イタリアの風にのってやってきたフォーリアに託す、新しい未来のかたち

フォーリアを日本の皆様に紹介するにあたり、フォーリアに込めた想いや背景について中川が語ります

イタリアのオーガニック認証洗剤フォーリアとの運命的な出会いを果たした弊社代表の中川。
ピエルパオリ社の陽気な、でもまじめなスタッフたちともすぐに意気投合したとか。

なぜ今オーガニック洗剤なのか。マザータッチやバジャンと言った、石けんや合成洗剤に分類されない洗剤を主に提案してきた弊社にとって、オーガニック洗剤フォーリアは何を意味しているのでしょうか。
フォーリアを日本の皆様に紹介するにあたり、フォーリアに込めた想いや背景について中川が語ります。

この想いとともにフォーリアがあなたの元に届きますように…。

矢吹
矢吹

今日は、これまでマザータッチなどの洗浄剤を皆様に提案してきた中川社長が、なぜ新たにイタリア製オーガニック洗剤を紹介することを決めたのか、その決断の意味とその狙いを聞かせてもらいたいと思います。よろしくお願いします。

中川
中川

そうですね。私たちは、マザータッチやバジャン、重曹、クエン酸などといった、極めて食品に近い安全レベルの洗浄剤をこれまで売ってきましたし、これからも引き続き、「界面活性剤も石けんも含まない洗浄剤でも、ちゃんときれいになる」ということを、一定の事実として広げていくことはすごく重要なことだと思っています。

一方で、石けんが環境に対して一番優しいという考えで石けんを使っている人たちや、あるいは、石油系の合成洗剤を普通に使っている大多数の人たちがいて、合成洗剤はもちろん石けんにも何かしらの問題が残っているなかで、じゃあこの人たちと、バジャン、マザータッチといったオルタナティブな製品はどのようにすれば結びつくのでしょうか。

合成洗剤の危険性を知った人のなかの一部は、一気にそこに到達するかもしれないけれど、もしかしたら石けんに向かうかもしれません。国民の大多数を変容させていくことを目標にした場合に、私たちが「飲んでも安全なんですよ」と言って提案してきたオルタナティブな製品たちは、価格面をはじめとして果たしてすぐに納得してもらえるのかということです。

矢吹
矢吹

合成洗剤はほんとうに安いですからね。

中川
中川

そうなんです。合成洗剤はどんどん安くなっていますし、価格で商品を追いかけている人たちが多数いるのも仕方がないことです。

この流れを変えるには、フォーリアも流通を増やすことで、価格を下げていくことを見越していく必要もあります。それでももちろんフォーリアのほうが高いわけですが、それは何故なのかということを、そういう層の人たちにしっかりと訴えていかないといけないんです。

もちろん、使い勝手の面でも納得していただくことが重要だと考えています。
たとえばマザータッチは、公的機関での試験でも、社内での実験でも、汚れはちゃんと落ちています。しかしながら、「泡がたたないなんて、洗浄剤じゃない」というお客様の気持ちも分からないではありません。

石けんにしてみても、黒かびで大変なことになるとか、冬には溶けにくいとか、安全だと思っていたら、分解時の酸素必要量が実は洗剤よりはるかに多かったとか。科学的見地からも、完璧でない部分が存在するわけです。そういった不完全さを補うもう一つの軸としてマッチするのが、フォーリアという選択肢だと捉えています。

矢吹
矢吹

石けんか洗剤かという議論は、白か黒かという印象なのですが。

中川
中川

いわゆる合成物と天然物という二面性で考えている人たちにとっては、白か黒かの問題です。でも、その白と黒が出会ったときに何が起こるかと言うと、第三極が生まれないといけない。AとBがお互いを十分に理解したら、Xという新しい第三極が生まれます。これが21世紀型知的社会のアイディアの出し方です。妥協や折衷ではなく、シナジーであると同時に、パラダイムシフトなんです。

東洋人には本来そのような考え方があるはずなのですが、多くの日本人は、そういった東洋人としてのアイデンティティを失ってしまったのでしょう。学校で学んだからと言って、何かを決めるとなればすぐに多数決。善か悪か、100点か0点かみたいな二極的な価値観の中で、すごく生きにくくなっているんです。

そして、現代の日本人が見失ってしまった考え方を解放するのが、私たちがずっと提唱し続けている「らくなちゅらる」であり、これを位置づけていくことは、ある種の「思想運動」のようなものだと。そう表現するとまた、白か黒かみたいな話になりそうですが、これはその白か黒かに対する思想運動なんです。それを「オルタナティブチョイス」と私は呼んでいます。

矢吹
矢吹

日本人のアイデンティティの復活に、イタリアからやってきた製品が貢献するというのも非常にユニークに思うのですが。

中川
中川

日本人とイタリア人の間には、非常に似たところがあるんですよ。それは、自然のリズムと調和した農的なライフスタイルが、元々DNAの中に組み込まれているという点です。現代の日本人にはそんなものはないと言う声があがるかもしれませんが、私はそのように感じています。遠く離れてはいても同じ傾向をもっている人間同士が協力しあうということも、未来に対して大きなプラスの影響を与えるのではないでしょうか。

とはいえ、今までのように、石けんvs洗剤という二極の対立しかなかったとしたら、私たちがいくら協力し合ったところで、消費者の皆さんに与えることができるのは妥協や折衷案だけでしょう。しかしながら、これからの次元には別の、より発展した段階の第三極があるはずなのです。

先ほどお話ししたように、洗剤が良い、いや石けんが良いという対立がある一方で、私たちはもう何年も前からマザータッチやバジャンといった第三極を提案してきました。それらは、よりエコロジーで、かつ価値あるものにはお金を出せる層の人たちに対する第三極でしたが、そういったものにはもうずっと前から取り組んでき、一定の成功をみているというプライドも自信も私たちにはあります。私たちが扱うことで、他社でも一気に広がるという現象も確認できました。でも今は、これをかなぐり捨てるタイミングなのだと感じています。

じゃあ次は何を考えるのかと言えば、合成洗剤と安全な洗浄剤の間にいる人たちをいかにして、より安全な世界に引っ張ってくるかということなんです。「オルタナティブチョイス」というのは、たとえばマザータッチやバジャンといったものに適用してきた私のなかの概念ですが、オルタナティブな何か、第三の何かというのは、実際にはいろんなところに、いろんなベクトルをもって偏在するものなんですよね。

そして、環境に対する影響をできるだけ小さくしたいという層を広げるうえで、これからはどのベクトルをもった第三極に働きかけていくのかということを考えたとき、石油系合成洗剤を使っている人たちに対して、オーガニック洗剤と一般的に言われる天然由来の油脂を原料にしたものを普及していくことが重要だと思うのです。

正直なところ、今私たちのいる小さな業界のなかだけではもう、ワクワクしないわけですよ。「環境負荷」といったテーマに関心のなさそうな人たちにまでたどり着いて、この状態を何とかしないとね。

矢吹
矢吹

だから今、このタイミングで、この製品が私たちの目の前にあらわれたのだと思いますか?

中川
中川

そう、このタイミングでなかったらだめだったでしょうね。そして、さらにもうひとつ、今とても大切に思うことがあるんです。それは、元々合成洗剤メーカーであり、現在もその事業をしているピエルパオリ社が、これからは生物由来の洗剤の普及にとことん力を入れていきたいという気持ちになっているということです。

設立の段階からオーガニックを目指してきた会社はもちろん立派です。一方、これまでごく普通に化学合成洗剤を作っていた人たちが、こういった洗剤を新たな軸にしてビジネスを作り変えていくということは、世の中を変えていくというプロセスにおいて非常に重要なことではないでしょうか。今はイタリアの地方にある一合成洗剤メーカーにすぎないかもしれませんが、もしかすると、大手メーカーには真似ができないくらいの価値ある存在になっていくかもしれません。

矢吹
矢吹

ピエルパオリ社にとっても大きなチャレンジですからね。

中川
中川

すべてを一気に切り替えましょうというつもりは私にもありません。今までの事業を急に辞めてしまうと、企業として生き残れないわけですからね。むしろ、合成物を主軸にしてきた産業構造そのものが少しずつ変化していく過程を、後押ししたいという思いがすごくあります。

「合成洗剤メーカーが作っている製品」と悪く言われる可能性もあるわけですが、そういうことではないと伝えることが、われわれにとってとても重要な役割なのです。合成洗剤を作っている日本国内の中小メーカーに、あなた方もピエルパオリ社と同じような製品が作れるんだということを伝えるためにも、それらがしっかりと市場性を持って売れていく状態を作る必要があります。そのようにして、この第三軸を育成していくことが、その次の新たな第三軸をまた生み出すことにつながるのですから。

だからこそ今、私たちが、これが完璧なものではないことは理解しながらも、市場に認知され、評価されるレベルまで販売量を増やしていかないと、この先何にも始まらないんですよ。

矢吹
矢吹

まずこのフォーリアを認知していただき、使っていただくことが、次の展開につながるのですね。

中川
中川

そうですね。今後この製品がレベルアップすることももちろんあり得ますし、あるいは他社がそれに触発される可能性もあるでしょう。まず私たちがフォーリアを普及し、販売量を増やしていく。私たちの気づきが他社の気づきになる。その気づきは、この市場に対する目が変わることにつながり、結果的に世界平和になるんだという壮大なビジョンがあるわけです。

矢吹
矢吹

第三極の種が、どんどん芽吹いていくようなイメージですね。

中川
中川

最初の芽吹きが次の芽吹きを生み出すのですから、勇気は必要ですが、誰かがやらなければならないことです。たまたまそれが、日本においては私たちだったという話で、それを運命の出会いですかと聞かれたら、そうですということになるし、何かほかに理由がありましたかと聞かれても、ないという答えになるでしょう。

矢吹
矢吹

中川社長自身にとっては、フォーリアとの出会いはどのような気づきをもたらしましたか?

中川
中川

難しいことを聞きますねー(笑)。でも、こういう製品を弊社が輸入し、販売すると決めた段階ですでに、私のなかでかなり変化があったのかなと思いますね。弊社の社是には、「覚醒したお客様に自然の力で満たされた生活を提供し、覚醒に備えるお客様にはそのきっかけを水道のごとく提供することで世界の平和に寄与します。」という一文がありますが、今まで何の疑問もなく合成洗剤を使ってきた人にも、こういう世界があるという気づきはあってほしいと願います。やっぱり誰かに気づいてもらいたいという思いがつねにありますからね。

矢吹
矢吹

以前から、マザータッチやバジャンとは違う、一般の合成洗剤や石けんでもない、何かを探していたのですか。

中川
中川

別にそこにフォーカスしていたわけではないんですよ。むしろ、たまたま出会ったとでもいいますか。でもやはり、「このやりきれなさって何?」みたいな問いをずっと自分に投げてきたことがもたらした出会いなのかもしれませんね。

たとえば、マザータッチは確かに弊社でとてもよく売れていますが、それでもたかがしれているんです。スーパーマーケットで、わずかな石けんに大量の合成洗剤という陳列棚を見るたびに、やりきれない感でいっぱいになりますよ。この業界内で結構売れているからといって、はっきり言って「どこがえらいねん!」と思うわけですよ。

矢吹
矢吹

大きく見ると、ほんの一握りでしかありませんものね。

中川
中川

「なぜプレマさんが今さらこの洗剤を?」とおっしゃる既存のお客様にどうか理解していただきたいのはそのことなんです。皆さんが、安全な暮らしに関心を持たれ、努力されているのはすばらしいことですし、私たちはこれからもその努力を精一杯応援する覚悟でいます。

でも、ドラッグストアやスーパーマーケットでどれだけまともなものが手に入るのかといえば、洗剤に限らずひどいあり様なのはご存知のとおりです。マスコミも然り、「中国産の餃子、危険です!」と騒いでいたかと思えば、いくらもたたず、「不景気ですから、ちょっとでも安いほうが助かりますね」なんて具合ですからね。

日々使うものは、「今は安いものが流行っているし」とか、「ちょっとでも安く買わないと」というようにコマーシャリズムに踊らされずに、消費者がもっと主体的に選択しないといけません。世の中で大切なことはやはり、主体性なんですよ。消費するという行為に主体性を持ち出した瞬間から、世界を変えていくことになるんですからね。

影響を受けて流されているだけの人間には、何も変えることできません。逆に言うと、日々の生活を送るだけでも世の中を変えることに貢献できるのだから、ただ反応するだけの生き方からどうか早く卒業していただきたいのです。

矢吹
矢吹

思考停止している場合ではないですね。

中川
中川

誰もが、思考するということをもって、主体的に第三軸を探しにいかないといけません。そのために私たちは、停滞している水面にパーンと一石を投じるんです。主体性を持って変化していくということは、お客様にとっても、また私たちが事業をおこなううえでもとても大事なんです。

たとえば洗剤を売るときには洗剤の話をしなければならないという固定観念があるわけですが、まず、洗剤の説明をしようと思うことを捨てる必要があります。「洗剤のことが書いてないやん」とおっしゃるお客様もいるかもしれないけれど、それでも、分かる人にはちゃんと分かるはずです。洗剤を洗剤の話にしない。洗剤を選ぶことは生き方を選ぶことなんだ、くらいでいかないと。

つまり、洗剤に限らず、あらゆるものを、自らの意思において主体的に選択していくことがとても大切なんだよっていうことが、このフォーリアに乗せている私たちのメッセージなんです。

矢吹
矢吹

洗剤の話にすると、また石けんか合成洗剤かの議論に逆戻りですものね。

中川
中川

洗剤とは、石けんとは、と語りだすと、結局他社と同じ内容になるだけです。弊社では以前から、ソネット他いくつかのオーガニック洗剤を取り扱っていて、それらも選択肢の一つとしてご検討いただければと思いますが、今、私たちがこのフォーリアを輸入してチャレンジするということは、そういったオーガニック洗剤を売っているのと同じ次元では全然だめなんです。

だから、フォーリアがどのような洗剤なのかといった情報はもちろんお客様にとって必要なのですが、正直そんなものはどうだっていいくらいの気持ちでいるんです。それよりも、私たちは今、ここで何を実現したいのか、私たちは何を決断して、何を変えたいのか、お客様にどうなって欲しいと思っているのかということを明確にしないで、「イタリアから良い洗剤を持ってきましたよー」みたいなのは…。

矢吹
矢吹

違います!

中川
中川

「違います!!」っていう話ですよ。で、「違う」とはひと言で言えますが、何が違うかというと、こんなふうに非常に長い話になるわけなんです。

矢吹
矢吹

おっしゃるとおりですね…。

中川
中川

このフォーリアが、年間で100億円も売れるとは思っていません。弊社はそんな会社規模でもないし、売っているものもある意味マニアックですからね。でも、たとえばもしも1億円を売り上げることができたならば、儲け以外には何にも考えていないような大会社が100億円を売ることの1,000倍、あるいは10,000倍の力があると信じています。

なぜなら、「てこの原理」が働くからです。このフォーリアを、時代を動かす「てこ」にしたいんです。
もちろん私たちも企業ですから、1本でもたくさん売って、ひとりでも多くの方に使っていただきたいし、売り上げも利益も欲しいですが、それを超えたもう本質的な欲求が私のなかにはあるんです。数字が大きければ大きいほど評価される社会かもしれませんが、たとえば年商1,000億円の会社と比べられたとしても、絶対に「しょぼい会社」だなんて言わせたくないんです。企業をつくるってそういうことだと思うんですよ。信者さんを増やすということですからね。

そのためにも、「商品は商品」という既成概念を超えていかないとね。何本売れたか、という話に終始するのは退屈でつまらないことですが、この洗剤市場が、「今どきオーガニック洗剤じゃなかったらレベルが低い」という認識くらいまでにバーッと変わってきたらすごくおもしろいじゃないですか。

矢吹
矢吹

ワクワクします!

中川
中川

オーガニック洗剤なんてまだまだ、1割、2割どころか、ゼロコンマ1、いくらのミクロな世界ですからね。大多数は便利さ、安さに慣れてしまっている層ですし、その人たちに、よりこっち側の製品を選んでもらうための、ゲリラ戦で使う石を見つけたような、まさにそんな感じでフォーリアと向き合っているんですよ。

お客様にしてみれば、「パッケージが素敵!」と思って買ったけれども、実はなんだかものすごいことに関与させられてしまった、みたいなね。洗剤という商品の向こうに用意された、極めて思想的なストーリーにどっぷりはまっていただいて、ぜひとも一緒に世界を変えていきたいですね!

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