インカインチ(サチャインチ)バージンオイル
サチャインチ(グリーンナッツ)から作る、ビタミンEを多く含みα-リノレン酸(オメガ3)が劣化しにくい高機能オイル
「オメガ3オイルは美味しくない!」の常識をくつがえす
芳醇な香りと軽やかな味わい。
フランスの食用油コンテスト金賞受賞!
コールドプレス、未精製、無添加の
エクストラバージンオイル。
オメガ3を約50パーセント含有する高機能オイル
インカインチオイル(サチャインチオイル)とは?
日本では「インカインチオイル」と呼ばれることが多いですが、サチャインチ(グリーンナッツ)という植物を原料とするオイルです。
サチャインチはペルーのアマゾン流域を原産地とする植物で、何千年も前からその地域の人々に親しまれてきました。栄養豊富で、星形の特徴的な形をした実をつけます。種からはオイルが取れ、また種を炒ったり、葉は調理したり、現地の食生活に欠かせない植物です。
このサチャインチから作ったサチャインチオイル(インカインチオイル)は、2006年頃から日本でも普及しはじめ、美容や健康に良い油として知名度が高まりつつあります。
品質劣化を防ぐ天然ビタミンEが高含有(200mg/100g)
α-リノレン酸の最大の弱点は、酸化しやすいことでした。α-リノレン酸を主成分とするサチャインチオイルには強力な抗酸化作用を持つ天然ビタミンEが200mg(100g中)も含まれているので、フラックスオイル、エゴマ油、しそ油と比較して、酸化防止剤等無添加にもかかわらず酸化し難く、新鮮な風味が長持ちします。加熱調理でも美味しくお使い頂けます。
お茶の水女子大小林哲幸先生の脂肪酸講座
少し前までは、油脂は「動物性」と「植物性」の二種類で説明されてきました。従来の栄養指針「動物性脂肪を減らして、植物油を多く摂取する」もこの分類に基づいていましたが、最近ではこの二つの分類では説明できない問題が多く出てきました。現在は、油をそこに含まれる脂肪酸(油の成分)の違いによって、
- 飽和脂肪酸・一価不飽和脂肪酸の系列
- リノール酸系列
- α-リノレン酸(オメガ3)系列
の三つに大別しています。
オメガ3系列の脂肪酸にはα-リノレン酸、EPA、およびDHAが含まれます。ヒトの体内では、α-リノレン酸からEPAやDHAが合成されます。EPAやDHAは魚介類に多くα-リノレン酸はエゴマ油やしそ油、そして熱帯雨林の先住民が食べていたアマゾングリーンナッツにも豊富に含まれています。
健康維持のために「1日小さじ一杯のグリーンナッツオイルを食べよう!」
健康維持のために注目されているのがα-リノレン酸(オメガ3)です。
厚生労働省は「日本人の食事摂取量基準「2005年版」において、たとえば18~49歳の女性では一日あたり2.2g以上のオメガ3を摂ることを目標量として設定しました。
アマゾングリーンナッツオイルには、α-リノレン酸(オメガ3)が50パーセント以上も含まれているので、4g強でこの目標量を満たすことができます。
<PROFILE>
こばやし・てつゆき
1978年、東京大学薬学部卒業
1984年、東京大学大学院薬学研究科博士課程修了(薬学博士)
東京大学薬学部助手を務めた後、米国ウィスコンシン大学留学。
その後、名古屋市立大学薬学部講師を経て1997年よりお茶の水女子大理学部助教授。
- 専門分野
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- 生体膜脂質代謝と機能の生化学的解析
- 並びに食餌脂肪酸と生体機能の関係(脂質栄養学)について研究
- 主な著書
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- やさしい細胞の科学(共著)オーム社(1999)
- 油脂とアレルギー(共著)学会出版センター(1999)
- 脳の働きと脂質(共著)学会出版センター(1997)ほか。
インカインチオイル料理レシピ
アマゾングリーンナッツオイルのフレッシュで軽やかな風味が最大限に引き出されるのはサラダやマリネなどの生食です。新鮮な野菜と一緒にシンプルな味付けでお召し上がり下さい。
(料理協力:リマクッキングスクール)
- ビタミンE:200mg
- 健康によいオイルでも酸化していては逆効果。
新鮮さも重要なチェックポイント。
インカグリーンナッツオイルには強力抗酸化作用を持つ天然ビタミンEが100g中200mgも含まれているので、パスタや炒め物等の加熱調理でもおいしくお使い頂けます。
大切な栄養を毎日おいしく補給できます。
- オリーブオイルのような感覚で
-
オイルを小皿に注ぎお気に入りの塩を軽く振って、オリーブオイルのような感覚で、バゲットにたっぶり浸してお召し上がりください。ふわっと、青い草原の香りが口の中いっぱいにひろがります。炒め物など加熱調理でもおいしく仕上がります。
とてもあっさりとしていて軽くてヘルシーなマヨネーズに仕上がります。野菜スティックのディップやオープンサンドにオススメです。
- 木綿豆腐:一丁
- グリーンナッツオイル:大さじ6
- レモン汁:大さじ4
- 粒マスタード:小さじ1
- バルサミコ酢:大さじ1
- 玉葱 (みじんぎりにし水にさらして絞る):大さじ3
- 粉末にんにく:小さじ1/4
- インカ塩:少々
- ターメリック:適量
★ワンポイント
玉葱、粒マスタード、にんにくはお好みに応じて調整を
- 沸騰した湯に塩を適量(分量外)を入れ、木綿豆腐を入れ、火が通ったらざるにとる。豆腐をタオルにくるみ、よく水をきる。
- (1)とターメリック以外の材料をフードプロセッサーで混ぜ合わせる。
- ターメリックで好みの色にし、塩で味を調える。
木の実との相性がバッチリ。豆腐マヨネーズ同様、野菜スティックのディップやオープンサンドにしてお召し上がり下さい。
- カシューナッツ (生の場合はオーブン150℃で7分焼く):60g
- グリーンナッツオイル:大さじ3
- レモン汁:大さじ2
- 玉葱 (みじんぎりにし水にさらして絞る):小さじ2
- 粉末にんにく:小さじ1/2
- 味噌:大さじ2
- インカ塩:小さじ1/2
- マスタード:小さじ1
- 梅酢:大さじ2
- 甘味噌:大さじ2
- すべての材料をフードプロセッサーで混ぜて、出来上がり。
- おかひじき(ゆでたもの):5g
- 大根:250g
- グリーンナッツオイル:大さじ1
- インカ塩:小さじ1/4
- レモン汁:大さじ1.5
- 粒胡椒(お好みで):少々
★ワンポイント
おかひじきを青しそやディルなど他のハーブに代えても美味。
- 大根はピーラーでスライスし、塩を軽くふりまぜておく。
- おかひじきを軽く塩ゆでし、好みの大きさにきる。
- (1)の水気を絞り、(2)と(材料A)を混ぜて出来上がり。
グリーンナッツオイルは、オイルベースのパスタにもよく合います。加熱しても美味しさが損なわれることはありません。
- スパゲティ:50g
- グリーンナッツオイル:大さじ1
- インカ塩:少々
- にんにく(スライス):1/2片
- 唐辛子(みじんぎり):適量
- オレガノ、バジル、セイボリー (乾燥・細かいもの):各少量
★ワンポイント
オイルは食べる直前に風味付けにかけても美味。
- スパゲティーは好みの固さよりもやや固めにゆでる(ゆで汁はとっておく)。
- フライパンにスライスしたにんにくとみじん切りの唐辛子を入れ、グリーンナッツオイルを入れてから火にかける。
- にんにくがややきつね色になったら、ゆでたスパゲティーを入れ、ゆで汁を50cc程度入れ、炒める。
- 好みでハーブを入れ、塩で味を調える。
口当たりがシンプルなので、いろいろな素材に合う万能ドレッシング。
- グリーンナッツオイル:大さじ8
- レモン汁:大さじ2
- インカ塩:少々
- 胡椒:少々
- 材料を全て混ぜ合わせる。
- トマト:4個
- たこの足:2本
- 大葉(大きめに切る):4枚
- みょうが:2本
- レモンドレッシングで合えて冷蔵庫で少し冷やせば完成。
夏のドレッシング。みょうが、キュウリ、シソ、オクラ、カイワレ大根と穴子の素焼きを梅肉ドレッシングで和えると良い。また出汁で少し薄めてサラダパスタやそうめんのたれにも。
- 梅肉(裏漉したもの):大さじ3
- グリーンナッツオイル:大さじ1
- 醤油:小さじ1
- 煮切り酒:小さじ1
- シソの葉 (乾燥させた葉を手でもみほぐしたもの):少量
- 材料を全て混ぜ合わせる。
手間要らずの簡単ドレッシング。温野菜との相性が抜群。湯気の上がった蒸篭をテーブルに、ちょっとしたおもてなし料理にも。
- ポン酢:大さじ3
- グリーンナッツオイル:大さじ1
- 塩:小さじ1/2
- 材料を全て混ぜ合わせる。
材料(4人分):お好みの野菜をお好みの大きさで(是非、おいしい素材を選んでください。)
みずみずしいフレッシュハーブサラダに、エスニックな雰囲気を醸し出すナンプラーとグリーンナッツオイルの組み合わせが妙。
- タカノツメ:1本
- ビート糖:小さじ1
- ナンプラー:大さじ2
- 醤油:大さじ2
- レモン汁:大さじ2
- 中華スープ:大さじ2
- グリーンナッツオイル:大さじ2
- タカノツメをフライパンで黒く、香ばしくなるまでから煎りし、細かくちぎって、合わせた(A)に加える。
- クレソン、コリアンダー、水菜、春菊、油揚げ
- ナンプラーソースドレッシングで合えて冷蔵庫で少し冷やせば完成。
ちょっとクセのあるハーブをトッピングにして、ホタテやエビの料理にオススメ。チリや粒胡椒を加えてスパイシーに仕上げても良い。
- マンゴー完熟:2個
- レモン汁:数滴
- グリーンナッツオイル:大さじ1
- 完熟したマンゴーの皮をむき、種を除く。
- (1)にレモン汁とグリーンナッツオイルを加えてミキサーにかけ、ピュレ状にする(レモン汁の量はマンゴーの状態に応じて加減する。)
- エビ 2-300gぐらい
- ニンニク:1片
- 水菜:少量
- 紫玉ねぎ:少量
- 人参:少量
- 赤ピーマン:少量
- 白ワイン:少量
- 塩、コショウ
準備
- エビは殻をむき、きれいに洗っておく。
- ニンニクはみじん切りにする。
- 野菜はそれぞれ細切りにしておく。
- フライパンにサラダ油などを熱し、ニンニクを炒める。
- ニンニクの香りが出てきたらエビを投入し、中火でよく炒める。
- エビの色が変わったら白ワインを加えて蒸し焼きにする。
- 塩コショウで薄めに味付けする。
- 皿に「マンゴーピュレ・ドレッシング」を敷き、その上にエビを並べ、切っておいた野菜を載せる。
夏のメニュー。冷たく冷やしたソースをキヌアやクスクス等の雑穀類とエビのサラダや野菜の素揚げと合わせると良い。
- トマト:200g
- 玉ネギ:30g
- セロリ:10g
- キュウリ:20g
- 赤ピーマン:20g
- パン:10g
- 塩:少々
- 胡椒:少々
- 赤ワインビネガー:20g
- グリーンナッツオイル:20g
- トマトペースト:10g
- 野菜の材料を適宜刻み、他の材料と合わせてポットに入れて、一日マリネしておく。これをミキサーにかけて漉す。
かつお、マグロ、サーモン、ホタテ等に刺身に醤油をかけ、更にこのドレッシングを。菜の花や筍等春野菜と和えても良い。
- 白ネギ(みじん切り):大さじ5
- 生姜(みじん切り):小さじ1/2
- 塩:少々
- 胡椒:少々
- グリーンナッツオイル:大さじ5
- 耐熱容器にグリーンナッツオイル以外の材料をすべて入れておく。
- 鍋にグリーンナッツオイルを入れて190℃に熱し、(1)に加えてよく混ぜて、冷ましておく。
アルコイリスのプロジェクトについて
持続可能な熱帯雨林利用、アグロフォレストリーの普及を目指して
特定非営利活動法人アルコイリスは、ペルーアマゾン伝統の有用植物の、環境に極力負荷を与えない栽培方法を確立し、生産者とのダイレクトな繋がりの中で、地域の特産品として育てて行くために、日本の消費地域との橋渡し役を担おうと、設立されました。
土から製品まで全ての工程において社会的責任を持つことをモットーとしています。
ペルーアマゾン伝統の特産品の紹介を通じ、ペルーの「作る人」と日本の「食べる人」の出会いを創造し、単なる物流に止まることなく、お互いがお互いを助け、支えあう、心通う交易~コミュニティートレード~を草の根から作ることを目指しています。
まだ道半ば、完成までは程遠い状態ではありますが、できるところから始めています。
土から製品まで~コミュニティトレード
栽培・収穫
直営アグロフォレストリー農場と周辺の契約農家の畑で栽培を行なっています。肥料は植物性の有機肥料を使用しています。化成肥料やケミカル系殺虫剤や殺菌剤、除草剤は一切使用していません。
ナッツは一年を通じてコンスタントに収穫ができ、収穫量は土壌や栽培技術によって大きく異なりますが、1haあたり2~4トンが目安です。
アルコイリスのアグロフォレストリー農場では品種改良や栽培技術の改善にも取り組んでいます。
集荷・選別
集荷したナッツは手作業で選別し、入荷月毎にロット管理しています。
搾油
2006年現在、リマの工場で搾油を行なっています。搾油温度が40度を上回ることのないコールドプレスでじっくりとオイルを搾ります。もちろん、搾油にあたってはヘキサン等溶剤は使用していません。
オイルの酸化を防ぐため、搾油後速やかに密閉梱包し、出荷ロット毎にオイルの鮮度(過酸化物価と酸価)の検査を行なっています。
充填
入荷したオイルは日本の工場(千葉県サミット製油)で受け入れ検査し、再度オイルの鮮度チェックを行ってから、小瓶へ小分け充填しています。
良質な遮光瓶がオイルの品質をしっかりと守ります。
アグロフォレストリー
アグロフォレストリーは、農業と林業を組み合わせ、森を育てながら同時に農作物の栽培を行なうので、持続可能であるばかりでなく、収益性や安定性の高い農法でもあります。よって、適切に運営することにより、それに携わる全ての生産者に安定的な収入源を提供し、従来から行なわれてきた移動農法の代替として普及すれば、自然林伐採の抑制にも貢献します。
典型的な移動農法
1年目~
処女林を伐採し焼畑をして新しい畑を作ります。はじめのうちは、土に養分が豊富にあるので、少ない労働力の割りに、収穫量が多く、一見順調な農業経営のように見えます。
2年目~
時間の経過と共に土の養分が失われて行き、雑草も増え始めます。除草等農作業が増える一方で、収穫量は減少し始めます。
8年目~
低下する一方の地力、勢いを増す雑草、風雨による土壌浸食も発生します。収穫量の減少に苦しむ農家は、肥沃な土地を求め移動し、再び処女林を伐採します。こうして、森林環境破壊が進行して行きます。
アグロフォレストリー農法 (下は栽培開始から1.5年経過した畑)
1年目~
主体として栽培する作物に加え、ナッツや果樹、材木として利用価値のある木も同じ畑に植えて行きます。移動農法よりも手間がかかり、農作業も増加します。
2年目~
ナッツの収穫が始まり、1年目に投下した労働力が収入増加として早くも結実し始めます。木材用に間作した木や果樹から落ちる落葉を利用し、堆肥を作り、農地に栄養分を還元することにより、土を肥沃に保ちます。畑には常に植物が存在しているので、風雨による土壌流出の心配もありません。
8年目~
果実の収穫も始まり、収入が更に増加します。大きく育った間作の木々を伐採し、木材として販売することもできます。
アルコイリスの活動の一環として基金を設立し、アマゾングリーンナッツ関連商品の販売利益の一部を積み立て、アグロフォレストリーに関する啓発・普及や生産地に暮らす人々の生活環境改善に充てています。
>>詳しくはホームページをご覧ください
「循環を形に」~アマゾンから発信するメッセージ~
すばらしいオイルバランスと中川が唸るインカインチオイルを、この度日本に紹介くださったのがNPO法人アルコイリスの大橋さん。その大橋さんが来社された際の第一声はといいますと、
「(プレマの)怪しげなサイトはずっと気になっていましたが、ようやく勇気を出してやってきました」
という、もったいないほどのほめ言葉(!)。大橋さん、今日は思う存分熱く語ってくださいね!
全てを有する太陽『ノンイボ』は我等の主であり創造者。始まりの時、火のついた薪を高い木に置き、自らの子らが苦しむのを見ていた。そして、その木からペスコン鳥を捕らえ、シピボに授けた。父なる太陽『ノンイボ』が目を閉じると夜が訪れ、やがて川は増水し、大洪水により罰が与えられた。唯一残ったのは一人のシピボのみ。ワンカウイの子供らはマンゲーロ鳥に、『ノンイボ』の妻はコメヘン(シロアリ)に変わった。旧世界の崩壊後、水の世界(ヘネネテ)、私たちの世界(ノンネテ)黄色い世界(パンシンネテ)太陽のある素晴らしい世界(ハコンネテ)の4つの大きな世界に分断された。
シピボ族の神話より(出典:EL OJO VERDE)
このオイルの原料は、現地では「サッチャインチ」と呼ばれているそうですね。アマゾンでは日常的に使われている食材ですか?
ホールナッツは食用にされていましたが、絞った油は主に灯用に使ってきたようです。良質の油といっても、現地には栄養学的な知識がありませんでしたから、食用油としては歴史がなく、商品作物として栽培されだしたのもごく最近です。近年になって美味しさや有用性が海外でも高く評価され、需要も増えてきましたので栽培も徐々に拡大してきています。
そこで、私たちは世界中の人がなじみやすいように、「グリーンナッツ」と呼んでいます。
オメガ3のオイルは食べにくくてですね・・・(などと恐る恐る口へ)
おぉ!これは美味しい!!ウッとくる臭さもないね。
さわやかな草原の風味って感じですね。個性的だけど、あっさりして油らしくない。これならドレッシングも美味しく作れそうですね。
サラダにはもちろんですが、さっと炒めてさっと食べる分には加熱調理にも重宝します。有名なパティシエさんに、このオイルを使った焼き菓子レシピの開発もお願いしているところです。
他のオメガ3オイルとは違って加熱しても風味が落ちず、少量の使用でも美味しく焼き上がるのでヘルシーなお菓子作りにもピッタリなのです。
また、油かすにも良質のオイルが含まれていますから、お菓子やお料理の食材としての再利用の可能性も現在探っているところです。
美味しくて、かつ50%がオメガ3というのは、じつにすばらしいですね。油性の毒素は油で溶かすしかないわけですから。
ガソリンスタンドなどでは、手についたグリースをまずは灯油で洗っているそうです。「重い油は軽い油で洗い流す」といういい例です。
またオイルバランスもさることながら、天然のビタミンEが豊富に入っているため「酸化しにくい」というのも、他のオイルにはない大きな特長のひとつです。
とはいえ、もちろんカロリーは高いので、ガバガバ飲んでいいものではありません。全体的な油の摂取量は控えながら、よりよい油を選んでいただきたいものです。
これまで認知されていなかったのに、これだけの価値あるものを発掘されてかつ環境に貢献ができる活動をされているわけですよね。
NGO KEEPの仲間たちと
元々は、高校時代からの友人がリマに駐在していた関係で、現地で製造した健康食品などを販売していたのですが、単にものを作って販売するだけではなく、NGO KEEPの仲間たちと「循環」を形にしていきたいと強く思うようになりました。
現在の活動の主旨は、アグロフォレストリーの振興とコミュニティートレードの実践です。この新しい素材を紹介し、また育てていくことで、農業と森林保護が調和し、かつ生産地域の健全な発展を推進するような人と環境に優しい産業を実現させたいのです。
ですから、私たちは軸足を現地におき、消費地域だけが利益を独占するのではなく生産地域も利益配分に正当に介入できるトレードを推進しています。
「循環」を形に・・・ですか。それがアルコイリスの活動の軸なのですね。大橋さんの思いの変化には、なにか具体的なきっかけがあったのですか。
フィンドホーン
2003年、スコットランドのエコビレッジ「フィンドホーン」に短期滞在した際にインスピレーションを得る体験をしました。そして、その時の気づきを忠実に実践していく決意をしたのです。
フィンドホーンは、住民それぞれの才能を生かしたすばらしいコミュニティでとても気持ちのいいところでしたが、ではこの「自然循環」を体験した自分は「我々の持ち場でいったいなにができるのだろうか」と考え始めたのが大きなきっかけといえます。
その活動が、2006年1月に『持続可能な社会作り』として新聞で紹介されたのですね。
はい。直感で感じたものを実現していく仲間がいろいろな分野から集まり、大学の先生方などの力添えもいただきつつ、現地のNGOや企業とも合流して、日々、現地と日本とのやりとりに翻弄しています(笑)。
世界の大気の浄化場所だったアマゾンが危機状態にあるわけですから、大橋さんの取り組みは地球環境にとっても大変意義のあることですね。現地での活動拠点はプカルパ市とうかがっていますが、やはり環境への負荷は大きな問題となっているのでしょうか。
プカルパ市は、首都リマから届く生活物資と地元の農林産物が行き交う物流拠点として、近年急速に発展をしてきました。それに伴い、市街地では貧富の格差が拡大する一方で、継続するテロ活動の影響もあって、不法に森林を伐採して焼畑農業で生計を立てる貧困層労働者が近隣からかなり移り住んでいます。プカルパ市街から85km地点にある国有林周辺で調査したところ、こうした不法移住農業労働者の平均耕作面積が1~3ヘクタール、1ヘクタールあたりの収入も年間300ドル程度といったところで、かつその大半は、農業に関する専門教育や指導を受けておらず、環境的にも経済的にも非効率的な農業が行なわれていることがわかりました。
プカルパ市街からみるウカヤリ川
ちなみにペルーの法定最低賃金は2007年1月現在、年間1884ドルで、収入がそれ以下の者を『不完全就業者』と区分しています。つまり、この国有林での違法伐採に直接的にかかわっているのは、実は法定賃金を下回る収入しかない『不完全就業者』なのです。
広いアマゾンですから、地域によって乱開発事情は様々ですが、たまたま縁の深い現地プカルパでの調査を通じ、熱帯雨林の乱開発の背景には必ず、それが合法であれ違法であれ、
経済的又は政治的な原因があると考えるようになりました。
ただ、そういった一部の原因を攻撃することで自分の正当性を主張するのは、決して生産的な活動ではないと思うようになったことも、自分自身にとって大きな気づきのひとつなのです。
時代が悪くなることを悲嘆しても、なにも解決しませんからね。
人間生きている限りいろいろな問題を抱えていますが、みんな何かをきっかけに好転することを期待しています。だから、世の中の起死回生のストーリーに興奮するわけです。
この地球も、起死回生しないといけないんですが、このところ急速に人々の方向性が変わってきているように思いませんか。
いかなる物事も人の迷惑の上には成り立たないということは社会的にはっきりしてきましたし、実際に人々は生産性とか、利便性だけじゃないものを要求し始めていますよね。
フンボルト国有林内ウカヤリ大学演習林
みんなそれぞれ、いろいろな尺度をもっていますが、経済的なことだけがすべてではないということに気づいてきたのでしょう。
『1本の木を切る時、8世代後の子孫を思う』というアマゾン先住民の豊かな精神性を次の世代へと継承し、またそのメッセージを商品に乗せて世界中に発信することで、本当の意味での豊かな生活を送れるような地球環境の再生に貢献していきたいものです。
大橋さん、今日は本当にすばらしいお話をありがとうございました!