九州・佐賀の天然醸造 創業明治34年 丸秀醤油の味噌・醤油
厳選した自然素材を天然醸造製法で 丸秀醤油の本物の味
一世紀を経て今なお熱意で造り続ける 二年醸造の自然一醤油
情熱で実現した キヌアシリーズ&十穀味噌
新感覚!十穀味噌フレーク
自然であること、本物であることを100年かけて追求し続けた九州・佐賀県の丸秀醤油
五代目秀島社長の情熱は天然醸造製法を生かし続けるだけではなく、
自然栽培のキヌアを使った醤油・味噌・酢・ポン酢・だし醤油を生み出し
古代米と雑穀を十種類使った味噌を完成させました。
さらに、ふりかけて使う新感覚 十穀味噌シーズニングMISOFULをプロデュース!
話題沸騰!様々なメディアで注目のミソフル
十穀味噌シーズニング MISOFUL
国産の10種類の雑穀で作ったお味噌『十穀味噌』を乾燥し、カリッと香ばしいカリカリフレークと粉末のふりかけ状に仕上げました。
雑穀を、味噌を、まるごと摂取できる、新しいタイプの調味料です。
粗引きタイプ | 粉末タイプ |
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味噌なのにサッとひとふり?! スイーツのトッピングにも?!
粉末タイプは野菜炒めやチャーハンなどに隠し味で使うと、味がグーッと広がります。炒め物や蒸し野菜などの仕上げや隠し味のほか、マヨネーズに混ぜてちょっとおしゃれな味噌風味のアレンジソースに、オリーブオイルを絡めたパスタに振りかけるだけでも味噌風味の美味しいパスタができあがります。
粗引きタイプはカリカリの食感が特徴、ポタージュやサラダのトッピングにも様々にお使いいただけます。そのまま炊きたてご飯にかけるとご飯が進む!ふりかけに。ぱらぱらかける物が大好きなお子さんにも安心してお召し上がりいただけて、お手軽に栄養豊富な雑穀摂取。一押しは意外性抜群のアイスのトッピングです。カリカリ楽しい食感とほのかな味噌の風味をお楽しみください。粉末タイプと粗挽きタイプの2種類があり、味付けに、隠し味に、トッピングに、アイデア次第。さまざまにお楽しみください。
妥協せず手間隙かけた十穀味噌が原料
通常の味噌より約10%塩分をカットして、国産雑穀と長崎の五島のお塩だけで作った十穀味噌を原料に使用しています。
上手に使って塩分カット、でも旨みはたっぷり、愛情料理の味方です。
大豆 | 大麦 | 硬米 | 緑豆 | ひえ |
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黒米 | 赤米 | 緑米 | あわ | はと麦 |
2012年8月1日朝日新聞 |
粗挽きタイプと粉末タイプの2種類
それぞれに違った用途で、和食以外にも中華風や洋風料理などに幅広くお使いいただけます。
サッと一振りのおいしいさと楽しさを食卓のお供にいかがでしょうか。
粗挽きタイプ | 粉末タイプ | ||
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グラノーラのような見た目とカリカリとした食感を残していますので、料理のトッピングやクルトンの代わりとしてお使いいただけます。またスープなどに使うと見た目の楽しさにくわえ、時間とともに徐々に溶け、味の変化も楽しむことができます。もちろんそのままふりかけとしてもお使いいただけます。子どもも大人も大好きなご飯のお供に! |
溶かす必要がなくすぐにみそ味を再現でき、しかも野菜から水分が出ても水っぽくならずに味の調整ができます。炒め物にも簡単にみそ味を楽しめます。塩やこしょうをふる感覚でいろいろな料理にサッとひとふりしてください。味付けの主役としてはもちろん、アクセントとして、旨味をプラスし香りを広げる隠し味としてお役立てください! |
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スープにカリカリの食感をプラス | サラダにふりかけて | お野菜に揉み込んで | ミソフル&オイルを添えて |
クリーミィーなコーンポタージュにトッピング。カリカリとした食感を楽しんだ後、よく混ぜるとゆっくりと溶けていくミソフルの香りとコク、時間の経過とともに様々な味わいが楽しめます。いろいろなスープでお試しください。 |
人気のシーザーサラダにトッピングして盛りつけも華やかに。お口の中ではお野菜と一緒にザクザクっとした新鮮食感。ドレッシングに溶けるとミソフルの香ばしさとアクセントのある味わいがいきわたります。新感覚サラダをお楽しみください。 |
写真はキャベツの揉み合えです。食卓にもう一品欲しいときに冷蔵庫にあるお野菜とミソフルを揉み込むだけで味噌風味の簡単箸休めができあがります。素材やお野菜の切り方によってもかわる風味や旨味のバリエーションもお楽しみください。 |
シンプルな焼き野菜にミソフルとオイルでいつもとはひと味違うソースを。ミソフルのコクと香ばしさはオイルともよく合い、シンプルな野菜の味を引き立たせるジャパニーズソースになります。 |
米・麦・大豆にアレルギーをお持ちの方でも安心 キヌアシリーズ
しょうゆ みそ 酢 ぽん酢
農薬や肥料を使わずに栽培されたキヌアを発芽させ、ギャバを増加させて使用しました。
丸秀醤油のキヌアみそ・キヌアしょうゆは、自然栽培されたキヌアと、長崎県五島のお塩のみで作ります。キヌアシリーズは米・麦・大豆は一切使用していません。
キヌアしょうゆ | キヌアみそ | キヌア酢 | キヌアぽん酢 |
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母なる穀物キヌア
標高3,500~4,000メートルの南米アンデスで、数千年も前から栽培されている「キヌア」は、ホウレンソウと同じアカザ科の穀物です。原産地はアンデス山脈の標高およそ3,800mにあるペルーとボリビアにまたがる淡水湖、チチカカ湖周辺といわれています。必須アミノ酸をはじめ、食物繊維やカルシウム・鉄分・マグネシウムなどのミネラルやビタミンが豊富で、高い栄養価を持つことからアンデスでは「母なる穀物」と呼ばれています。また、含まれている脂質はほとんど不飽和脂肪酸です。不飽和脂肪酸は健康効果が期待されているものの酸化しやすいのが難点ですが、キヌアにはビタミンEが含まれていることでその酸化を防ぎ、良質の不飽和脂肪酸をとることが出来るとも言われています。その栄養価の高さからアメリカ航空宇宙局(NASA)が宇宙食として注目し、21世紀の主要な食物になるとしたことで話題にもなったそうです。
さらに、大豆・米・麦・そば・とうもろこしなどのアレルギーでお悩みの方々にも安心してお使いいただける食品として、フランス・イタリア・ドイツをはじめとするヨーロッパやアメリカでは、すでにパンやパスタの原料として利用され、健康食として高く評価されています。近年ではタンパク質が多く低カロリーであることからハリウッドのセレブリティの間でもダイエットにとり入れられています。
キヌアの特徴
瓶詰めは他の製品と同じラインを使っていますが、毎回徹底洗浄して使用します。
水溶性食物繊維、良質繊維が豊富でビタミンE、鉄分、カルシウムも豊富。アミノ酸組成のバランスがとれていると言われています。
キヌアには様々な効果が期待されます。
丸秀醤油 秀島社長とキヌアの出会い
平成6年、「体に安全な食品の普及」を目的に、秀島社長は『自然一』という名の協同組合を立ち上げました。その時、メンバーの一人が友人から紹介されたのがキヌアでした。栄養価に優れた点などに着目し、10トンのキヌアをペルーから輸入し、味噌や醤油の原料としてはもちろん、パンやパスタ、おかゆやコロッケなどに活用できないか、試作研究を重ねました。
そして、ある程度製品化のメドはたったのですが、残念ながら当時の日本での認知度の低さと販売力不足から広めることができず、その時は販売を断念せざるをえませんでした。後にイネ科や大豆等にアレルギーのお子さんをもつご父兄や、アレルギーの治療に献身されていた地元薬局の方とのご縁で、やっと商品化が実現し、皆さまにご利用いただけるようになりました。
丸秀醤油のキヌアみそ・キヌアしょうゆは、富士山よりも高地のほとんど不毛の地で農薬を使わずに栽培されたキヌアと、長崎県の五島でつくられたお塩のみで作られています。キヌアシリーズでは米・麦・大豆は一切使用していません。
たくさんの方に知っていただきたいキヌアシリーズ
秀島社長がよく口にするのが、「自分たちの力不足で、このシリーズが届くべきところに届いていないんじゃないか、アレルギーがあるから、としょうがなく塩やコショウだけで味付けをせざるを得ない方がいらっしゃるのではないかと思うと、悔しくてしょうがないんです。」ということです。キヌアシリーズはアレルギーのお子さんをお持ちのお母様との出会いがあり、製品化を実現することが出来たにもかかわらず、求められている方に情報すらお届け出来ていない事にふがいなさを感じているそうです。大豆アレルギーがあってもお醤油やお味噌を使ってあたたかな家庭料理を楽しんで欲しい、だからこそたくさんの方にキヌアシリーズの存在を知って欲しいと社長は言います。
選び抜いたキヌアだけがキヌアシリーズの原料になります
数種の選別、磨きの行程をクリアしたキヌアを発芽させ、ギャバを増加させた上で丁寧に仕込みます。
金属探知器粒選別風力選別金属探知器ストンナー風力選別磨き色彩選別磁力選別
粒選別 | 選別 | 研磨 | 原料に |
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余分なものや汚れを除去し、粒の大きさをそろえ、良質の原料を選別します。 |
埃などを除去した後で、比重や風力を使って粒の大きさと重さを揃え選別を繰り返し、より重い不純物を除去していきます。 |
数種の選別の行程を経て汚れや不純物等を除去し、吟味された原料を何度も研磨して磨きあげます。 |
様々な選別と研磨の行程を経てやっと原料としての準備が完了します。 |
10の選別行程をクリアしたキヌア |
発芽させてギャバを増加させます |
キヌア麹を手入れしている様子 |
完成したキヌア麹(こうじ) |
蒸したキヌア自体に麹菌(こうじきん)を接種し、菌糸の伸びぐあいや発熱の状態を見守りながら、3日間かけて大切に麹菌を育てていきます。
キヌアに直接麹をつけられるのは 丸秀醤油ならではの技。菌が発育する過程で蓄えられる酵素が、味噌や醤油造りに大切な役割を果たします。
キヌア酢とぽん酢発売のニュースが当時の新聞に掲載されました。
2009年2月4日地元の佐賀新聞に掲載されました。 | 2009年2月13日 朝日新聞に掲載されました。 |
弊社スタッフも愛用しています
スタッフA 妊娠/出産を機に雑穀調味料に目覚め愛用歴5年
キヌアみそ・キヌアしょうゆ・キヌア酢
あわ味噌・ひえ味噌は子どもも大好き♪
今でこそ、ゆるいベジタリアンな生活が板についていますが、最初は何もわかりません。植物性のタンパク源というと、気づくと大豆製品ばかりになっていました。
豆腐に納豆、テンペ、豆乳、味噌、醤油。これでは栄養も偏るし、子どもが大豆アレルギーになってしまうかも。
さすがに心配になり、植物性タンパク源であり、栄養価の高い食品のなかでも、日本人に向いているという噂の雑穀に注目。さらに、成長途上で消化力のついていない子どもでも、負担にならない、雑穀みそという最強の存在に気づきます。
雑穀味噌なんて素晴らしい! みそ汁は日本人の食の基本だし、栄養たっぷりで発酵してるなら、プラスしかないじゃない。味つけのバリエーションも増えるし言うことなし!と思い、単品の雑穀みそをいろいろ購入しました。
いざ買ってみると、あまりに美味しいのではまってしまい、以降ずっとリピートしています。今では二人に増えた5歳と1歳の子どもも、二人とも大好きです。
キヌアみそ
あわ味噌、ひえ味噌よりも塩気のある茶色いみそ。キヌアはタンパク源として優秀なので、まさに大豆のみそのような感じで、汁ものに使用しています。色がついてもかまわないものなら、ひと味足したいときに使うこともあります。
キヌアしょうゆ
子どもができてから、醤油の登場頻度が上がったので、味付けのバリエーションを増やそうと思って購入しました。醤油を入れたい局面で代わりに使うと、おもむきの違う味になって、おいしいですよ。また、ひと味足りない時に、醤油だと色がつきすぎる時に、色が薄いので、重宝します。
たっぷり入っているので、放っておくと、醤油のように、劣化します。冷蔵庫に入れるのがおすすめです。
キヌア酢
ちゃんと酸っぱいお酢です。大人はいいのですが、子どもはそのままではきついです。甘みと一緒にご使用になるぶんには問題ないと思います。
あわ味噌・ひえ味噌
あわ味噌、ひえ味噌共に、白みそのような白い色です。両方とも甘いので、甘味を足さずに、そのまま田楽等にも使えます。我が家では甘みの強いリンゴ酢を使用するので、リンゴ酢+あわ味噌かひえ味噌で、甘酸っぱい味付けをする時の、基本調味料になります。
甘味料のかわりに、あらゆるものの味つけに、少量使うことも。旨みがあるので隠し味になりますし、野菜の味をじゅうぶんに引き出したところに加えると、出しをとる必要がなくなります。
もちろん大豆の白みそも、同じように料理に使えるのですが、大豆製品は何かと摂取しているので、大豆以外の味噌があるだけで、食品数を増やせるのでとても助かっています。
ベジタリアン食をつくるようになってから、塩は数種類常備していますが、味噌も然りです。お高いものではありませんから、どちらも買って、そのときの味気分で、使ってみることをおすすめします。
子どもはどちらも大好きだと思いますよ!
おいしくて現代人に必要な栄養成分がたっぷり 十穀味噌
十穀味噌
国産の十種類の雑穀と長崎県五島のお塩だけで丁寧に仕込みます。
一般的なお味噌よりも10%の減塩味噌、独自の技術でそれぞれに麹をつけて発酵させているとても貴重なお味噌です。
姉妹品 | ||
十穀味噌 | あわ味噌 | ひえ味噌 |
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原料は十種類の国産雑穀
いろいろな定義がありますが、一般的に雑穀とは白米と小麦以外の穀類とされています。乾燥地や高地・やせた土地でもよく生育する生命力を持ち、保存性もよいのでいろいろな国で原始時代から栽培され、日本では縄文時代の遺跡に栽培跡が見つかっており、起源前3000年よりも前から栽培されているそうです。それぞれの雑穀に特徴があり、人間に必要なビタミン・ミネラル・アミノ酸・繊維質が豊富で、近年では雑穀のブームによりメディアでもたびたび取り上げられてその健康効果が注目されています。雑穀は身体の活を高め、体を中からキレイにしてくれます。
国内産、できるだけ地元の佐賀県産の原料を選りすぐり、天然醸造を百年以上守り続けて来た丸秀醤油が、皆様の健康を願って約10%減塩で十穀味噌をつくりました。雑穀がそれぞれに発酵し生み出すアミノ酸の旨みのハーモニーをお楽しみください。緑米・赤米は、安心安全の食卓を願い農業を続ける吉野ヶ里の大隈さんのものです。
栄養豊富な十穀味噌の十種の雑穀
大豆 佐賀県産 |
緑豆 佐賀・宮崎県産 |
大麦 福岡県産 |
はと麦 岡山県産 |
粟(アワ) 長崎県産 |
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良質のたんぱく質、サポニン、レシチン、イソフラボン、リノール酸などが含まれています。体を中からキレイにする効果があります。 | たんぱく質、脂質を多く含みます。中国では、体をリフレッシュする和漢としても使われています。サポニンやイソフラボンも含まれています。 | 食物繊維が白米の20倍も含まれ、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がバランスよく含まれています。必須アミノ酸が豊富です。 | 古くから薬膳料理に使われ、美容のコンディションを高める目的でよく使われてきました。 | たんぱく質、ミネラル、ビタミンB群などが豊富。特に鉄分が多く含まれています。女性の悩みに良いとされ中国ではよくおかゆなどで食べられているそうです。 |
粳米 佐賀・福岡県産h |
黒米 佐賀県産 |
緑米 佐賀県産 |
赤米 佐賀県産 |
稗(ヒエ) 岩手県産 |
炭水化物、タンパク質、ビタミンB群を多く含み、カルシウムも含まれています。もちもちとした食感と甘味が特徴的です。 | ポリフェノールの一種のアントシアニン色素が多く含まれています。健康と美容に効果があるといわれています。 | クロロフィル色素と亜鉛、マグネシウム、豊富な繊維が含まれています。身体環境を整える働きを活発にしてくれるといわれています。 | 赤ワインにも含まれる赤色系色素のタンニンが含まれ、ビタミンB1、B27鉄分、ミネラルが多く含まれています。体をイキイキさせる働きがあるといわれています。 | たんぱく質、ビタミン、食物繊維のほか、不飽和脂肪酸を多く含みます。身体を活性化するといわれています。 |
雑穀自体に麹をつける 丸秀醤油独自の匠の技
仕込みは米類の黒米・緑米・赤米・粳米、麦類の大麦・ハトムギ、小粒の雑穀の粟(アワ)と稗(ヒエ)の三種類に分けて麹をつけます。三種類それぞれに温度と湿度と酸素を管理し充分に育てます。粟、稗に麹を培養する作業は昔ながらの室蓋式せいろ(※)で完全手作業のため、手間も時間も三倍、気配りはそれ以上にかかりますが、それぞれの麹の育ち具合を職人が見極め手入れをして大切に麹菌を育てます。3種類の麹ができあがると豆類の大豆と緑豆を蒸して軽くつぶして、長崎県の五島のお塩と混ぜ込んで仕込み、発酵熟成させます。雑穀自体に麹菌をつけるのは、丸秀醤油独自の匠の技。一般的な雑穀味噌はベースの味噌をつくり熟成させるときに雑穀を混ぜる方法が主流ですが、 丸秀醤油の十穀味噌は雑穀自体に麹菌をつけるためアミノ酸が豊富で、味の深みがひと味もふた味も違います。
※室蓋式せいろ…昔ながらの木箱の蒸し器のこと
丸秀醤油の原点 自然一シリーズ
伝統の天然醸造でつくる、安心安全の醤油、味噌、味噌だれ
自然一醤油 | 自然一米味噌 | 自然一麦味噌 | 自然一味噌だれ |
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天然醸造に確信をもって継承する 丸秀醤油
丸秀醤油は創業明治三十四年、それ以来一世紀をまたいで伝統の天然醸造法で醤油・味噌造りを行ってきました。しかし一切の迷いが無くここまで来たわけではありません。一度は蔵元の引っ越しの際、今では一般的な醤油の製造法である温醸方式を導入するかどうかでの岐路がありました。そしてもう一つ、中国から原料を輸入しコストダウンをはかるかどうかの岐路がありました。当時、大手メーカーは、温醸方式と中国など海外からの安い原料をつかい、どんどん安い醤油を売り出しているときでした。二つの大きな岐路での決断に影響を与えたのは、醤油造りの師匠からの「これまで通りの天然醸造がいいですよ」というナチュラルだけど重みのある言葉でした。現社長は、伝統を守り続けることではなく、変化しないことにこのままでいいのかと考えることもあったそうですが、自分自身が自然一醤油で食べる刺身のうまさを再確認し、お客様から頂く「香りがまったく違う」「旨みが深い」などのたくさんの声に少しずつ手応えを感じ、手間と時間とコストはかかるけれどこの伝統の天然醸造法に確信を持ち、続けていくことを固く心に誓ったそうです。
丸秀醤油 秀島社長
醤油造りは戦後の技術開発で、短い期間で諸味(もろみ)を発酵、熟成させる温醸方式が主流になってしまいました。
丸秀醤油は、ちょっと時代遅れの醤油屋かもしれませんが、天然醸造の味と香りのすばらしさに魅了され、これまでの百年も、そしてこれからも、時間の経つのをひたすら待って、伝統の日本醤油の製法を守り続けていきたいと思っています。
二年間かけてゆっくり醸造する自然一醤油
丸秀醤油は、微生物の自然の営みや、時間の偉大さをよく知っている会社です。発酵や醸造の世界には、人智や科学ではとても及ばない事があまりにも多く存在していることを、体験させられるそうです。
職人は麹菌(こうじきん)が最も喜んでくれる大豆に蒸し上げ、小麦を上手に炒る。温度や湿度を調節して快適な環境を提供し、子どもを育てるように麹菌の育ち具合に気を付けながら、世話をしていきます。その結果、麹菌がびっしりと繁殖し、自慢したくなるような、とてもいい麹(こうじ)が出来上がるのだそうです。最初の工程の麹づくりから、充分熟成を済ませ、皆さまのご家庭にお届けできるようになるまで二年の歳月がかかります。
自然一醤油ができるまで
1.原料の仕込み
自然一醤油は、雄大に広がる豊かな佐賀平野で穫れたシロガネ小麦を炒ることからはじめます。炒りすぎると焦げてしまい、炒り方が少しでも不足すると、諸味(もろみ)になってから酸味が出てきてしまいます。小麦の炒り方一つで、香りや甘みが左右されてしまうので、上手に炒り上げるために火加減の調節に気を遣います。
大豆と小麦は、ほぼ同量使います。大豆は非遺伝子組み換えのカナダ産大豆を使っています。
麹菌の生育の良し悪しに一番大きく影響するのが、大豆の蒸し加減です。蒸し釜に蒸気を吹き込み、しばらくして釜から出てくる蒸気の色が、透明から白に、そして白色の蒸気が、職人にとって紫色に感じる瞬間があります。この時が蒸しの始まりです。そして蒸気が、栗の香りに変わった時が蒸しの終了です。
大豆の育った土壌の性質や、収穫してからの日数、当日の天候によって、蒸しの時間を微妙に変え、麹菌が一番喜んでくれる蒸し上がりを目指します。大豆と小麦の使用量が同じであることを「等量仕込み」といいます。JAS規格の等級を上げるために大豆の配合比率を多くする醸造元もあるそうですが、丸秀醤油ではあくまでも、旨味と甘味のバランスのとれた、おいしさ本位の等量仕込みです。
佐賀平野で収穫されるシロガネ小麦 |
火加減に注意しながら炒っていきます。 |
上手に炒れた小麦はポンとはじけて綿の花のように麦の花が咲きます。 |
白い蒸気がちょっと紫色に変わった時が、蒸しのスタートの合図です。見逃さないように注意します。栗の香りがしてきた時が蒸しの終わりの合図です。 |
選別された粒ぞろいの丸大豆 |
2.麹作り
炒った小麦と蒸し上がった大豆に、種麹菌を混ぜ麹菌を繁殖させていく作業を、製麹(せいきく)といいます。3日~4日かけて、温度や湿度、空気量(酸素量)を調節できる密閉した部屋の中で麹菌を育てていきます。昔はこの部屋のことを室(ムロ)と呼んでいました。微妙に変化していく香りや菌糸の伸びぐあい、繁殖する時に出す発熱の力強さなどを注意深く観察しながら、温度や湿度、風量をコントロールします。麹菌が窒息してしまわないように、タイミングをみて手入れを行ない、熱を逃がしてやったり、菌糸をほぐして風通しをよくしてやったりします。子育てするような気持ちで、小さな変化を見落とさない観察力と、愛情と、永年積み重ねてきた麹造りの勘が必要です。麹菌が伸び伸びと育っていくのをただただ願いながらの作業です。
満足に育ってくれた麹は、緑色が深く、びっしりと分厚く、麹菌が原料の回りに貼りついていて、ビロードのような光沢を放っています。丸秀醤油の麹は全国でも3本の指に入ると自負できるほど、りっぱな麹に仕上がっているそうです。
麹菌の発熱具合や菌糸の伸び具合をみながら手入れのタイミングを決めていきます。 |
光沢のあるビロードのような最高の麹菌に |
できあがった麹を製麹装置から出す時は、無数の胞子が舞い上がり、麹を造る部屋の中はまるで緑の霧がかかったようになります。 |
3.発酵から熟成へ
ミネラルたっぷりの天日塩を溶かしこんだ仕込水で、自慢の麹を仕込みます。発酵初期の段階では、自然の中に存在している乳酸菌が、仕込タンクの中に飛び込んできて増殖し、酵母が暮らしやすい環境をつくってくれます。住みやすい環境が整うと、どこからともなく天然酵母が住みついて本格的な発酵が始まります。丸秀醤油では、特別に乳酸菌や酵母菌を添加するというようなことは一切していません。それぞれのタンクごとに発酵の具合をみながら、時々空気を吹き込んでやったり、攪拌してやったりして気長に熟成を待ちます。諸味の中では、麹菌により蓄えられた酵素の力によって、小麦中のデンプンがブドウ糖に分解され、甘みへと変わり、大豆中のタンパク質がアミノ酸に分解され、旨みへと変化していきます。これらの分解物に多くの微生物がかかわりあいながら、複雑な味や300種以上の香り成分が作り出されていきます。
諸味タンクに耳をすますと聞こえてくる、プツプツという音の彼方には、人間がとてもかなわない自然の営みが感じられます。職人にできることは、醤油造りの主役である微生物が活躍しやすい環境づくりを側面から手伝いをしてあげることだけなのです。
約二年の歳月を経て作り出された醤油の香り成分には、バラやヒヤシンス、バニラなどの花の香り、桃やパイナップル、りんごなどの果物の香り、他にもウイスキーや清酒の香り、コーヒー、ハムなどと同じ香りの成分も含まれています。自然のままに発酵、熟成させた古来からの製法、天然醸造醤油が料理の素材の持ち味と相乗効果を起こし、グーンと料理の味を引き立ててくれます。
自然一醤油に使われている長崎県の五島のお塩 |
この部屋は諸味がゆっくり眠るゆりかごです |
諸味の中の微生物の働きはもう幽玄微妙としかいいようがありません |
4.完熟諸味を絞り製品へ
熟成が終わった諸味は少しずつ、フロシキにつつみ、一枚一枚丁寧に積み重ねていきます(船掛け)。包み終わった諸味は、自然に垂れ終わるまで一晩置いてから、圧搾機を使って搾り切ります。こうして搾られて出てきた、生の醤油を生揚(きあげ)と呼んでいます。香りたつ、とてもおいしい醤油です。
生揚の中には、まだたくさんの菌が生きていますので、できるだけこのすばらしい香りを逃してしまわないよう注意しながら、瓶詰めのための火入れ殺菌を行い、冷えたら濾過して容器に充填されます。
舟掛け 完熟した諸味を生揚と粕とに分ける作業です。 |
絞り |
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諸味を包むフロシキ |
たった9Lずつフロシキに入れていく丁寧な作業が続きます。 |
一雫、一雫 布で漉されて生揚(きあげ)がしみでてきます。 |
弊社代表の中川が丸秀醤油 秀島社長にお話を伺いました。
-
丸秀醤油さんではキヌアの製品を日本でブームになる前から取り組まれていたそうですが、よく着目されましたね。
- 平成6年に体にいいものをもっと市場に広げようと仲間4人で「自然一」という組合を作ったんです。輸入をやっているのが一人いて、その人の高校時代の友達が、アルゼンチンで養蜂業をやっていました。その方から、「今、欧米では『キヌア』という栄養価の高い穀物が注目されている」と情報がありました。日本ではまだ知られていないから、日本に紹介したらどうかとお話をいただいたんです。それで10トン、キヌアを輸入して、「味噌・醤油にも使えないだろうか」と。非常に栄養価が高いという切り口で様々な製品の試作もやっていたんですが、まだ市場がそういったものを全然欲しがってなくて。結局、中断せざるをえませんでした。
キヌアが欧米で注目されたというのは、実は、世界の三大健康村の一つに、南米アンデスの峡谷にビルカバンバという村があって、医療も発達していないような村なのになんでだ、ということで研究者が入ったところ、どうも主食にこのキヌアを食べているのが主な原因らしいということになって、NASAが宇宙食として研究を始めたんですよね。
そうでしたね。
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秀島社長と代表の中川
そのあと、平成12年頃に「アレルギーで非常に困っている子供たちが増えてきたから、大豆・小麦を使わない味噌・醤油を作ってくれ」という依頼があったんです。ただ、実際にやるということになると、相当な設備投資も覚悟しなければいけないんです。都会ではそういうアレルギー対応商品も結構出だしたという噂だけは聞いていましたけど、果して佐賀辺りで市場性がどれだけあるのか全然分からなくて。だから非常に逡巡していたんですよね。
そのときに佐賀県のほうから「創造技術開発研究」という補助事業があるから、これを使わないかとお話を頂きました。それでもかなりの金額が必要だったんですが、「どうしようか、どうしようか」と思っているときに、佐賀市内に住むお医者さんのお子さんが幼稚園でいじめにあって苦しんでいるという、奥さまからお話を聞いたんです。その理由が、実はアレルギーだったんです。「幼稚園で自分の子供だけがアレルギーで給食を食べられないから、弁当を持たせている」と。ところが、弁当を持たせているもんだから、みんながうらやましがるというんです。
目立ちますもんね。
- それでいじめにあうものだから、「ただでさえおいしいものを食べられない子が、ほかの子がもう『かわいそうに。この子はかわいそうだなあ』っていう哀れみの情を持つような、見るからに誰も欲しがらないような弁当しか持たせられないんです。」という話を聞いたんですよ。このお話を聞いて、「えいやー!」という気持ちでした。義侠心を出して、そういう人たちのために役に立つんだったら、とにかく船出してみようということで、新たに設備を作ってやり始めたんです。
とはいえ、そんなにすぐ売れるもんでもないし、健康食品販売などで顧客をお持ちのところに少しずつ広げているという状況です。でもそれぐらいの広報活動にもかかわらず毎年必ず伸びているんですよ。学校給食でも、北九州や静岡、仙台とか、あの辺ではかなり関心を持たれて、アレルギーを持つ子どもたちのための給食を作るというような動きも出てきています。そういう栄養士さんたちのグループもあります。どこかが本気でやり出すと、もう全国的にパッと認識が広がっていくような、そうなれば私たちもやった甲斐があったなあという、報われるなあという気がするんですけどね。
少しずつ色々な方に知って頂いて、最近ではおじいさんとおばあさんが「孫のために」と言って買いに来られます。海外に送られる方もいらっしゃるようです。
キヌア製品、十穀味噌を製品化されていますが、雑穀に麹菌を培養させるというのは思うよういかれたんでしょうか。
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戦後、いろんな原料が配給の時代があったんですよ、原料がなくて。そのころ代用原料っていって、粟やコーリャン(モロコシ)みたいな、ああいったキビなんかを使って醤油を作っていたんです。その経験はある意味ありがたかったですね、今振り返ると。粟やキビは精白をしていない原料を使うので、麹菌の菌糸がなかなか中に入っていかないんです。だから通常の麹作り以上にその点はちょっと難しいと言えば難しいと言えるかもしれません。
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確かに当時はいろいろなものが代替原料だったんですよね。
- だから、今の近代的なお醤油屋さんたちには多分、そういった技術は伝わってないでしょうけど、われわれみたいに小さな会社はおやじから私へ、それから醤油の職人さんたちから伝えてもらっていたんです。雑穀での醤油、味噌造りを知っていたんで、キヌアシリーズも十穀味噌もこうやればいいんじゃないかということでやっていったんです。
- なるほど、その頃の経験が語り継がれていたんですね。初めての取り組みだったけれども、受け継がれた経験をうまく使っていかれたということですね。
確かに全くの暗中模索ではなかったですね。多分こうすればこうなるだというというふうな。
雑穀の焼酎なんかも、「そういやあ、配給制のとき、それで焼酎作ったな」みたいなのもあったかもしれないね。それは大手には無理でしょうね。
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見学させて頂きました。
雑穀を麹にしてお味噌にしたわけじゃないメーカーもあるんですね。
- すべてではないでしょうが、米麹とか麦麹を作って、そして大豆を蒸して、塩と混ぜると味噌になります。だから、蒸した雑穀をそのときに、米麹・麦麹と一緒に混ぜるところは多いようです。うちはその雑穀にもきちんと麹菌をつけていますから、私たちもびっくりするぐらい旨みがでるんです。
旨味が全然違うんですね。
全然、調味料等添加しなくても旨みがあります。アミノ酸がしっかり出ています。
重要なポイントですね。
それともう一つ。黒米・赤米・緑米とうるち米で麹をつけます。
米系ですね。
米系ですね。米系と小粒系、粟・稗ですかね。それから麦系と。三つのカテゴリーに分けて麹をつけるんですよ。
それは大変な手間ですね。
ホント手間かかりますよ。3倍の麹を作り、時間も3倍かかりますから。しかも一部は手作業なんで。
昔ながら作り方を大切に受け継がれているんですね。最近の醤油なんかは、あっという間にできてしまってびっくりしますね。
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おそらく市場に出てる99%ぐらいは温醸という、戦後開発された発酵熟成の仕方を採用されていますから。麹が大体、3日間でできます。室蓋でやったら4日かかりますもんね。その3日で作った麹を塩水と一緒に溶かし込んで、発酵の温度を管理していくわけですね。それによって3か月とか、最高で6か月なんですよ。短期醸造ともいいますね。うちはそれをやっていないんです、全く。すべて天然醸造っていって昔の作り方なんです。
どのくらいかけていらっしゃるんですか。
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自然一醤油の場合2年かかります。実は確固たる信念があったわけではないんです。工場をこちらに移転するときは私も父も、経営効率や商品展開のことを考えて温醸設備を取り入れようかっていうふうにも考えたんです。ところが、先輩醤油職人の方に「これまで通りの天然醸造がいいですよ」というふうに言われて、父もその人に師事してたんで、その方の言うこと聞いて天然醸造にしたのが今はよかったと思います。
すばらしい特色になりましたね、今ではもう本当に。
- JASの醤油の規格には窒素分の含有量が決められていますが、窒素分を出すには温醸法でも十分なんですね。旨みは出るんです。ところが香りの種類が少ないんです。醤油はやっぱり黒子役ではなければいけない、その調理素材を生かす存在でなければいけない、そういう醤油がいい醤油だと僕は思っているんで、醤油が前に出てしまうと、刺身の味でも何でもなくしてしまいますでしょう。だからやっぱりヒラメはヒラメ、カレイはカレイ、鯛は鯛の味がきちっと生かされるような醤油がいい醤油だと思っているんで、それには香りの成分、香りの種類がすごく大事なんですよ。その香りの種類が、天然醸造にすることによっていわゆる前熟・後熟の後熟段階で香りの種類がいっぱいできるんですね。野菜や魚、驚かれるんですがアイスクリームなど、そういった食品の様々な香りの成分を本来醤油が持っているから、いろいろな食材と不思議とマッチして相乗効果を起こすんですね。
- スプーンで一滴水に落としますと、温醸でカラメル色素が入っているような醤油は底に溜まって、天然醸造の醤油は水の中にさーっと広がるんですよね、熟成段階でよく分解されているので。醤油を見分ける方法として分かりやすいので、ご家庭でも試して頂きたいですね。全然別の物ですから。タンパク質がアミノ酸までしっかり分解されている醤油って、自然と対流するんですよね。面白いなと思います。 だから、料理は混ぜないといけないっていうのは、溜まるので。本物の調味料を入れれば混ぜなくていい。私たちは、料理するときに混ぜるなって言うんです。揺らすなと。勝手に対流するんで。それぐらい違いますから。だいたい温醸で作った調味料を馴染ませるには、力で混ぜないといけないんですよね。
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2年間じっくり熟成させます
正にスローフードですね。時間って、省略したら駄目なんでしょうね。
時間にしか作れないものはありますね。
化学はそうじゃないっていう前提に立ちますけど、やっぱり時間や季節の変化とか、再現しようと思っても無理ですし。
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皆さんで記念写真