打ちがなければ意味ないですけれども。これは(広栄社の商品)値打ちがあるから・・・それ、大事ですよね。

川井

楊枝は文化のバロメーターですね。

稲葉

ツマヨウジが丸くて、歯ぐきを痛めてしまっているって言うのは、先進国では、日本だけなんですね。

中川

結局、狩猟民族か農耕民族かっていう民族性の違いなんでしょうね。 三角の楊枝知らなかったなー。売っているのも知らなかったですね。こんなに優れたもんがあるなんて。

稲葉

アーユルヴェーダに基づいているって言うのがおもしろいでしょう。歯ブラシの元がアーユルヴェーダっていうのが。

川井

もともとアーユルヴェーダという言葉はここ十数年で有名になってきたのですが。アーユルヴェーダの知識というのは地上の人間が病で苦しみ始めたときに、100%自然の法則にかなった生活というのはこういうものですよと、悟りを開いた人々が伝えた知識(ヴェーダ)なのです。

ですから数千年とか数万年の周期で知識の復興があるのですが、人間の意識レベルが低くなってくると、知識の全体性が失われてしまうのです。本当は意識を取り扱うことが大切なのですが、具体的な方法論が先行してしまうんですね。ですからアーユルヴェーダの知識というのは永遠の知識であり、ただ見失われるだけなのです。

稲葉

へーそういうもんなんですか

中川

ですから、やっぱり啓蒙を続けて意識を変えて頂くしかないですよね。年配になって、歯ぐきが落ちてきてから気づいても遅いんですよね。

川井

ホントそうですよね。

中川

弊社は自然食品業界ですから、基本的に、体に正しい食べ物で(病気は)治せるという考え方でおります。

もしくは生活習慣ですね。ですけど、歯だけは自然治癒力で治すことは出来ない。歯周病に関しては、最近我々は腸内細菌叢との関係が非常に深いんではないかと考えているんですよ。もちろん定義も非常に大切だとは思いますが。
先ほど生活習慣病と歯周病との関連性が強いとおっしゃったんですけど、ただ生活習慣病といっても血液の成分がおかしかったらいけません。お母さん方が、甘いものをたくさん食べさせたりしていますからね。特に甘いものがカルシウムを減らしますね。そして甘いものとっている人は血中にカビ、プラークを作るんですね。ですから水虫持っているような人は生活習慣病・歯周病、全部セットです。そういう人たちに砂糖やめさせると一遍で治ることがあるんですよね 。血中でバクテリアが、糖質を好むものが寄生してですね、歯周に出たり。そういう人に限って歯磨きをしっかりしなかったりするんですね。そういう相関関係があるものですから、逆に言うと糖を下ろすものを止めるだけで歯周病が治ったりもするんですよ。

稲葉

へーっ。

中川

あらゆる方面からアプローチが出来るんですが、まあしっかり歯磨いている人は甘いものなんか、身体を害するほど食べないんですけどね。
ふしぎです。ですから人間の体で腸っていうのは我々の根っこだっていう考え方を我々の世界ではするんですけど、栄養を吸収するところですので、腸は命の根っこですよね。
そして、口は入り口ですよね。口は根に水を与える入り口なんです。

元々こういう商品を使う方っていうのは、歯周病になって初めて気づいて使う人と、最初からあらゆる面で健康な人かどっちかだと思うんですよ。
いま命の営みの話をお聞きして、口は「いのちの入り口」ということが理解でき、そのような意識で生活していれば、歯を磨くのがおっくうになったりとか、三角ようじを使わないわけにはいきませんよね。そうしたら、年をとってからもいい人生を送れるのではないかと思うんです。 一日も早く使いたいですね

佐々田

今日からでもって言う感じです

中川

それとこの舌のそうじも。

稲葉

口臭ね。口臭だけは夫婦の間でも注意しづらいものですからね。人格に関わるものですからね。本人が気をつけなければ。

中川

川井に聞くと、口臭って言うのはとても大切なんですよ。

川井

人間の体の構造というのは、消化管、血管やリンパ管、その他、たくさんの管の集まりなんですね。アーユルヴェーダでは消化しきれないで体にたまったねばねばしたものをアーマというんです。つまりアーマがたまっていくことで病気になるとアーユルヴェーダでは教えているのです。アーマが増えると体はそれを排出しようとするんですね。それが舌苔です。アーマは、過食したり、夜遅くに食事をとったりするとですね、つぎの朝、舌の上にアーマがたくさん排出されるのです。それをそのままにしておくと、また舌から吸収され、体中に溜まってしまうのです。

稲葉

はー


タンクリーナーの使用イメージ

川井

ですから未消化物をためないために、このタンクリーナーで舌の掃除をするということなのです。しかし、歯ブラシでこすってアーマを取ろうとすると、逆に味蕾の内部に押し戻してしまいますし、味蕾を痛めてしまうんです。

稲葉

あ そーでしたか。実は口臭なんて言うことよりももっと根本的なことですよね。

中川

だから口臭が強くなるっていうことを通して、我々の体は色々なことを教えているのかもしれませんよね。 ですから臭うものは本来、体の外に出さなければならないものなんです。便もそうなんですよね。

稲葉

特に外出する時などは、他のことはケアするんですけれども、口の中まではあんまりケアしないことが多いんですよね。

中川

ホントにその通りだと思います

稲葉

アーユルヴェーダの舌みがきはどんなもんでやるんですか。

川井

銀製の板をU字に曲げたもので作ってあります。ヘリの処理が舌触りに大切で、職人の方が一つ一つ手作りでカーブをつけるんです。ですからとても感じのいい舌触りに仕上げられるんですね。

中川

広栄社さんのタンクリーナーなら誰でも出来るんですね。オーラルケアを心がける入り口ですから。そして、ヴェーダの究極にチャレンジしたい方は、銀製の舌掃除で、アーユルヴェーダに基づいてやるのもいいんでしょうね。これだと、ほんと子供でも誰でも出来ますものね。難しさなくできますよね。

稲葉

そうですね。そのときにやっぱり舌を傷つけないかとか、気になりますよね。やはり完全ということが非常に重要ですよね。大型店では、歯間ブラシはうちのが一番売れますよ。そこで、なんで我が社の製品が売れるんですかって聞いたんですよ。そしたら「使っていただくと分かるようです。使いやすさと持ちの良さが違うそうです」って。

中川

それって大事ですよね。わたしも3・4ヶ月自分で決めたやつ使こうてましたんですけど、ぜひ広栄社さんの歯間ブラシを使ってみたいですね。

稲葉

そうなんです。なんでもぜひ使い比べてみて欲しいんですわ。

中川

ドラッグストアで買ってきて試してみて、御社の製品を購入して頂き、試してみて頂くと、御社の製品を使い続けてくれるかもしれないですね。

稲葉

人間というのは使っているうちに、だんだん(お金が)もったいないと思ってくるんですね。

中川

そうですね。でも折れてしまったりっていうことがあると、やっぱり広栄社のは違うと分かってきますよね。簡単、優しい。

稲葉

歯間ブラシって言うのは、作るのも捨てるのにも大変環境を悪化させるんです

中川

だと思いますね

稲葉

だから、こういう(三角ようじのような自然なもの)ものにしていかないとあかんということなんですね。 自然なものに近づけていかんとあかんと思ってます。はい、これが大変重要なんですねー


資料室玄関にて

日本人の歯の平均残存数は80歳でたった6本!!

厚生労働省では、8020運動を行っている。

厚生労働省のデータでは、アメリカは「8015」、スエーデンは「8016」。
それに比べ、日本は「8006」つまり、80歳で平均6本しか自分の歯が残っていないのである。

オーラルケアの分野で日本はえらく遅れいているのが現状である。

ある公立の小学校では、給食のときに、歯ブラシを机の上において置き、食事が終わるとその場でブラシだけで歯を磨く。その後洗面所に行き、さらに10分歯を磨く習慣を徹底させたところ、虫歯が激減した。今では一人あたり虫歯の発生率が0.25本。つまり、4人に1人に一本の虫歯しかない状況になったという。

「予防ありき」なのだ!


マッサージ効果抜群の三角ようじ

私の横の机では、上司の佐々田が朝から夜中まで、元気に働いている。歯はとてもきれいだ。しかし、歯は2分しか磨かない“派”だ。歯ぐきの若々しさは失って初めてわかるものなのかもしれない。

一方、弊社代表の中川は毎日40分かけて歯を磨く。歯に関しては優等生。常々歯磨きの大切さを聞いているところに、今回の広栄社さんの取材はまさに時を得ていた。

広栄社の稲葉社長も、三角楊枝による歯間の掃除を力説する。図のように、この楊枝の二辺で歯の間の歯垢をとり、残る一辺で歯間乳頭をマッこれがいい。第一気持ちがいい!
減ってきた歯ぐきがこの方法で、復活してくる。サージするのだ。

驚異的な“三角ようじ”の威力。やせた歯ぐきがもりあがってくる!

若い人は気にもしないであろうが、年を取ってくると気が付かないうちに歯ぐきが痩せてくる。土台が沈んでいけば、歯は当然ぐらついてくる。しかし稲葉社長の歯を見て頂きたい。還暦をすぎ、今なをこの歯を維持なさっておられる。

「3日やったら止められなくなります。続けたらかならず痩せた歯ぐきが回復してきます」と稲葉社長は言う。

マッサージの効果

歯科医がすすめる歯間ようじ「ドクターピック」

歯を大切に考えた、身軽で手近に使える歯間清掃用具である。 予防を重視される歯科医がすすめる歯間ようじ「ドクターピック」とは…

【つま楊子】+【歯間ブラシ】

食後の歯間清掃のために開発されたものがデンタルピックだ。狭い歯間部の清掃と歯間乳頭のマッサージを無理なくできる「歯間ようじ」は、龍谷大学(REC)の技術指導により、世界で初めて開発したものだ。

つま楊枝が進化した

従来の丸いつまようじは、本来は果物を突き刺したり料理に用いるもので、歯に使うと歯ぐきを圧迫し傷つける。食後の歯間清掃とマッサージを主な機能とした三角形状のようじが、歯周病予防のニーズの高まりにより、全く新しい「歯間ようじ」へと進化した。欧米では三角形状のようじは、食後の最も重要な歯間清掃用具と考えられている。もう一方のヘラ部では歯の表面に付いた汚れを擦り落とすのだ。

歯の黒ずみ、ステインもこれで一発解決!!

歯と歯ぐきの間に付着するのが歯垢だ。この歯垢が歯周病を繁殖させ、歯肉炎・歯周炎などの歯ぐきの病気を進める。歯垢を取除き、歯ぐきをマッサージすることが歯周病予防になるのだ

歯周病予防には、清掃とマッサージが大切です。歯と歯茎の間に付着するのが歯垢です。この歯垢が歯周病菌を繁殖させ、歯肉炎・歯周炎など歯茎の病気を進めます。歯垢を取り除き、歯茎をマッサージすることが歯周病予防になります。「歯茎が浮いたように赤く腫れ、すぐ出血する→歯と歯茎の間に隙間ができ、歯茎が痩せはじめる。→口臭がひどく、歯茎が下がり、膿が出るようになる。→口臭だけでなく歯もぐらつき、抜け落ちやすくなる。」

素材と環境

素材は強さと粘りを兼ね備えた北海道の良質の白樺を使っている。白樺は自生力が強く成長も早く、他の用途も少なく資源の有効活用の点でも優れている。甘味料のキシリトールも白樺が原料だと言うことをご存じだろうか。

「現代は、大半の人が80歳まで生きる時代です。高齢期を迎えてからの歯の大切さを想像してみてください。まさにその人の後半の人生の質を左右する問題だと思います。歯が20本あればどんなものでも食べられます。」と稲葉社長。

歯は大切にしなければいけない。自分のためなのだ。


三角ようじ

稲葉社長は今、三角ようじをグローバル・スタンダード(世界標準)にすべく、尽きせぬ熱き夢を語る。

「つまようじ資料室」見学の後、稲葉社長にお話をうかがった。
閉塞状態の重い空気が支配する日本経済であるが、二人の対談のなかに、
物づくりのあり方、商売のあり方、そして一人ひとりの消費者のあり方について、 何かを、そして生きる勇気を感じ取って頂けたら幸甚である。

これは苦労しました。ですが、実はこの三角ようじを作ることによって、 日本人の歯にたいする意識を変えたいという大きな目的があるんです。
稲葉

歯をなくした人が、ほんとうに分かるんですね。歯をなくしてからわかる。親と一緒なんですよ。無くしてみてね、その偉大さっていうか、大きさが初めてわかるのが、歯ですね。ですからね、歯っていうのは、大切に大切にしていただかないと。
そういう文化を創っていくっていうことが大変重要ですよね。

中川

先日、龍谷大学のREC(龍谷大学の産官学交流組織で、企業などの研究者や技術者と、大学の各専門部門のスタッフとが有機的に連携し、直面する課題についてより実りある成果を目指している)の見学にいってきました。

稲葉

実は龍谷大学ってすごいんです。

中川

生産者とお客様を繋っていうことに関して、きっちりした信念持ってやってますよね。
大学だから適当でいいだろうということではないですよね。

稲葉

すごいんですよ、ほんとに親切ですよね。
2年半のあいだに、ほんとに製品完成に到るんだろうかっていうほど、いろいろな問題が起こってくるわけですよ。
たとえばね、刃物あるでしょ、刃物。きれいに切れないんですよ。
そしたら、そこ(龍谷大学RECに)に電子顕微鏡があるんです。それで刃物送ってくださいっていわれて、ものが切れるっていうことはどういうことかっていう基本から、専門の先生が教えてくださるんです。
ありがたいですよ。それを一つ一つ積み上げてきましたからね。

製品化された楊枝の出口は機械屋さんも出来ないのです。難かしくて。

こういう方法ではどうですかって先生に構想図いただいて、それを元にして、私どものような、こんな会社に2人、すごい技術者いるんです。営業2人しかおらんのにね。(笑い)

出口担当しているのは、25歳の若い社員が、CADで図面書いて、先生に観てもらって、それで部品を工作機械で作って、組み立てて、実際に出てくるところを作るんです。 これは日産50万本の機械なんです。ということは一秒間に16本か17本通過するんです。これ全部検品するんです。

中川

わー そんなことが可能なんですか!

稲葉

これ全部パソコンのモニターに表示できるんです。IT化というのは、こういうことかと思ったですね。

中川

はー なるほど。

稲葉

この製品開発に二年半かかりました。タンクリーナーの製作にも二年半かかりました。だいたいね、2年半から3年にいっぺんくらいしか新商品開発はできないんですわ。もう掘り下げて、これ以上ないっていうところまで行きますからね。設備も揃えなあかんでしょう。そうして一品ずつ増やしていきますからね。
それで一秒間に16本か17本通過したやつを、ちゃんとつぎの仕掛けではねのけるんですよ。
これにはうちの技術責任者もがんばりましたけれどね。

中川

ものすごい難しいことですよね。

稲葉

難しいです。

これは苦労しました。ですが、実はこの三角ようじを作ることによって、日本人の歯の意識を変えたいという大きな目的があるんです。

もう一つはね、本当の付加価値をつける。付加価値をつけたら日本での生産は可能やと。
そうでしょ、なにも、安い製品を外国まで求めんでも、そこまで特化できていったら、日本で充分成り立つっていう、そういうことを証明したいわけです。

中川

ま、受注先が中国に行くのは、安くて量を求めるということでは仕方ないと思うんですけどね。
しかし、質を求める方っていうのは確実にいらっしゃいますからね。
産業がどんどん空洞化していって、日本人は、なにで食べているのかよくわからないっていう状況になっているんですね。
雇用する場の問題ですよね。

稲葉

はい、場の問題になりますね。 私はこの河内長野っていう狭いところでね、日本の楊枝生産量の96%も占めていたところにいるわけでしょ。 ようわかるんですわ。皆さん楊枝を作らんようになりましたから。

この楊枝の先を削る機械屋さんが2軒あったんですけれども、無くなりました。
そして機械屋さんが無くなるっていうことは、それの消耗品交換をやっている工具やさんは大変になりますよね。

これあきませんわね。

楊枝を切るノコの目立て、まー、なんでもない、毎日コットン、コットンってたたいている。誰がやっても同じようなことやってても、その人の仕事ですと刃の持ちが全然違うんですよ。

なんでこんなに違いが出るのかと思うくらいなんですが、その人がもう日本では仕事が無いわけです。機械は中国に行ってしまったわけですからね。

ですから技術の空洞化ってほんとに大変なことですね。そういうことには何も気がつかないで、大手の企業が開発分野まで海外に持って行くでしょ。何を考えてんやと言いたいですよね。


静かな語りの中に、稲葉社長の大きな熱意が伝わってくる。

中川

ほんとに。ですから産学協同で本気でやってくれる大学とかが出てきてくれてるのが救いですよね。
これで何とかバランスを保ち続けられたら。

稲葉

この先ほんとに日本の技術っていうのはね、守っていかんと、えらいことになると思いますよ。

中川

技術もそうですし、農業もそうなんですけどね。

稲葉

そうですか。

中川

安い安いっていうことで、日本の食糧自給率っていうのは、カロリーベースで30%切ってますからね。

カロリーベースで30%切っているっていうことは、日本人が7割の食料を制限しないと国産で賄えないっていうことなんです。コメを自由化したっていうことは、恐ろしいことなんですね。

稲葉

なるほど

中川

もう 食料の輸入を切られたら我々終わりです。

稲葉

いわゆる食糧安保っていうやつですね。

中川

そうです、食糧安保です。その戦略の中に上手に組み込まれてしまって。

日本にないものは外国から持ってきてもしょうがないですけれども、一般食品はやはり国産で行きましょうという動きも出てきているんですけどね。

稲葉

そうですか。

中川

でも、全体の流れからすれば、大量消費する人たちっていうのは空洞化の元凶になっているものに手を出すんですね。

我々国産のものだけ売っていたら高いって言われるわけですよ。爪楊枝でも同じだと思うんですけど。

ですからものを見てもらう目線を変えてもらわないと。

消費者が賢くならないと我々は生きていけないし、どうやってそういう人を掘り起こしていくかっていう事も大切だと思っているんです。

ま、社長がこうやってこつこつ資料館で説明されて、オーッということで(その素晴らし、重大さが)分かられた方は、オーラルケアの意識が変わりますよね。
消費者と業者が連携してそっちの方に同化させないと。ま、農業も含めてですが。

稲葉

そうですね。

中川

ですから、こういうものをメーカーさんは開発しないといけないし、小売業者はそれを消費者に伝えきる。

我々が勝っていくためには、情報集約と熱意しかないと思うのです

稲葉

なるほどね

中川

伝統が無くなってしまったら、もう元も子もないんでね。

行政が悪くなって、給料が下がった。
給料が下がったから、安いもの買わなあかん。
安いもの買わなあかんからドラッグストアーで買う。
ドラッグストアーで買うから、まともなもの作っているところは物が売れなくなる。
価格競争が過当競争になって、利益が出ない。
そして給料が安くなるっていう、この悪循環なんです。
我々はどうしても正当な営業で儲けていかないと。

自分自体が豊かになれるところしか、よくない連鎖切り離すことはできない。

なかなかそれはジレンマあるんですけどね。

稲葉

いや この地にいるとそれがよく分かるんです。
爪楊枝っていうのはここしかないわけですね。
よう分かるんですよ。
みんな100円ショップですからね。

中川

ですよねー でもよく持ちこらえてきましたよねー こうやって。

稲葉

200本入ったのが100円だったのが、いまは650本になったんですよ。
次に800本になったんです。
ところが100円ショップ同士が競争して、もっとたくさん入れてというわけですわ。
ですから私100円ショップ憎くないですけれども、そういう状況に追い込むことは大変よくないですね。
今はもう800本から1000本になって、今度は箱になってね。
今一番最高1300本ですよ。800本の物を買ってた人が1300本になったからって、得があるでしょうか。


昔はベルトで機械を動かしていたそうです。

中川

爪楊枝 子供が わーって こぼすことあるやないですか。 そんなもう戻しようが無いですよね。もうぜんぶゴミ箱行きで。(笑い)
以前なら元の容器に戻したのが、安いから捨てる。これは「物を大切にする心」を捨てるんですね。

稲葉

ですから、どんどん安くするためにものすごい量を作るわけですわね。でそれ消費しきれないで残ってるわけですから、もう行き詰ったときには ゴミの山ですよ。今の世の中は、そういう意識全くないですわね。

10年前に、業界で中国の問題が出たときに 私ものすごく反対したんですよ。
ね、そしたら 私が反対する理由は、私が中国と仕事が出来んからだとみんな思ったんですわ。みんな黙ってですよ、自分とこはしてませんってかっこで、実はやってたわけですよ。ふたをあけたら私んとこ以外みんなやってたわけです。

中川

それはひどいですね。

稲葉

で、その結果、いま こういう状況になったんです。私そのとき言うたんですわね。
もうこれ最後だろうと。もう皆で会うことないからと。そして、自分が作った協同組合を自分でつぶしたんですわ。存在する意味がないんでね。そして言うてやったんです。もうこれきりで、みんなで会うことないけど、私言うとくぞ、とね。こういう地場産地っていうものは、空気みたいな存在やって。無くなってきたときに初めて重要性が分かると。それまで皆、分からへんて。無くなってきたときに、みんなその有難み、分かってくるからなって言うたんですわ。

いま、ほんとに有難み分かっとるんですよ。この業界の中国との商売で、爪楊枝の割合っていうのは2割か3割なんですよ。100円ショップが珍しい物もってこいって言うので、中国まで探しに行くわけですよ。何でもいいんですわ。綿棒でもええ、植木鉢でもええ、何でもいいんですわもう。

中川

うーん

稲葉

みんなもう自慢して言います。見てくれって。
でも、楊枝の割合どんだけあるっていうんですか。
楊枝の取り扱い割合は三割切っておるやないか、と。でも、また、そんなんが伸びとるんですよ。

中川

伸びてるんですか。

稲葉

そうです次から次へと100円ショップの(業界の)伸びに従っていっているんです。これ、いずれ止まりますわ。

中川

止まりますね もう 飽和状態ですね。もう去年末くらいに天うっているんじゃないですか。

稲葉

そう思いますわ。

中川

100円ショップ同士の競争もね 熾烈になってくるし。

稲葉

ですから物を作るっていう発想は全く消えているわけなんですね。

北海道で原料調達に関して長い間おせわになったわけでしょ。
楊枝の材料の丸軸製造会社が6社あったんです。
上から順番にやめましたね。
今、私どもの材料は、一番小さいところが作ってくれているんです。
そんなんが現実なんですね。
北海道でそうやってがんばってくれてるのに、簡単に中国に振るんですね。
他人のことぜんぜん考えておらんのですよ。
ですからいずれ自分のとこに戻ってきますわ。
ただ儲かったらいいっていうようなもんと違うと思うんですけどねぇ。
私は爪楊枝っていう世界で見ているもんですから。地場産業の空洞化っていう問題は身にしみとるんですわ。
それが日本規模で起こっているでしょ。いろんなものが。
これは 大変なことですよ ねー。長い間かかって培ってきたノウハウを捨てるわけですよ。

中川

これは日本の大きな損失だと思いますよ。

稲葉

中国なんていい物作ろうって気が、日本よりあるように思われないんですよ。
原料の白樺の木なんかでも、4時間きちっと煮なあかんわけですね。そうすると良いものが出来るんです。日本人は常にいい物作ろうって思うものですから。どれだけ丸みを出すかって、目をつぶってですよ、この丸みがしっかりできてるか、ってなことを競争したわけですわ。
「お前んとこ真円か、俺んとこ真円や」なんちゅうて。(笑い)

中川

えーそんな努力してまで。

稲葉

そうですよ ですから あそこまで技術が進歩してきているわけでしょ。中国ではそんなことなんにもしないから、今の楊枝のようにすぐに折れるんですわ。
見たところそれらしかったらいいんです、中国の人たちは。私は爪楊枝ではそういう考え方は絶対アカンと思うんですよ。日本人はいい物作ろうって気持ちありますよ。

中川

蚊取り線香でも結局ね、原料はもう中国しか大量供給できない。中国は最新の技術を所有し、農業分野はすごく強いですわ。白菊を作って蚊取り線香を中国で形成するとクレームが多かったんです。去年のことです。

稲葉

なるほど。

中川

それで今年日本製になったんですね。原料は中国で、成分の抽出までは中国でやって、そして日本に持ってきて形成するのが、やっぱり日本の蚊取り線香産地、和歌山なんですね。

佐々田

有田市です。

稲葉

地場産業なんでしょうね。

中川

去年まではね、プレピオン酸カルシウムという防腐剤入れなくてはカビが生えたんですよ。防腐剤が入ってても黴びたんですね。ま使用はほんの少しなんですけど。
で、国産にしたら防腐剤入れなくても黴びないんです。
なんでそうなるのか。
たぶん、今おっしゃってた、どっちが真円に近いかとかってお互いに競うのと同じで、積み重ねた技術力が違うんでしょうね。

稲葉

でも、それがノウハウやと思うんですわ。ね、長い間培ってきたもんですよね。ですから、いいものつくりたいっていう日本人の思いが、いいものを作ってるわけですよ。
中国では人件費が安いだけやないですか。
そこの差をなんで評価しないのかと思うんですけどねー。

中川

まどう見ても、日本の経済が沈滞していても仕方がない状況ですからね。金利も上がる見込みは無いでしょうし。ですからわれわれ、この金利の安いときに何ができるかっていう。預ける側にとってはなんのメリットもないでしょうが、借りる側にとっては、これ一つチャンスなんで、中小企業の時代だと逆に思うんですよ。大手ほど今何をやったらいいか分からないんだと思います。

うーん。しかしこんなにツマヨウジが奥の深いものかと。

稲葉

いやいやいやいや

佐々田

ほんとにそうですよねー。

中川

外国ではカクテルピックと爪楊枝は違うっていうように、日本には(カクテルピックと爪楊枝の違いを示す)言葉が無いわけですからね。歯に対する意識がまったく低いという。

稲葉

しかしおもしろいことに東南アジア 台湾 香港 韓国 っていうのはいまでも輸出しているんです。日本語の印刷をしたそのままの形で。

中川

それが売れるんですね。

稲葉

そうなんです。ですから私どもの商品全部に日本製・メイドインジャパンって印刷してあるんです

中川

あーそれがいいでしょうね


広栄社のようじは世界に輸出されています。

稲葉

それがブランドなんですよ。これはえらく高くなって売られていると思いますよ、向こうの人たちが買うときには。

中川

意匠登録で守られているんですか。

稲葉

この三角形の形状という物は、これは日本で意匠登録4件、中国、台湾、ドイツ、アメリカととってあります。

中川

これよそで真似されるっていうことはないわけですね

稲葉

ありません。

中川

でないと、逆にまた中国怖いですからね。

稲葉

ところがね、機械で生産をしてましてね、とてもやないけど(中国では)出来ないと思いますわ。

中川

そんなに難しいことなんや! これ!!
大学の先生が一所懸命考えて、そしてエンジニアさんと社長が一緒になって、ウンウン言うて出来るんやなあって思いましたわ。ただ機械でガシャン、ガシャンっていう物では無かったんですね!

稲葉

そうです そうです そうです

中川

それで、しかも、いかに速く作るかですよね。

稲葉

そうです一秒間に16本か17本。
おもしろいですわねー(笑い)
ですから龍谷大学のおかげでずいぶんレベルあがりましたです、ほんとに。

中川

そういうところで企業とタイアップしていかないといけないのに、今までは大手としかなかったから。

稲葉

今やっと大学が中小企業と、産学協同をするようになったんですね。これから国立大学も大変ですわね。いま各大学がどうやって産業界を取り込むか。
産学連携って言うのは大阪が圧倒的に強い。東大でも関西に窓口がなかったら生きていけないわけですよ。
わたしたちでも産学連携なんて大企業のことだと思ってましたもの。
それで(今回RECの仲間に)入れて頂いて、これだったらいけるっていうわけですよね。

中川

キーは大学にあるわけですよね。大学と組んで中小企業が新しいものを作っていかないとね。大学って、どうしても敷居が高いものだというイメージがあるんですわ。

稲葉

いい先生と、どんなところで会っていくかっていうことも大事ですものね。やっぱり日本固有の技術を大学と一緒になって生み出していかないといかんと思いますわ、やっぱり。
この先のことを考えたら(今後日本の産業は)どないするんかなと思いますよね。

中川

そうですね

稲葉

わたしは 実は ツマヨウジみたいなもんでもね、付加価値をつけたら充分やっていけるということを証明したいんですそして、これを世界標準、グローバルスタンダードにしたいんですよ!(ほんとうの)楊枝っていうのはこれです!!っていう、世界中の楊枝のスタンダードはこれですっていう風に変えたいっていうのが最終の夢なんですよ。

中川

きっと近いうちに、そうなります。

最後に、稲葉社長がその著書『楊枝から世界が見える-楊枝文化と産業史-』で述べている文言を以下に記すことにより、本事例の締めくくりとしよう。


重要なのは時代と共に製品を「進化」させるということです。
製品の進化は、生産方法や製造技術の進化でもある。
そのためには毎日の少しずつの改善と改革の積み重ねがとても大切です。
一晩の「ひらめき」などでは、とてもたち打ちできるものではありません。
少しずつの改善と改革は1、2年では目立ちませんが、5年、10年と年月を経ると、もう立派な「発明」になっていると思うのです・・・これが物作りの伝統だと思うのです。
これからもたゆまず続けていきたいと思っていますし、それこそがメーカーである私たちの使命だと考えています

80歳で20本の歯を維持する方法

80歳で20本の歯を維持する5ヶ条
  1. 歯ブラシを使うことは基本である。そのうえで、
  2. いつも「三角楊枝」を持ち歩き、食後すぐに使う。上の二辺で歯についた汚れを落とし、
    底辺で歯ぐきを軽くマッサージする。健康な歯ぐきを保つことができる。
  3. お休み前に歯を磨いた後に「歯間ブラシ」で、歯と歯の間を清掃する。特に奥歯を念入に清掃する。歯周病菌を取り除くのだ。
    歯と歯の間の大きさはまちまちだ。大きさに合わせ少し「ゆるめ」のサイズを使う。
  4. シリコンゴム製の「歯ぐきブラシ」で歯グキをマッサージする。血行を良くし、健康な歯ぐきを保つことができる。
  5. 一年に二回、歯科医院に行く。歯石を取り、歯をチェックしてもらう。歯科医院は悪くなってから行くところでない。悪くならないように予防のため行くところだ。自分も楽であるし、時間もかからず、医療費も少なくてすむ。


カラフルな広栄社の歯間ブラシ

広栄社は輸出専門企業として躍進したが、それがある事をきっかけに窮地に陥ることとなった。昭和46年8月に米国が行ったドル防衛策(いわゆる、ドルショック)である。これまでの1ドル=360円の固定相場制から変動相場制に移行することにより、1ドル=300円という大幅な円高となってしまったのである。しかも、円高はその後も続く。このような急激な円高では、売上げをあげても為替差損で利益が飛んでしまう。当初は、コストダウンや生産の合理化により対応しようとしたが、それにも限度があった。このため、国内市場に目を向けざるを得ない。しかし、国内市場は河内長野の同業者が網の目のようにカバーしており、広栄社が入り込む余地はない。

広栄社において、企業の存亡をかけた販路拡大のための試行錯誤が続くこととなる。ギフトやキャラクター関係への販路拡大も行った。三角楊枝(横につながった三角楊枝そのものは、昭和35年ごろにノルウェーで開発されたものであるが、広栄社は北欧の得意先から三角楊枝の製造依頼を受け、3年の歳月をかけて製造機械の開発に成功していた)をもって大手メーカーに飛び込みのセールスも行った(昭和53年)。この三角楊枝は、最初に電話した企業から断られたが、次に電話したサンスター㈱からは色よい返事をもらい、早速サンスターの歯間清掃用具シリーズに加えてもらうことになった。サンスターとの取引は広栄社に多くの成果をもたらした。サンスターの品質管理水準は極めて高く、不良率の割合はPPM、すなわち100万分の1個の割合だそうである。広栄社はサンスターの指導を受け、品質管理の向上に努め、もはや従来の楊枝メーカーではなく、「歯間清掃用具のメーカーなのです」という意識改革を為し遂げた。この意識は、その後の製品開発に活かされる。サンスターとの取引は広栄社に多くの成果をもたらした。

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