四国最長の川であり、日本最後の清流・四万十川。清流だからこそ棲むアユやアカメ、ゴリなど約１５０種以上もの川魚が生息しており、青のりなどの恵みも豊富です。初夏にはホタルの姿も見られ、大河でありながら山間をゆったりと流れるその姿に人々は魅了されます。そんな穏やかで静かに流れゆく時間を川と一緒に刻み込んだ「四万十ひのき」は、その淡くピンク色がかった木肌にしるされた豊かな表情が特徴的です。

四万十ひのきは、ヒノキ科の中でも特に精油成分が多く、高級まな板などの素材としても用いられる耐水性の高い木材です。水切れが早いだけでなく、乾燥にも強く、耐久性に優れています。

油分であるアルファピネンやボルネオール、および、ヤニ成分には高い抗菌作用があると言われます。また、ヒノキの香りは心穏やかにし、優しくいたわってくれます。様々な自然の恩恵がぎっしりと詰まった四万十ひのきは、私たちの暮らしに爽やかな命の息吹をもたらします。

土佐龍では、「四万十ひのきという素材を生かすためには何ができるか」という考え方が常に原点になります。もともと“素”という感性で、素材の本質を生かす工夫をしてきたのが日本文化ですから、その工夫を形にするのが土佐龍のデザインコンセプト。具体的には、できるだけ木を削らず、“板”としてのシンプルな存在感をまず生かすことから発想します。

また、間伐材を使用するのはもちろんのこと、製造工程で出る端材や副産物を利用した製品開発にも力を注いでいます。

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樹木は山にある時は命の元となる新鮮な酸素と水を安定供給してくれますが、例えば、ひのきの場合、70〜80年経つと伐採期を迎えます。伐採された木は、A級材、B級材、C級材と分けられ、建築材にならないB級、C級材はチップなど紙の原料になります。 幹はそのように活用されますが、枝と葉は全て廃棄されるのが一般的です。 土佐龍では木に感謝の念を込めて幹はもちろんの事、枝や葉にいたるまで全てを活用しています。「木の料理人」として与えられた素材を余すところなく活かす。たとえ節のある幹からでも、すべて活かして「料理」していく。土佐龍には、より良き「木の料理人」を目指す強い決意があります。

1970年創業の土佐龍は、50年以上もの間こだわりと信念を持って製品の開発・企画に取り組んできました。環境保護意識の高い土佐龍の製品は、日本国内だけでなく、海外でも高く評価されています。
国産材の利用を通じて山材を活性化し、CO2をたっぷり吸収する元気な森林づくりを進め林野庁の取り組みに賛同しています。

2006年には、国産材を日々の暮らしに積極的に取り入れていくライフスタイルを提案、その製品を通じてプロジェクトに貢献している企業のひとつとして、「木づかいニッポン」（登録番号A-(1)-060015)に土佐龍が認可されました。この認可によって、土佐龍の製品にはロゴマークが表示されています。

地球温暖化がもたらす様々な異変や弊害が、地球規模で進行し問題となっています。こうしたなか、正常な自然林の育成を促すために間伐は必要不可欠な行為です。間伐とは森林の成長に応じて樹木の一部を伐採し、過密となった林内密度を調整する作業のことを言います。間伐を行うことで「光が林内に差し込むため、幹や根が太く発達する」「下層植生が繁茂することで風害や山地災害に強くなる、森林の水源涵養機能や土壌保全機能が高くなる」など、樹木にとっても土壌にとっても健全な森林に育ちます。

土佐龍の家庭用品・インテリアグッズは四万十ひのきの間伐材や端材を利用しています。間伐により森を健康にし、森林がCO2を吸収する営みを活性化させ、同時にそれらの間伐により生まれた間伐材を利用して木製品を作り、市場に提供することで、カーボンオフセット（二酸化炭素量の相殺）と呼ばれるグリーン活動を行ってきました。

また、四万十ひのきには炭素を固定化する機能があります。炭素固定とは、木が空気中から取り込んだ二酸化炭素を炭素化合物として留めておく機能のことで、この機能により、大気中の二酸化炭素が削減されます。四万十ひのきの重さの半分は、そうやって固定化された炭素です。つまり、四万十ひのきを積極的に使うことは、二酸化炭素の削減に繋がるのです。

また、地元の木材である四万十ひのきを使うため、長距離輸送に要する余分な環境負荷がほとんど掛かりません。さらには、製造上の副産物となる端材や葉っぱに至るまで、また捨てられた集材や魚場を荒らす流木などの再利用など、廃棄をできる限り削減することで、新たなCO2消費を積極的に抑制しています。