クラスター爆弾啓発用漫画本 『クラスター爆弾 ラオスからのメッセージ』
NPO法人テラ・ルネッサンス ラオス事業 不発弾撤去にご協力お願いいたします。
漫画で初登場!クラスター爆弾の啓発本
『クラスター爆弾 ラオスからのメッセージ』
NPO法人テラ・ルネッサンス ラオス事業の取り組み
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本を作るきっかけ ~新たな時流を造り出すために
地雷問題の事業でカンボジアに滞在していた私は、2007年からラオスへ何度も足を運んで来ました。そこでラオスに残る不発弾の問題を知った私は、2013年2月に、このラオスの不発弾の問題とラオスの魅力をもっと多くの人に知ってもらおうと思い、スタディ・ツアーを企画しました。しかし、申し込みはわずか2名。十分な参加者を集めることができず、ツアーは中止となりました。
素朴で温かい人々、
美味しい食べ物、
多くの少数民族の多様な文化、
まだ多く残る豊かな自然・・・。
不発弾という問題の負の部分だけでなく、ラオスの大きな魅力を知ってもらうスタディ・ツアーの行程は、参加していただければ、絶対満足してもらえるという自信があったにも関わらず、ラオスという国、そしてクラスター爆弾の認知度の低さを改めて、思い知らされる結果でした。正直、本当にショックで、そして残念でした。
しかし、考えてみれば、私もラオスに行くまで、何も知らなかったのですから、当然の結果ではありました。そのとき私は決意しました。ラオスという国をもっと多くの人に知ってもらい、そして同時にラオスに残る不発弾の問題、クラスター爆弾の問題にもっと関心を持ってもらおうと。
そこで、誰でも気軽に読めて、そしてラオスの状況やクラスター爆弾の問題をイメージしやすい漫画でストーリーを作ることにしました。
この本は、条約はできても注目されないラオスやクラスター爆弾の問題をそのままにするのではなく、多くの人たちに知ってもらい、関心を高めることで、今でもクラスター爆弾禁止条約に入っていない大国や、使用している国もクラスター爆弾を禁止できるような、新しい時流を私たち市民の中から作り出す、最初のきっかけとなる本になればと思い作成しました。
ぜひ、お知り合いの方やご友人、ご家族そして、中学生、高校生ぐらいのお子さんにも薦めていただき、読んでいただけたら嬉しく思います。
特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス
アジア事業担当
漫画で描かれた初めてのクラスター爆弾啓発本
“漫画”という日本の独自に大きく発達した文化は、世界に誇ることができるものの一つと考えています。
子どもから大人まで幅広い年齢層の方に読んでいただき、そしてクラスター爆弾がどんなものかイメージしにくい人たちにも、ラオスに行ったことが無い人たちにも、漫画は物語や絵を通してイメージし、そして、ストーリーを伝えられるところが何よりも優れています。
こうした漫画の特性を存分に活かして、世界で起きている問題を通して、平和について考えてもらうきっかけとなるような本を造りたいと考えてきました。
そこで、地雷問題のように、まだ誰もが知っているわけではないクラスター爆弾と、認知度の低いラオスについて知ってもらう本を、漫画で描くことにしました。
原作:江角泰 漫画:西原大太郎 デザイン:小田起世和
発行:特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス
【目次】
漫画『ラオスからのメッセージ』
補足1: 不発弾の撤去について
補足2: クラスター爆弾禁止条約について
補足3: クラスター爆弾の種類について
テラ・ルネッサンスの活動について
ラオス現地取材のエピソード
ラオス シエンクアンへ飛ぶ。
この本を製作するにあたり、JICA関西の助成金を頂くことができました。
そして、漫画を描いていただくのに、やはり漫画家の方には実際の現場を見てもらおうと考え、2013年9月25日~10月1日まで漫画家の西原大太郎さんと、ラオスに渡り、現地取材をしました。
ラオスのビエンチャンから、米軍による空爆の最もひどかった地域の一つ、シエンクアン県へ飛びました。
撤去できたのはわずか0.34% 不発弾撤去現場を視察
そこでは、不発弾撤去団体の不発弾撤去現場を2カ所視察したり、実際見つかったクラスター爆弾の子爆弾の爆破作業も見せてもらいました。
小さなテニスボールほどの大きさの爆弾ですが、爆発の威力は想像以上で、数百メートル飛び散ると言われる子爆弾の金属片を、飛び散らないようにするために置かれたサンドバッグが、空中に破裂するように吹き飛ぶのが、何度も見えました。
後から視察した場所は、道路からすぐ横の農地にしようとしていた土地。トラクターで耕した跡から、たくさんのボンビーが見つかっていたのです。爆発しなかったのが、本当に運がよかったと言える状況でした。
不発弾撤去チームのリーダー、シータット・シティヴォンセンさん(左写真)は、ラオスだけでなく、世界中でクラスター爆弾がこれから製造され、使われないように禁止していかなければならないと話していました。
そのために多くの人たちに知ってもらわなければなりません。私にできるのは、まず多くの人たちにラオスにあるクラスター爆弾の問題、不発弾の問題を伝え、知ってもらうこと。だからこそ今回の調査をもとに、漫画をこれから造りますと伝えました。
伝えるために決して忘れない。不発弾被害者の話。
ある男の子(右写真)は、小学校からの下校途中、友達と二人で田んぼのなかのあぜ道を歩いていました。前を歩いていた友達の前で不発弾が爆発。ただ歩いていただけで爆発するのは、とても珍しいことです。友達は、爆発によって多くの破片が体中に刺さり、即死。後ろを歩いていた男の子も全身に破片が刺さり、爆発と親友が目の前で亡くなったショックから狂乱状態になり、ちょうど近くで畑仕事をしていたおじさんから連絡のあったお父さんが現場にかけつけて、抱きついて止めるまで、辺りを叫び回っていたそうです。
漫画の中で描かれているノイのように、この子はインタビューしたときも、下を向いたままでした。全てお父さんと家族が話をしてくれたのです。その痛々しい男の子の様子は、本当に悲しい気持ちになりました。今回インタビューに答えてくれた人たちには、本当につらい想いをして答えてくれました。だからこそ、もう2度と同じような悲劇が起きないようにするために、世界中の人たちに、話してくれたことを伝えますと約束をしました。
人は誰でも苦しみを希望に変える力をもっている。
でも、今回の漫画の中では、その悲劇的なクラスター爆弾の残酷さだけを伝えたいとは思っていませんでした。 これまでラオスで出会って来た被害者の人たちのなかで、事故に遭って、本当につらい想いをした人が、苦しみを乗り越え、希望を持って前向きに生きている人たちにも、たくさん出会って来たからです。
2009年にシエンクアン県で中学校建設を一緒に実施した、ラオス赤十字シエンクアン事務所のスタッフ、サイカムさん(右写真)もその一人でした。 彼は中学校建設の時に、一緒に調査や通訳をしてくれて、その中で左目が見えないことを教えてくれました。それは、今回の漫画のなかで描かれているノイとノックのような田んぼでボンビーを見つけて遊んでいて、事故にあったからです。当時8歳ぐらい。3人で遊んでいたときに、ボンビーが爆発し、2人の親友は即死。サイカムさんは左目に破片が突き刺さり、気を失いました。
この事故がどれだけ本人につらい想いをさせることになったのか知りません。最初は警察官になる夢も、次に学校の先生になる夢も、片目しか見えないからということで、あきらめなければなりませんでした。
しかし、今はおじさんが所長を務めるラオス赤十字のシエンクアン事務所で働いて、自分と同じような被害に遭った人たちや、貧しい生活をしている人たちにチャンスを提供したいと、夢を話してくれました。これだけ前向きに生きようと、そして、他の人たちにも希望を与えたいという気持ちに感動しました。
(右写真:テラ・ルネッサンスとラオス赤十字が、2009年に不発弾撤去後の土地に協同で建設したプレマ・シャンティ中学校)
ラオスから日本へ、そして世界へ伝えるメッセージ
でも、今回の漫画の中では、その悲劇的なクラスター爆弾の残酷さだけを伝えたいとは思っていませんでした。 これまでラオスで出会って来た被害者の人たちのなかで、事故に遭って、本当につらい想いをした人が、苦しみを乗り越え、希望を持って前向きに生きている人たちにも、たくさん出会って来たからです。
これまで何度もラオスに行くたびに、なぜかものすごい幸福感を感じました。 それは、被害者の人たちが、苦しみを乗り越え、未来へ希望を見いだして、前向きに生きようとしている姿から、大きな勇気をもらったからに他なりません。そして、そうした被害者をラオスの人たちが、自分にできる方法で手助けをしようとしていたのです。 その人々の温かさは、決して被害者だけではなく、外国からきた私たち日本人にも同様に接してくれました。とても素朴で、控えめでありながら、他人への思いやりと敬意を払うことを忘れず、自然に振る舞えるその人々に、いつも大きな勇気をもらってきました。
特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス
アジア事業担当
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