「PEACE COFFEE(ピースコーヒー)」
東ティモール発、原種に近い豆を手摘みで収穫したオーガニックスペシャルティコーヒー
一心に前を見据えて進みだすあなたへ
『太陽の昇る国』東ティモールの大自然が生んだ
ありのままのスペシャルティコーヒー
農薬や化学肥料を経験したことのないピュアオーガニックの土壌で栽培され、
真っ赤に熟した果実のみを丁寧に手摘みされたスペシャルティコーヒー。
厳選された原料から立ちのぼるプレミアムな香りと、透明感のあるすっきりとした味わい。
波のように軽やかに、スッと体に沁み渡り、次へ進む一歩の源になる。
そんな、気持ちの目覚めるような一杯を東ティモールの霧立ち込める山々からお届けします。
ひとつひとつ丁寧に、正直に作られた一杯をあなたへ
コーヒーの「美味しさ」はどこからやってくるのでしょう。
「酸味」「苦味」「焙煎度合い」人それぞれに色々な答えがあって、正解なんてないのかもしれません(もちろんコーヒー自体があまりお好きでない方もいます)。
「ピースコーヒー」は、コーヒーが大好きな通の方にはもちろんですが、同時に、「今までコーヒーが苦手だった」そんな方にも強くおすすめしたいコーヒー。
世界中のコーヒーのほとんどが大規模農園で機械的に加工されている中、
1から丁寧に、正直に、手間暇をかけて作られた豆だけが持つ香りと味わい。
口に入れた瞬間波のようにすうっと喉まで通り抜け、その奥でふんわりと広がる甘さの余韻はまるで紅茶のようでもあります。
「赤く熟したコーヒーの実だけを1粒ずつ手で摘み取る」
「収穫後はすぐに果肉を落として加工する」
こういった真っ正直な方法は、
極めてシンプルではありますが、とても手間がかかります。ひとつひとつの豆の良さがそのまま美味しさに直結するコーヒーを、
豆を摘む段階から丁寧に仕上げたピースコーヒーの品質の高さは折り紙付き。
世界に流通する中で数%しか名乗ることのできない「スペシャルティコーヒー」の称号を冠した「ピースコーヒー」は、
非常に高品質で、同時に真正直なフェアトレードコーヒーです。
東ティモールという国をご存じですか?
東ティモール共和国をご存知でしょうか。
オーストラリアの上にあり、インドネシアと土地を二分した東側に存在している、アジア諸国東南にある熱帯の島国です。
紀元前から人が暮らしていた東ティモールの地は、大航海時代に植民地とされてからは常に国家間の争いの場となり、現地の人々は物資だけでなく命やその尊厳を奪われてきた歴史もありました。現在東ティモールの数少ない産業であるコーヒーも、元々はポルトガルの大規模プランテーションによって植え付けられたものだといいます。
そんな中、東ティモールの人々は、自分たちの国を「ティモール・ロロサエ」と呼びます。
「ロロサエ」は現地の言葉であるテトゥン語で「太陽の昇るところ」という意味。
「ロロサエ」の恵みをいっぱいに浴びて育ったピースコーヒーのきれいな味わいは、東ティモールの国と人々の魅力にも通じます。
何百年も続く支配の中でも、希望を絶やさずに前を向き、ついには自分たちの手で独立を果たした人々のたくましさ、揺らぎのない芯の強さ。
東ティモールの自然の恵みをたっぷりに受けた「ピースコーヒー」の爽やかで澄んだ甘味と酸味。それは東ティモールという激動の国が生んだものです。
「挑戦する勇気がほしい」
「もう少しだけ頑張らないと」
「気持ちを切り替えて前に進みたい」
「ピースコーヒー」の香り高い一杯はそんな気持ちをそっと、でも、力強く後押ししてくれます。
コーヒーのおいしさは何によって決まるのか
今や国民的嗜好品となったコーヒー。その大部分は大規模農園の寡占産業によって作られたもので、 フェアトレードコーヒーが人々に知られているようになった今でも、その流通率は未だ全体と比べるとほんのわずかです。
コーヒーのおいしさを決めるものは様々ですが、大きな要因として 「豆の出来」と「鮮度」、収穫して以降の「焙煎や抽出(ドリップ)の仕方」などがあげられます。 焙煎や抽出は現地から豆が送られてきて以降のプロセスであり、比較的私たちの身近なものでもあります。
では、「豆の出来」と「鮮度」を左右するものはなんなのか。
それは「農産物としてコーヒーがよくできたか」と、「コーヒー豆になるまでのすべての工程」によってです。
「豆が本当に美味しければ、どうやっても美味しい」といわれるコーヒーですが、逆に、豆として収穫されるまでの工程を一つでも失敗すると美味しいコーヒーはできません。
「美味しいコーヒーが飲みたい」と思ったとき、美味しい豆を選ぶこと、丁寧に加工された豆を選ぶ事は欠かせない要素となります。
コーヒーに適した栽培環境
コーヒーの栽培に適するのは、「昼夜の寒暖差が大きな熱帯の高地」で「安定した降水量」があるところ。
この中でも特にコーヒーが多く栽培されている、赤道を中心とした北緯25~南緯25度までの間は俗に「コーヒーベルト」と呼ばれています。
「ピースコーヒー」が作られているのは南緯8.5度にある東ティモールのレテフォホ群。現地の言葉で「山の上」という意味を持つレテフォホは、
熱帯に属しながらも標高1300~2000Mという高地に位置するために昼夜の寒暖差が大きく、朝夕には適度な湿度をもたらす霧が山から届きます。
また、雨期には降雨量が2500-3000ミリにも達するという、上質なコーヒーを栽培する上で必要な条件を満たした理想郷です。
豊かな自然に恵まれていることや、開発が進んでいないためコーヒーの木がほとんど原種に近いまま残っていること、 また今までに農薬を使われたことのないオーガニックな土壌であることも相まって、東ティモールはコーヒーの生産にこれ以上ない程適した地となりました。
原種に近い形のものが奇跡的に残っていた!オーガニックのアラビカ(ティピカ)種
世界中の人に親しまれ愛されているコーヒーですが、そのはじまりは諸説あります。
現在流通しているコーヒーのほとんどはアラビカ種とロブスタ種という種からはじまりました。
まろやかな味と酸味を持つ薫り高いアラビカ種と、苦味・カフェインの含有量が多く、主にインスタントコーヒーや缶コーヒーに使われているロブスタ種。これらをあわせると現在世界中に流通しているコーヒーの99%以上を占めます。
香味がよく高品質なアラビカ種ですが、その分病気や害虫・乾燥・霜など環境の変化に弱く、収穫量も安定しないため栽培が難しい品種とされていました。
そのために産業化・大量生産化のための品種改良や人為的な交配がどんどん進められ、人為的に作られた品種もふくめると200種以上が存在します。
そうやって世界各地にさまざまな品種のアラビカ種が植えられてきたため、現在流通しているものの大半は野生種ではなく栽培種。
数少ない野生種も、気候変動などの影響で育成に適した環境がどんどん消滅しており、最悪の場合全滅する可能性もある、とまでいわれています。
高いところでとれたコーヒー豆ほどおいしい?
アラビカ種は環境の変化にとてもデリケートな分、同じ種でも産地の土壌や気候によって風味にそれぞれの個性が現れるのも魅力です。
そんなコーヒー、あまり知られていませんが「特に高地でとれたほうがおいしい」といわれています。
一日のうちで温度が急に変化する高地では、夜は寒さから体を守ろうとコーヒーの実はぎゅっと身を引き締めます。
それが昼間の熱帯の太陽に暖められてゆるくなる。その収縮の繰り返しにより、甘みが増していくのです。
昼夜の寒暖差の大きい高地ほどその傾向は強くなるので、一般的に、高いところで採れた豆ほど甘みが強く、高品質で薫り高い豆になるのだそうです。
ピースコーヒーは「アラビカ(ティピカ)種」のコーヒーの木から摘み取った豆を使用しています。
アラビカ種の在来種の一種であるティピカ種はアラビカの原種に最も近い品種であり、クリーンでフローラルな澄んだ香り高さと柑橘系の明るい酸味とほのかな甘みが特徴。
「ピースコーヒー」が原種に近い形の豆を提供することができるのは、
東ティモールが「島国」という閉ざされた環境で、他のコーヒーの木との交配が最小限で済んだこと、加えて今にいたるまで目立った産業がなく、大規模な開発がされなかったという背景が可能にしてくれたものです。
「ピースコーヒー」の美味しさは、コーヒーの専門家からもお墨付き!
コーヒーの味を評価するカッピングジャッジ(※1/100点満点)において、80点以上の評価をいただくことができました。世界で流通しているコーヒーの中でもスペシャルティコーヒーと呼ばれる80点以上のコーヒーは少なく、おいしいコーヒーの証です。
「よくここまで美味しくすることができましたね」と専門家からもお墨付きをいただきました。
※1 甘み、酸味、コク、香味など10項目(各10点)について点数をつけて味の評価をする方法
コーヒー豆ができるまで
「ピースコーヒー」製品化までの全ての工程は、NPO法人であるピースウィンズ・ジャパンによって
栽培・収穫・脱穀・袋詰め・輸出まで全ての工程が一貫して管理・指導されています。
日本を母体とする法人の現地指導によって全商品で確かな品質・トレーサビリティが確認されています。
- 1.摘み取り~選別
- 木になった赤いコーヒーの果実を手で摘み、手選別で不純物を除去します。
コーヒーの木は木や枝ごとに熟するタイミングがそれぞれ違うため、真っ赤に完熟したものだけを目で見て選び、一つずつ摘んでいきます。
摘み取り後の果実は生鮮品なので、新鮮な当日のうちに精製します。 - 2.ウォッシュト(選別~脱肉)
- 水に入れて浮き豆(未成熟実)を除去し、皮を剥く機械(パルパー)にコーヒーチェリーを通して脱肉します。
機械から出てきた豆は、果肉がついているため、「ぬめっ」とした状態です。 - 3.ウォッシュト(発酵~水洗)
- パルピングされた豆を36~42時間発酵させます。
水に浸けて一晩おくことで、酵素の働きで果肉が分解され、豆と果肉が離れます。
その後すぐに水洗いで豆を洗い、不純物を手選別で除去、選別します。
この、果肉が離れて豆だけになった状態を「パーチメント(生豆)」と呼ばれます。 - 4.パーチメントの乾燥
- 水で洗われぬめりのなくなったパーチメントを天日でよく乾燥させます。
よく乾かしておかないと輸送の際に痛んだり悪くなったりするため、 水分量が約12%になるまでしっかり乾燥します。 - 5.パーチメントの保管~輸送
- 豆のストレスを減らすため、豆を一時保管して休ませます。
一定量がまとまったら二次加工のため、首都・ディリへおろします。 - 6.ドライミル:脱穀・選別
- 脱穀でサイズを選別し、ハンドピックで欠点豆をはじきます。
50~70人もの女性がその手と目で欠陥豆が混じっていないか、念入りに2回確認してしっかり選別します。 - 7.袋詰め・保管・輸送
- 麻袋は中のパーチメントが湿らないよう、1ヶ月間しっかり天日乾燥させたものを使います。
『グレインプロ』という穀物を保管するためのしっかりとした保管袋にコーヒーを入れて乾燥させた麻袋に入れ、 更に防湿のために壁面を貼ります。コーヒー豆にとって何よりも湿気は大敵なのです。
独立前からたえず東ティモールに寄り添い続ける
「ピースウィンズ・ジャパン」
小国である東ティモールでのコーヒー栽培を支援しているのは「ピースウィンズ・ジャパン」さん。
国内に拠点を持ち、世界13ヶ所以上に海外事務所を持つ大規模なNPOで、現在にいたるまでのべ26ヶ国の災害、救助の支援を行ってきた実績があります。特に災害時の緊急支援を得意としており、大規模な災害の時には、国内外問わず真っ先に駆けつけてプロフェッショナルな人道支援を行ってきました。
熊本での緊急支援活動について
2016年4月14日に熊本県で発生した地震において
「ピースウィンズ・ジャパン」の災害救助犬・レスキューチームが出動、阿蘇村での行方不明者の捜索活動を行いました。現在も、被災者の皆さんが仮設住宅に入られるまでのつなぎの居住環境支援として「ユニットハウス」を設置、運営するなど、熊本県益城町を拠点に支援活動にあたっています。 弊社からも売上の一部を寄付いたしました>>
そんな「ピースウィンズ・ジャパン」が東ティモールの支援を開始したのは1999年。
当初混乱状態であった東ティモールの人々のため、緊急人道支援を行うために当国での活動を開始しました。
破壊された住居の再建や仕事を再開できる環境を整えるも人々の暮らしは中々向上せず、国として生まれたてで自ら立つ方法を知らない、組み立てていく力を持たない東ティモールの現状を見て「彼らが自分たちで産業をつくれるように」との思いで寄り添い、持続可能な発展のため唯一の換金作物であったコーヒーづくりを産業化する支援を開始しました。
そして現地に駐在する日本人スタッフの根気強い指導のもと、恵まれた土壌を活かしようやく誕生したのが「ピースコーヒー」です。
「必要な人に行き渡るフェアなトレードを」
ピースウィンズ・ジャパン 大石さんインタビュー
認定NPO法人ピースウィンズ・ジャパン
フェアトレード部営業主任 大石雅美さん
旅行会社の添乗員として1999年にモンゴルを訪問した際に
ピースウィンズ・ジャパンのマンホールチルドレン支援を目の当たりにし、転職を決意。その前後に丁度東ティモールの騒乱があり、支援の立ち上がりから東ティモールを見つめてこられました。
現在は「ピースコーヒー」の品質・生産管理・営業主任を担当されています。大のカエル好きらしく、弊社のジョンくんも気に入っていただきました^^
―――「ピースコーヒー」について教えていただけますか?
「ピースコーヒーは」東ティモールの地で栽培されていたコーヒー作物に注目し、 現地の自立支援・産業育成の一環として我々ピースウィンズ・ジャパンが開始したフェアトレード・プロジェクトです。
生産者の圃場に実ったコーヒーチェリー(赤い豆)の状態から1杯のコーヒーになるまでのすべての工程 (生産管理、買い取り、運搬、加工、コンテナ詰め、輸出、輸入、卸業、販売業)を 一貫してNPOである我々ピースウィンズ・ジャパンが行っています。
―――全ての行程をしっかりと見ておられるのですね。
そうですね。なので、全ての行程で不明確な部分が全くありません。日本の企業でもここまですべて行っているところはほとんどないのではないでしょうか。
―――日本の有機JAS認証を受けているんですね。
2007年から有機JAS認証をとりはじめ、一部はパッケージにもJASマークを印字しています。
東ティモールの地は今まで大規模な農業が行われていなかったため、農薬を使われたことがなく、完全にオーガニックな土壌なんです。
毎年日本から監査の人にきてもらって、「ピースコーヒー」を作っている圃場で作られた全ての豆はJAS認定を受けています。
―――今まで農薬のかかったことのない土地は世界でもほとんど消えてなくなりつつある中、 それだけでもすごく貴重ですよね。 そしてラベルがないものも実際はすべてオーガニック、有機栽培のフェアトレード商品なんですね。
―――「ピースウィンズ・ジャパン」についてお聞かせてねがえますか。
ピースウィンズ・ジャパン(以下ピースウィンズ)は1996年に設立したNPO(特定非営利活動)団体です。 これまで日本国内を含め世界の約26ヶ国で紛争や災害に対応してきました。
―――対応、とはどのような事をされるのですか。
1つは緊急人道支援です。
難民や住居崩壊・食料不足など、自分たちでは生命の確保や生活の基盤の回復がきわめて難しい状況で、しかも国や国際機関の支援が少ない・機能しない状況があった場合に、調査・情報収集を行った末で必要と判断した場合支援を決定します。
年々増えていく自然災害に対しプロフェッショナルなやり方で人道支援を行っています。
2つめはその次の段階として、復旧・復興から住民の自立に向けての開発支援をしています。
インフラ整備や建設支援、井戸や貯水地などの水資源の確保、また学校の設備や児童保護などの教育支援など...農業や養蚕、養鶏など現地の収入向上の支援や、一から産業を育成することもあります。
3つめは国内活動の実施です。ピースウィンズは日本に本部がある団体で、世界13ヶ所に事務所を構え、各国の事務所と連携をとりあっています。
国内でも様々な活動を実施しており、犬の殺処分ゼロを目指した「ピースワンコ・ジャパン」事業や過疎地域の活性化に向けての活動などに取り組んでいます。
―――国や政府、国際機関の手が届かないところに必要な支援を届けるプロフェッショナルなんですね。その中で東ティモールと関わり、現在のようになったきっかけを教えていただけますか。
まずは東ティモールの簡単な情報を。
東ティモール民主共和国は人口117万人(2013年調べ)、 面積はおよそ14900平方キロメートル...東京、千葉、埼玉、神奈川を合わせた位の面積に、新宿区と世田谷区を合わせたくらいの人数が住んでいるイメージです。
首都はディリという街で、住民はほとんどがキリスト教のカトリック。テトゥン語という言葉が公用語になっています。
―――同じアジアの国なのに、あまり日本では知られていない国ですよね。 2000年頃の独立をめぐる混乱は日本でもニュースになった記憶があります。
ティモール島は1600年頃に東半分をポルトガル、西半分をオランダ領として占領され、それから400年ずっとポルトガルのものでした。今植えられているコーヒーはその時にポルトガルが持ち込んだものとされています。
第二次世界大戦後、世界各国の植民地では独立の気運が高まり、東ティモールもこの影響を受け独立に向けて動き出しましたが その運動はインドネシアによって阻まれました。そこから暗黒の20年が始まります。
一説によると、このときの騒乱で、東ティモール内の4人に1人が命を落としたといわれています。
―――聞くにたえない、と言ってしまいたくなるような歴史です。
インドネシアの苛烈な妨害を受けながらも、国連の立会いのもと、東ティモールは悲願であったポルトガルからの独立を果たしたのですが、その後さらなる混乱がはじまります。
ピースウィンズは当時の東ティモールが自国では収束のつかない混乱した状況にあるとみて、現地の人々のため、独立闘争で騒乱状態にあった東ティモールで緊急人道支援活動を開始しました。
支援がひと段落つき、救援活動が終わって撤退する予定だったのですが、独立したばかりで産業もない、人材もいないというこの国の現状を見て 団体内で相談した結果
「この国が一人で立てるようになるまで、もう少しこの国に寄り添おう」ということになりました。
―――ゼロ、むしろマイナスからのスタートだったんですね。 長年の支配と独立運動での混乱で、常に不安定な状態にあった上、残った人々だけで社会を動かすほどの力はない。
産業のない東ティモールで、唯一換金作物として販売できそうなものが、ポルトガルが持ち込んだコーヒーでした。 東ティモールは先ほども言ったように今まで全く農薬がかかっていない地。 しかもほとんど交配が行われていない原種に近いコーヒー豆が残っていたんです。
―――奇跡的なまでの環境ですよね。その上コーヒー栽培にも適した環境という。
しかし、私たちが支援にあたったレテフォホは山の上。
農業に適した平地がなかったこともあり、「農業」という考え方がまだ根付いていませんでした。
人々は時期がきて山にコーヒーの実が実っていればそれを「採取」して業者に売り、それを1年分の現金収入にして暮らしていました。
彼らは自然のめぐみをそのまま販売していただけなので、もちろん味をどうしよう、美味しく作ろうなどと考えたことはありませんでした。
それでも少しずつ、根気強く指導した結果、こんなに美味しいコーヒーを作ってくれるようになりました。
コーヒーを収穫してから1杯のカップになるまで。
全工程でピースウィンズが見守っているので品質を保ったまま製品としてできあがります。
映っている日本人男性はピースウィンズ・ジャパンの現地スタッフ、永井さんです。
―――生活が豊かになるとはいえ、それまで馴染みのない事を行うのは東ティモールの人々にとっても簡単ではなかったと思います。 ピースウィンズの方々の何年にもわたる指導・支援のたまものだと思います。
―――ピースウィンズさんの尽力によって「ピースコーヒー」は高品質コーヒーとして日本に送り出されています。
私は実はそんなにコーヒー党という訳ではないんですが(笑)、味と香りがそのままふんわりと舌に入ってくるような軽やかさとまろやかさで、美味しさにびっくりするとともに、なんだか心が晴れるような気持ちになりました。 「フェアトレード」「オーガニック」という点はもちろん素晴らしいんですが、 そんなもの抜きにして、ただただ「ものすごく美味しいんだよ!」と宣伝してまわりたいコーヒーです。
ありがとうございます。
不思議なことに私たちのコーヒーは、普段コーヒーを飲み慣れていないお客さまからご好評のお声をいただくことが多いんです。
―――たとえばワインでも、自然農法などで作られたものは ガツン!とくる作られた旨味ではなく、まろやかで繊細で、ぶどうや土地そのものの味わいが楽しめるといいますよね。このコーヒーはそういったものに似ていると思います。
確かに、今までコーヒーが少し苦手だと思っていた方にも是非おすすめしたいです。
―――東ティモール支援と「ピースコーヒー」の今後の課題などはありますか。
生産者組合の成熟度やインフラ整備など、東ティモールの環境が依然整っていない問題があります。
たとえば有機やフェアトレードの認証を受けるためには、「生産者団体自身が生産物の量を計算をしたり、書類を作成してメールで送ること」が条件にあるですが、東ティモールには読み書きや計算ができない人もいる。また、レテフォホには電気もほとんど通っておらず、生産者はロウソクを使って生活しているような状態です。そんな中で認証を取得するというには本当に困難です。
―――こうした産業のない国にこそフェアトレードが必要なのに...
―――ピースウィンズと「ピースコーヒー」、東ティモールの目指す場所を教えてください。
私たちは東ティモールの人々が自分たちの力でコーヒー生産や流通ができるようになり
コーヒー産業が東ティモールに根付けばいいという思いで生産技術指導を行ってきました。
東ティモールという国はずっとどこかの国に属していたため、自分たちの足で立つのに時間がかかっています。
でも、彼らは誇りをもってコーヒー生産に関わっています。
「ピースコーヒー」を通して東ティモールの人々がしっかりとしたものづくりや販売管理をできるようになって、私たちが必要とされなくなり、「もうこの国は大丈夫だ」と私たちが笑顔で東ティモールを去る日。
その日がゴールだと思っています。
―――少し寂しいような気もするけれど、この国が自分たちの足でそのゴールまでたどり着ける日が待ち遠しいですね。本日はありがとうございました。