おいしい食事は材料と道具で。ウメザワ木工芸の木製調理器具
木から伝わる温もりと癒しの効果で、心穏やかな調理時間を。使いやすさはもちろん、手にもキッチンにも食材にも馴染みます。
百年の実績
伝統と革新
木の風合いを感じる
木の持つ香り、風合い、ぬくもりは
プラスチックや金属では感じることができません。
日々使うものだからこそ、
いい影響を与えるものであって欲しいものですね。
豊かな緑に囲まれた伊賀の地で、
自然を敬い愛する心を育む。
天然木製品を通じて、人と木の共存を目指している
ウメザワの木製品です。
ウメザワ
創業大正14年
ウメザワは、大正14年、先々代梅澤奈良次郎が創業しました。当時は製糸事業を行っており、製糸に使用する木製の道具を製造修理する別部門としてスタートしました。太平洋戦争が始まると製糸事業を廃業し、軍服用の木製ボタンの製造を開始。これが木工業を専業とするきっかけとなります。
戦後復興期を迎えると、家庭用木製品の需要が増大。ボタンの製造から、蝿帳(はえちょう)・ちゃぶ台・まな板などの家庭用木製品の製造に徐々にシフトしていきました。現在でもウメザワではまな板やすのこ・寿司器・落し蓋などの商品を製造しています。変わりゆく時代とともに機械化された技術と、未だに変わらない手仕事の伝統の技術があります。
また、技術の他にも当時と全く変わらないもの。それは「妥協を許さない仕事」という品質に対する職人魂です。変わらず受け継がれてきた職人のこの心意気が、百年にわたってウメザワを支え続けている屋台骨です。
豊かな自然に囲まれた伊賀の里よりお届けします。
三重県名張市。忍者の里として知られる伊賀盆地にウメザワはあります。盆地の名の四方を山々に囲まれた自然豊かな地です。
地場産の桧・杉はもちろん、東には岐阜県の東濃地域、西には奈良県の吉野地方と日本屈指の木材産地の中間に位置するため、古来より優秀な木材が集まりやすい環境にあります。このため、伊賀地方は林業・製造業・木工業が非常に盛んな地域です。
ウメザワでは、創業時よりこの地を利を生かし、吉野杉・東濃桧などの銘木を使った物づくりを続け、物流業が発達した今日では、青森ひば・秋田杉といった日本各地の銘木も利用しています。
木材は、間伐材ではなく、樹齢100年以上の建築端材を使用します。間伐材のほとんどは樹齢15年~30年前後の未成熟な若木です。未成熟である為、木質が締まっておらず、耐久性が非常に低い部分がほとんどで、水回りの道具には向いていません。
建築端材とは、例えば5mある桧の丸太から4mの1本の柱を切り出すとします。実際に使う際には、4mしか必要ないので、切り残した残りの1mでは、柱にはならず建築材として利用されません。
その切り残された部分を使ってものづくりをしています。日本の多くの製材所では、建築端材は粉砕されて製紙材料になったり、焼却処分されたりしています。建築端材に再び命を与えて、水回りの道具として生まれ変わらせることも間伐材の使用と同等の価値がある作業だと考えています。
日本ほど森林の多い国は、世界でもめずらしく面積の7割が森林です。その大半は、人が使うために育てた杉や桧の人工林です。
現在、成長したこれら人工林の多くが木材として利用可能になっているにもかかわらず、外国産木材の輸入量の増加や林業の採算性の低下により、国産材供給量は国内全体における木材需要量の約3割に留まっており、放置される森林(人工林)もみられるようになっています。
手入れを行わないと、木立の間に日光が差し込まず下草が生えないなどにより土壌が失われたり、土砂崩れの原因となったりします。
また、適切な伐採が行われないと、新しい木が植えられず高齢の木々ばかりとなり二酸化炭素の吸収量が低下するなど、森林の持つ多面的機能の低下につながってしまいます。
そこで、森林(人工林)を元気にするため、「植林」→「育成(間伐などの手入れ)」→「(成長した木を)伐採」、そして「利用する」というサ イクルを回していくことが重要です。それによって、健全な森林の育成とともに住みやすい環境と資源を持続的に得ることができます。そのためには、人工林で育った木材を、私たちがもっと利用することが必要です。その一端を木の道具が担っています。
職人技
どれだけ機械が発達しても、代々受け継がれてきた手仕事に頼らないと製造できない製品があります。
せいろなどの曲げ物は、桧などを縦に割ったヘギ板と呼ばれる薄い板を水に浸けて柔らかくして曲げ、桜の皮をなめした皮で接ぎ目を綴じるという、全てが手仕事による工程で作られています。
特にヘギ板を曲げる作業は、個々の木によって異なる弾力性を熟練の職人が指先で感じた感覚だけが頼りです。個々の木の特性を感じ取り、曲げる力を手加減する事は、機械では絶対なしえない技術です。
飯台やおひつなどの桶物もしかり。天然の木材は木目の幅、木目の流れ方などひとつとして同じものはありません。木、ひとつひとつの特性を見抜き、反りやねじれをあらかじめ予測した上で部材同士の組み合わせを考えるのは、熟練の職人の経験以外の何物でもありません。
どれだけAIなどの技術が発展しても、再現できない長年の経験に裏打ちされた技術。それが「職人技」です。
工芸の基本にある「人の手が生み出す美しさ」を胸に、更なる発展に向け、挑戦を続けています。
柾目板を使用
- 柾目(まさめ)
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材木の中心付近を製材した際にできる表面の模様のことを指します。真っ直ぐ平行で板材の模様も均一です。
- 板目(いため)
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材木の中心から外側を製材した際にできる表面の模様のことを指します。山形や波・渦巻き模様など一枚一枚個性のある木目をしています。
ウメザワのまな板は全て柾目板を厳選しています。板目材のまな板は木口にひび割れが発生し、それが全体に亀裂として広がったり、調理できないほど反りあがってしまうなど、まな板には向いていません。
木の特長
檜 -ヒノキ-
- ●産地
- 本州中部から四国・九州に分布。各地域によって質が異なり価格も異なります。桧の高級ブランドは木曾桧。次いで東濃桧、吉野桧。
- ●性質
- 美しい木肌と特有の芳香を有し、芳香成分はフィトンチッドと呼ばれ、人には有益な成分で香りが安らぎを与えてくれることが分かっています。耐水性・耐久性に優れ、昔からまな板・せいろなどの台所用品、すのこ・風呂桶などの浴室用品に用いられてきました。
- ●エピソード
- 伊勢神宮を始めとする、神社仏閣の建築材として古来より用いられてきました。伊勢神宮の式年遷宮では、内宮は木曾桧、外宮には東濃桧が現在も使われています。木曾桧、東濃桧を産出する霊峰御嶽山は、尾張徳川藩の諸領地で「木(ヒノキ)1本、首ひとつ」(桧を無断伐採すると、1本につき下手人およびその親族を1名打ち首にする)と言われる厳しい保護政策が取られていたようです。
ひば
- ●産地
- 長野県の木曾地方、石川県の能登地方、岩手県の北部などに自生していますが、資源量としては98%以上が青森県の津軽地方に集中しています。
- ●性質
- ヒノキ科の針葉樹であるため、性質は桧に非常に近く、ヒノキチオールと呼ばれる抗菌成分を有しています。
(注:ヒノキチオールという名称ですが、桧には微量しか含まれていません。)
4つの特長
·抗菌効果
·安息効果
·防虫効果
·消臭脱臭効果
この4大効果については、青森県工業試験場を始めとする研究機関で実証されており、この効果を利用した様々な商品が医療·農業·食品などの分野で開発されています。
特に抗菌効果については、抗菌スペクトルが非常に広く様々な細菌に対して効果があり、これを利用した医療用の消毒剤が開発されるなど利用分野の広がりを見せています。
その性質から、水回りで使用する台所用品や浴室用品などに用いられています。 - ●エピソード
- 中尊寺金色堂はヒバで建てられており、他にも青森県や東北地方の多くの文化財や歴史的な建築物にヒバは使われてきました。また、ヒバは腐りにくい材木なので、クレオソートが普及する以前は、電柱や線路の枕木として用いられていましたし、発砲スチロールが普及するまでは、その抗菌性を利用して魚のトロ箱として利用されていました。東北地方では、桧は自生していないので、ひばは現在でもまな板や建築材として、桧と同様に用いられています。
朴 -ホオノキ-
- ●産地
- 北海道南部から、九州北部まで自生。非常に資源量が少ないので、同じモクレン科のイエローポプラを朴材として偽るケースもあります。
- ●性質
- 弾力性があり、木肌がきめ細かい。広葉樹だが板目材に製材しても狂いが少ない。
- ●エピソード
- 弾力性があるので、衝撃吸収に優れています。このため、下駄の歯(地面からの衝撃を吸収)や、和包丁の柄は、昔から朴材が定番です。また、非常に響きが良い材木なので、ピアノなどの楽器材、高級オーディオ用スピーカーの構造材としても利用され、アコースティックギターやウクレレにも使われていることもあるようです。音の響きの良さからまな板にすると、トントントン……という包丁のリズムが非常に心地よく、また弾力性から、ちょっとした刃傷であれば、水分の吸収とともに自己修復するともいわれています。
お手入れと木製品の知識
お手入れについて
使い始める前に(飯台のみ)
まず、アク抜きをしてください。小物は洗い桶やボールに水をはって、酢をおちょこ1~2杯入れ、その中に浸します。飯台は、中に酢水をはってください。時間的には2~3時間が適当です。(米のとぎ汁も効果的です)その後、軽く水洗いをして、布巾で水気をふき取り、日陰干しにしてからお使いください。
毎回のご使用前に
木製品は必ず濡らしてからご使用下さい。水の膜が張 り、食品の色うつりや黒ずみの予防になります。
使った後に
- 【水洗い】
- たわしでゴシゴシと擦り洗いして下さい。食器用洗剤は、木の油分を落としてしまうので控えめにして下さい。
- 【拭き上げ】
- 水洗い後、全体を布巾でよく拭き上げて下さい。拭き上げ後、キッチン用アルコール除菌スプレーを噴霧しておくと、黒ズミやカビの予防になります。アルコールはすぐ揮発するので拭き上げの必要はありません。
- 【乾燥】
- 風通しの良い日陰で十分に乾燥させて下さい。直射日光·温風などによる急激な 乾燥は、割れや変形の原因となりますのでご注意下さい。
木製品の知識
天然自然素材
木製品は製品ごとに木目や節が写真と異なる場合がありますが、自然の風合いをお楽しみください。
木とカビ
カビの原因は汚れと湿気。食品のカスが残っていると、カビの原因になります。
使用後は、食品カスを残さないように、丹念に洗ってください。スポンジ等も清潔なものを使うこと。湿気の方は、風通しの良い日陰で十分乾かし、特に継ぎ目部分を充分乾いているか確かめて片付けます。保管も風通しの良いところに。
カビてしまったら
米のとぎ汁に一昼夜浸けてから、タワシでこすってください。
長持ちさせるには
反ったりゆるんだりの原因は、乾燥のしすぎです。また直射日光に長時間当てることは禁物です。長持ちさせるためにも、日陰干しは大切です。
ヤニがにじみ出たら
正しく保管してあったのに、ベトつきのような汚れが出ていたら、それは木に含まれる樹脂がにじみ出たものです。自然なもので、害はありません。樹脂が含まれているほど、木は丈夫だと言われています。気になる方は、サンドペーパーで削り取るかエタノールで拭き取ってください。
水漏れ、タガ落ち
しばらく使っていなかった飯台(飯切り)に水を注ぐと、底から水漏れしたり、タガ(輪っか)落ちしたりすることがあります。
原因は乾燥のしすぎによる緩みですが、心配ありません。しばらく水をはっておけば木が膨らんで水漏れしなくなります。
スタッフの感想
以前からヒノキのまな板を使っていました。今回手に入れたのが「自立スタンドつき青森ひばのまな板」。以前のヒノキのまな板は薄くて小さかったのですが今度のは重くて大きい。でもそれが、面が広く、どっしりしていて動かないのでとても使いやすいのです。そして木製まな板の一番の魅力は刃当たりが優しく、食材が滑らないこと。野菜の細切りもみじん切りも、プラスチックで切るのとは全く違います。ものすごく切りやすい!これはかなりの魅力です。もっと早く買えばよかった、と思いました。気になるお手入れも、早めに洗ってよく乾燥させることに気を付けていれば、特に面倒は感じません。愛着が湧いてお料理が楽しくなります。
プロモーションセクション 西村初美