堅牢にして上質、熱伝統率と蓄熱性の良いキッチン用鉄器
IHクッキングヒーターでも使える、一点ものの鉄の調理器具
「桑原鋳工」は販売終了いたしました。
ご愛顧ありがとうございました。
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1安心安全のために。食材本来の味を引き出し、鉛やカドニウムを含有しない食器です。
玄米ごはん、炒め物、焼き物、蒸し物、鍋物などを遠赤外線でおいしく調理する「マスタークック」シリーズです。
おなべひとつ、フライパンひとつを変えるだけで、
お料理の味がワンランク上に!
熱をむらなく伝え、保温性の高い鋳物の調理器具は、
長く使えばその分、
使い勝手がよくなり調理もしやすくなります。
鉄は、歴史と知恵のかたまりです。
堅牢にして、味わい深い、一生ものの調理器具。
熱をムラなくつたえ、耐熱性も高い鋳物の調理器具は、
食材のもつ旨みをひきだし、閉じ込め、
いつもよりワンランク上の味わいづくりをお手伝いします。
少量の調理も得意な、フライパン。
ごはんをごちそうに仕上げる、ごはん釜。
お湯をまろやかな舌触りに仕上げる、鉄瓶。
使えば使うほど味わい深く、愛着の沸く、温故知新の一期一会。
鋳造という伝統を、現代のデザインと用途、機能性をもたせた、
毎日の暮らしに馴染む新しい鉄のかたちです。
堅牢にして味わい深い、一生ものに育てる「鋳物」
「いもの」という言葉をご存知ですか?
「いもの」とは、鋳物。素材によっては、鉄器とも呼ばれます。
鉄などを溶かして型に流し込み、冷えて固まってから取り出すという方法でつくられる金属製品です。
「鋳」という漢字は、「ちゅう」とも読み、この文字そのものが、「金属を溶かし、型に流しこんで器物をつくる」という意味を持っています(引用:三省堂「大辞林 第三版」)。金属を溶かし、型に流し込み、冷やし固めてかたちにするという技術を鋳造と呼び、人類が鉄と関わりはじめた当初より今現代まで引き継がれてきました。
日本の鋳造の歴史は、弥生時代後期まで遡ることができるといわれます。鋳造を行う職人を「鋳物師(いもじ・いものし)」と呼び、奈良時代には「典鋳司(てんじゅし・いもののつかさ)」という役職として、平安時代以降には官職を得た技術職人として、日本各地に集団で拠点を構え、その技術を生かしたモノづくりをしていたそうです。金属から不純物を取り除くことを「精錬(せいれん)」といいますが、人類の金属との関わりは、比較的容易に精錬できる銅や青銅、銀、金、などの金属からはじまっています。鉄の精錬は非常に難しく、特に鉄鉱石からの製鉄は非常に難しいため、当時は「たたら」と呼ばれる製鉄法で、砂鉄を溶かして精錬していたといいますが、鋳物師の活躍は多岐にわたり、鉄や銅で仏像の建築や梵鐘(ぼんしょう)と呼ばれるお寺の釣鐘の製造から、鍋や釜、すき、くわなどの金属製の家庭用品を数多く鋳造しました。
なかでも鉄は、「鉄を制するものは、世界(天下)を制する」といわれるほど、権力と深く関わりをもった金属でした。古代の農業の生産性を飛躍的に高めた鉄製の農具や、刀や鉄砲などの武器。鋳造(ちゅうぞう)、鍛造(たんぞう)、鍛冶(かじ)という、鉄を鍛錬する技術があわさってつくりあげた所々のものたちは、ひとびとの生活を発展させ、権力者を支える力の源ともなりました。また精錬の原料となる鉄鉱を含む土地が争奪の対象となると同時に、鋳造の技術を持つものは重用され、その技術も磨かれていきました。
鋳物の街、くわな
東海道五十三次、唯一の回路「七里の渡し」を渡ると、日本橋から数えて42番目の宿場町「桑名」に到着します。桑名は古来より鋳物の製造が盛んで、その起源は慶長6年(1601年)。天下分け目の戦いとなる「関ヶ原の戦い」の翌年にあります。
江戸時代の幕開けとともに、伊勢桑名藩初代藩主となった徳川四天王のひとりである本田忠勝公は、「慶長の町割り」と呼ばれる積極的なまちづくりや、東海道の宿場の整理を行うと同時に、鋳物師の廣瀬、辻内の両家を中心とし、鉄砲の鋳造をはじめました。これが「くわな鋳物」のはじまりだといわれています。
三重県北部に位置する桑名市は、揖斐川・長良川・木曽川の三大河川が注ぐ伊勢湾に面し、西に鈴鹿連峰、北に養老山系、東に濃尾平野が広がる水と緑豊かな場所です。南は町屋川が員弁郡の奥地へ、広い河口が海へと水運の便が良く、東海道が陸運の要となって、東海道五十三次の宿場町として、また湊町として、更には城下町として栄えました。鋳造に欠かせない砂や木炭等をより安易に入手できるようにしたこの陸運や海運の便の良さが、「くわな鋳物」の発展に繋がったのだと云われています。また1887年には、隣村の小向(現在の三重郡朝日町)で、発見された鋳物砂が、桑名の鋳造業が飛躍する原動力となりました。鋳物砂とは、鋳造に欠かせない「砂型」をつくるための砂です。どろどろに溶けた鉄を流し込む型には、熱に耐える力と、その型を保持する力の両方を備えた砂をいかにして手に入れるかがカギになりますが、桑名近隣で見つかった砂は、自然のままでも十分に鋳造に適した性質をもっていました。その結果、大量生産や複雑な形状の鋳造が可能となり、「東の川口、西の桑名」と呼ばれるほどの鋳物の日本二大産地のひとつとして成熟していきました。
明治時代には銑鉄(せんてつ)を使用した鋳鉄釜などの家庭用品を生産するようになり、日用品を基礎とした鋳造業として発達してきました。しかし太平洋戦争の開戦とともに、国の命により、鋳造業は日用品の生産を取りやめ、機械鋳物の生産へと転換を余儀なくされます。
第二次世界大戦時には、空襲により壊滅的な打撃を受けましたが、終戦後には、航空機廃材や散乱するスクラップを回収し、鋳鉄釜などの生活用品に造り替えるなど、再び鋳物の日本二大産地としての歴史を刻み始めました。
そして現代。
桑名の鋳造は、愛知の自動車産業などの重工業に供給する部品の生産割合が高くなっています。その背景には、戦後、広く普及したアルミやステンレスなどでできた、軽量で頑丈、安価で利便性の高い日用品の普及もあるでしょう。高価で重量もある鋳物の日用品は、家庭での使い勝手も悪く嫌煙されてきましたが、現代の技術と伝統技術を融合し、鋳物(鋳鉄)にしかない特徴を生かした家庭用調理器具が再び脚光を浴びつつあります。
鋳鉄製品ができるまで
「鉄を溶かして、型に流し込む。」
とてもシンプルなプロセスですが、製造工程が簡素であればあるほど、ひとつひとつのステップはとても深く、経験に裏付けされた技術を要します。成型のもとになる木型をつくり、その木型をもとにつくる鋳型は、砂でできています。例えば鍋であれば、鋳型で必要となるのは、欲しい鍋の形をした空洞です。厚みやかたち、細部に至る突起や文様、技巧がすべて、この鋳型の段階で決まります。製品と鋳型が凹凸の関係であると同時に、鋳型と木型も凹凸の関係。細部まで細かい細工を施した木型を、そのまま鋳型に写し取るために、砂が使われます。
鋳型に使う砂は、ただの砂ではありません。1500℃を超える高熱の溶鉄を受け止め、かつ細部に至るまで細かい細工を保持できる「型」をつくる鋳型砂でなくてはなりません。鋳型砂をつくるのは、骨格である砂と粘結剤。主に骨格になる「砂」の性質が仕上がりを左右します。しかし鋳型に適した性状の砂に恵まれた桑名の鋳物職人も、組織単位で粘結剤の割合や質が違うといいます。
出来上がった鋳型に、静かに、早く、溶鉄を流し込み、固まるまで待ったあと、鋳型を外します。砂で固めた鋳型も、鉄の高温に焦げ付いて変色するだけでなく、堅く固まってしまいます。鋳型を取り除いたあとは、鋳物表面に残り砂を鋳物を傷つけないよう取り除き、旋盤という鉄を削る電動やすりで、丁寧に不要な突起を削り取り形状を整えます。これを研削加工(研磨)と呼びます。
鋳型に使われる砂は、水分がつきもの。どろどろに溶けた鉄を流し込むと、この水分はもちろん一気に蒸発し、型そのものが収縮します。つまり、型作りには、この「ちぢみ」を計算しなければならないのです。砂の湿度は、天気によっても左右されます。またひとつひとつ鋳型をとり、ひとつひとつ流し込む鋳物は、「全く同じ」ものはひとつとしてできません。フライパンの肌を見比べると顕著ですが、表面がざらざらしているもの、よりすべすべしているものと、型によって、季節によって、すこしずつ趣がかわります。また100個つくって、100個が製品として出荷できるわけでもありません。その時の砂の加減、鉄の加減、気候の加減で、完成品と呼べる作品の数も変わるのです。
鋳物製品ができるまで
一般的な鉄鋳物の製造工程です。
- 1 原材料
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国内や産出した鉄や、加工品の残鉄などが原料です。商品にならなかった鋳物も、再利用されます。これらの原料は、受け入れの検査を経て、「ヤード」と呼ばれる場所に保管されます。
- 2 生砂混錬・溶解
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原材料を炉で溶かします。
溶けた原料は「湯(ゆ)」と呼ばれます。
- 3 造型
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鋳型のもとになる「木型」をつくります。その鋳物に合った砂と結着剤等を混ぜ合わせた鋳型砂を、木型につめて「鋳型」をつくります。
- 4 注湯
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鋳型に溶かした材料を流し込みます。このときの材料の温度は、1500℃以上。流し込むだけで、周囲が明るくなるほどの熱量です。
- 5 砂型の取り外し
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鋳型砂を取り除きます。
- 6 仕上げ・加工
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鋳造で出た余分な鉄等を削りとり、形を整えます。
- 7 塗装
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耐久性・耐熱性など要求品質を保持するための塗装を施します。
- 8 製品組み立て
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いくつかの試験を行い、品質を確認します。
- 9 梱包・出荷
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商品に問題がないか、最終の検査を経て、梱包・出荷します。
一生ものに育つ「鋳物」
鋳物の最大の魅力は、熱伝導率と蓄熱性。包み込むように熱が伝わるため、素材のうま味を最大限にひきだします。特にステーキやハンバーグ、ビーフシチューなどの肉料理は、余熱で中までしっかりと火を通すことができ、絶妙な火入れで柔らかな仕上がりに。他の素材の調理器具と比べると重量がありますが、一度加熱すれば、あとは弱火で調理できるため光熱費の節約にもつながります。またガスだけでなく、IHクッキングヒーターでもお使いいただけます。※1
※1:ただし製品底面の直径により、お使い頂けない場合もあります。IHクッキングヒーターでのご使用をお考えの方は、必ず調理器具の説明書、または販売店にご確認ください。
Castok(キャストック) ごはん釜
目指したのは、「ごはんがごちそうになるお釜」です。
鋳物ならではの鍋の厚みが、熱をムラなく伝え、お米のもつ旨みをじっくりとひきだします。
蓋は重くなりすぎないよう配慮しつつも、十分な厚みを持たせ、圧力がまのように内側に熱を閉じ込められる形状と、重量のバランスに配慮しました。また、熱が対流しやすい形状にしあげているため、外はしっかり、中はもっちり、ふっくらした炊き上がりに。ふたを開けた瞬間に、「お米が立ってる!」と美味しさの見えるごはん釜です。ひとり用の0.8号炊き、使い勝手の良い2号炊き、たくさん食べたいときの5号炊きと、3つのサイズがございます。
鋳物で成型したのち、使いやすいように内側を琺瑯加工で仕上げてあります。
ごはんだけでなくシチューなど、じっくりと煮込むお料理にも最適です。
Castok(キャストック) フライパン ~スキレット~
鋳物(鉄器)のフライパンの一番の特徴。
それは、熱伝導率と耐熱性のバランスが、とても良いことです。
一度温まると、食材を入れても表面の温度が下がりにくいため、フライパンが高温のまま調理ができます。また使うほどに調理しやすくなるのも、鋳物ならではの魅力。少量の調理もお任せです。焦げ付きがないかぎり、亀の子だわしを使って水洗いで十分です。油がなじんだ鋳物のフライパンは、食材を入れるまえに十分に火を入れて温めれば、焦げ付き知らずの便利な調理器具です。
そのまま食卓にだしても素敵で、お洒落なフライパンのサイズは6種類。
ひとり分のパンケーキや目玉焼きにぴったりな9cmサイズから、たくさんの炒め物や焼き物にもぴったりな20cmサイズまで。用途とお好みにあわせてあなたにぴったりの大きさを選んでください。
「Castok フライパン ~スキレット~」のご購入はこちら
<横山のコメント>
どうやらはやりのスキレット。ちまたでは「魔法のなべ」とも呼ばれているとか。
アウトドアでは必須、ダッチオーブンのお友達。。。くらいの感覚だったのですが、最近は家庭用のスキレットが表に出てきましたが、日本伝統の鋳造技術で使い込めば使い込むほど使いやすくなるフライパン、もとい「スキレット」ができました。テフロンコートのフライパンとは違い、手入れをしないと錆がでますが、実は対策はとても簡単です。
「使ったら、温かいうちに洗うこと。」
洗う時には、基本はお湯だけ、洗剤は不要です。しゅろのたわしでお湯を流しながら調理面をこすり洗いしたら、しっかりと水分を切ったらおわりです。汚れがひどく洗剤を使ったときは、乾いた鍋面に油をひくことをお忘れなく。動物性タンパク質のかたまりであるお肉や魚は、表面かりっと中身がふんわりしあがります。
野菜でこれいいなと思ったのは、ジャガイモのロースト。厚めにスライスしたポテトを油を熱したスキレットの表面でこんがり焼いて、落し蓋をするだけ。専用の蓋はないので、適当にあるものをかぶせて湯気が出たら、火を止めてそのまま放置。フライパンが冷める頃には、内側ほくほくのポテトスナックができました。調理台のまえにずっといられない時には、余熱で調理できてしまう鋳物の調理器具はとっても便利です。
Castok(キャストック) たまご焼き器(だし巻き用)
お弁当といえば、だし巻き卵!
耐熱性にすぐれた鋳物は、熱を蓄えながら全体に均一に熱を伝えるため、焼きむらがなくふわっとした卵焼きに仕上げます。おだしを多めに加えた卵を、アツアツに熱した玉子焼き器に流し込み、コテを使ってくるくる巻き上げれば、いつもよりも「ふんわり、ほっこり」なだし巻きができるかも。
プロの間では、だし巻きには銅製の卵焼き器が主流だけれど、技術もいれば、焦げ付きやすいし扱いが大変。扱いが簡単で、お手入れも難しくない鋳造の卵焼き器は、家庭のペースにあわせたスピードで、おいしい卵焼きがつくれます。薄焼き卵にもぴったりのサイズです。
Castok(キャストック) パンポット
鋳物の優れた熱伝統率そのままに、内側に琺瑯(ほうろう)加工をほどこした、煮物やなべ物料理など、あらゆる調理に大活躍するパンポットシリーズです。
用途にあわせて直径や深さが選べ、ご家庭から業務用まで幅広くお使い頂けます。
どっしりとした品格のある姿なのに、デザイン性も高く、そのままテーブルにだしても十分おしゃれ。
こぶりで小回りのきく直径18cm、二人分のスープやロールキャベツに手ごろな20cm、鍋料理にも便利な23cmと28cmなど4種のサイズがございます。
Castok(キャストック) 専用鍋 ~天ぷら・すき焼き・たこやき・グリル~
家庭で本格的な味を愉しみたい。集いの場で手軽に楽しみたい。
そんなニーズにあわせ、鋳物の特性を生かした「専用鍋」をご用意しました。
鋳物や鉄器と云えば定番の、すき焼き鍋。
関西には必須、ホットケーキにも楽しいたこやき器。
卓上でのお好み焼きや焼きそば、焼き肉などマルチで使えるグリルパン。
ひとり用のステーキやハンバーグには最適な、プレート。
揚げ物嫌いを「揚げ物エキスパート」に変えてしまうかもしれない、天ぷら鍋。
それぞれ、鋳物の特性を十分に実感頂ける商品です。
「Castok 専用鍋 ~天ぷら・すき焼き・たこやき・グリル~」のご購入はこちら
<横山のコメント>
苦労したわりに、満足感と達成感が思ったように得られないのが、揚げ物料理です。
なかでも難しいのは、天ぷら。天ぷらの難しさは、油の温度を保つことにあります。もちろん、ころもづくりにも、揚げ方にもそれぞれ美味しく仕上げるコツはあるけれど、一度「よし!」と思った温度が、いくつか揚げていくうちに、急に下がってしまったり、逆に上がりすぎて焦げでしまった経験をお持ちの方はすくなくないはず。具材を入れるごとに、火加減を調整し、油の温度を確認しながら揚げたとしても、思ったように仕上がらないときには、イライラよりもがっかりが先行して、揚げ物が苦手になります。
鍋に厚みのある鋳物の天ぷら鍋は、蓄熱性に優れた鋳物の特徴がストレートに発揮され、温度変化が少なく、火加減に神経質にならなくても、最後まで温度のブレも少なく調理できるのが特徴です。もちろん天ぷらだけでなく、コロッケやフライドポテトなどすべての揚げ物料理で実力を発揮!重みも十分ある鍋は、安定感も抜群です。
<横山のコメント>
これぞ、鉄鋳物の真骨頂。これを外して、何をつくるんだ?と云いたくなる鉄の調理器具がプレート、つまり鉄板です。ステーキやハンバーグ、魚料理など、なんだっていいの。火にかけて「じゅーじゅー」と音を立てているそのままを、香ばしいかおりと共に食卓に運べる優秀さ。調理器具とお皿が一緒になった「洗い物もすくなく」、料理をおいしく感じさせる演出にもなる、一石二鳥の調理器具です。鉄の熱伝導の良さと、分厚い鉄が持つ高い熱保持力が生きているから、美味しいものが好きな方にはお勧め。
桑名堂 ~鉄瓶 その他~
茶道では、鋳物の茶釜で沸かしたお湯を用いてお茶をたてます。熱まわりが良く手早くお湯がわかせること、そして溶けだした鉄分によりお湯がまろやかになり、お茶の風味が増すといわれています。
「桑名堂」は、「桑原鋳工」の鋳造技術が生み出す鉄茶釜、鉄風炉などの茶道具や、鉄瓶、湯呑、鉄うすなど、多彩なラインナップをご用意しています。和室にも洋室にもしっくりと馴染むデザインで、末永くお使い頂けます。
<横山のコメント>
鉄鋳物はどれも、道具を育てる楽しみを味わえる調理具です。生き物が育つように、調理具もまた育ち、変化をしていきます。そこにあるだけで存在感のある鉄瓶は、毎日使い続けることが一番のお手入れだといいます。朝のコーヒー、昼の紅茶、夜のお茶と、毎日何度も頂く「水分」を、鉄瓶で沸かして頂きましょう。けれども毎日は難しい。そんなときは、使用後に内側の水分をとって、乾かし切ってください。鉄瓶は使い込むうちに、水に含まれるミネラル分が壁面に付着し、白っぽく膜をはります。これを湯垢といいますが、湯垢ができるとしめたもの。さびが出にくくなります。(※浄水器の水では、何年たっても湯垢がまったくできない場合もあります。)
カネデン ミニチュアマンホール ~コースター~
桑名や三重県を中心に、静岡県、愛知県などで、実際に使用されているマンホールの図柄を、そのまま手のひらサイズにミニチュア化したコースターです。
行政にデザインの使用許可を頂いて、現在は全国に向けて展開中。記念品や贈答品として、ペーパーウエイトやコースターの他にも、お部屋の飾りとして、訪問した場所の記念品としても。
名産品であったり、名所であったり、行事であったり、史跡であったり。各市町がそれぞれの個性を生かしてデザインしたマンホールは、見ていても面白いものですが、実物はちょっと大きすぎて、手元に置くには難があり、決して可愛らしいとは言えません。それがそのまま縮小されると、どうしてだか可愛さと愛着がわくのですから不思議です。たくさんある絵柄のなかから、お気に入りの一枚を見つけてください。
現代の暮らしをみつめた、桑原鋳工の職人技巧
1500℃に鉄を溶かす炉の熱が、どれくらいだか想像がつきますか?
工場を見学させていただけると喜んで向かった先は、桑原鋳工。内側で鉄が真っ赤に煮えたぎる炉から、10メートルほど離れた場所をそろりと通過するだけで、肌がちりちりと痛むのです。たとえ原料に異物が含まれていたとしても、この熱の中では燃えるどころか、跡形もなく「蒸発」するだろうと、一瞬で納得してしまいます。
1959年9月。
桑原鋳工は、鋳造の長い歴史を持つ桑名の地に、鋳造業・鉄鋼業として創業しました。以来、上下水道用鋳鉄製品を中心に、鋳造、機械加工、塗装、組み立て、梱包と一貫した制作を行う企業として、今日に至っています。上下水道鋳鉄製品というとわかりづらいですが、その代表は「マンホール」。マンホールは、単なる丸い鉄の板ではありません。マンホールのうえを何トンという車が走行しても飛んだり、破損したりしないように、ある程度の重量と厚み、強度をもたせる必要があります。マンホールの寿命は15~30年が目安とされますが、過酷な環境下でそれだけの年数を使い続けられるだけの耐久性も必要です。約半世紀にわたり、多くの行政団体からの要望を満たす製品を作り続けてきた経験を活かし、現在は、鋳物の原点でもあり、特徴を十二分に生かした「家庭用調理具」や鉄瓶の商品企画開発にも注力しています。
桑原鋳工を訪問すると、まず目に入るのが恐竜の骨格模型です。
キャスティング(鋳造)されたこの模型は、「鋳物でこういうものもつくれますよ?」という、当社の遊び心。なんだかリアルで、表情がないのになんだか愛嬌のある恐竜に挨拶を済ませると、そこには展示室が。
「くわな鋳物」の次のステージともいえる、桑原鋳工の職人技巧を生かした育てる調理器具の数々が並べられています。
1500℃に溶けた熱を扱う工場は、夏場は午前中のみ稼働しています。
暑い夏場だから当たり前といえばそれまでですが、理由はそれだけではないようです。湯と呼ばれる溶鉄を流し込む鋳造は、砂でできています。梅雨時期から夏場は、空気中に含まれる湿度も高いため、必然的にこの鋳型にも多くの水分が含まれています。「たかが水分でしょう?」と思われるかもしれませんが、毎回、ひとつひとつの鋳物に対して、ひとつの砂型(鋳型)をつくる鋳造は、この水分の違いによっても最終製品の品質が決まります。一番多いのは、大きさが変動してしまうこと。1500℃以上の高熱で煮えたぎる鉄を注ぎ込んだ瞬間、水分が蒸発、型が収縮するのです。この収縮率のブレが予測よりも大きければ、できた鋳物は商品にはなりません。大きさが変わるだけならまだしも、内側が空洞になったものたちは、壁面の厚さもかわります。壁面の厚みが変わると、熱伝導率や蓄熱性も変わりますので、安全性を第一に考えた場合には、商品にはできないというのが正直なところです。けれどもこれらの出来上がりは、型を外すまでは全くわかりません。時には、10個作って半分以上が原材料に逆戻り、ということだって起こりうるのが鋳造の世界です。
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フライパンをみていると、表面の細かいおうとつの粗さがひとつひとつ異なります。これもまた砂型の影響。接面が荒くなるともちろん荒く、密であれば細かく仕上がります。キメが粗いものと細かいもの。それぞれに適性があり、調理に適した食材や扱いがあるのが、面白いのです。
使えば使うほど消耗し、老朽化するものたちに囲まれた現代の私たちにとって、調理器具もまた消耗品だと考えがちです。実際、100円ショップにも、蓋つき鍋にゆきひら鍋、ボールにポットと多くの調理器具が並んでいます。テフロン加工されたフライパンや鍋などは、安いものだと数千円で手に入りますし、「傷めば買い替えればいい」もののように扱われています。そんな風潮の中で、まさにその流れに逆行しようとしているのが「桑原鋳工」の調理器具。高価で、重量もあり、どう考えても使い勝手がいいとは思えないのに、使えば使うほど手になじみ、扱いも良くなり、料理が楽しくなる彼らの調理具は、まさに「一生もの」の出会いです。
プレマシャンティ
開発チーム
横山
ごはんを炊くと、お米が立つ炊飯釜。
ステーキや魚などがジューシーに焼けるスキレットや鉄板、グリルパン。
フランス製のカラフルで、重量級の鍋が流行った時期もありましたが、それらに比べると随分軽く、取り扱いも良く、火の回りも早いパンポットは、鋳物がもつ蓄熱性の高さを生かし、余熱で煮込み調理を楽しめる秀逸なお鍋です。日本に昔からある技術を今に引き継ぎ、琺瑯(ほうろう)のひきつけなどの他の技術との融合も試みながら、開発・改良されていく桑原鋳工の調理具たち。
プレマシャンティをとおして繰り返してきた一期一会の出会いを、更に豊かにする調理具に出会えたと興奮が冷めません。