弊社中川に直撃インタビュー
中川が『竹』の「環境な的側面」、「癒し的な側面」、さらには「テオリ家具の魅力」を語ります。
※自然回帰の流れとは・・・人為的な行為をできるだけ施さないものを、一般の人々が求めている傾向。農的生活指向、天然素材活用指向、自然循環を意識した生活などの意味もあり、そのような大きな流れのことをいいます。
テオリとの出会い
- 岸
- 今回弊社では、竹素材で作られた「テオリ」の家具を新しく販売開始しますが、中川社長と「テオリ」の出会いについて、教えてください。
- 中川
- 弊社でも竹布でお馴染みの相田社長(ナファ生活研究所代表取締役)からご紹介いただいたことがきっかけです。私は以前から「麻」「塩」「炭」と共に、『竹』という素材の重要性を提唱し、『竹』の素材でできている製品を、弊社のWebサイトで積極的にご提供していきたいと考えていました。
- 岸
- なるほど。そうだったんですね。
- 中川
- ナファさんの「竹布」製品に関しては、最近、類似品がたくさん出回わっています。しかし、ナファさんの「竹布」は本家本元です。相田社長と中国のメーカーさんが、『竹』という素材の難しさをひとつひとつ解決し、技術開発してきました。このような、本家本元の信頼がおけるナファさんから、『竹』にまつわる会社を紹介していただきたいと思い、相田社長にご相談したところ、以前からナファさんとお付き合いがあり、信頼関係にあるテオリさんをご紹介いただいたというわけです。
- 岸
- 竹布の相田社長のご紹介であれば確かですね。
- 中川
- しかも、竹研究の第一人者である、元京都大学森林学の野村先生から、「竹は、建材や家具に十分なりうる素材で、しかも、環境に対する負荷が低い」という話は、再三聞いていました。しかし、『竹』が利用されて作られているもののほとんどが、中国製。確かに、中国は、竹炭に関しての研究レベルは高く、国家レベルで研究しています。日本の炭の活用レベルとまったく違います。除虫菊の研究に関してもそうですが、ある一側面において、中国はとても優れています。
- 岸
- そうなんですか、国家レベルで中国が竹炭を研究しているとは…。
- 中川
- しかし、「家具」に関して言うと、やはり事情が違いました。一度、中国のものを取り寄せたことがあるのですが、「反り」が出る。また、中国で、非常にち密なデザインが施された、小さいピースを張り付けてあるものを購入したことがあるのですが、日本の湿度の関係で割れてきてしまいます。しかも、デザインが日本風ではなくて、豪華すぎるんですね。そっくりかえるような…。
- 岸
- 確かに。イメージできます。
- 中川
- で、中国のものはちょっと無理と。
- 岸
- それに比べてテオリは、パッとみたときの第一印象で、「ステキ!」と思います。非常にデザイン性が優れていますよね。
- 中川
- それが一番ですね!
- 岸
- 「こんなにステキなデザインがあったんだ」という純粋な感動があります。
- 中川
- そう、(感動が)あります。
- 岸
- 次に出てくる思いが、「これらが竹素材でできている」という大きな驚きです。
- 中川
- 私は実際に、7年ぐらい前からテオリの家具を使っていますが、何一つ問題が起きません。
- 岸
- すごいですね。ちなみにどんな家具をお持ちなのですか?
- 中川
- 現状、ベッドと棚です。製品のデザインは年々変っていくでしょうから、「いいな」と思うものがあったら、すぐにお気に入りのデザインを購入されたほうがいいと思います。
- 岸
- テオリの製品は、いろいろな雑誌にも取り上げられているようです。
- 中川
- そうなんですか。私がはじめてテオリさんに連絡をとったのは、ここまで知名度を上げられる以前でした。(掲載雑誌の一覧を見ながら)この掲載雑誌一覧の年月日を見ると、短期間に集中して取り上げられてはいませんね。このぐらい長いスパンで取り上げられるほうがいいと思います。ブームでワーッと取り上げられるものは、ただ単にマーケティングが上手なだけで、品質にはまったく関係のないことが多いですから。長年コツコツ、専門誌からファッション誌まで幅広く取り上げられているのは非常に面白い。そう思います。
竹の環境的な側面
- 岸
- 次は、この家具の素材となっている「竹の環境的な側面」についてお話しいただけますか。日本では現在、多くの竹林が放置され、手入れがされていない状態にあります。それを有効に活用できる方法があるのなら、非常にエコロジカルですよね。
- 中川
- 『竹』というのは、伸びていくときにCO2をたくさん吸収することに加え、切っても切っても、どんどん生えてきます。非常にエコロジカルです。私が生まれ育った家は、京都・大徳寺のすぐ近くにあったので、中学・高校時代は大徳寺のエリアを通って通学していました。特に高校生の時は、大徳寺のお庭の中を通っていたのですが、そこには『竹』が生えていて、春になると、毎回毎回この場所を通るたびに、『竹』の成長を目の当たりにしました。竹の生える速度というのは本当に早くて、『竹の子』があっという間に『竹』になる。ぐんぐん成長して、生命力がある。次から次へと生えてくる世界です。
- 岸
- わかります。私も小さいころ住んでいた家では、縁の下から毎年毎年、竹の子が生えてきて、廊下の床を持ち上げてしまうので、親が苦労して、ノコギリで切っていたのを覚えています。子どもながらに、『竹』の生命力の強さを感じていました。
- 中川
- おお、それはすごい。成長が早いですからね。しかも強い。『竹』と言うのは、素材としては、非常に陰性なんですね。陰陽の“陰”。上に伸びるのが早いというのは「陰」の性質です。竹の子はカリウムの多い、陰性食品なので、食べ過ぎると身体を冷やして良くありません。でも、陰性であるがゆえに、上に伸びる力が非常に強いのです。いずれにしても、「環境的な側面」で言いますと、『竹』はどこでも育ちますし、どんどん生えてきます。やはり、こういったエコロジカルな素材をもっと有効活用していく必要があると思います。
- 岸
- 有効活用しない手はありませんね。
- 中川
- ただ、こういう話をすると必ず、「では、木はいけないのか」という話になるのですが、そういうことではありません。木材、特に国産材というのは、(活用されずに)日本の里山が荒れていく原因にもなっていますから、もちろん有効活用していかないといけないと思います。問題なのは南方材(インドネシアやマレーシアなど、南方の国々からくる木材)です。地球環境に対してまるで配慮されることなく、どんどん森が切り開かれ、安価な木材が日本に入ってきています。安いので無理もないのですが、こういった理由で国産材の需要がますます減少しているのは問題です。ですから、国産の木材も積極的に活用する必要があると思っています。
竹の癒し的な側面
- 岸
- では、「竹の癒し的な側面」についても教えてください。
- 中川
- まず、「データ的に竹の癒しの効果がどうか」ということなのですが、『竹』は、竹のアミノ酸組成が人間の皮膚と非常に近いと言われています。ですから、『竹』の製品を持つと、非常に「気」もいいのですが、とても柔らかい感じがします。竹自体は堅いのに。
- 岸
- なるほど、だから竹布はものすごく着ていて気持ちがいいのですね。
- 中川
- そうなんです。ただ、こと、家具に関しては、癒し効果の物質は、竹布などの竹繊維に比べ、微量しか出ていません。『竹』を繊維にして表面積を上げると、マイナスイオンや遠赤外線が出てきますし、実際に指の筋力テスト(※)をしても締ります。竹が繊維の状態になると想像しえないものが放出されています。でも、『竹』そのものからは、遠赤外線もマイナスイオンも出ていないのです。本当に不思議な素材です。
- 岸
- 不思議でもあり、大変興味深くもあります。
- 中川
- ただ、こういった「物質的な要素がどうか」ということ以上に、日本人の中に『竹』というものが、よいイメージで精神的に浸透していることもあいまって、私たち日本人にとっては非常に身近な素材だと言えます。多分、DNAの中に、「竹を身近に感じる何か」が入っているのではないでしょうか。
- 岸
- 私もそれは感じます。さらに『竹』には“清めの力”や“癒しの力”があると、日本古来より信じられ、家の囲いや神仏を祀る際にも用いられてきましたよね。
- 中川
- そうですね、『麻』と『竹』は昔からそのような場面で利用されてきました。神社のお札は「大麻」と言いますし、『竹』もご神事で必ず使われます。日本人のDNAの中に、『竹』の美しさにひかれる何かがあることは間違いないと思います。波動と言うか、フィットする感覚というか…。これは、私たち日本人の深い部分、DNAレベルの感覚としか言いようがありません。やはり、日本人なら多くの人々が、『竹』を見たときに凛とする感覚を持ちますし、『青竹』の姿をみても、気持ちが落ち着きます。視覚的に木材とはまた違う真っすぐさがありますし、そのまっすぐな姿が日本人的でもあるように思います。
- 岸
- 私は竹の真っ直ぐさを見て、とても心地のよい感覚になります。
- 中川
- もしくは『青竹』ではなく、乾燥させて『黄色くなった竹』の色も、記憶の何かに触れるような感覚があります。いずれにしても、『竹』を見たり触れたりしていると、本当にイライラしない。日本人なら、桜を見たときに誰でも、なぜだかよくわからないけれど、咲いているときも散っているときも、心の奥が動きます。それと同じレベルの心理的作用、と言ってしまうと味気ないのですが、でも、きっとそのような心の奥の動きがあるのでしょうね。それに日々座ったり、物を置いたり、そこで食事をしたりすると、「癒される」感覚になるのではないでしょうか。
昔から生活に根差してきた竹
- 岸
- 『竹』は、昔から、日本人の生活の中に根差していますよね。
- 中川
- そうですね。日本では、茶線や茶さじなどのお茶道具や、小物に限らず、いろいろな生活用品の材料を、『竹』に依存してきました。それは、先ほどお話しした、どんどん生える強い植性があるからですが、おとなりの中国でも昔から『竹』の活用をしてきましたし、中国の水墨画の世界には、必ず『竹』がモチーフに使われます。また、いまだに東京より地価が高いといわれる上海ですら、ビルの足場には竹を組んで使うんです。軽くて強いし、しなるので、より安全です。
- 岸
- えっ?『竹』で足場を組むのですか?
- 中川
- はい、びっくりしますよ。器用にね。今はだいぶ金属の足場も見るけれど、いまだに10階建てぐらいまでなら『竹』を使っています。
- 岸
- びっくりしますね。怖いような気もするけれど、それだけいいということですよね。
- 中川
- 『竹』は長くなればしなるし、遊びがあるし、強いです。加重を分散する力に優れています。本当に『竹』の応用は際限なくあります。
テオリ家具の魅力
- 岸
- 昔から、家具の素材としても『竹』は利用されてきたのでしょうか。
- 中川
- 実は、日本も中国も、家具への利用に関してはごく最近なんです。多分、みなさんの知っている竹のイメージは、筒状の竹を半分に割って使うイメージだと思います。竹垣のように、半分に割った『竹』をペタっと貼って使うイメージが強いと思いますが、テオリ製品は、完全にそれとは違い、『竹』を集成材(※)にして使います。見た目は木材です。縦横上手に組み合わせているので、どれもぶれがでにくいのです。(※集成材とは・・・製材された板あるいは小角材などを乾燥し、節や割れなどの欠点の部分を取り除き、繊維方向を揃えて接着剤で接着して作る木質材料のこと。天然材に比べ、強度や寸法安定性、耐久性に優れ、湾曲した材料も製造できるなどの特徴がある)
- 岸
- テオリさんは長年の研究開発によりできあがった竹の集成材を使っているところがポイントですよね。
- 中川
- また、どんなに、環境的にいい、癒し効果がある、あるいは強度があるなどと言っても、デザインが悪いという製品が少なくない中、テオリさんの家具は、とてもスタイリッシュです。滑らかで、『竹』の硬さを感じさせないものばかり。非常にデザイン性に優れているので、ご購入いただいても長く使っていただけるはずです。実際に、私の自宅には、木材の家具もあるのですが、スギにしてもヒノキにしても、その他、木材ですと劣化が早いんです。無垢のできたては、いわゆる木目の白い仕上がりですが、外気に当たっているうちに黒くなります。それはそれで味があっていいのですが、『竹』にはそれがありません。青竹が黄色くはなりますが、それ以上の経年変化がほとんどない。こんなに優れた素材を使わないのはもったいないと思います。うちは今、フローリングの床にもテオリさんのものを使っています。
- 岸
- 『竹』のフローリングですか?
- 中川
- 『竹』のフローリングはとてもいいですよ。ネット通販で買い物かごに入れて買うようなものではないので、その場合はお問い合わせいただいて、テオリさんからご連絡を入れていただくことになりますが。中国製の他社のものもあるけれど、テオリさんの製品は非常にち密によくできています。安いものは他に探せばいくらでもありますが、やはり過去買ってきた経験から言っても、加工の精度が全然違います。中国に行って、「竹の床」の商談をしたこともあるのですが、中国製やベトナム製のものとテオリの製品では比べものにならないほどです。床がビシビシ鳴って、隙間が開いてきたらいやじゃないですか。
- 岸
- そうですよね、赤ちゃんがいるご家庭ではなおさらですね。
- 中川
- そう、加工の悪いものはささくれ立ちますからね。テオリさんの加工はそういうことがありません。
- 岸
- また、家具は、飽きのこないものを買って、長く、できれば一生涯使いたいものですよね。特に、弊社のお客様はそのようなお考えの方が多いと思います。
- 中川
- たくさんいらっしゃると思います。テオリさんのものなら大丈夫だと思いますよ。私も、一生涯と言うほどは使っていませんが、ベッドも棚もぶれが出ていません。次はちゃぶ台!です(笑顔)
- 岸
- 竹素材でできたちゃぶ台、いいですね。
- 中川
- もちろん木製の無垢もいいと思います。ただテオリさんの製品は、薄くて強いので、木とは違うデザインがとれるんです。うちのメインダイニングは元京都大学の野村先生に作っていただいた吉野杉のダイニングテーブルがあるのですが、無垢材は厚くてはじめて、「おぉ」という良さがでる。でも、『竹』は薄くて「シュッ」としたデザインの良さがある。
- 岸
- 強度があるからそれができるのですね。
- 中川
- そうです。そして、何度も言っていることですが、テオリの家具は、本当に加工技術がいいので反りません。反らないということ、これは素晴らしいことです。集成材に加工して使うから反らないわけです。また、「お手入れ」ということに関しては、竹素材の方が、無垢材よりも劇的に簡単です。あと、うちでは、息子がやんちゃでやりたい放題。おもちゃなどを思いっきり床に落として、「うわっ」と思うことがあります。でも、『竹』のフローリングは、穴が開いても表面と同じ竹素材には変わりなく、色も違いませんから目立ちません。もちろん、「穴が開いてしまった」とは思いますが、合成材のようなショックやイライラ感がないんですね。これが、合成材のフローリングなら、木目がプリントですから、穴が開けば色が周りと違いとても目立ってしまいます。
幸せになるコツは、いいものを少なく持つこと
- 岸
- ところで、中川社長は、何かテオリの雑貨類はお持ちですか。
- 中川
- (最新のカタログを見ながら)こんな製品がでてんのや~。これはいいやん。へ~いいやん!(カタログの世界に入り込む中川(^_^;))
- 岸
- 私はランチョンマットとナッツの器、このあたりが気になっているんですよ。
- 中川
- へ~。オレは、ハンガーがほしい!ハンガーいいね~。どんどん良くなっているな~!(完全にテオリの世界に魅了される中川…(^_^;))
- 岸
- このテオリの雑貨を見ても思うのですが、先ほど中川社長も言われていたとおり、持続可能な循環型社会を作るために、いろいろな自然素材を有効利用したいと願う人は多く、製品化されているものも、少なくありません。しかし、実際問題、製品として、機能性とデザイン性が共に優れていなければ、わざわざ高いお金を払って、「使ってみたい」「家に置きたい」とは思わないですよね。
- 中川
- そうですね。やはり、そういう意味でも、テオリの製品は「買おうかな」と思っていただけると思います。あとは、不思議なもので、こういうものが買えるようになると、お金回りが良くなります。シンプルにいく。「いいものを少なく持つ」というのは、どうも幸せになるコツのようです。実際、いいものを買うと、「あまりガチャガチャ物を置きたくない」と思うでしょ。安いものをいっぱい持つと貧しくなります。
- 岸
- そうですね。この素敵な家具や雑貨が引き立つには、周りがシンプルでないと、その良さが際立たないと思います。
- 中川
- ですから、こういうものを選択、投資すると、逆に要らないものを捨てたくなりますし、むやみに物を買わなくなります。高いものは、大事にします。家具のチョイスというのは、安物というと失礼ですが、そういうものを買ってしまうと、片づけないということではないのに、いつのまにか周りが不思議とグチャグチャしてきます。いいものを1つ持つと、似つかわしいものと似つかわしくないものが出てきます。波動と言ってしまえば波動としか言いようがないのですが、何故なのでしょうね…。皆さんにはぜひ、そういう体験を1つしていただきたいです。「ダイニングテーブルを買い替えてください」とは言いづらいところがありますが、高価でも、1つは何か質のいい気に入ったものを置いていただいて、それに似つかわしい周りになっていくと、生活がより良くなっていくでしょう。
やっぱりお買い物は…
- 中川
- そうすると合成洗剤などは使いたくなくなる。植物性油脂の天然素材のワックスを使おうとは思うでしょうが、それと対照的な合成洗剤でゴシゴシしようなんてありえなくなります。そうすると、必然的に弊社がお役に立てる機会が増えていきます。あとは、こういったもののお手入れには、EM1の薄め液やマザータッチの薄め液で拭くことをおすすめします。木材でも竹でも最高だと思います。ある空手道場で、木の床のお手入れにEM1を使っていただいていますが、ものすごくきれいになっています。ピカピカになるし、木の質感も出てきます。こうなってくると、合成洗剤を使いたくなくなりますね。
- 岸
- 確かに。「使ってはいけない」と意識するレベルを遥かに超えて、「合成洗剤を使う」という意識自体が、意識の中から消えていきますよね。
- 中川
- そうです。こういうものに目覚めてくると、生活がどんどんシンプルになりますし、「やっぱりびんちょうたんコムでお買い物」となります(笑)。例えば、スキンケアひとつとっても、弊社にはシンプルでいいものがたくさんありますし、ちょっと色味がほしいときにもご用意があります。
- 岸
- なるほど、現在、弊社でお買い物をしてくださっているお客さまも、まだ、これからというお客さまも、今後、ますますご多くの皆さんに弊社でお買い物をしていただける予感がしてきました。ご縁の輪がより一層広がり、そのご縁がより深くなっていくとありがたいですね。ありがとうございました。