オーツ麦・オートミール・オーツ麦ミルクの健康効果
~オーツ麦の健康効果を知って積極的に生活に取り入れよう~
「オーツ麦」を知っていますか?
「オーツ麦」は「オート麦」ともいわれ、
ロシアやアメリカ、カナダ、ヨーロッパ諸国などで栽培されている穀物です。
日本ではまだそこまで知名度が高くないものの、世界では
この「オーツ麦」がさまざまな健康効果を持つとして注目され、
広く食されています。
ここでは、オーツ麦やオートミール、オーツ麦ミルクの健康効果と、
毎日の食事にどう取り入れるかについてまとめてみました。
オーツ麦って?
「オーツ麦」という言葉をあんまり聞いたことがなくても、「オートミール」はご存じの方が多いと思います。オートミールは「食物繊維が豊富で健康にいい」としてテレビ番組で取り上げられたり、いろんなメディアで特集が組まれたりなど、今、注目の食材です。日本ではそこまで馴染みがある食材ではありませんが、海外では朝食の定番として古くから親しまれています。
そのオートミールの原材料がオーツ麦。日本名は燕麦(えんばく/えん麦・エン麦)といいます。別名「カラス麦」とも呼ばれるこの穀物はイネ科の植物で、穂の先端がふたつに割れているのがまるで鳥のような形なので、この名前が付いたのだとか。
中央アジアが原産地といわれ、日本に入ってきたのは明治時代ですが、当初は北海道で土壌改良用の作物や馬の飼料として大量に生産され、時代が進むにつれて徐々に食用として製品化されていきました。
オーツ麦の栄養素
オーツ麦は、ビタミンとたんぱく質が豊富で、日本人に不足しがちなカルシウムや鉄分などのミネラルも多く含まれ、非常に栄養バランスがよいといえます。
さらに、じつに白米の約20倍、玄米の約3.5倍もの量の食物繊維が含まれているのも注目ポイントです。食物繊維がこれだけ多いというだけでも健康効果が期待できますが、さらに注目すべきは不溶性食物繊維と水溶性食物繊維がバランスよく含まれていることです。
また、オーツ麦には、小麦に含まれるグルテンというたんぱく質が含まれていません。そのためグルテンフリーの食生活を実践されておられる方や、グルテンが原因で腸に炎症が起こる「セリアック病」の方には非常におすすめです。(ただし、製造過程で小麦が混入することもあるため、製品のグルテンフリー表示やアレルゲン表示などをご確認ください)
オーツ麦の健康効果
腸内細菌のバランスを整える
白米の約20倍、玄米の約3.5倍もの豊富な食物繊維で、便秘を解消し、腸内環境を整えます。
血糖値を低下(低GI食品)
オーツ麦に含まれる水溶性食物繊維のβ-グルカンが消化物の粘度を高め、糖質や脂質の吸収を阻害することにより血中の悪玉コレステロール値や血糖値を低下させるといわれています。
オーツ麦特有のポリフェノールである「アベナンスラミド」が炎症やかゆみを抑え、美肌に導きます。また、血糖値の急上昇を抑えることで中性脂肪が溜まりにくい体になります。
オーツ麦特有のポリフェノールである「アベナンスラミド」は動脈硬化の予防にも役立つ可能性が研究で示されています。
オーツ麦には白米の倍量のたんぱく質が含まれ、効率よくたんぱく質を摂取できるので、アスリートの方も良く食べているそうです。
ノルアドレナリン、セロトニン、メラトニンなどの脳の神経伝達物質をつくるビタミンB群が豊富なので、心身共に健康に過ごせます。
オーツ麦はそのままでは食べられない
オーツ麦は固い皮がついているため、そのままでは食べられません。蒸す、挽き割る、ローラーで平たく伸ばすなどの加工が施されたのが、私たちが日常に目にするオートミールです。加工の度合いによって、ホールオーツ、スティールカットオーツ、ロールドオーツなどに分類され、さらに細かく粉砕し、粉に挽いたもの(オーツ粉)や、粉砕して攪拌し、飲み物にしたもの(オーツミルク)もあります。
オートミールとしていただく
オーツ麦を平べったく加工したオートミール。スーパーなどでよく目にする「シリアル」に見た目が似ているので、そのまま食べられるのかな?とお悩みの方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、加熱処理されたものであればそのまま食べても問題はありません。日本で発売されているものは多くが加熱処理されてプレスされたものです。たとえば「ロールドオーツ」「クイックオーツ」「インスタントオーツ」など。
ただし、そのまま食べると味が独特で続けにくいかもしれませんので、食べるときには少し工夫をしたほうが食べやすいです。
おすすめの食べ方
- スープやお味噌汁に入れて
- できあがったスープや味噌汁にオートミールを入れるだけの簡単レシピ。コーンスープやワカメスープ、なんでもOK!
- ヨーグルトに混ぜたりフルーツを添えて
- ヨーグルトにオートミールを浸してからフルーツをカットします。ヨーグルトでオートミールがふやけて食べやすくなります。
- 牛乳や豆乳、植物性ミルクに浸して
- オートミールを器に入れて、ヒタヒタになるくらい牛乳や豆乳などを入れて10分ほど待ちましょう。はちみつなどで甘みをつけるとさらに食べやすくなります。
- オートミールごはん(米化)として
- オートミールを水に浸し、電子レンジあるいは鍋で加熱するだけ。おにぎりやチャーハンにもでき、主食としていろいろ活用できるレシピです。
- グラノーラとして
- 基本的には、オートミール:オイル:甘味料を4:1:1くらいの割合で混ぜて焼き、お好みでナッツやフルーツを混ぜます。
- お菓子作りの材料として
- クッキーやスコーンなどのお菓子作りの材料としてもおいしくお召し上がりいただけます。
最近人気の「オーバーナイトオーツ」
夜、眠る前にオートミールを牛乳などに浸しておいて翌朝食べる「オーバーナイトオーツ」が今、人気だそう。眠っている間にしっかりと水分を吸ってくれるので、いざ食べるときにやわらかくて食べやすく、しかも朝の時短にもなります。
朝は、その日1日の活力を養うため、しっかりと栄養を摂りたいもの。なかでも糖質やタンパク質、ビタミンをきちんと摂ることが大事です。
オーバーナイトオーツはこれらの栄養素が豊富。ドライフルーツやナッツ、冷凍のフルーツを使えばフルーツをカットする時間も不要なので、すぐに食べられますね。
植物性ミルクとしていただく
牛乳、豆乳に続く「第3のミルク」として様々なメーカーから発売されている植物性ミルク。
植物性ミルクとは、豆やナッツ、穀物など植物性の材料から作られるミルクのことで、さまざまな種類がありますが、どれもヘルシーで栄養価が高いことで、今世界中で注目されている飲み物です。牛乳アレルギーや乳糖不耐症の方、宗教上、健康上の理由にかかわらず、ヴィーガンの方やプラントベースの食事を実践している方にも人気です。
植物性ミルクは体にいいと聞くけれど、「おいしくない」「クセがある」というイメージがありませんか?たしかにものによっては、クセがある味が気になるものもあります。でもその「クセ」がおいしいと思う方がいるのも事実。結局のところ、口にするものはなんでもそうですが個人の好みということですね。
日本人の好みに合いやすい「オーツミルク」
「そうはいっても、やっぱり植物性ミルクは飲みづらい……」という方におすすめなのが、オーツ麦ミルクです。オーツ麦ミルクはクセがなくて飲みやすいうえに、オーツ麦由来の健康効果が満載で暮らしに取り入れやすいので、非常におすすめです。そのまま飲むのはもちろん、カフェラテのミルクとして使ったり、朝食にグラノーラにかけたり、お料理やお菓子作りにも使いやすいとして今人気を集めています。
健康にも環境にもやさしいオーツミルク
オーツ麦ミルクは製造工程において、牛乳と比較して二酸化炭素の生成が少量であり、かつ、乳牛からのメタンも発生されません。製造工程で使う水の量も、牛乳の1/15、アーモンドミルクの1/8といわれており、環境負荷の軽減も期待できる飲料です。
オーツ麦は積極的に暮らしに取り入れたい食材
たくさんの健康効果をもち、栄養バランスにもすぐれたオーツ麦。オートミールはご紹介したもののほかにもいろんな食べ方があり、自由度が高いので、ご自身で好きなレシピを考えてみるのも楽しいですね。
オートミールがどうしても苦手、という方はまずはオーツミルクを試してみてはいかがでしょうか。
オーツ麦を積極的に生活に取り入れて、健康的な毎日を過ごしましょう!