代替コーヒー(代用コーヒー)特集
今さら聞けないデカフェやノンカフェインの違いから、代替コーヒーのさまざまな種類まで、いろいろとまとめてみました。
代替コーヒー(代用コーヒー)とは、コーヒー豆を使わずに
たんぽぽ、玄米、とうもろこし、大豆などを使って、コーヒーに似た風味を味わう飲み物のこと。
もともとは、戦時中などに赤道付近で産出されるコーヒーの輸入が滞り、
手に入りにくくなったときに考え出されたとされています。
ここでは、ノンカフェインコーヒーと並んで
カフェインを避けている方などに愛飲されている代替コーヒー(代用コーヒー)について
まとめてみました。
嗜好品は、体を冷やすものが多い
人間は本質的に陽性の生き物
コーヒーにはカフェインが含まれており、リラックスできるとして、食後や仕事の合間の休憩のとき、自宅でくつろいでいるときなどにコーヒーを好んで飲む方は多いと思います。
カフェインはコーヒーをはじめ、紅茶、緑茶、チョコレート(カカオ)などに含まれます。
これらのようないわゆる「嗜好品」は、陰陽でいうと陰性のものが多く、体を冷やしてしまいがち。なのになぜ嗜好品が欲しくなるかというと、人間は本質的に陽性の生き物なので、陰性のものを摂ることで陰陽のバランスをとろうとする(中庸の状態)からです。
しかし、普段からバランスを崩しがちな人が陰性のものを摂りすぎると、リラックスどころか体調を崩してしまうこともあります。
カフェインは身体に悪い?
カフェインは、アルカロイドという化合物の仲間。覚醒作用・解熱鎮痛作用があり、眠気や倦怠感、頭痛に対する効果があり、医薬品としても使用されています。
さらに、カフェインは自律神経に強く作用するということも近年の研究でわかってきました。健康な人が適量を摂取することにはなんの問題もありませんが、影響を受けやすい人もいます。そこで広まってきたのが、カフェインレス、ノンカフェイン、カフェインフリーといった言葉。「デカフェ」という言葉も聞いたことをある方は多いでしょう。ほかにもローカフェイン、カフェインゼロという言葉もあるようです。
これらの区分に少し触れてみたいと思います。
- デカフェ
- 本来カフェインを含んでいる飲料や食物からカフェインを取り除いたもの、あるいは従来はカフェインを添加していた飲食物への添加をしないことで、カフェインを含まない状態にしたもので、100%カフェインを含まないわけではない。
- カフェインフリー
- 本来カフェインを含んでいる飲料や食物からカフェインを取り除いたもので、100%カフェインを含まないわけではない。
- カフェインレス
- 本来カフェインを含んでいる飲料や食物からカフェインを90%以上取り除いたもの。
- ローカフェイン
- 本来カフェインを含んでいる飲料や食物だが、もともと含まれている量が少ないもの。
- ノンカフェイン
- もともとカフェインが含まれないもの。
- カフェインゼロ
- もともとカフェインが含まれないもの。
デカフェ、カフェインフリー、カフェインレスコーヒーは、水抽出法や二酸化炭素抽出法、カフェインを溶かす薬品を使う方法(日本では禁止されています)などでつくられます。
コーヒーのカフェイン量は?
全日本コーヒー協会のHPを参考に、コーヒーやその他の飲料のカフェインの量をまとめてみました。
飲料100ml当たりのカフェインの量 | |
コーヒー | 約60mg |
玉露 | 約160mg |
煎茶 | 約20mg |
紅茶 | 約30mg |
烏龍茶 | 約20mg |
欧米では、飲まれるコーヒー全体のうち10%がカフェインレスで飲まれるほど、カフェインレスやデカフェの認知度が高く、カフェインの摂取基準を定めている国もあります。
しかし、日本ではとくには摂取基準が定められておらず、カフェインの過剰摂取やカフェイン中毒で救急搬送される人もいるそうです。
1日にどれくらいコーヒーを飲んでもいいのか、というのは個人差があるので明確な基準はありませんが、多くても3~4杯くらいに留めておくのがよいと言われています。
健康な人でも代替コーヒーを選ぶ人が増えている
コーヒーというと「カフェイン」で、カフェインというと「身体に悪い」というイメージが先行していますが、コーヒーはカフェインのリラックス効果があるのはもちろんのこと、健康によいといわれるポリフェノールも豊富です。健康に問題のない方が飲み過ぎに気をつけて楽しむ分には、健康効果も期待できるといえるでしょう。
しかし、前述のとおり、普段から陰陽のバランスを崩しがちな方だったり、妊婦さんや授乳中の方など、カフェインを避けたほうがいい方がいるのも事実。そして、そのような方のなかには、カフェインは避けたいけれどコーヒー自体は好きだから飲みたい、という人も多いです。
そこで注目されているのが「代替コーヒー」「代用コーヒー」と呼ばれる、カフェインを含まないコーヒーです。近年では、リラックスタイムに飲む飲み物として、あえて代替コーヒーを選ぶ方も増えてきました。有名カフェチェーン店などでも、コーヒー豆を使わない代用コーヒーを置いているお店も増えつつあります。
代替コーヒー(代用コーヒー)とは?
代替コーヒー(代用コーヒー)とは、簡単にいうと、コーヒー豆を使わずに、コーヒーに似た味を再現した飲み物のこと。
タンポポ、大豆、玄米、チコリ、とうもろこしなどでつくられ、基本的にはカフェインを含みません。
もともとはコーヒー豆の流通が滞り、手に入りにくくなったときに代用品を使ってコーヒー風味の飲み物をつくったのがきっかけ。日本でも、第二次世界大戦中、貿易の制限を受けて珈琲豆不足に陥り、たんぽぽなどを使って代用になるものを作り、それが広まって今に至ります。
ここでは、いくつか代表的な代替コーヒーをご紹介します。
たんぽぽ珈琲
かんたろう たんぽぽコーヒー
タンポポコーヒーは、たんぽぽの根っこの部分を焙煎して挽き、お湯で抽出してつくられます。日本でも戦時中に飲まれ、現代も妊婦さんなど、広く飲まれる代用コーヒーです。
味は、「麦茶とコーヒーの間くらいの味」で、どちかというとハーブティに近いものが多いです。コーヒーと思って飲もうとするならば、アメリカン珈琲のような感じでしょうか。タンポポ茶として販売されているものも多いようです。
たんぽぽの根にはカリウムが豊富に含まれており、身体のコンディションを整えたいときには非常におすすめです。また、たんぽぽ(ダンデライオン)は、昔から母乳育児を頑張っているママにオススメのハーブとして広く知られており、たんぽぽ珈琲は妊婦さんによくすすめられる代用コーヒーとなっています。
ただし、キク科の植物なので、ブタクサや花粉にアレルギーのある方にはおすすめできません。かかりつけ医に相談してから飲むようにしましょう。
玄米珈琲
プレマオリジナル 玄氣陽氣の素(玄米コーヒー)
玄米コーヒーは、玄米を遠赤外線でじっくりと焙煎し、黒焼きにしたもの。玄米の豊富な栄養価が魅力の代替コーヒーです。味は、限りなくコーヒーに近く、じっくり炒りあげた香ばしさと、米のほのかな甘みが特長です。
「黒焼き」は玄米だけに限らず、自然のものをまるごと黒く焼いた食べ物で、日本では古くから民間の健康法としてつくられてきました。玄米は、黒焼きにすることで、高い栄養価はそのままに新たに玄米ポリフェノールやミネラルが生まれ、身体を元気にしたり美容の効果も期待できます。
玄米の健康効果はここで触れる必要がないくらい広く知られているので割愛しますが、40種類以上の栄養素をもち、今注目の「ファイトケミカル」も多く含まれています。
牛乳や豆乳、蜂蜜、黒砂糖などとも相性抜群なので、お好きな飲み方で飲むことができます。さらに、飲むだけでなく、クッキーなどのお菓子作りに使うこともでき、愛用者が非常に多いです。
チコリ珈琲
アリサン 穀物飲料 チコリ
「チコリ」というとあまり聞きなれない人も多いと思いますが、チコリはヨーロッパ原産のキク科のハーブです。タンポポ珈琲と同じく、根の部分を焙煎して挽き、お湯で抽出してつくられています。味は、香ばしさとともにほろ苦さがあり、エスプレッソをやわらかくした印象。すこしハーブの薬草のような味もしますが、そこまで気になるものではなく、ミルクや砂糖と相性がいいので混ぜると飲みやすくなります。
フランスではチコリコーヒーが広く飲まれているそうです。アメリカ・ニューオーリンズを舞台にした1986年の映画『ザ・ビッグ・イージー』にも登場したチコリコーヒーは、健康効果やおいしさに注目が集まっています。
チコリの花
チコリの根は、食物繊維の「イヌリン」が豊富に含まれており、毎日の健康に役立ちます。イヌリンは水溶性食物繊維なので、スッキリのサポートも期待できます。
また、チコリは必須栄養素であるマンガンとビタミンB6も含み、有用な効果があるともいわれています。
ただし、チコリはキク科の植物なので、ブタクサや花粉にアレルギーのある方にはおすすめできません。また、妊娠中、授乳中の女性にはマイナスの影響もあるようなので、かかりつけ医に相談してから飲むようにしましょう。
大豆珈琲
プレマオリジナル ビヨンドコーヒー®(大豆コーヒー)
大豆コーヒーは、大豆を焙煎してお湯で抽出してつくられます。味は、ほんのり大豆の甘みを感じるものが多いですが、焙煎の仕方や豆の挽き方によってかなり変わると言われます。コーヒーが好きな方も苦手な方も、一度は試す価値がある代替コーヒーです。
言わずもがな、大豆は別名「畑の肉」ともいわれるとおり、非常に栄養価が高く、ヘルシーな食べ物です。良質なたんぱく質、大豆イソフラボン、大豆サポニン、大豆レシチンなど身体のコンディションを整える働きのある栄養素が豊富に含まれています。さらに、大豆コーヒーは、コーヒー豆でつくったコーヒーと同じようにポリフェノールも摂れるので、高い健康効果が期待できます。女性に人気で、美容効果も期待できるといえるでしょう。
健康志向の方に愛用者が増えつつある、新しいジャンルの代用コーヒーです。
穀物珈琲
ビオピュール 穀物コーヒー
穀物コーヒーは、大麦やライ麦、チコリなどを焙煎したコーヒー風味の飲み物のこと。コーヒーと紅茶をブレンドしたような味で、フランスをはじめ、ヨーロッパに広く浸透している飲料です。前述した「チコリコーヒー」は、この穀物コーヒーの一種で、穀物コーヒーのうちチコリ100%でつくられたもの、ということになります。
穀物コーヒーは、チコリの根がコーヒーの味に近いことから、大麦などといっしょにチコリが使われることが多いです。よって、チコリの健康効果が期待できるのはもちろん、大麦に含まれる「β-グルカン」という食物繊維や、ライムギに含まれるビタミンBなどで、美容のサポートにも役立ちます。
小豆珈琲
小豆コーヒーは、小豆を焙煎して皮ごと粉砕した粉をお湯で溶いたもので、この粉のことを「ヤンノー」ともいいます。ヤンノーは、ちなたの喫茶店などで出されている、コーヒーにあずきやあんこを混ぜて甘くしたものとは別物です。味はコーヒーというよりはむしろ小豆茶といったほうがふさわしく、見た目もお茶に近いことが多いです。
あずきは身体をいたわってくれる食べ物で、ビタミンB1が多く含まれています。
とうもろこし珈琲
とうもろこしの飲みものというと、コーヒーより「コーン茶」として煮出すもののほうがよく知られていますが、コーンを香ばしく焙煎したとうもろこしコーヒーもあるようです。ただし味はコーヒーというよりは麦茶に近いのだとか。
とうもろこしは、世界三大穀物(米・小麦・とうもろこし)のひとつで、イネ科の植物。タンパク質と糖質が主成分で、甘くておいしいので、茹でるだけでおやつやサラダなどに使えて、広く愛されています。
とうもろこしはほかの野菜に比べると高カロリーではあるのですが、糖質が吸収されやすい性質をもち、元気がほしいときや栄養補給に役立つと言われます。さらに、食物繊維も豊富でビタミンEやリノール酸も多く含まれ、ミネラルも豊富。身体のコンディションを整えるのに有用です。
ただし、代用コーヒーとしてコーヒーの代わりになりそうな「とうもろこし珈琲」は、巷ではほぼ見かけません。
どんぐり珈琲
どんぐりコーヒーは、どんぐりを焙煎し、粉に挽いてお湯で抽出したものです。味は甘く、コーヒーというよりはどちらかというとほうじ茶のような味わいで、健康茶として飲む人が多いようです。
どんぐりの成分は、大半が炭水化物なので、縄文時代などは、主食代わりにエネルギー源として食べられていたこともあるそう。当時の遺跡からは、どんぐり粉でつくられた食物も発掘されているんだとか。スペインのイベリコ豚がどんぐりで飼育されているというのは有名な話ですね。
どんぐりは、滋養源になるだけでなく、アミノ酸やビタミンA、Cを多く含んでいます。さらに、どんぐりに特徴的なのは「アコニック酸」という成分。この成分は身体をキレイにしてくれるといわれます。
ただしこちらもとうもろこし珈琲同様、「どんぐり珈琲」として商品化されているものはめったになく、なかなか手に入りません。ご興味のある方は、ご自身でつくってみるのも手かもしれませんね。
代替コーヒーで健康的な生活を
このように代替コーヒー(代用コーヒー)にはいろんな種類があり、味、香り、見た目、期待できる健康効果もさまざま。
ひとつ言えるのは、カフェインを含むものから取り除いたのではなく、もとからカフェインを含まないので、カフェインを気にされる方には非常におすすめということです。
プレマでもさまざまな代替コーヒーを取り揃えておりますので、ぜひ一度お試しいただき、ご自身の体やお好みに合うものを見つけてみてはいかがでしょうか。