自然発酵・天日干し 山口県祝島産びわ茶
釜炒り・手詰めの少量生産。ビワ葉はお手当にも使われる天与の恵み
祝島は豊かな自然環境を活かし
上関原発に頼らない暮らしを目指します
「びわ葉」は自然療法をご存知の方でしたらお馴染みのもの
温灸、湿布、煎じ汁、浴用などにも利用され昔から珍重されてきました
祝島産びわ茶は、そのびわ葉を自然発酵させ、
天日干しを繰り返し、釜で香ばしく炒りあげてお茶に仕上げています
ノンカフェインなので、妊婦さんやお子様にも安心
まいにち飲みたい祝島びわ茶
美味しくて豊かな香り。手作りだから届く味
天日干しされるビワ葉
山口県祝島は、島の対岸に上関原発建設計画が発表された30年前から、原発に頼らなくても自立して暮らせる島作りを目指し始めました。祝島びわ産直グループは当時から今にわたり、少量ながらもコツコツと島の恵みを活かしたビワ茶・乾燥ひじきなどを作り続けています。
祝島のびわ茶は、自然発酵、天日干し、釜炒り、手詰めで丁寧に作られた商品。年間に生産できる数が限られており、流通量も少なく貴重品です。
びわ畑で採れたびわ葉を、裁断、自然発酵、乾燥、釜炒り、選別、袋詰。という作業をすべて島内にて、手作業でおこなっています。香ばしく炒り上げられたビワ葉を煮出して淹れるビワ茶は、と~っても良い香りで、リラックス効果も抜群です。
さらに、びわ茶にはビタミン・ミネラルなどの有用成分も含まれており、毎日の暮らしをサポートします。
わたしたちが作っています
受け継がれる祝島びわ茶
祝島に移住後、びわ茶作りをしている
岡本さん家族
祝島でびわ茶を生産している、祝島びわ産直グループは、1980年代のはじめに、原子力発電所の建設に反対する祝島島民の婦人たちが、協力して立ち上げたグループです。
祝島びわ産直グループは「原発のカネに頼らず、暮らしていける島づくり」を目指しています。びわ茶だけでなく、ヒジキ、もずく、てんぐさなど、海でとれる海産物も、月の暦を活かした伝統的な方法で収穫、加工しています。
産直グループを立ち上げた島のおばさんたちは当時、子育てを終えたばかりの世代が多く、びわ茶づくりに、原発建設反対運動に、元気で活動的なグループでした。
発足から30年以上たったいま、産直グループの担い手は高齢化がすすみ、思ったようにびわ茶の生産計画が立てたれないことも、ままありました。
しかし現在では、島にIターンした移住者や、Uターンした若手が、ときには、島を訪れた祝島に関心をよせる学生たちが、島のおばさんの意思と技術を受けづいで、美味しいびわ茶をせっせと作っています。島の出身者、島外の出身者、老若男女が一緒となりびわ茶を作る姿に、これまでびわ茶を作ってきた祝島のおばさんたちも嬉しそうに目を細めています。
びわ茶作りを手伝った学生のコメント
- はじめは原発建設に反対する座り込みをする祝島の人たちに共感して、一緒に座り込みをさせていただきました。そのうちに、祝島を囲む瀬戸内海の美しさに気がつき、そこに暮らす祝島の人たちの暮らしそのものにも関心を寄せるようになりました。びわ茶作りをお手伝いさせていただきました。どの工程も手抜きがなく、ひとつひとつの工程に思いを込めて作っている姿にも共感しました。普段は都会暮らしですので、このような機会をいただけて本当に嬉しく思っています。
- びわ茶作りだけでなく、ひじき作りもお手伝いをさせていただいています。ひじきの収穫は月の暦をみて収穫することに、まず驚きました。満月や新月のときは潮が大きく引くから海藻が収穫しやすくなる。ということを話には聞いていましたが、実際に体験すると本当に感動的です。
引き潮と満ち潮では5メートル以上も海面が変化します。月の形が人の心理や身体に影響を与えるということをよく実感しました。ひじきを収穫したあとにゆでる鉄釜の大きさもすごいです。山からたきぎを刈ってきて、大きな鉄釜でひじきをゆで、天日に干す。「え、こんな原始的?な方法で!」と思いましたが、それで作ったひじきが本当に美味しくてまた驚きました。びわ茶、ひじきはお土産にもとても喜ばれます。本当によい思いでになりました。
瀬戸内海に浮かぶ祝島が「びわ」の島となるまで
万葉集にも詠われた祝島
瀬戸内海は遣唐使・遣隋使が渡った海路で、中国や朝鮮の船団も往来する、非常に重要な路でした。それを示すように、祝島の対岸(本州側)、上関町には朝鮮使節団の番所も置かれていました(のちに、萩藩の番所となっています)。地理的な特徴からみても、祝島は8世紀頃から、すでに都にも伝わる島であったと考えられており、万葉集にも登場しています
- 家人は 帰り早来と伊波比島 斎ひ待つらむ旅行くわれを
- 草枕 旅行く人を伊波比島 幾代経るまで斎ひ来にけむ
祝島は瀬戸内海の西端、周防灘の東端に位置しており、東から瀬戸内の島沿いに海路をとれる最後の島です。反対に九州の周防灘側からみれば、大分国東半島から本州を結ぶ最短の海路に祝島があります。
神舞・感謝を交わし続ける祭り
神舞で奉納される神楽
祝島には4年に1度、神舞という祭りがおこなわれます。その起源ともいわれている伝承があります。
現在から1100年以上の昔、大分県伊美の人たちが、山城国(現在の京都)石清水八幡宮より分霊を奉持して、瀬戸内海路を下向中、嵐にあい遭難して、祝島三浦湾に漂着しました。祝島に住んでいた人たちは、自分たちの暮らしも貧しいなか、漂着した伊美の人たちを救い、心からもてなしました。
祝島ではその時に、伊美の人から教わった荒神を祭り、農耕(麦作)を始めるようになったといいます。それにより、島民の生活は大きく向上したといいます。祝島の人はそのお礼にと、伊美別宮社に収穫した種をお返しする「種戻し」の参拝をするようになりました。
伊美別宮社は「種戻し」のお礼として、二十余名の神職、里楽師を迎え、祝島を斎場として神恩感謝の合同祭事を行うようになりました。これが神舞の起源であるともいわれています。
ミカン栽培から、びわ栽培への転換
自然に還りつつあるビワ畑もある
瀬戸内の温暖な気候は、ミカン、レモン、オリーブなどの栽培に適しており、周防大島ではミカン、小豆島ではオリーブなど、風土を活かした農産物を栽培している地域がたくさんあります。
祝島では、もともとミカン農家が多かったといいますが、農産物の輸入が自由化された際、生産コストの採算が合わなくなったため、ビワ作りを中心とするように変化していきました。
祝島の気候や風土がびわ生育に適していることもありますが、現在のように、祝島といえば「びわ」というイメージが定着した背景には、島の農家さんたちが「祝島ビワ」を多くの人に知ってもらうよう努力を重ねた成果でもあります。
生産者さんはこれまで、びわ茶以外の加工品も商品化しようと努力してきましたが、びわ果実は6月しか(祝島では)収穫できないため、その加工品もなかなか安定供給が難しいようです。その点、びわ葉は年間を通じて供給することができ、びわ茶の生産は農家、生産者さんの安定的な収入につながります(びわ葉も採りすぎる訳にはいかず、少量しかびわ茶は生産できないのです)。
生産者さんの声
気に入ったら祝島にも「きんさ~い」
- びわでも、ひじきでもまだ作ろうと思ったら作れるんですよ。でも、作る人がおらんのよ。みんな歳もとっていくでしょう。今は高齢者ばっかりだから祝島。昔はようけおったけどね~、戦後は都会の方が生きにくかったよね。食べものがなかったし。今は大阪とか、広島とかに、若い人は住んでるからね~。ときどき孫が来るけどね、きれいな海だ~、って喜んで遊んだりしてるの見てると嬉しいよね。
- びわ茶が欲しいという人はたくさんいるんですけど、なにしろ作る人がおらんのですよ笑 びわ茶を飲んで気に入ってもらえたら、祝島にも遊びにきんさい。原発建設予定地がどんなところなのかもみて欲しいよね。
- びわの葉をとってくるおじさんたちも、びわ茶を作るわたしたちも、もう歳だから、注文があっても作れんことがよくありましたよねぇ。それで、申し訳ないけど断ることもありました。残念だけどね。でも最近は、祝島に移住している若い人がいるんですよ、まだまだ少ないですけどねぇ。最近は一緒にびわ茶作りをやりよるんです。そのおかげで、だいぶ作れるようにはなりましたよねぇ、若い人はまだまだ元気だから。そうですけど、人がおっても、びわ葉がようできんときもあるから、たくさん作れない年もあるけどね。これからに期待できるよねぇ、祝島は。
やっぱり気になるQ & A
上関原子力発電所は建設されるのでしょうか?
祝島ではブタも飼育されています。
気持ちよさそうに寝ています~
今のところ、建設されないとも、建設されるとも言えない状況です。福島第一原発で起こった未曾有の放射能漏れ、原子炉爆発の危機・不安をみて、行政、企業、地域の人びとも原発建設に慎重な姿勢が続いています(しかし、計画は白紙になっていません)。
現在、建設現場の工事作業は一時的にストップしており、上関の自然環境は守られていると言えます。そのようななか、祝島は引き続き、原発建設計画の白紙撤回を求め、地域の自然環境を活かした地域づくりを提案して、びわ茶作り、ひじき収穫などに精を出しています。
2016年8月3日、山口県は原発建設予定地の公有水面を埋め立てるための免許の延長を許可しました(免許の期限は2019年7月6日まで)。2011年3月に起こった、福島第一原発事故を受け、県は免許の許可判断をこれまで先送りにしていました。しかし、福島第一原発の事故が完全に収まっているとはいいがたい、そして、放射能被害にあった地域、住民、生産者の方がたへの対応も、不完全と思える状況でなぜ、原発を作っていい免許を交付するのか。という怒りの気持ちが、祝島島民に広がっていることは言うまでもありません。
2016年8月6日、山口県が出した海の埋め立て免許交付の不服を訴えに、80人の祝島島民が山口県庁に抗議行動にでむいています。祝島島民は県知事との面会をこれまで引き続き求めていますが、今回も山口県知事は面会を拒否して、祝島島民の訴えを直接聞く姿勢をみせていません(建設に反対する県議、祝島島民の会代表者ら7名と県職員は面会して話し合いがもたれましたが、議論は平行線のままでした)。
祝島びわ茶のお味見コメント
ご愛用者さまレポート
- 夏は冷たくして、冬は温かくして飲んでいます。ホットもアイスもどちらも美味しいですよ。
- カフェインレスの飲み物を探していてびわ茶を知りました。個人的に香りが好みなのでリピートしています。
- 環境保全勉強会の販売ブースで初めて購入したときからリピートしています。珍しいイルカ、野鳥が多い地域の環境をまもるためにもお茶を作っている。ということもうかがいました。生産者の方々の背景にも関心がありますが、なにより美味しいので続けています。
- お茶が好きで、緑茶、ほうじ茶、紅茶etc いろいろ揃えて、毎日ティータイムを楽しんでいます。祝島びわ茶には生産地・生産者の方も明記されています。ただ美味しいお茶を飲むだけではなく、島の暮らしに思いを巡らしたりできますので、ほっこりとした時間が訪れるのが嬉しいです。